慶大に悔しい惜敗 自分たちのミスに苦しむ/練習試合

ラグビー
2022.05.23

 初夏らしいにわか雨の中行われた難敵・慶大との練習試合。テーマとして〝一貫性〟を掲げて試合に臨んだが、自分たちのミスで自らを苦しめる試合となった。試合終了間際までリードしていたものの、慶大に一瞬のスキをつかれ連続トライを許し、最終スコア14―17という僅差で惜敗した。


◆5・21 練習試合(慶大日吉グラウンド)

▼対慶大

 明大14{77、710}17慶大


 「自滅が多く不完全燃焼だった」(右ウイング杉本大雅・文4=国学院久我山)。雨が降る中行われた慶大との一戦は、天候と同様に序盤から雲行きの怪しい試合運びとなった。


 先にゲームを動かしたのは慶大だった。試合開始早々、自陣22メートルライン付近のラインアウトからそのまま先制トライを許してしまう。その後も「自分たちでゲームを崩してしまった」(右センター東海隼・情コミ1=光泉カトリック)とミスが続き前半20分までのほとんどが自陣でのプレーとなってしまった明大。しかし、気迫あふれるタックルやチーム全体での粘り強いディフェンスにより、相手のセットプレーを何とか防ぎ追加点を許さない。前半の終盤に差し掛かると、少しずつ明大の攻撃もかみ合っていき迎えた前半終了間際。敵陣10メートルライン付近での明大のラインアウトから気合のこもった力強いモールで前へと進み、そのままフッカー金勇哲(営2=大阪朝鮮)がグラウンディング。「しっかりモールを組めていて、FW全員で取ったトライだった」(金勇)。難しい位置からのコンバージョンキックもフルバック坂本公平(情コミ2=東福岡)が見事に成功させ、前半を7―7の同点で終える。

 

 後半に入ると明大のミスも減り互角な試合展開を見せるも「慶大のディフェンスに負けた」(倉田真・政経4=京都成章)。何度も攻撃を止められ、追加点を挙げることができない。しかし、明大もやられたままでは終わらなかった。「前半出ていた選手からのアドバイスを聞いて、FW一丸となってスクラムを組むことができた」(倉田)。前半での反省を生かし、徐々にかみ合ってきたスクラムで慶大のスクラムを崩す。すると、その勢いに乗るかのようについに明大が試合を動かす。後半27分、敵陣5メートルライン付近での明大のラインアウトから前半のトライと同様にモールへと持ち込み、ブラインドサイドに出したパスを倉田が受け、勝ち越しトライを挙げる。「モールでFWが用意してきた形でのトライだった」(倉田)。コンバージョンキックも難しい角度ながらスタンドオフ寺下功起(文2=東福岡)が決め、点差を14―7へと広げた。だが、試合はここから誰も予想していなかった展開へと動くこととなる。後半39分、慶大の見事なロングキックパスが逆サイドの選手へ通りそのままトライ。その直後の後半40分には、明大のミスからカウンターでディフェンスを抜かれそのままグラウンディング。「足をすくわれた。油断が出ていたのかもしれない」(杉本)。後半終了間際、思わぬ連続トライを献上し14―17という悔しい形で難敵・慶大に敗北を喫した。

 

 今回の試合では課題点が多く見つかった。「声を掛け合うことに集中できていなかったところが、ミスが多くなってしまった原因だった」(ゲームキャプテン右ロック武内慎・商4=石見智翠館)。うまくいかない時間帯のコミュニケーションが足りず、相手の流れを断ち切ることができなかった。「一貫性を持って試合に臨み、ミスを少なくして流れを持っていくことが大切」(倉田)。関東大学春季大会も後半戦に差し掛かり、来週には昨年度の全国大学選手権決勝で敗れた帝京大との試合を控えている。新しく生まれ変わった明大が強豪・帝京大相手にどのようなプレーを見せていくのか。来週も明大ラグビー部の活躍から目が離せない。


 [久保田諒]

 

試合後のコメント

武内

――ゲームキャプテンとして全体にどのような声を掛けましたか。

 「本当にシンプルなことを徹底してやろうということを言いました。相手より強く、走って、クオリティーを求めていくというところを80分間徹底していこうと。そして、監督から言われたテーマが一貫性ということだったので、一貫性を持って80分間やり続けようという話をしていました」

 

――今日の試合振り返っていかがですか。

 「入りの部分が良くなくて、自分たちのミスでやられる部分が多かったので、入りから自分たちのミスなく次の試合をやれたらいいなと思います」

 

杉本

――下級生が多かった試合でしたが、上級生として意識したことはありますか。

 「下級生が多かったので、とにかくシンプルに、基本を忠実にという感じでやっていこうと意識しました」

 

――ウォーターの時にBK陣で何を話されていたのですか。

 「まず相手のディフェンスの裏が空いていたので、そこのスペース狙っていこうと話していました。アタック方向を逆に変えたりして、順番でアタックしていこうと言っていました」

 

倉田

――次の試合に向けての意気込みを教えてください。

 「次は帝京戦なのですごく体の大きなうまい選手が多いと思います。それに対して僕らがどれだけひたむきに、チャレンジャー精神を忘れずにいくことができるかがポイントになると思うので、もう一度初心を忘れずにチャレンジしていきたいと思います」