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大会後半戦 自由形で魅せた田渕 2個の銀メダル獲得/ジャパンオープン
水泳(競泳) 2023.12.06後半戦を迎えたジャパンオープン。海外勢や高校生が存在感を見せ、大いに盛り上がりを呈した。その勢いに乗り明大勢も躍動し、自己ベストや好結果を連発。中でも、松山陸(商4=春日部共栄)は今大会2個目の銀メダルを獲得、田渕海斗(情コミ3=日大藤沢)は3日目に400メートル自由形、4日目には800メートル自由形で銀メダルを獲得した。 ◆11・30~12・3 ジャパンオープン(東京アクアティクスセンター)◆3日目▼男子50メートル背泳ぎ2位 松山 25秒16▼男子400メートル自由形2位 田渕 3分49秒127位 庭野 3分53秒63▼男子200メートルバタフライ6位 上川畑 1分57秒84 ◆4日目▼男子800メートル自由形2位 田渕 7分56秒94▼男子50メートル自由形8位 五味 22秒82▼男子200メートル平泳ぎ7位 廣島 2分12秒65 大会3日目には男子50メートル背泳ぎで松山が登場。銀メダルを獲得した前日の勢いそのままに会心の泳ぎを見せた。得意のバサロキックで好位置につけると、大接戦を繰り広げ優勝争いを展開する。タッチの差で前日の男子100メートル背泳ぎに続き2位となったが、予選決勝ともに自己ベストを更新。「陸上でのトレーニングだったりウエートトレーニングが爆発的なスピードにつながる」(松山)と、練習法を変えたことによる今大会好調の要因を明かした。 大会3日目の男子400メートル自由形、最終日の男子800メートル自由形では田渕が銀メダルを獲得。両日ともに、強豪・オーストラリアのマシュー・ガレアとの白熱した戦いを繰り広げた。また、男子400メートル自由形では2年ぶりとなる自己ベスト更新。「去年のジャパンオープンと比べるとやはり速くなっているので、その点で自信がついているなという感触とこれがオリンピックイヤーかという気持ち」(田渕)と自身の確かな成長を実感し、来年3月の国際大会代表選考会(以下、パリ五輪選考会)に向けての熱意を示した。 廣島偉来(政経3=淑徳巣鴨)は、最終日の男子200メートル平泳ぎに出場。決勝に進出し、7位となったもののレース内容には納得いかず。「(本格的な練習は)まだ何もできていない」(廣島)と、これから厳しい練習で追い込んでいく覚悟を見せた。さらに廣島はパリ五輪選考会のみならず、来年2月にカタールで行われる世界選手権にも出場する。「カタールでいいタイムを出して、3月のパリ五輪選考会に臨めれば」(廣島)と大舞台をも糧にしようとする心意気をあらわにした。 それぞれが手応えや課題をつかんだ4日間。多くの選手が見据えるのは3月のパリ五輪選考会だ。冬の強化期間を充実させ一段と成長し、1人でも多くの選手が憧れの舞台への切符をつかむ3月になることを期待したい。 [中川美怜、橋本太陽] 試合後のコメント松山――タイム面ではいかがでしたか。 「24秒を出したかったのであまり満足できていないですし、明らかにオーストラリアの選手と接戦だったのは分かっていたのですが、勝ち切れなかったですね。やはり優勝したかったので、まだまだ課題がたくさんあるなと感じています」 田渕――自由形の強豪国のオーストラリアの選手に対して接戦を繰り広げました。実際に泳いでみてどんな経験を得ましたか。 「今大会で9レース目になったので疲労はもちろんあったんですけど、もう少し速く泳げたなというのが正直なところです。こうして海外選手と真剣勝負できたという点ではいい経験になったかなと思います」 廣島――ここ最近の調子はどう体感されてますか。 「練習もまだ全然積めていないですし、レースの練習もしていなくて、まだ何もできてない状態です。 12月と1月で上げていきたいなと思います」READ MORE -
インカレ開幕直前特集 座談会①
ウエイトリフティング 2023.12.061年の集大成となる大会がいよいよ始まる。12月9~10日に日大生物資源科学部体育館にて全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)が開催。昨年度は団体7位に終わり涙をのんだ。目標の3位入賞へ、チーム一丸となって全国の猛者たちに挑む。 本特集ではインカレ登録メンバーによる座談会の様子をお届けします。第1回は深田幸暉(農4=埼玉栄)、坂口颯基(政経4=須磨友が丘)、深見健(政経2=安曇川)、森本凌功(営2=紀北農芸)ら4選手による対談です。(なお、この取材は11月25日に行われたものです) ――インカレメンバーに選ばれた感想を教えてください。深見 「自分は去年も出させていただきましたが、調子よく点数面でも貢献できたと思います。今年は去年以上に貢献できるように頑張ろうと思っています」深田 「まさか最後の最後で選ばれると思っていなかったので、やると決めたからには最後までやり切れるように頑張りたいと思っています」坂口 「最初にありがたいという気持ちが一番強くて、昨年も出させていただいたんですけどもふがいない結果に終わってしまったので、今年は昨年以上に点数を取れるように頑張りたいと思っております」森本 「僕は正規のメンバーではないですが、坂口先輩が出られない場合にその補欠として正規になって最後は頑張ってチームに貢献したいと思います」 ――今年度の大会を振り返っていかがでしたか。深見 「自分は正直調子が悪い時がずっと続いていて、いろいろ試したけれどうまくいかないことが多くて、かなり苦しんだ時期でした。いろいろ試していって今調子は上がってきていると思うので、今までで一番苦しんだ時期だとは思いますが自分の身になったというか、勉強になった1年だったなと思います」深田 「自分も今年は不調の方で、最後にも関わらずもう諦めた雰囲気とか出したりして前半から中盤にかけてボロボロだったので、ここから乗り越えて上げていけたらいいなと思っています」坂口 「詰めが甘い1年だと思っていて、10月ごろからぎっくり腰になってしまって今も引きずっていますが、そういったこともこれから残り少ない中調子をどんどん上げていけたらいいなと思っています」森本 「試合はたくさん出ましたが、やはりむらがあったりいいとき悪いときがあったので、今回の試合に出るときは最後は調子を合わせて頑張っていきたいなと思います」 ――深田選手と坂口選手、深見選手と森本選手は同期ですが、お互いの印象を教えてください。深田 「対策とかこうと決めたことは絶対やるような性格だと思っているので、今回の試合でもきっと大活躍をしてくれると思います」坂口 「4年間一緒にいますが負けず嫌いな性格だと思っています。試合とか勝負事においても今回が最後の試合にお互いなるので、負けず嫌いさを発揮して彼も大活躍してくれるんじゃないかなと思います」深見 「本人も言った通りむらがある性格というか、やる気あるときとないときの差がすごいとは思いますが、しっかりやる気あるときは自分が調子落ち始めてモチベーションが落ちているときとかに引っ張ってくれたりするので、すごく頼りがいがある同期です」森本 「深見は自分たちの学年でも一番競技力が強く、練習における姿勢が自分たちの学年の中で一番意識が高くて、尊敬する部分しかないです。今回はこの試合に向けてすごく対策や研究しているのですごい結果を出してくれると思っています」 ――今のチームの雰囲気を教えてください。深見 「去年も雰囲気を見ていて思いましたが、調子が上がっている人は多いと思います。特に4年生は最後の試合になる人が多いので、ウエイトに対する姿勢が今まで以上に向き合っているなというのは感じます。自分もそうだし4年生も全体がいい結果で終われるように雰囲気づくりするのが大事だなと思っています」深田 「やはりインカレってこともあってチーム全体が盛り上がっているなっていう印象ですね。メンバーに選ばれた人だけではなく、メンバー外の人もメンバーの背中を見てみんな頑張り続けるいいチームになっていると思っています」坂口 「一言で言ったらがっつりしています。4年生だけではなく、1、2年生から3年生、メンバーに選ばれなかった人も試合の残り日数が近づくにつれて意識も高まって、それぞれの練習に向き合っている感じはします」森本 「チーム全体でインカレに向けて切磋琢磨(せっさたくま)して全員でそこに向かえてると思うので、このまま自分たち出る出ないに関わらず出る選手を最高のコンディションで送れるように自分たちもサポートするつもりです」 ――ウエイトリフティング部のSNSで投稿されている練習風景では本番さながらの声掛けが印象的ですが、意識していることはありますか。深見 「試合もそうですが、個人競技でありつつも周りの支援があると自分もやる気になるというか、やらないといけないといういいプレッシャーになり、練習でもやはり大事なことだと思うのでみんな声出すようにはしています」深田 「そうですね。深見君が言った通りだと思います」坂口、森本 「間違いないです(笑)」 ――競技をする上での原動力を教えてください。深見 「自分は大学4年の時に地元の滋賀県で国体があって、それが一番の目的として今やっています。正直今の滋賀県もレベル高くて今の自分でも国体でいい順位取るだとか、そもそも国体に出られるのかっていうのも怪しいラインですが、今までお世話になった人たちに恩返しできるようにと考えているのでそこを目標にしています」深田 「原動力としてはやはり毎回新記録とかに挑戦することの楽しさとか、成功したときの達成感やうれしさが染みついているので、それを原動力に頑張っています」坂口 「僕は大学の大舞台であるインカレに出場したいという気持ちと、やはり数字が重量を上げることによって増えていく楽しさ、そういったものを原動力として練習に日々取り組んでいます」森本 「自分の原動力としては、応援してくれている家族とか友達とか祖父母などが試合の際にラインをくれたりするので、すごく頑張りたいと思っています」 ――競技に打ち込む毎日ですが、何か息抜きの方法はありますか。深見 「自分はどちらかというと外でというよりはゆっくりする方が好きなので、ゆっくりアニメ見たり最近は部屋でよく桃鉄(桃太郎電鉄)とかやったりしているので、そういうので楽しみながら休んでいます」深田 「自分も外に出て活動するというよりは室内にいて、趣味がプラモデル製作なのでそういうので精神統一したり、あとは後輩と一緒にゲームをしたり自分でゲームしたりと普通に過ごしています」坂口 「僕もどちらかというとインドアなので、最近は呪術廻戦よく見ているんですけどそれが息抜きですね」森本 「自分はアウトドアで外でもバリバリ遊んでいます(笑)」 ――最後に団体3位入賞に向け、個人の目標を教えてください。深見 「自分は去年2位に入らせてもらいましたが、正直他大学の争いでたまたま抜けて2位になったというだけなので、今年はしっかり実力で優勝目指していきたいです」深田 「自分は点数とかランキング表である程度分かってはいますが、それよりも1点でも多く取ったり、できるだけ成功本数を増やしていい試技をして、次につなげるような試合にしたいなと思っています」坂口 「昨年も出させていただいたんですけど点数を取ることはできなかったので、今年は1点でも多くの試技を成功させて、チームの団体の得点のために少しでも助けになればいいかなと思っています」森本 「試合に出た時には1点でも多く取って団体3位に貢献できるように頑張ります」 ――ありがとうございました。 [高橋佳菜]READ MORE -
江川がSPから巻き返し総合優勝 男子は菊地が優勝/都民体育大会
フィギュアスケート 2023.12.05都民体育大会は2日目を迎え、男女ともにFS(フリースケーティング)の試合が行われた。明大からはSP(ショートプログラム)1位の菊地竜生(政経1=目黒日大)、2位の松井努夢(政経4=関西)、女子はSP3位の江川マリア(政経2=香椎)と5位の堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)が出場した。 ◆12・2〜3、10 都民体育大会(ダイドードリンコアイスアリーナ) 江川は前日のSPでは本領を発揮できず3位からのスタートとなった。「SPの失敗は、メンタル的な問題が大きくて技術的なこと自体は問題なかったので、切り替えて自信をもって臨んだ」と気持ちを新たにFSの舞台へ。「マリアちゃんがんば!」という客席からの大きな声援と拍手を受け、にこやかに滑り出した。しなやかな上半身の動きと安定したスケーティングで観客を江川の『O』の世界観に引き込む。「落ち着いて跳ぶことができた」と冒頭の3回転ルッツを成功させ、続く五つのジャンプを見事着氷。跳び上がってから着氷するまでの飛距離が長く、ブレのないジャンプでその実力を示した。最後のサルコーは「最後のジャンプだと思って力が入り過ぎてしまった」と惜しくも転倒。それでもSPからの追い上げを見せ1位に輝いた。 本人は「順位以上に、SPとFSを合わせることができなかったのが一番悔しい」と振り返る。江川にとって今大会は全日本選手権(以下、全日本)へのステップとしての役割もあった。今回の大きな収穫を糧に、いよいよ大本命の試合へ挑む。(写真:笑顔で踊った堀見) FSは鮮やかな青とスカートのフレア部分に黄色を取り入れた爽やかな衣装の堀見。黒く大人っぽい衣装のSPとはまた違った魅力で『ラ・ラ・ランド』を踊る。プログラム構成の難易度を上げ臨んだ今回は「とにかく逃げないで攻めようという気持ち」で挑んだ。試合前に入念にジャンプの動きを確認し、気持ちを整える。6分間練習でも何度もジャンプを跳び感覚をつかむ姿が見られた。冒頭の3回転ルッツでは転倒してしまったが「最初のルッツやループは、しっかり締めることができた」。跳ぶジャンプの種類が増えたことで見応えのあるプログラムとなった。そして堀見の一番の魅力である演技中の笑顔は今回もきらきらと輝いた。「体力が最後までもたなかった」と振り返ったが『Someone in the crowd』の盛り上がりに合わせたフィナーレでは観客の手拍子も誘い、華やかにステップを踏んだ。 (写真:力強い演技をした菊地) 「前日のSPでの失敗をFSでは成功させたい」。菊地は強い意志を持って最終滑走に登場した。6分間練習では何度もジャンプを確認していたが、本番では冒頭の4回転サルコーから失敗。ジャンプでのミスを連発し「ミスを引きずって良くない演技をした」と悔しさを見せた。 勇ましいリズムを刻む音楽に乗せ、大きなジャンプとスピードあるスケーティングで迫力満点の滑りを見せる。そして曲調が変わる中盤では静かなメロディーに合わせる演じ分けによって、強弱のある滑りとなった。シニア仕様のこのプログラムは、菊地の鋭い表情と力強いジャンプをより引き立てる。シニアの枠での経験を積み、深みのある演技を見せる姿に一層期待がかかる。(写真:深いスケーティングを見せた松井) 「出番を待っている間も深呼吸をたくさんしていた」と緊張感を見せた松井。「絶対にジャンプのパンクだけはしたくない」と語っていたが、冒頭のトーループから失敗。続く3回転サルコーと2回転トーループの連続ジャンプは成功させた。ジャンプでの惜しい失敗はいくつかあったが『ファンタスティック・ビースト』の世界観は最後まで演じ切り、試合後は「やってしまった」と少しの悔しさの中にも明るく前向きな表情を見せた。 そして、試合後にファンの方から花束をもらったという。「僕が中学や高校生くらいの時から見てくださっていて、最後の試合にも来てくださっていたのが感慨深くてすごくうれしかった」。ずっと続けてきたスケートの大会は、ファンや両親、コーチが見守る中、総合3位で表彰台に立って別れを告げた。 各選手がそれぞれの目標に向かって努力を重ねている。結果や順位にとらわれず、技術や反省点を生かし今後のさらなる成長に期待がかかる。 [新村百華] 試合後のコメント江川――FSの内容はいかがでしたか。 「前半はよく動いていたのですが、だからこそ後半の動きのもたつきが目立ってしまうので、もっと後半を強化しないといけないなと思いました」 ――全日本への意気込みや目標を教えてください。「全日本ではSPもFSもしっかりそろえて、昨年のリベンジをしたいです」 堀見――演技を振り返ってみての感想を教えてください。 「体力が最後までもたなかったなという印象です。やはり、難度も上げたし転んでしまったのでそこが体力を奪われてしまった原因だと思います。でも、新しい事に挑戦したことで課題も見つかったので、いい試合でした」 ――総合5位という結果はどのように受け止めていますか。 「結果については、実力通りというかもう少しジャンプが決まれば上にいけたなという感じです。もっと上位を目指して、ジャンプをしっかり成功させられるように頑張りたいと思いました」 菊地――シニア仕様のプログラムでしたが、表現面などで意識したことなどがあれば教えてください。 「東インカレ(東日本学生選手権)で初披露でしたが曲が途中で止まってしまったので実質今回が初披露でした。身体の上下の動きを意識していました」 ――次戦に向けての目標を教えてください。 「インカレ(日本学生氷上競技選手権)に向け気持ちを切り替えてベストな演技をできるよう頑張ります」 松井――演技を振り返ってみていかがでしたか。 「ジャンプが全て入らなかったのは惜しいところではありますが、コレオシークエンスも滑れたし、最後も体力は残っていたから最後のステップも動けたのでそれは良かったかなと思います」 ――最後の大会への特別な思いはありましたか。 「試合後にファンの方が花束をくださったのですが、それが本当にうれしかったです。そこで少し終わりという実感が湧きました。僕が中学や高校生くらいの時から見てくださっていて、最後の試合にも来てくださっていたのが感慨深くてすごくうれしかったです。それをいただいた時は少し泣きそうになりました」 READ MORE -
明早戦史上最多得点 激しい攻防を経て伝統の一戦制す/関東大学対抗戦Aグループ
ラグビー 2023.12.04雲一つない冬晴れの空の下、関東大学対抗戦(以下、対抗戦)最終戦・早大戦が国立競技場で行われた。前半は早大相手に1本もトライを許さず、圧倒的な攻撃力で点差をつけ強さを見せつける展開に。しかし、後半は早大の意地が感じられる攻撃に反撃を許し追い上げられるも、最後まで明大も攻撃の手を緩めることなく見事勝利。58―38という明早戦史上最多得点の攻防を制し、伝統の一戦で早大を下した。 ◆12・3 関東大学対抗戦Aグループ(国立競技場)▼対早大戦 ○明大58{27―3、31―35}38早大 スタンドのファンやOB、OGの方々との校歌の大合唱で幕を開けた伝統の一戦。「鳥肌が立った。これはやらなきゃいけないなという気持ちにさせてくれた」(フルバック池戸将太郎・政経4=東海大相模)。まず先に試合を動かしたのは明大。前半5分に相手ゴールライン前でのマイボールラインアウトからモールを形成すると、そのまま前へと押し込んでいく。最後はフッカー松下潤一郎(法4=筑紫)が左の空いたスペースに飛び込み先制トライ。その後の23分にも同様の形で松下がトライを挙げ、明大が試合の主導権を握った。「少し空いたスペースに思い切って出たらトライにつながったので良かった」(松下)。開始から強さを見せつけるFW陣に負けじと、続く31分にはBK陣が攻撃を仕掛ける。敵陣22メートルラインの中央でできたラックからボールを放り出すと、右サイドに次々とパスを展開。そしてスタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)が大外に走り込んでいた右ウイング安田昂平(商3=御所実)にラストパスをつなぎ、そのままグラウンディング。「帝京大に負けてから本当に明治のラグビーを突き詰めてきて、それを全員が体現できたような前半だった」(伊藤耕)。ディフェンス面も好調を見せ早大をノートライに抑えると、27―3という点差をつけ完璧な形で前半を終えた。 このまま勢いに乗り続けたい明大は、後半も開始早々から追加点を挙げる。後半6分、相手ゴール前で伊藤耕がキックチャージに成功すると、そのまま前に転がったボールを自らが拾い上げトライ。「僕のミスからのプレーだったので、そのミスを自分のプレーで取り返すことができてよかった」(伊藤耕)。続く27分には早大にモールからパスで展開されるとそのままインゴールまで運ばれ、明大としてはこの試合初となるトライを献上。その後もう1トライを取られるも焦ることなくプレーを続け、直後の32分に安田がディフェンスを振り払いながら右サイド走り抜けインゴールへ。「早大にトライを取られて悪い雰囲気があったので、あのタイミングで自分のトライを取れたのはうれしかった」(安田)。しかし、このまま簡単には終われないのが明早戦だった。「早大の盛り返してやろうという気持ちに対して自分たちが追いつけていなくて、少し気が抜けた部分を早大に突かれてしまった」(右ロック亀井茜風・政経4=長崎北陽台)。34分に右サイドに空いたスペースを突かれトライを挙げられるとそれが反撃ののろしとなった。36分、39分と立て続けに追加点を許し、一気に連続3トライを献上してしまう。だが、点差を8点差まで縮められ会場の空気が早大に傾きかけたその時だった。リザーブとしてベンチから出てきたばかりの登根大斗(法3=御所実)がラックからこぼれ出たボールを拾い上げ、そのままインゴールへ飛び込みグラウンディング。「明治にもう一度アタックマインドを持たせられるように敵陣でしっかりプレーして、そこにみんなの働き掛けがあったからこそあのビッグプレーがあった」(登根)。このトライで勢いを取り返した明大は、45分に左ウイング海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)がダメ押しの追加トライで点差を広げる。最後も早大の気迫のこもった攻撃に対して粘り強いディフェンスを見せ守り切り、最終スコア58―38で見事伝統の一戦を制した。 宿敵相手に勝利を挙げた明大だが「全体的にチームとしていい部分も悪い部分もたくさん見えた」(左フランカー森山雄太・政経4=東福岡)とこの結果に慢心はしていない。今試合の結果により対抗戦2位となった明大は、12月23日に全国大学選手権(以下、選手権)の準々決勝を初戦に迎え、筑波大と流経大の勝者と対戦する。「今日出た課題をポジティブに捉えてしっかりと修正し、いい状態で選手権に向けてやっていきたい」(池戸)。今年度こそ強い明大を取り戻し王座奪還へ。日本一に向け絶対に負けられない戦いがこれから始まる。 [久保田諒] 試合後のコメントまとめはこちら→①、②READ MORE -
(女子)悔しさ残るも江川がSP3位発進 堀見は充実の5位発進/都民体育大会
フィギュアスケート 2023.12.03国民スポーツ大会冬季大会(以下、国体)の東京都代表予選でもある今大会。明大からは堀見華那(商3=愛知みずほ大瑞穂)、江川マリア(政経2=香椎)が出場した。大会初日のシニア女子SP(ショートプログラム)では、江川が3位、堀見が5位に入った。 ◆12・2〜3 都民体育大会(ダイドードリンコアイスアリーナ) 「練習でしないぐらいのジャンプのミスがあった」。演技終了後、悔しさを顔に浮かべた江川。『River Flows In You』の美しいピアノの旋律に合わせ滑らかな滑りを見せるも、冒頭の3回転ルッツは1回転となってしまう。終盤のコンビネーションジャンプでも転倒するなど、思うような演技ができなかった。「最近の調子も良くて、6分間練習でも全ジャンプ着氷できていたので、それで余計に『なんでこういう演技になったのかな』と感じている」と悔しさをかみ締めた。それでも、着氷まで確実に決めたダブルアクセルや安定した高速スピンで実力を見せつけ3位でSPを終えた。 「特に東日本選手権(以下、東日本)はFS(フリースケーティング)が悔しい演技で、今回は少し構成を変えて挑むので、練習通りの力が出せればいいと思う」。悔しさで涙を浮かべた東日本。この気持ちをバネに、FSではブラッシュアップした演技を披露してくれるに違いない。(写真:笑顔を見せる堀見) 自身の演技を75点と評価した堀見は今回の演技を「やってきたことを出せた、全体的に良かった」と振り返る。『The Lady is a tramp』の弾むような曲調に合わせ、明るいスケーティングを披露した。冒頭の3回転ループを決めると、その後のダブルアクセルも確実に着氷する。また、練習で力を入れてきたというスピンやステップも華麗に踊り切った。笑顔が魅力な堀見のSP。堀見自身が笑顔で楽しむことで、観客にも楽しんでもらおうという思いで演じているという。今回も絶えぬ笑顔で演じ、観客を魅了した。 FSでは、東日本から取り入れ始めたルッツを披露する予定だ。「練習してきたことを出せるように自然体で挑みたい」。進化する堀見の演技から目が離せない。 [髙橋未羽] 試合後のコメント江川――今大会にはどのような気持ちで臨みましたか。 「国体は、東京ではないので予選ではないですが、全日本(全日本選手権)の前に1試合積みたいので出場しました」 ―−このプログラムで特に力を入れていることがあれば教えてください。 「自分は少し気を抜いてしまうと、肩が上がってしまったり、猫背になってしまいます。このプログラムはきれいな曲なので、姿勢の部分を特に気をつけるように練習しています」 堀見――演技を通して笑顔が印象的でした。 「今日は、自分の中でもステップなどをたくさん練習してきたので、楽しんで滑れたかなと、それで笑顔だったかなと思います」 ――東日本から今大会までどのようなことを意識して取り組んでいましたか。 「ジャンプの確率を上げたり、ジャンプの種類が今は3種類しか入っていませんが、それを増やすことができるように、ルッツやフリップ、トーループを練習していました」 READ MORE
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2023年、100周年の節目を迎えた明大ホッケー部。今年度は関東学生1部リーグ戦を春秋で連覇し、9年ぶりに全日本大学王座決定戦3位と、輝かしい成績を残した。小池文彦監督が掲げる〝つなぐホッケー〟の理念のもと、たくましく躍動した紫紺の勇者たちの軌跡を振り返る。READ MORE -
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