【ラグビー】ALL IN(34)「チーム全体の底上げをしていく」 大川虎拓郎主将 春シーズン総括インタビュー

2026.08.20

 関東大学対抗戦(対抗戦)、全国大学選手権(選手権)での連覇を目指す明大ラグビー部。今年度の関東大学春季交流大会(春季大会)は4勝1敗の2位で終えた。連戦が続いた春シーズンを終えた選手たちは何を思うのか。本企画では、大川虎拓郎主将(法4=東福岡)、藤井達哉副将(政経4=東福岡)ら幹部陣と、U20日本代表として世界と戦った熊谷鼓太郎(政経2=東福岡)、古賀龍人(商2=桐蔭学園)、佐々木大斗(政経2=常翔学園)、百武聖仁(商2=東海大仰星)のインタビューを行った。8月20日より連載していく。

 今回は大川主将のインタビューをお届けします。

――明大の主将として1つ目のシーズンが終わりましたが、個人としてはどのような収穫がありましたか。

 「主将をやりながら試合をするということが高校以来だったので、レフリーとのコミュニケーションの部分や、周りのことにも気を使いながら試合するというのが久しぶりだったので、すごく疲れた部分もありますし、うまくコントロールできなかった部分もあったので、そこ課題としてが見つかったのは良かったかなと思います。また、自分のプレーになかなか集中できない中でも、もっと自分のプレーの質を上げていかないといけないなというのは感じました」

――今シーズンは1年生の選手も紫紺を着て活躍しました。

 「そうですね。元々能力の高い1年生が毎年入ってきてくれていて、今年も能力の高い選手がたくさん入ってきてくれました。春シーズンは上級生のケガが多く、イレギュラーな形ではあったのですが、その中でも3番の濱田(翔大・政経1=松山聖陵)だったり、9番の岡元(聡志・商1=京都成章)だったり、WTBの田中ジェイス(海吏・商1=明大中野)やFBの田中勝斗(商1=大分東明)などの一年生はすごく活躍してくれて、代わりと言ったら言い方が悪いかもしれませんが、すごく役割を果たしてくれたと思います」

――今シーズンは選手の入れ替わりも多数ありましたが、部内での競争などはどのように見ていますか。

 「競争もあったのですが、正直なところ、もっとやりあってほしかったなというのはありますね。これから上のチームが固まっていく中で、春シーズンは入れ替わりが激しかったとはいえ、まだまだできる部分があるんじゃないかなと思います。何というか、自分の立ち位置で満足している選手が多かったように思うので、もっと上を目指してほしいと思いますし、この夏が最後のセレクションになると思うので、自分からももっと選手たちに(競争を)促すような声掛けをしていきたいですし、そういう激しい競争をしてほしいと思います」

――春シーズンのFWのセットプレーなどはいかがでしたか。

 「明治の心臓と言われるスクラムの部分では、スタートで出る選手はどのチームが相手でもしっかり組めていたと思いますが、後半になってメンバーが変わった時に同じクオリティーで組めていたかと言えばそうではなかったですし、ケガ人が多かったことも含めて、層の薄さというのが春シーズンは特にこのセットプレーの面で大きく出たかなと思います。ラインアウトに関しては数字(成功率)でも出ていますが、決していい内容ではなかったので、春シーズンが終わってから夏合宿までの2週間ほどしっかり練習してきました。今はまだ低いかもしれませんが、ここからどんどん上がっていきそうな雰囲気はしています」

――春を通じてチームとしてはどのような強みが見えてきましたか。

 「勝ち切るという部分に関しては、接戦が多く想定していた戦い方ができなかった試合が多かったですが、その中でもみんなが明治としてのプライドを持って戦うことができたと思います。また、色々な選手がイレギュラーな形で試合に出た部分もあったので、臨機応変に対応する力もつけられたのかなと思います」

――大川主将が思う春シーズンのMVPはどなたですか。

 「濱田じゃないですかね。明治の3番というのはスクラムでもすごくキーとなるポジションですし、ましてや入ってきてすぐに明治のスクラムに対応して、強い相手ともしっかり組めていたのはすごいと思います。彼はハンドリングスキルやラグビーに対する理解度も高くて、最初の頃からここまでの約半年の間でスクラムもフィールドプレーもすごく成長したので、本当によくやってくれたと思います」

――今シーズンは代表活動などでも活躍する選手が多かったですが、彼らにはどのようなことを期待していますか。

 「U20組は7月末からチームに合流していて、向こうですごく成長してきた部分も多いですが、ジャパンのラグビーと明治のラグビーは全く違うと思いますし、明治に残ったメンバーも頑張って信頼を獲得しているので、U―20じゃなく明治のラグビーに早く順応して信頼を勝ち取ってほしいなと思いますね」

――新体制インタビューの際に「コミュニケーションを大事にしたい」と仰っていましたが、春シーズンを通じてどのようなコミュニケーションを意識しましたか。

「自分は全員の前でうまく話すことは苦手な部分ではあるので、スモールトークという少人数で話すところだったり、1対1で言うべきことを言ったりといった部分を意識しました。最初の頃は視野が狭くなって周りのことも見えていなかったのですが、少しずつ自分のプレーができたり、キャプテンの余裕みたいなものが出てきて、しっかり周りを見て話すことができたので、よかったかなと思います」

――新人早明戦の後、1年生の選手とはどんな話をしましたか。

 「試合に向けての準備から、試合の運び方なども全て1年生に任せていて、週の練習も1年生にフォーカスして準備してきた中での負けだったので、ここからどうしていくかが大事だという話はしました。これから彼らは同世代として戦っていくわけで、現時点では負けているかもしれないですけど、4年間ずっとそうなるわけではないですし、今後3年間の行動次第でこれからのチームは変わっていくと思うので、一喜一憂せずに頑張ってほしいと思います。久しぶりにあんな風に負けてだいぶ落ち込んでいる様子だったので、これからの彼らの行動に期待したいですね」

――春シーズンは毎週のように試合があり、遠征も多かったですが振り返っていかがですか。

 「体と心の両面で大変でしたね。みんな授業にギリギリまで出て、練習して、そこから移動となると疲労感もたまっていきますし。ここまで試合が続くというのもそうそうなかったので、体の疲れというのもありましたが、選手が一番しんどかったのがマインドの部分だったと思います。強い相手が続いた後に難しい相手と試合をするとなるとどうしても心の緩みが出てしまう部分がありますし、マインドの作り方が難しい中で、接戦になる試合も多かったですし、心の疲れと体の疲れから、シーズン終盤に差し掛かってきたときに弱い部分を見せてしまったかなというのがチームとしても個人としてもあったので、そこは自分がもっと強く引っ張っていく必要があったかなと反省しています」

――春で敗れた早大や帝京大に勝つためにはどのようなことが必要だと思いますか。

 「やはり当たり前のレベルを上げていく必要があると思います。帝京さんも早稲田さんも、試合をしてみると一人一人が特別なプレーをしている訳ではなく、やるべきことをしっかりしていて、それぞれの精度が高いなと感じました。明治はそこの部分が選手個人でまだばらつきがあります。早稲田や帝京は下のチームでも同じレベルでやっていたので、チーム全体としての底上げであったり、一つ一つの精度にこだわってあげていくべきだと感じました」

――夏合宿ではどのようなところを強化していきたいですか。

 「合宿が終わったらすぐに対抗戦が始まるので、なるべく出来上がった形まで持っていきたいですね。しっかり戦えるように、練習試合もテストマッチと捉えて一つひとつの精度にこだわっていきたいです。FWとしてはスクラムやラインアウトなどセットプレーのところをキーポイントに挙げていて、FWで勝てるようなチームにしていきたいと思います」

――ありがとうございました。

[加藤晃誠]

◆大川 虎拓郎(おおかわ・こたろう)法4、東福岡高。186センチ、104キロ

前期で単位はほぼ取り終えたという大川主将!「去年は春も秋もフル単でした。対抗戦の間もずっと勉強しながらやっていました。1年生にはちゃんと勉強しとけよって言ってます(笑)」。ラグビーとの両立は「やるしかない!」と臨んだとのこと。

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