【準硬式野球】3季連続優勝! 伊藤気迫の完封/東京六大学秋季リーグ戦

2026.10.19

 秋季リーグ戦優勝をかけた大一番は法大との熾烈(しれつ)な投手戦となった。先発を任された伊藤彩斗投手(営3=土浦日大)は2回に三者連続三振を奪うなど圧巻の投球を披露。一方打線は相手の先発投手を前に突破口を見出せず8回まで無得点に抑えられる。しかし9回表、鈴木朝陽副将(法4=三重)が適時二塁打を放ち均衡を破ると、その裏には伊藤がマウンドへ。最後は空振り三振に仕留め1-0で勝利。見事リーグ優勝を果たした。

◆8・29~10・18 東京六大学秋季リーグ戦(法大多摩グラウンド他)
▼10・18 対法大2回戦(早大東伏見グラウンド)
〇明大1-0法大

 先発の伊藤は「昨日は淺田(真樹投手・法3=宇部鴻城)がしっかり1人で投げ抜いてくれたので、自分も頑張らなければと思った」と初回から剛腕を振るった。2回には三者連続で三振を奪うと3回もテンポよく三者凡退に抑え、ここまでで5奪三振と相手打線を圧倒した。7回は先頭打者に安打を打たれるも続く打者に犠打を許さずアウトを奪う。次の打者も犠打の構えを見せ、伊藤自ら打球の処理を試みると一塁手の鈴木の巧みな捕球もあり、最後は見逃し三振に打者を仕留めマウンド上で雄叫びを上げた。8回はこの試合最大の山場となった。栗原稔季内野手(営2=明大八王子)の好守で2つのアウトを重ねたものの、失策、安打、四球で2死満塁のピンチを作る。しかし次の打者を三ゴロに打ち取りピンチを切り抜けると渾身(こんしん)のガッツポーズでチームを鼓舞した。

 一方の打線は相手の先発投手に苦戦。走者を得点圏に進めるも好守に阻まれるなど8回までを無得点で終え、互いに本塁が遠い展開が続く。伊藤の好投に応えたい打線は9回、先頭の佐藤秀栄内野手(政経4=明大明治)が安打で出塁し流れが明大に傾いたと思われたが、後続が倒れ2死一塁となる。何とか走者を返したい場面で鈴木が高めに浮いた初球をフルスイング、打球はフェンスギリギリの大きな飛球となり、鳥越駿太郎外野手(政経4=桜美林)が生還し待望の先制点をあげた。「ベンチで応援してくれているメンバーもすごく喜んでくれて、今回は結構雨が多くて平日の練習になった際もたくさん補助をしてくれていたので、やはりそういう人たちが喜んでいる姿を見て、打ててよかったと思った」(鈴木)。

 “優勝”の足音が着々と近づく中、最終回のマウンドには完封を目指す伊藤が上がった。「今まで通り目の前のバッター一人一人を抑えて、アウトカウントを積み重ねていく」(伊藤)ことを金井俐樹捕手(農2=健大高崎)と共有した伊藤は2死三塁のピンチを背負うも最後の打者を空振り三振に打ち取り、9回129球11奪三振の気迫の完封でチームは歓喜の輪に包まれた。

 昨年度の秋季リーグ戦からリーグ戦3連覇を達成した明大だが、8月に行われた全日本大学選手権では惜しくもベスト4で敗退し日本一という目標が断たれた中で始まった今回のリーグ戦。三谷高慶主将(農4=高知)を中心にチーム一丸となって優勝を果たし、関東地区大学・社会人王座決定戦(関東王座)への切符をつかんだ。負けたら終わりのこの大会で4年生の最後の勇姿を目に焼き付けるとともに、頂点を目指すチームの飛躍から目が離せない。

[後藤万緒]

試合後のコメント
河村光治監督
——リーグ戦を通して選手たちの活躍はどう見られていましたか。
 「全日本大学選手権の準決勝で負けてから、もう一回り成長したと思います。その教訓を自分なりに解釈して練習に取り組んできたと思うので。この秋の勝利は本当に価値のある、みんなが成長した結果の勝利だと思います」

——キャプテンの三谷選手について監督からはどう見られていましたか。
 「立派なキャプテンですよ、ほんとに立派なキャプテン。プレー中の声だけではなくて人一倍グラウンドに早く出てグラウンドの掃除とか、部室の掃除とか、草抜きとかを率先してやっているので。グラウンドで声出して引っ張るだけではなく、グラウンド外のところを見ても部員に好影響を与えるようなすごくいいキャプテンです。素晴らしいキャプテン」

三谷
——ベンチからチームを鼓舞している姿が印象的ですが、どのような思いで試合に臨んでいますか。
 「やはりピンチの時にどれだけ上を向かせられるかというのが自分の役割だと思っているので、そこを意識していつも声を出しています」

——このリーグ戦を振り返ってみていかがでしたか。
 「日本一という目標が達成できなくて、チーム全体が少しモチベーションの低いままリーグ戦を迎えてしまったのですが、後半から4年生中心にもう1回優勝して終わろうというふうに学年ミーティングを通してできたので、そこはうれしかったです」

鈴木
——9回に決勝打を放ちましたが、あの打席を振り返ってみていかがですか。
 「このリーグ戦はいいところでもあまり打てていなかったので、最後はもうホームランだけ狙っていた中でギリギリ届かなかったのですが、結果的にタイムリーという形になってよかったです」

——切磋琢磨してきた同期へのメッセージをお願いします。
 「僕を含め三谷とたくさん無理なことを言ったり、試合に出すことができなかったりと不満もあったと思うのですが、最後まで自分たちについてきてくれて本当にありがとうという気持ちです」

伊藤
——優勝を決めた今の気持ちを教えてください。
 「まずは今年の全日本で負けてから、目標にしていた日本一を達成できなくてすごく悔しかったのですが、そこからチーム全体で三谷さんを中心に切り替えて秋季リーグ戦に臨んでいくということを、全員で同じ方向を向けたことが今日の優勝につながったのだと思います」

——関東王座に向けての目標は何ですか。
 「去年も秋リーグ優勝して関東王座に出ましたが、自分自身は体の疲労もあって投げることができなかった大会でもあったので、まずは初めての大会に出られるということですごくうれしく思います。やはり出るからには4年生と最後の大会になると思うのでまずは楽しんでやっていくことと、チームの勝利に1つでも貢献できればなというふうに思います」