初夏の山梨で慶大撃破 次は帝京大戦/招待試合
初夏の強い日差しがグラウンドを照らし出す。JITリサイクルインクスタジアムで行われた慶大戦。前半はお互いの力が拮抗(きっこう)し12-12の同点で折り返す。後半ではセットプレーから明大が流れをつかみ、最終スコア22-17で明大に軍配が上がった。
◆5・22 招待試合(JITリサイクルインクスタジアム)
▼対慶大戦
○明大22{12―12、10―5}17慶大
試合序盤はミスが目立ち、なかなか攻め切れずにいた。試合が動いたのは前半12分。明大のミスに反応した慶大がボールを奪い、トライを献上する。明大の反撃は前半17分だった。自陣10メートルでのマイボールラインアウトから右へとBK陣で展開。徐々にラインを引き上げると左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)が抜け出し、大きくラインブレークを決める。その後、サポートに入ったフッカー松下潤一郎(法3=筑紫)がパスを受け取り、早大戦に続いて今年度2本目となるトライを決めた。「(廣瀬)雄也としっかり話していたので、そこで連携が取れた」(松下)。7―5の逆転に成功する。続いて見せ場をつくったのは、今試合で紫紺初スタメンとなるルーキー・右センター山村和也(商1=報徳学園)だ。敵陣22メートルからラインアウトで始まるとFW陣が体を当て続け前進。最後は池戸将太郎(政経3=東海大相模)のパスが通り、空いたスペースに入り込んだ山村がトライを決めた。「前が空いたところに(池戸)将太郎さんから正確なパスをもらった」(山村)。このまま順調にいくかと思われたが、慶大にトライを奪い返され12―12で前半を折り返す。
後半では、FW陣のセットプレーが光った。「最初はクオリティーでしっかり出そうと話していたが、途中から攻めようという意識に変えた」(左フランカー亀井茜風・政経3=長崎北陽台)。慶大からスクラムでペナルティーを奪うと、流れを明大に引き寄せる。後半21分、敵陣ゴール前で明大ボールのスクラムから始め、最後は安田昂平(政経2=御所実)が相手を振り切ながらグラウンディング。選手交代をしてすぐに得点を決め、そのポテンシャルの高さを見せつけた。その後も26分に廣瀬がハーフウエーライン付近からペナルティーゴールを決め、着実に得点を重ねていく。「1番難しいところでメンタル的にも難しかったが、まっすぐ蹴れたので良かった」(廣瀬)。試合終了間近では慶大に攻められ危ない場面もあったが、中村公星(情コミ4=国学院栃木)がジャッカルを決めて慶大を阻止。最終スコア22―17で白星を挙げた。
今試合では、普段と異なるポジションでの選手起用が目立った。これまでスタンドオフとして起用されてきた伊藤耕太郎(商3=国学院栃木)がフルバックに。そして、ロックで起用されている亀井がフランカーでの出場となった。「練習ではできていたことが試合ではできていなかったので、フルバックをするのであればもっと練習していかないといけない」(伊藤耕)。「自分はロックでやりたいとは思いますが、フランカーはフランカーの仕事があるのでポジションごとの自分が任された役割を全うすることだけを考えている」(亀井)。新チームの力がさまざまな形で試される春。これからの選手の起用にも注目したい。
次戦は、エコパスタジアムで行われる帝京大戦。昨年度の全国大学選手権決勝で敗れた相手だ。「自分たちがチャレンジャーとしてチャレンジしていって、ここで勝ちたい」(左ウイング石田吉平主将・文4=常翔学園)。今週出た課題を見直し、ぜひとも勝利を収めたい。
[安室帆海]
試合後のコメント
石田
――個人のプレーを振り返っていかがですか。
「今日はボールをもらえなくて自分のプレーが全然できなかったです。チームとして勝てたのは良かったのですが、1番悔しかったのは(自分が)チームに何にも貢献できなかったことです。次はボールキャリーを多くして、自分の強みであるランを出していきたいです」
松下
――ラインアウトの精度を振り返っていかがですか。
「明治のクオリティーは高くて両ロックとも大きいので、いいスローを投げられたと思います。一本取られて100%にできなかったことが悔しいです。ロックが大きいと相手より高いので投げやすいです」
亀井
――フル出場でしたが振り返っていかがですか。
「昨年度は全然フル出場できませんでした。ですが、今年度フィットネスの部分がついてきてできるようになったので、自分としてはうれしいですし、フル出場だけでなく、質をもっと高めていきたいと思います」
廣瀬
――接戦を制しましたが、振り返っていかがですか。
「慶応という相手で結構早稲田に並んで苦手意識がある相手なので、こういうゲームになることは大体想定していました。なので、その接戦を制すことができたのは大きなことだと思います。ですが、次の帝京はこのままだと負けると思うのでしっかり1週間で準備して勝ちたいと思います」
山村
――フル出場となりましたが振り返っていかがですか。
「やはり高校と違ってフィジカルのところでフィットネスがしんどくて、結構疲れました。ですが、試合で勝ち切ることができて良かったです」
伊藤耕
――部内のポジション競争に勝つために意識していきたいことはありますか。
「まずは僕の強みであるランを伸ばしていくことと、苦手な部分のディフェンスやコミュニケーションはもっと練習を増やしていきたいです。簡単にスタメンで出られるようなチームではないのでそこは意識して練習からやっていかないといけないと思います」
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