(21)ラグビー場の風景が映し出すもの
現在、年々大学ラグビーの観客は減り続けている。昔は7万人を動員し、チケットが3日で売り切れたという伝統の一戦、早明戦も例外ではない。昨年は2万5千人と観客数が過去最低となり、人気低下が危ぶまれている。だが、わたしがラグビーの試合を観戦しながら違和感を覚えるのは、観客数そのものよりも観客の年齢層なのだ。
秩父宮ラグビー場、国立競技場でよくよく周りを見回してみると、観客の多くがわたしより年配の方である。失礼ではあるが周りはほとんどオジサンという感じだ。小学生や中高のラグビー部員、家族連れ、若い女性の方もいるとはいえ、その割合はとても小さい。
トップリーグのゲームではいくらか年齢層が広がりはするが、それでもプロ野球やJリーグに比べれば偏っている感がある。早明戦では両校の学生がバックスタンドに陣取るものの、サークルでやって来てただ騒いでいるというだけという感じがする。
この現状は、80年代~90年代のラグビー人気が最高潮だった時代以降、新たなファンが根付かなかったということを暗に示している。
なぜ、世界的にも人気を博しているラグビーが、日本ではマイナースポーツのような扱いを受け、ファンを獲得することができないのだろう。その疑問を解くカギは、日本代表にあるのではないか。
ラグビーの日本代表には多くの外国人選手が選出されている。これはほかの野球やサッカーといった競技では考えられないことだろう。先発メンバー15人の内、外国人選手が6人なんてことも珍しくはない。トップリーグでは外国人も多く活躍しているとはいえ、その図式をそのまま日本代表に当てはめるのはいささか納得できない部分がある。
U-20(20歳以下の日本代表)など、各年代別の日本代表では日本の高校、大学で活躍するメンバーが選出されている。しかし、それらの選手が最終的に所属する肝心のフル代表(サッカーでいうA代表。いわゆるその国の最強メンバー)においては、「ゲームマネジメント能力の欠如」という理由だけで外国人選手を起用する。そんな状況が続いている。
勝ちにこだわるのも大切だが、ある程度は目をつむって日本人選手を起用することはできないのだろうか。日本で開催されるワールドカップに出場する日本代表が、外国人選手で占められているとしたら、人々が代表に感情移入できるとは考えづらい。
先日のU-20世界選手権での結果を受け、日本協会は若年層の強化のため、大学1、2年生同士の試合を行っていくことを計画している。また、セブンズの日本代表合宿にも高校生・大学生を派遣するなどさまざまな取り組みを行っている。
だが、それらの取り組みを行っても、肝心の日本代表がそれらのステップを無視するのでは、永遠に自体は解決しないだろう。
観客数減少に悩ませられるラグビーとは逆に、地道に観客数を増やしてきたサッカー。2002年日韓ワールドカップ開催での日本代表の躍進は記憶に新しい。だが、それはユース世代の地道な強化が実を結んだ結果であることを忘れてはならない。
「代表を強くしなきゃいけない」。
これはワールドカップ日本開催が決定した際、選手代表として大畑大介選手が発したメッセージだ。確かに、日本代表が強くなれば、ラグビー人気は再燃するはずだ。だが、今求められているのは結果よりもその内容ではないか。少なくとも、2019年に向け、日本代表とはファンが親近感を持てるチームであるべきではないのか。
ラグビー場を訪れる観客の数が、それを証明している。
第22回は小川晶が担当します。
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