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(72)~playback~ 渡辺寅「勉強になったかけがえのない4年間だった」

ラグビー 2021.11.23

 「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンに込める意味について言及した。3連覇の懸かる関東大学対抗戦、そして日本一奪還に燃える全国大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生に明大での4年間についてとラストシーズンへの意気込みを伺いました。

 

 第19回は渡辺寅(法4=明大中野八王子)のインタビューをお送りします。(この取材は10月20日に行われたものです)

 

――明大に入ったきっかけを教えてください。

 「自分は明大中野八王子から明治で、スポーツ推薦ではなかったです。自分で選んだ形です。きっかけというのは二つ上の坂(和樹・令二営卒・現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)選手に憧れていて、その選手ともう一度ラグビーがしたい、ああなりたいという思いと、どれだけラグビー部で自分を磨けるかという気持ちで入りました」

 

――4年間を振り返っていかがですか。

 「大変だったしうまくいかないことだらけでした。それでも逆に中学高校ではうまくいく側だったので、自分の見えていなかった価値観や、人の思い、自分の立ち位置などいろいろ気付けたことがありました。また、努力という言葉を初めて知れた気がします。正直きつかったですが、勉強になったかけがえのない4年間だったなと思います」

 

――4年生として今ご自身でのチームの役割はありますか。

 「大きくペガサスとルビコンと分かれていて、ペガサスはレギュラーにかかってきますが、自分はルビコンのチームです。正直ルビコンのチームがこれからレギュラーになる可能性は低いです。下のチームのメンバーは後輩が多いですが、下のチームでも腐らずにみんなが優勝に向けて頑張るために士気を高めることが大切です。言葉だけではなく、一番体を張り、プレーで引っ張ることが自分の役割だと思っています」

 

――4年間で最も印象深い試合はありますか。

 「3年次の慶応戦の練習試合です。その時もルビコンのC戦でした。今ぐらいの時期で、C戦だし、レギュラーの試合でもなかったですが、みんなで勝ちにいこうと士気を高めていました。後半付属高出身の選手もゲインラインを切って頑張りました。試合に勝って、終わって帰ってAチームがとても良かったと言ってくれて、泣いてくれる4年生の先輩もいました。C戦ですが、それこそAチームに還元できた試合でした。ペガサス、ルビコン関係なくみんなで頑張ることがチームを動かす力になる瞬間を感じられました」

 

――明大に入って成長できたことはなんだと思いますか。

 「できない自分、できない側の人間の思い、その中で大切なのはレギュラーになることだけではないです。とはいえレギュラーの人を応援することだけでもないです。自分に何ができるのかということを探しました。自分が頑張る意義や、支えてくれる親や周りの人のために頑張る。何が自分の強みなのか、なぜ頑張るのかを振り返った4年間だったと思います」

 

――改めて渡辺選手にとって『MEIJI PRIDE』とはどういった意味がありますか。

 「僕たちが1年次の時に優勝をしていて、今いる世代で僕らが唯一優勝を経験しています。今も優勝した時の気持ちも覚えていますし、僕はグラウンドで出てもいないし、球拾いをやっていましたが、それでも優勝して泣きましたし、井上遼(平31政経卒・現コベルコ神戸スティーラーズ)さんが体を張って、外国人の選手を止めていました。井上さんともっとラグビーができるように、きつい走り練習やウエートをやって、1年生でも食らいついて優勝のための努力が報われた瞬間でした。4年生が残した優勝を、優勝していないからこそ偶然と思わせたくないです。明治は本当に強いチームだぞということを知らしめるためのスローガンだと思っています。いままでの努力もありますし、22年間待ち望んでくれたファンへの恩返し、明治が優勝した瞬間を偶然だと思わせない『MEIJI PRIDE』だと思っています」

 

――目標としていた先輩はいらっしゃいましたか。

 「僕が1年次のとき後期に同じ部屋だった井上選手です。とても可愛がってもらって、中学高校では先輩とあまり仲良くすることがなくて、初めて先輩のつながりを感じました。同じ部屋だったので、ずっと家族のように過ごしたからこそ、この人ともう少しラグビーしたい、この人のために頑張りたいなと思える先輩だったので、今年度勝って恩返ししたいです」

 

――最後に残りのシーズンに向けて意気込みをお願いします。

 「もう残りは本当に何日もないです。やるしかないという感じです。きついですが、腹をくくって自分ができることを毎日100%やり切ります」


――ありがとうございました。


[田中佑太]

 

◆渡辺 寅(わたなべ・とら)法4、明大中野八王子高、170センチ・89キロ

弊部部員の中野拓土(法4=市西宮)と渡辺は大学1年次からの友人。「彼の応援してくれる言葉が支えになりました」


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