夢のパリ五輪へいざ 松山陸×佐野秀匡監督/特別インタビュー

 3月17日から、国際大会代表選考会(パリ五輪選考会)が開幕する。明大からも多くの選手が出場し、おのおのの目標に向かって8日間にわたる大会に挑む。中でも、松山陸(商4=春日部共栄)はこれまで背泳ぎ種目で結果を残してきており、今大会でも好成績が期待される。そんな彼の4年間は決して順風満帆なものではなかった。苦難の時期を乗り越えた背景には、明大水泳部競泳部門を指導する、佐野秀匡監督の存在があった。二人三脚で夢のパリ五輪へ。その切符をつかむための道のりを伺った。(この取材は2023年12月19日に行われたものです) ――これまでどのように競泳を続けられてきましたか。松山陸(以下、松山):元々そこまでレベルの高い選手ではなかったのですが、レベルが低いところからのスタートだったので順調に毎年ベストタイムを更新できていました。高校生まではスランプを知りませんでしたね。順風満帆な水泳生活だったのかなと思います。 ――復活して水泳のことは好きになれたっていう感じですか。松山:苦しい時期も、好きだからやめないで続けられてたんで、嫌いになったわけではないのですが、心から楽しめていなかったなとすごく感じています。ベストもたくさん出ているのですごく楽しいですし、前より好きだと思うようになりました。 ――入学してから今までを振り返っていかがですか。松山:僕は元々佐野監督の下で練習してるわけではないんです。大学1年生はいい結果を残せたのですが、大学2年、3年生の時期はあまり思うような結果が出なくて苦しい時期でした。なかなか思うように練習もできなくて、苦しくて、水から逃げてしまう部分が多かったです。そこでちょっと環境を変えようということで、佐野監督の下でお世話になるようになりました。大学3年の夏以降も、ブランクがある感じで、かなり落ちちゃったなというふうには感じていました。ですけど一生懸命練習して、どん底からはい上がってこれたのは佐野監督のおかげです。監督からは『上に連れていく』と言っていただいているので、このまま突き進みたいなと思っています。 ――佐野監督から見て、松山選手の大学時代はいかがでしたか。佐野監督:勧誘して明治に入ってもらったのですが、入学した時からもちろんレベルが高く経験も豊富にある選手だなと思っていました。1年生の全日本学生選手権(以下、インカレ)では、100メートル、200メートル背泳ぎ共に優勝して、これからぐっと伸びるのではと期待はしていました。しかし本人が言っていたように、2年生、3年生と少し低迷していて、本人とも何回か話をした時には、うまく練習ができていないということを聞いていました。『それなら環境を変えてしっかりやればいいんじゃないか』ということで、3年次のインカレが終わってから、一緒に練習するようになりました。最初見た時に相当落ちていた部分があったのと、本人も言っているように水泳に対して積極性というか、楽しめていないという感じがしました。ただやっているだけのような印象ですね。そうではなくて『水泳が好きだという気持ちを取り戻して、一緒に1年間頑張っていこう』と話しました。春のユニバーシティゲームスの代表権を勝ち取った時、今後社会人になってからもどうするのかというのを2人で話をして、オリンピックを一緒に目指していこうと。僕もなかなか、このようないい選手に触れ合うことはないのですが、松山とだったら一緒にオリンピックに行けると思っています。 ――卒業後も続けたいというのはどちらからお話が出たのですか。佐野監督:卒業後も続けたいと言ったのは、松山自身ですね。僕から『やりなさい』とは言わないので。今後どうするか、3年生の秋に全員と話をするのですが、その段階で松山の方から結果を出したら続けたいと聞きました。『続けるのであればオリンピックに行きたい』と言われましたね。 ――最初から佐野監督の下で続けようと決められていましたか。松山:就活をして社会人になるのか、このまま水泳頑張るのかというのを考えないといけない時期に、ジャパンオープンがありました。それを今後どうするのかをはっきり決めるための大会にしようと思っていました。でもそこでは思うような結果が出なくて、一度水泳をやめると監督に話して、もうおしまいにするみたいなことは考えていました。ですがそこで監督から『中途半端なのにやめていいのか』と言っていただきました。『せっかく小さい時から頑張ってきたのに、夢のオリンピックに手が届きそうなところまで来たのに』と。そうやって監督が僕のことを信じて声を掛けてくれているので、佐野監督の下で頑張りたいと強く思いました。それに、水泳が楽しくて好きで始めたのにそれを忘れてただただ苦しい2年間を過ごしてきましたが、学校練習に加わってからはすごく毎日楽しく練習をさせてもらっています。苦しい競技の中で楽しいと感じて練習できると、練習のレベルが上がって、パフォーマンスも上がると感じています。自分にすごく監督が合っていて、当初はここでやりたいと決めて加わったわけではないですが、練習していくうちにここでやりたいと思うようになりました。 ――卒業後のスポンサーに銀座千疋屋さんがついておられますが、どういう経緯でしたか。佐野監督:日本選手権で代表に入ればスポンサーをなんとかすると、探してくるというのは本人とも約束をしていました。銀座千疋屋さんには明大のOBで専務をやられている方がいまして、その人に相談したところ、ぜひということで。先方から言っていただいたので、話が進んだというような感じですね。(写真:レース前、佐野監督に鼓舞される松山) ――佐野監督から見た、松山選手の強みを教えてください。佐野監督:泳ぎ自体はすごく伸びのある泳ぎで、持久的な能力に関しては小さい頃からしっかり練習してきたのだと思うのですが、しっかり持っていますね。後は伸びしろがたくさんある、水泳選手の中ではかなり細身できゃしゃな体なのですが、スピードを出せる力を持っているというのが強みかなと思っています。私も選手だったので、大学に入ってからウエートトレーニングなどをしっかりやって、体重を10キロぐらい増やしてスピードもつけてどんどん速くなっていきました。彼はそれを大学4年間で全くやらないでここまで来ているのでまだまだ伸びしろがたくさんあると思っています。まだこれから成長できる部分がたくさんあるにも関わらず、もうすでに日本のトップレベルまで来ているということは、本当に世界を狙える素質があるのではないかと、彼の3年次に思いました。練習を見ていてもできないことも多かったですし、例えば重たいものを引っ張るとかですね。 後は練習の一番苦しいところでもう1本頑張ろうというのもあまりできないタイプでした。ですが、継続することを大切にして今は本当に部員の誰よりもそういう練習に強くなっています。ウエートトレーニングも本格的に始めたのは4年次の秋からなのですが、かなりできるようになってきて体つきも変わってきました。こういった成長具合がやっぱりまだまだ伸びるという見込みをさらに確信に変えましたね。 ――そういった強みを持っている松山選手には今後どのような選手になってほしいですか。佐野監督:松山だけではなくて明大の水泳部員には全員に言っているのですが『水泳だけではない』と。『人として、大学生活の過程で人格を形成して、かつ競技力を向上させなさい』ということを言っています。陸にも今後社会人になって水泳を続けるのであれば、周りから応援されるような選手になりなさいと言っています。感謝の気持ちを忘れずに、周りから応援されるような選手になってもらえると僕は期待しています。 ――松山選手自身はどういう選手像を目指していらっしゃいますか。松山:監督がさっきおっしゃっていたようにラスト1本頑張れなかったり、ちょっとしたところで気が抜けてしまったりする部分が多かったのですが、最近はすごくいろんな人に応援してもらえているということを実感しています。自分1人で水泳をやっているわけではないので、応援してくれている人たちの力もパワーに変えられる、速い選手になりたいです。 ――パリ五輪に向けての取り組みを教えてください。松山:課題がたくさんある中で、陸上の筋トレがすごく苦手なので、監督と一緒にウエートトレーニングをして筋力アップを一番メインにしています。入江陵介(イトマン東進)さんなどにも泳ぎの部分のアドバイスをいただいています。泳ぎの質が上がるように頑張っています。 ――レース前はどのように過ごされていますか。松山:招集所まで監督が話しながら見送ってくれます。いち選手としては明大の最終調整は監督の鼓舞だと思っていて『いけるぞいけるぞ、信じろ信じろ』と言っていただいています。メンタル面でもブーストがかかるような感じなので、僕の中の最近のルーティンなのかなと思っています。 ――佐野監督の下で特に成長した点を教えてください。松山:水泳を楽しむという意識が一番大きく変わったのかなと思います。元々水泳は楽しくやってきたのですが、それ以上に水泳は楽しいものだと思い出させてもらいました。 ――監督から見た松山選手の成長した点を教えてください。佐野監督:さまざまな面があると思いますけど、水泳に対する取り組みが真面目になりましたね。今までは水中練習だけやっていればいいのかなみたいな感じでした。陸は3年生から4年生になるぐらいまで見ていて、やるべきことをやっていたりやっていなかったりという感じではありました。ですが今シーズン、オリンピックに向けて始まってからは、これをやった方がいいよというのを日本代表のトレーナーなどから聞いたことに関しては何を言われることもなくしっかりやるようになりましたね。1年ほどですごく変わったなと思います。1人でちゃんと言われたことを黙々とやっていたので、こういうところは本当に成長したなと思います。これからさらにレベルアップできると感じています。 ――今後も二人三脚でやっていかれると思いますが、意気込みをお願いします。松山:目標はオリンピックでメダルを取るということで、なかなか達成できない高い目標だと思っています。ですが監督からは『信じてついてきてくれれば上に連れていく』と言っていただいているので、僕は監督を信じて突き進みます。佐野監督:選手との出会いというのは本当に特別なものなので、陸に出会えたことが僕の水泳、監督人生を変えてくれたと思うし、さらにもっともっと上の世界が見られると思っています。彼と一緒に夢を追いかけて、自分が選手でオリンピックに行けなかった分、選手をオリンピックに連れていって自分もオリンピックに行きたいという夢があります。その先にはオリンピックのメダルというのも一番の目標に掲げているところではあります。彼の夢がそうであるとともに、僕の夢でもあるので、2人でかなえられたらいいですね。 ――ありがとうございました。 [中川美怜]
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初回から猛攻! 共栄大相手にコールド勝ち/関東地区大学選手権

 2回戦が不戦勝となり、明大は3回戦に臨んだ。共栄大相手に初回から8点を奪うと、その後も攻撃の手を緩めず4回裏までに15得点。コールドゲームとなり、4回戦へと駒を進めた。 ◆3・11~24 関東地区大学選手権(早大東伏見グラウンド他)▼3・15 3回戦 対共栄大戦(藤代スポーツセンター野球場)○明大15―2共栄大  ※大会規定により5回コールド  1回裏、明大は3者連続で四球を選ぶと、4番・田村陽大内野手(農3=花巻東)が放った右方向への打球を相手野手が落球。その間に1点を先制する。続く打者も死球で出塁し、大量得点の好機が続く。福田竜大外野手(商3=鎌倉学園)、河野壮希内野手(営2=明大中野八王子)、亘翔大朗捕手(理工1=大分上野丘)らが3連続となる適時二塁打を放つなど、この回無死の状態で打者一巡。8得点の猛攻で大きくリードする。その後も打線はつながり、毎回得点で相手を圧倒する展開に。この試合猛打賞となった福田は「前回の試合で打てなくてチームに迷惑を掛けたので、今日打とうという思いで(打席に)入って結果的に3安打で守備もいい形で良かった」と振り返った。  投手陣は先発の深瀬暖人投手(営1=三嶋南)が打たせて取る投球で2回を投げ無失点。2番手で登板した徳田叶夢投手(法2=高松商)は3回に2点を失ったものの、4回を無失点に抑え、最終回となった5回を近藤吏矩投手(営3=札幌一)に託す。「短いイニングだと集中して臨めて、思い切り100パーセントを出しやすいので、今日は良かった」と無失点で試合を締めくくった。  4回戦の相手は法大。「今まで以上に相手のレベルも上がってくると思う。ミスした方が負けると思うので、しっかりミスなく自分たちの野球をやって勝てるよう頑張る」(近藤)。目標の関東王者に向けて、次戦が一つ山場となるはずだ。チーム一丸となって負けられない戦いに挑む。 [堀口心遥]試合後のコメント近藤――今シーズン初登板はいかがでしたか。 「手応えはいい感じなので、次戦の法大にしっかりまた準備して臨みたいと思います」 ――最終シーズンはどのような1年にしたいですか。 「ここ数年全日本選手権に出るのに遠ざかっているので、最終シーズンはまず関東大会優勝して、全日本優勝するというのが自分らの目標なので、そこを達成できるように頑張りたいと思います」 福田――打撃の調子は上がってきていますか。 「そうですね。1回戦から別に悪くはなかったのですが、結果が出ていない状態で、今回は出て良かったなと思います」 ――チームの雰囲気はいかがですか。 「今まで練習を積み重ねてきて、結構チーム力というか団結力というのは上がっているかなと思っています」 亘――試合を振り返っていかがですか。 「初スタメンだったのですごく緊張したのですが、ベンチの学生コーチとか選手だったりが『緊張しなくていいぞ』と言ってくれたので、結構楽しく野球ができました」 ――キャッチャー目線で投手陣の状態はいかがでしたか。 「みんな真っすぐも走っていて、特に近藤さんは最近少し調子が上がらないと言っていましたが今日調整ができていて、いい球が来ていたので良かったと思います」
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投打かみ合わず完敗 オープン戦3連敗目を喫す/春季オープン戦

 オープン戦3連敗となった。投手陣が計6失点を喫し、一方の打撃陣も相手投手陣を前に6安打1得点に封じ込まれた。 打線は2回裏、1死から「いい感じにバットが出た」と好調の木本圭一内野手(政経3=桐蔭学園)が安打で出塁。続く代打・加藤巧也内野手(商4=大阪桐蔭)の詰まった内野ゴロの間に木本が二塁まで進塁し好機を演出する。ここで打席に入ったのは勝負強さに定評のある7番・小島大河捕手(政経3=東海大相模)。「失点直後だったのでなんとか点を取り返したいと思った」と甘く入った直球を右中間に放ち得点を挙げた。4回裏にも無死から瀬千皓外野手(営3=天理)、木本の連続安打で好機をつくるも、後続が打ち取られ得点に結びつけることはできなかった。  オープン戦計5敗と苦しい試合が続いている。敗戦こそ続いているものの、昨年度の全日本選手権で準優勝を経験した主力が多く残る今年度の明大。個々が持ち味を存分に発揮し、投打の歯車がかみ合うことでさらなる成長曲線を描く。ここからの奮励に期待だ。 [伊原遼太朗] 試合後のコメント木本――今日の試合を振り返っていかがですか。 「2安打打てたのは良かったですが、感覚的にはあまり良くなかったのでこれから調整していきたいです」 ――現在の調子を教えてください。 「あまり良いというわけではないですが打率もそれなりということでまだまだこれからです」 ――これからのオープン戦とリーグ戦に向けた意気込みをお願いします。 「オープン戦はリーグ戦で活躍するために結果を残し、リーグ戦に入ったらチームのために貢献したいです」 小島――今日の試合を振り返っていかがですか。「先制されたあとすぐに取り返すことができたことが良かったのですが、大量失点した場面があったのでそこは最少失点で切り抜けたかったです」 ――ここまでのチーム状況を教えてください。 「いろいろ試し試しで、こういう感じでやるみたいな確立的なことはないです。各々が頑張っているのでこれからはチームとして勝てるようにしたいです」 ――ここまでの調子を教えてください。 「まだまだ状態を上げていかなくてはいけないと思うので好機に強い打撃をして、配球ではうまく相手打者を抑えられるように頑張りたいです」
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球春到来! 今年初の公式戦をコールド快勝で初戦突破/関東地区大学選手権

  新体制となり初めて臨んだ公式戦。芝浦工大を相手に打線は6安打6盗塁14得点を挙げた。また投手陣は3人の継投で5回無安打無得点を達成するなど相手打線を圧倒し、次戦へと駒を進めた。 ◆3・11~24 関東地区大学選手権(早大東伏見グラウンド他)▼3・11 1回戦 対芝浦工大戦(あきる野市民球場)○明大14―0芝浦工大 ※大会規定により5回コールド  明大は1回表に先頭から2者連続で四球を選ぶと、けん制悪送球が絡み無死一、三塁の好機を迎える。宇津木一朗外野手(営3=川越東)への2球目を相手投手が暴投、その後二死から遊野選でこの回2点を先制する。2回表は四球や相手の失策で走者をため、4番に座った田村陽大内野手(農3=花巻東)が打席へ。「初回表の好機で三振してしまったので次はつなごうと思い、打ちにいった」と2点適時三塁打を放つなど一挙に4得点。5回表にも二者連続の押し出し四球などで得点を重ね、大きくリードを広げた。  先発は森慎之介投手(政経2=佼成学園)。「相手を意識することなく、キャッチャーミットをめがけて投げるようにした」と3回2奪三振と抑え込んだ。2番手の小磯孝平投手(政経2=日大二)、続く松浦寿和投手(法3=明大中野八王子)らもそれぞれ1奪三振を挙げる完璧な投球で上々の仕上がりを見せた。  投打のかみ合った試合を見せた明大。吉原瑠人主将(法3=仙台育英)は「初の公式戦ということもあるので、今後はもう少し打てるようにしたい。ただ守備と走塁がしっかりとできていたことは収穫」と試合を振り返った。目標の優勝へまず一歩近づいた。次戦も手堅く勝利をつかみにいく。 [阿部倖明] 試合後のコメント吉原――試合で何か意識したことはありますか。 「去年からずっと課題だった『守備』と『走塁』を意識しています。攻撃に関してはその日によっていい日と悪い日があるので、しょうがないと思います。なので守備と走塁は徹底して、それらが崩れなければいいリズムとなり攻撃に生かせるので、準備と確認はしっかりやっていきました」 ――リード面ではいかがでしたか。 「投手にはとにかくまっすぐで強くいくこと、ストライク先行しようと伝えました。投手陣は冬に走り込みなどのトレーニングを多めに行ってきたので、その成果は出ていたのかと思います」 相川幸太郎内野手(政経3=昭和)――金澤永輝前主将(法4=花巻東)と同じ遊撃を守っていますがプレッシャーなどはありますか。 「少し壁は高いですが『自分にできることをやる』『そこまで意識しすぎない』と考えてやっています」 ――次戦以降への意気込みをお願いします。 「相手関係なく、自分たちがこれまでやってきたことを出すっていうのを意識しながら戦っていきます」 田村――今年度はどのようなシーズンにしていきたいですか。 「もう最終年となるので、まずこの大会優勝して、(東京六大学)春季リーグ戦も優勝。そして全日本大学選手権も優勝し、全部優勝で締めくくりたいと思います」 森――狙ったところに制球できたという感覚はありましたか。 「ストレートはできたと思います。ただ変化球の制球はいまいちだったので、そこは課題だと思います」 ――今日の投球全体を振り返るといかがでしたか。 「70点です。やはり変化球がうまく操れなかったのが気になりました。しっかりとストレートだけでなく変化球でもカウントを取れるようにしたいです」
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(200)日本学生ハーフマラソン選手権事後インタビュー①/山本豪駅伝監督

 長距離部門にとって、新チーム発足後初の公式戦となった今大会。当初15名の選手がエントリーしていたものの、ケガや体調不良の影響で2名の出場にとどまった。その中でも健闘を見せた選手たちの声をお届けする。  第1回は山本豪駅伝監督のインタビューです。 ――出走した2人の走りはいかがでしたか。「古井(康介・政経2=浜松日体)は16キロ地点では余裕があるように見受けられました。いいペースで行っていましたからどのぐらいでゴールするんだろうと楽しみにしていたんですけれど、そこからペースダウンしてしまいました。自己ベストは出しましたが、途中の走りからするとあと20秒から30秒速くゴールしてほしかったなというのが本音ですね。窪田(悠人・政経2=沼津東)に関しては、事前の練習からそんなにいいところがなかったので当然と言えば当然の結果ですし、これで良しとしていたらどうしようもないですから。見直すべき点を私もそうですし、本人もしっかり洗い出して自覚して次に進んでいく必要があると本人にも伝えました」 ――今回のレースはタイムを狙いに行く想定で指示を出されましたか。「古井に関しては保険をかけた走りじゃなくてちゃんと前の方で勝負しなさいと。今まではそのように言ってもできていなかったのですが、今回はそれができていましたから、そういう点では評価はできますね。後半の5キロが落ち込んだことで課題が明確になったので、今度はそれを埋めていく作業になります」 ――今大会の位置付けとしてはどのように臨みましたか。 「今回はユニバーシアードの選考もないので私の中ではそんなに重きは置いていません。例えば大湊(柊翔・情コミ2=学法石川)や尾﨑(健斗・商3=浜松商)などトラックに集中したい子もいるので、それは全く別で動いています。そこはしっかりと分けてやっていきたいということは学生にも伝えています」 ――今大会の棄権者が多かった理由はありますか。「ケガとインフルエンザです。ケガで欠場もいますし、インフルエンザにかかって中途半端な体調で出てもケガの原因になりますから回避した人数が多くなりました」 ――新潟ハーフマラソン2024(新潟ハーフ)にエントリーされた選手はどのような目的で出走しますか。  「新潟ハーフ組は本来今大会に出る予定でしたが、故障とか体調不良でスライドした組なんです。彼らはトラックよりもロードを中心にやっていきたいという希望の選手たちなので、故障や病み上がりでどのぐらい走れるかわかりませんが今の力を確認するために出るという感じですね」 ――チームが本調子に戻るめどは立っていませんか。「今の段階では本当にまだですね。これは私も全体に向けてしっかり一度話をしなければいけないと思っていますが、今はとてもじゃないけれど戦えるようなチームの雰囲気ではないので真剣に話をして向き合う必要があると思います」 ――今シーズンは駅伝監督として初めて新チーム発足の段階から指揮を執ることになります。その中でどのようなことを選手に伝えていこうと考えていますか。  「今は規律があるようでないような雰囲気があります。やっぱりルールや自分で決めたことは守りましょうということは伝えたいですね。日々の生活や競技面での目標を含め、全てを達成するためには例えば掃除、挨拶、時間を守るといった自分の気持ち一つでできることすらできなければ目標を達成できるわけがないじゃないですか。そういう細かいところからしっかりみんなで守っていきましょうと。そういうこともしっかりできている組織の方が目標の達成率が高いというデータもあるので、しっかりみんなに伝えていきたいと思います」 ――現段階で調子の良い選手はどなたになりますか。「今はトラック組では堀(颯介・商2=仙台育英)が良くて、尾﨑も今は実業団の合宿に行っていますが元気にやっています。あとは大湊なども変わらず元気ですね。」 ――調子が良い選手は先ほどおっしゃられたように、普段のこともしっかりできるような意識の高い選手だと見ていますか。  「やっぱりちゃんとしている子が多いです。はたから見ると明確に結果に出ているけど当の学生たちは分かっていない、気付かれていないだろうと思っているのでそういうところもどんどん言わないといけないと思っています」 ――厳しいこともしっかりと伝えてチームを引き締めていくという方針なんですね。  「やっぱり言わないと変わらないです。僕は就任してまだ約半年ですけど、本当にそう感じました。だから何かを変えるときには痛みを伴うし、ひずみも出てくると思いますけど、それにびびっていたら何も変わりません。選手にとっては嫌かもしれないけどチームの強化にとっては必要なことなので、心を鬼にして取り組んでいきたいと思います」 ――4月から入部する長距離ブロックの新入生の中で注目している選手はいますか。  「全体的にはちょっと小粒なんですけど、その中でも成合(洸琉=宮崎日大)は持ちタイムもいいですし、即戦力として使いたいと思っています。今回の合宿で走りを見せてもらいましたが、成合は練習も積めているので安心して迎えることができます。あとは世羅高の井上(史琉)も元気なので、その辺を軸に考えていきたいなと思っています」 ――新たなシーズンに向けた目標や意気込みをお願いします。  「まず関東学生対校選手権は1部でしっかりと点を残るために準備しなければいけません。あとは全日本大学駅伝予選会、箱根駅伝予選会を通過して、そこで初めて挑戦者になるわけじゃないですか。そういう意識付けをどんどんしていきたいですし、とにかく三大駅伝に出るのが当たり前になるようなチームに育てていかないとこれ以上の発展はないのかなと思っていますから注力していきたいです」 ――ありがとうございました。 [松原輝]
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