スピーチから広がる世界 /ESS・児島恵佳
英語部にはディスカッション、ディベート、ドラマ、スピーチと4つのセクションがある。スピーチセクションでは主に、スピーチの作成、大会での発表、TOEIC対策、会話練習などを中心に活動を進めている。中でも、スピーチ大会には特に力を入れており、部員は大会の大小関係なく精力的に参加、また積極的に運営にも関わるという。その大会の中で盛大に盛り上がるのが三上杯だ。
観衆の前でスピーチをする児嶋さん
三上杯とは、明治大学英語部主催の全日本英語弁論大会で、来年で64回目を迎える伝統のあるもの。また弁論大会としては総観客数300人以上という最大の規模を誇る。全国から、東大や早大・慶大を始めとする一流大学が数多く参加し、審査員もその大学教授が中心であるというから、最高水準の大会でと間違いなく言えるだろう。
彼女が三上杯実行委員長になった動機は裏方の魅力だと言う。1年の夏に、2年時で出場予定の千代田杯の委員に選ばれる。当時は入部したてということもあり「めんどくさい」と思っていた。しかし、その思いは一変する。1年の冬に出場した即興スピーチの大会で彼女は初めて裏方の仕事を知る。そこにはテキパキと指示を出す実行委員長の姿や、自分の役割をしっかりこなすスタッフたちの姿があった。「その時に初めてSpeakerではなく裏方の仕事に目を向けることができたんですけど、そこで、幹部の先輩たちが中心となって、部員たちがスピーチに専念できるような環境作りをしてくれているのに気づいたんです。私たちSpeakerがスピーチだけに集中できたのは裏方あってのことだったんだなって。私も千代田杯でこんな環境を作れたらいいなと思いました」。
2年になったばかりの頃、思うようにスピーチが書けなくなる。大好きなはずのスピーチを楽しむことができなくなりスランプに陥った。しかし、千代田杯の運営に関わっていくうちに、「楽しい」という気持ちを除々に取り戻していく。千代田杯は大成功に終わり、まるで必然かのように彼女は三上杯実行委員長になった。スピーチは、Speaker、Audience、Staff、Judgeの4役がいて初めて成立するもの。どれ一つとして欠けていては成り立たなくなってしまう。彼女は「実行委員長はあくまで形」と言い切る。裏方はSpeaker、Audience、Judgeの3役を楽しませなければならない。そのためには、まず自分たちが楽しまなければ周りに楽しさを伝えることはできないのだ。相互の役割を理解し、皆が楽しめるように最大限の配慮をすること。皆が楽しめればそれは相乗効果を生む。この思いやりの気持ちこそが環境作りにはなくてはならないものなのだろう。
」
英語のスピーチの魅力とは何か、と彼女に聞いてみた。スピーチは別に英語でなくとも日本語でもできる。そこをなぜ英語でやろうと思ったのか。「Passionかな。日本語で言いたいことを決めて、それを英語に直していく作業の中に新たな発見があるんです。自分のオリジナリティーというか。それが新鮮ですね」。
三上杯は来年5月に開催予定。3月下旬から部内予選が始まる。実行委員長である児嶋さんは三上杯にSpeakerとして出場することはできない。しかし、閉会宣言という大役を任されている。裏方の仕事に全力を注ぎながら、閉会宣言のスピーチにも全力を注ぐ。「大会に携わる人たちが皆、“楽しかった”“やってよかった”と思ってくれれば。聞きに来て下さる人たちには何かしらプラスの思いを持ち帰ってもらえれば成功かなと思っています」。
全員で一つの世界を作り上げる舞台。4役が不可欠なこの舞台で気を抜く人は誰一人としていない。彼女だけでなく、たくさんの思いが凝縮されているであろうこの三上杯。見終わった後に、心が元気になれることは間違いない。英語に興味がある人はもちろん、そうでない人にも、是非足を運んで欲しい舞台だ。
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