(3)フリーペーパーで地域とつながる/商学部小川ゼミ

1999.01.01
(3)フリーペーパーで地域とつながる/商学部小川ゼミ
 紙面に掲載し切れなかった内容を詰め込んだ明大スポーツ380号との連動企画『神保町盛り上げ隊』。第3回は、商学部・小川ゼミをご紹介します。

 “人×店×気持ちつながる「きっかけ」マガジン”のテーマの下、フリーペーパー『Enjoynt』を作成する商学部・小川智由ゼミ。今回でフリーペーパー作成は3度目となった。

過去に発行したフリーペーパー
過去に発行したフリーペーパー

 始まりは神田の空き店舗をいかに利用するか、というテーマの商学部の授業。そしてその後、千代田区をテーマにした研究が水野ゼミで始まり、「御茶ノ水についてもっと知りたい」、「ゼミの仲間同士でもっと仲良くなりたい」という学生の声を受け「御茶保町」というリーフレットを作成した。この「御茶保町」を見た千代田区長からの「もっと紹介していってほしい」という要望もあり、「QooRan」、「Enjoynt」とフリーペーパー作成は恒例のものとなっている。学生自ら店を訪れ掲載の交渉を行うという本格ぶりだ。

 実際に店に通う中で学生が感じたのは、店同士のつながりやマニュアルの接客では味わえない人間味。また「店の人と仲良くなれた」と地域交流もできたようだ。

 しかし昔は地域交流は特別なことではなかった。時間があれば街に繰り出し、喫茶店やマージャン店で過ごしたという。一日に何度も顔を出したり、店員と仲良くなることもよくあった。携帯電話もない時代だが、店に行けば約束せずともいつも誰かに会えた。そして「自分のことを知っている人がいるその場所が、やがて自分の居場所になった」(小川教授)。

 今は「建物はきれいになったけれど、神保町はオフィスの延長のようになってしまった」と小川教授は残念がる。地元の喫茶店よりファーストフード店、古本屋より大型書店という学生も多いのではないだろうか。街と学生の関わりはすっかり薄らいでしまったように思える。だが「学生が飛び出せば、街はいつでも受け止めてくれるはずだ」(小川教授)。まずは自分の中にテーマを見つけること。そしてその疑問を疑問のままで終わらせず、自分の足で動いてみてほしい。そのとき神保町という街がわたしたちを温かく迎えてくれるだろう。「もっとお茶の水について知りたい」と『Enjoynt』作成に動いた小川ゼミの学生に掛けられた「また来なよ」の一言が、そんな神保町の温かさを表している気がする。