(9)きっかけは〝灯台下暗し〟
(9)きっかけは〝灯台下暗し〟
第9回の担当は中村駿介です。
雨も少なくなり、ようやく夏らしい気候になってきた今日この頃。暦の上ではもう秋だが、まだまだ盛夏といったところか。青空に浮かぶ太陽の光が身にしみる。
天気が良いとわたしは心が弾む。外出、特に遠くの地を観光しようと思う。他県、海外……、訪れる場所はさまざま思い浮かぶが、この感覚は一般的な大学生にはよくあることだろう。格安な国内外のツアーがたくさん組まれている今日。夏に旅行を考える人は多いはずだ。
先日、東京で暮らすわたしのもとへ、他県から友人が訪れた。目的は観光である。六本木や赤坂など、友人が滞在した2日間でさまざまな場所を巡った。友人は滅多に訪れない東京という地で、至福の時を送ったようだ。
しかしこの時、わたしは「こんなところがあったのか」という驚きに打ちのめされていた。明大入学以来2年も暮らした東京に、今だに知らないこんなにも楽しい場所があったとは……。まさに驚愕の事実だった。
手近の事情は分かりにくいということを、灯台の直下は明かりが暗いということに例えた〝灯台下暗し〟という言葉がある。今回の経験はまさにそれである。遠出ばかりを考えていたわたしに、思考を改めるきっかけを与えた出来事だった。
止むことなく降りそそぐ太陽の光。それはまるで周囲を照らす灯台の明かりだ。わたしは嫌でもその光の直下で暮らす。残りの大学生活も1年半。見落としていた身近な場所を見直さなければならないと考えた、夏休みの始まりだった。
第10回は大塩拓也が担当します。
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