ジュニア戦開幕 宿敵・早大相手に勝ち切れずドロー/関東大学ジュニア選手権

ラグビー 2023.09.18

 関東大学対抗戦(以下、対抗戦)の勝利から1週間たった17日、本拠地の八幡山グラウンドで関東大学ジュニア選手権(以下、ジュニア戦)が開幕した。初戦の相手は好敵手・早大。幸先よく先制した明大だったが、細かいミスやディフェンスのほころびが生じ流れをつかみ切れず。トライを奪い合う大接戦は36―36の引き分けとなり、明大にとっては悔しい結果となった。

 

◆9・17 関東大学ジュニア選手権(明大八幡山グラウンド)

▼対早大戦

 明大36{17―14、19―22}36早大

 

 先制したのは明大。前半8分、敵陣ゴール前のマイボールラインアウトからモールを形成すると、フッカー西野帆平(文2=東福岡)が自らボールを持ち出しトライを挙げる。「FWの力で取り切ることができてよかった」(西野)。さらに17分には、再び敵陣ゴール付近でマイボールラインアウトを得ると、フィールドを広く使って連続攻撃。最後は左センター平翔太(商2=東福岡)がディフェンスをかいくくぐりインゴール中央付近に飛び込んだ。「ギャップが見えたのでそこを狙って走りこんだ」(平翔)。このまま主導権を握り試合を優位に進めたい明大だったが「コミュニケーションの声が少なかった」(スタンドオフ伊藤利江人・商1=報徳学園)と、ハンドリングミスなどの小さなミスが重なりチャンスを生かしきれない。またディフェンスの一瞬のスキを突かれる場面も多く「クイックタップやインターセプト、キック後のプレス不足でトライを取られたりして、無駄な失点が多かった」(ゲームキャプテン・左プロップ中山律希・政経4=天理)。23分、40分にトライを奪われ、逆転を許す。流れをつかめず苦しい時間が続いたが、前半終了間際に敵陣ゴール前のマイボールラインアウトからモールを押し込み再び西野がトライ。勝ち越しに成功し、17―14でゲームを折り返す。

 

 後半、先に得点したのは明大だ。後半2分、センタースクラムから伊藤利がパスを受けると、鋭いステップで相手ディフェンスをかわし独走。約50メートルを走り切りインゴール中央に飛び込んだ。「夏合宿からスピードとステップを意識して練習していたので、それが出たと思う」(伊藤利)。10点のリードを奪い、流れが明大に傾くかと思われた。しかし「オフザボールの意識が一人一人足りなかった」(西野)と、ボールを持っていない時のプレーでほころびが見られ、立て続けにトライを奪われてしまう。その後も連続して失点し24―31と再びリードを許す。厳しい展開の中、明大は集中力を切らさなかった。「チームで集まって、今試合の目標であるモメンタムをしっかり持つことを再確認した」(田中景翔・文1=常翔学園)。すると32分、敵陣ゴール前のマイボールラインアウトからモールを押し込み利川桐生(政経2=大阪桐蔭)がグラウンディング。39分には蓬田雄(政経2=流経大柏)の突破からサポートについた平翔がパスを受けトライを取り返し同点に追い付いた。逆転を目指し、試合終了間際に敵陣ゴール前でチャンスを作るも得点には至らず、36―36の同点でノーサイド。「勝ち切ることができなかった」(中山)。悔しさの残る結果となった。

 

 ジュニア戦の初戦は課題の残る試合となった明大。特に明大のペナルティーからの早大の素早いリスタートに対応できずにディフェンスを突破されるシーンが多かった。ディフェンスに乱れはあったものの、スクラムやモールなど、セットプレーでは質の高いプレーが随所に見られた。「今試合は勝ち切ることができなかったので、次は勝ちたい」(西野)。細かいミスをなくし、より洗練されたラグビーをするために、選手たちは日々の鍛錬に励む。

 

[晴山赳生]

 

試合後のコメント

中山

――今試合のセットプレーはいかがでしたか。

 「今年はいつも以上にスクラムなどにこだわっていて、 早稲田の組み方は結構特殊で、やりづらかったりするのですが、それに対応できて、ユニットの部分では良かったかなと思います。ラインアウトはミスが多かったので、ユニット全体で修正していけたらなと思いました」

 

――今試合の収穫と改善点をお願いします。

 「ユニットスクラムの部分は、クオリティー出すところは出して、相手のボールは全部かけることができて良かったのですが、最後の残り10分ぐらいの時のラインアウトのゴール前でのミスなどが良くなかったので、そこは無くしていけたらと思います」

 

西野

――早大のプレーの印象はいかがでしたか。

 「展開力がすごいなと感じました。自分たちのミスもありましたが、そこで運び切る早稲田はすごいなと思いました」

 

――今試合の収穫と改善点をお願いします。

 「コンタクトの部分で通用する部分があって、チームや個人個人の強さが確かめられたことが収穫です。課題は『オフザボール』を掲げていましたが、一人一人の意識があまり足りてなかったところです」

 

伊藤利

――今試合のディフェンスはいかがでしたか。

 「ルールが新しくなって、ハイタックルが多くなってしまう機会が多くなったのですが、そこで注意はしながら、神経質になってしまったところが多分あって。そのせいでラインを上げることができなくてプレッシャーを相手にかけられなかったことで、相手にやりたいことを全部やられたかなと思います」

 

――次戦の意気込みをお願いします。

 「今回あまりチームをスタンドオフとしてまとめられなかったので、積極的にコミュニケーションを取っていきたいです。また、まだ信用はもらえてないと思うので、信用されるようなアタックやディフェンスを基礎のところからやっていきながら、自分の持ち味のステップとスピードを生かしていきたいです」

 

平翔

――全体ではパスや連携面では何を意識しましたか

 「前半は結構オフロードなどを出せる場面多かったのですが、全員慌てて立ち位置が浅かったりしていたので、後半はそれを修正して、どんどんオフロードとかを繋げてくれたのでよかったと思います」

 

――次戦の意気込みをお願いします。

 「もっと自分からモメンタムを作り出して、勢いのあるアタックをしてトライにつなげられたらなって思います」

 

田中景

――途中出場でしたが、何を意識してプレーしましたか

 「まずはみんなにしっかり声をかけて。ディフェンス、アタックともにみんなを動かすことと、自分の持ち味である早いテンポを出して、アタックに勢いをつけようと思いました」

 

――(田中景選手にとって)初めてのジュニア戦でしたが、手応えはいかがですか。

 「まだまだいけたなっていうのはあって、最初はやっぱり緊張してしまっていたので、この経験をこれからに生かしていきたいです」

 


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