帝京大との全勝対決 悔しい敗北に終わる/関東大学対抗戦
勝てば2年ぶりの関東大学対抗戦(以下、対抗戦)優勝に王手をかける今試合。相手は昨年度一度も勝利することができず、夏合宿の練習試合でも完敗している帝京大だ。両校強みにしているセットプレーがカギを握るも、明大は流れをつかむことができない。途中修正力を見せるが反撃及ばず、対抗戦初黒星となった。
◆11・20 関東大学対抗戦Aグループ(秩父宮ラグビー場)
▼対帝京大戦
明大13{6―12、7―17}29帝京大○
対抗戦全勝対決。まず試合を動かしたのは明大だった。試合開始直後、左ロック山本嶺二郎(法3=京都成章)のジャッカルで帝京大のペナルティーを誘い、左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)のペナルティーゴールが成功。先制点を決める。勢いをつけたかった明大だったが、3分にはディフェンスのスキを突かれトライを献上。その後右プロップ為房慶次朗(文3=常翔学園)のゲインが光り敵陣22メートル内まで攻め込むも痛恨のノックオン。「その後ミスになったので自分でいけば良かった」(為房)。昨年度の全国大学選手権(以下、選手権)決勝では歯が立たなかったスクラム。会場中の視線が集まる中、今試合のファーストスクラムが組まれる。しかし帝京大の壁は高く、明大がコラプシングを取られてしまう。「相手の方が8人でまとまってしっかりチェイスして前に出てきた」(左プロップ中村公星・情コミ4=国学院栃木)。その後もスクラムの時間が続くも立て続けにペナルティーを奪われる。FW勝負で劣勢になりBK陣までボールを回すことができない。それでも前半も終盤に差し掛かると帝京大スクラムの圧に耐え相手のコラプシングを誘うことに成功。会場も大きな盛り上がりを見せた。そして廣瀬のペナルティーゴールも決まり、6―12で試合を折り返す。
相手スクラムの攻略が少し見えてきた前半から、いい流れでスタートしたい後半。しかし3分、明大のロングパスをインターセプトされ帝京大に追加点を許してしまう。「ディフェンスもアタックも我慢はできていたが、少しの綻びや細かいミスが失点につながってしまった」(右センター齊藤誉哉・文4=桐生一)。後半にも相手ボールのスクラムでコラプシングを奪う場面もあった。「押す方向をしっかり統一したのと気持ちの部分で修正できた」(右フランカー福田大晟・商2=中部大春日丘)。しかし試合全体を通して終始FWは劣勢に。その中でBK陣が意地を見せる。17分、相手のフラットなパスをハーフウエーライン付近で廣瀬がインターセプト。追ってくる相手ディフェンスを振り切り待望のトライを決めた。「ボールがくると思って狙って行った」(廣瀬)。さらに追加点を狙いたい明大だったが、ミスが続き敵陣に攻め込むことができない時間が続く。ディフェンスでは明大が粘りを見せるも、最終スコア13―29でノーサイド。昨年度大学王者帝京大を倒すことはかなわなかった。
今試合の敗北で対抗戦優勝は逃したものの、選手権優勝に向けてセットプレーや、トライを取り切れないミスなど課題が多く見つかった。次戦は対抗戦最終戦・明早戦。「自分たちの課題を明確にして明早戦に備えていきたい」(石田)。最後まで『前へ』を体現するラグビーに期待したい。
[豊澤風香]
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