特集記事
SPECIAL

(62)ONE TEAM ONE MEIJI〜100代目の誇りとともに〜柳田治久「紫紺をずっと着たいと思って」

ラグビー 2023.11.20

 「全員で日本一の集団を作る」。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)が今年度のスローガン『ONE MEIJI』に込めた意味だ。100周年という節目の年。悲願の関東大学対抗戦(以下、対抗戦)、全国大学選手権(以下、選手権)優勝に向けて一人一人が鍛錬に励み、ラストシーズンを迎えた。4年生に明大での4年間の感想と、最後の戦いに向けての意気込みを伺った。11月1日より連載していく。

 

 第20回目は柳田治久(法4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は10月16日に行われたものです)。

 

――1、2年次を振り返るといかがですか。

 「自分にとっては、1、2年次はすごい苦しくて、数少ない試合にも全然出ることはできなかったですし、1年生の頃に肩を脱臼するケガもあったので、結構長い間チームから離れていました。そういう意味では、焦りもあり不安も大きかったですね」

 

――昨シーズンを振り返ってみていかがですか。

 「最初はBKでやっていたんですけど、いつかはFWをやってみたいなという好奇心があって、自分の得意なプレーもFWの方が生かせると考えてコーチに相談しました。2年生の後半からFWに転向して、3年生になってから少しずつFWとして試合に出ることができたので、そこからチームに自分のプレーを通して貢献できるようになったのかなと思います」

 

――現時点で今シーズンを振り返るといかがですか。

 「4年間で一番チームに自分を出しているなっていう感覚があります。やっぱり下のチームでこつこつ地道にやっていたので、そこでやってきたことが、今のチーム、自分自身に対して役に立っているのかなというのをすごく感じるようになりました」

 

――春シーズンの試合後のインタビューで「紫紺を着られるようにまだ諦めないで頑張りたい」とおっしゃられていましたが、紫紺を着たいという芯を強く持てた秘訣はありますか。

 「自分自身紫紺を着たいってずっと思っていたんですけど、1、2年生で苦しい時期があって、着られないのかなってずっと思っていました。でも、1年生の頃に自分と同じように4年生で初めて紫紺を着た先輩がいらっしゃって、その先輩とお話しした時に『やっぱり諦めちゃいけない』というのを教わりましたし、自分が諦めずに頑張ることがチームに対してプラスの影響を与えることがあるというのをその先輩からすごく感じた経験があって、最後まで頑張れたのかなと思います」

 

――一番印象に残っている試合を教えてください

 「初紫紺の試合が印象的で、4年間で一番緊張した試合でした。試合の後に出ていたメンバーは写真を撮ったりしていて、いつかは絶対ここで一緒に写真撮りたいなって4年間思っていたので、それができてすごくうれしかったです。あと、初紫紺を着た時に同期が『おめでとう』『頑張れよ』といっぱい声をかけてくれました。自分たちの代は1、2年生から紫紺を着て試合に出る選手が多くて、自分自身1、2年生の頃苦労していてちょっと焦っていた中で、地道に下のチームでやっている僕に対しても同じ目線に立って考えてくれたり、こういうプレーはこうした方がいいなど優しくアドバイスしてくれてたり、その同期たちへの恩返しじゃないですけど、とても喜んでくれたのですごく感動しました」

 

――同期の存在は大きいですか。

 「同期がいなかったらここまで頑張ることもできなかったですし、3年生でも下のチームに落とされたりした時があったんですけど、そこで一喜一憂せずに下のチームにいてもチームのために、同期のために一生懸命練習に取り組むことができたので、本当に同期のおかげですごく充実した4年間になっていると思います。みんなと仲良いんですけど、特に森山雄太(政経4=東福岡)は1年生の頃に同じ時期にケガをして、一緒にリハビリして切磋琢磨(せっさたくま)してやってきたので、2年生の時に雄太がケガから復帰して、すぐ試合に紫紺を着て出てすごいなと思いながら近くで見ていました。それから自分が雄太と同じポジションになった時にすごくサポートしてくれたし、今も仲良くてラグビーでのアドバイスもしてくれます」

 

――一番思い出のあるお部屋はありますか。

 「2年生の時に、ポジション転向した時期の部屋が思い出です。その時の部屋は、4年生の尾関右樹(令4文卒)さんがすごくいい方で、いろいろ学ぶこともありました。初紫紺の試合の時のメンバー発表された時も電話してくださって、試合後も寮まで来てくれて、本当にお世話になりましたし、尊敬しています。自分がポジション転向するってなった時に、パスタ5キロを買ってくださって、毎晩パスタを食べてました(笑)。みんなで夜10時くらいにパスタを食べて夜更かしして、みんなで練習の時にすごい眠い状態で行ってました(笑)」

 

――チーム内で尊敬する方と期待を寄せる後輩はいらっしゃいますか。

 「チーム内で尊敬するのは不京(大也主務・営4=明大中野八王子)です。主務の仕事も大変で、学生レフェリーもしていて、一緒にいて忙しいそうです。学生スタッフというのは、選手とコーチに挟まれるきつい立ち位置なので、そういうのも経験して、今チームをまとめて頑張ってくれているのを見ると本当に自分自身もラグビーもっと頑張んないとなって、不京を見ているといつも思います。イチ押しの後輩は、一緒にずっといた金子琉聖(政経3=佐賀工業)です。体が本当に大きくて、同期の主要なロックが抜けるので頑張ってほしいです。あと、明中生には頑張ってほしいです」

 

――コーチ、学生スタッフの存在はいかがですか。

 「僕自身BKとFWはどっちも経験していて、2人のコーチから教わった経験があるので、そういった意味でも、2人のBKコーチ、FWコーチの言っていることが、BK目線、FW目線で考えることができるのが自分自身の強みとして考えているので、そういった部分で転向して良かったなって思いますね。学生スタッフの方がいないと、僕たちのこの今のプレーもできてないと思いますし、本当に存在が大きくて『縁の下の力持ち』っていうのは、本当にこういう人たちのことを言うんだなっていう働きをしてくれていて本当に尊敬しています」

 

――4年間で一番成長したところを教えてください。

 「ここが成長したなっていうのは、忍耐力です。自分が試合に出られるか分からない中のきつい練習や腐る選手も先輩たちもいっぱい見てきた中で、自分はなんとか意味を探して、ずっと耐え続けてきたので、そういった部分では忍耐力が一番伸びたんじゃないかなって思います」

 

――残りのシーズンの意気込みをお願いします。

 「あと本当に数ヶ月しかないので、悔いのないように最後まで挑戦し続けたいなっていうのは思いますし、やっぱりこのチームで日本一取りたいと思います」

 

――改めて柳田選手にとってスローガンである『ONE MEIJI』の意味はどのようなものですか。

 「『ONE MEIJI』の一つになるっていう部分で、上のチームが一生懸命やるだけじゃなくて、下のチームが盛り上がっていくことで『ONE MEIJI』が成り立っていくと思います。ラグビーだけじゃなくて、私生活でも同じ方向性を向いて、切磋琢磨(せっさたくま)することで『ONE MEIJI』もどんどん固いものになっていくと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[井垣友希]

 

◆柳田 治久(やなぎだ・はるく)法4、明大中野高、178センチ・92キロ

柳田選手が増量時に食べていたパスタは、飽きないようパスタソースをアレンジしていたそう!中でも、当時同部屋の料理好きな倉田真(令5政経卒)選手が作るソースは格別!「倉田さんが作る『ほうれん草のクリームパスタ』が一番美味しかったです!」


関連記事 RELATED ENTRIES