(74)~highlight~ 森勇登「最後の4年生は、勝って終わりたい」

ラグビー
2020.12.02

 「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。


 第21回は森勇登(政経4=東福岡)のインタビューをお送りします。(この取材は10月15日に行われたものです)


――まず、4年間を振り返ってみていかがですか。

 「1年生ではメンバーに入ったものの、大学選手権決勝ではリザーブで出られず、悔しい思いをしました。2年生ではしっかりメンバーに入り、優勝を経験できました。3年生では、対抗戦優勝を果たしました。しかし、早稲田に負けてしまい、大学選手権は準優勝で、自分が出られずに負けるよりも悔しさかったです。嬉しい思い出もたくさんあったのですが、負けて悔しい思い出もいっぱいありました。最後の4年生は、勝って終わりたいです」

 

――明大ラグビー部に入部した経緯と理由を教えてください。

 「テレビで明早戦を見たりしていて、紫紺のジャージーに小さい時から憧れていました。また、高校で日本一を経験したこともあり、大学でも日本一になりたいなと思いました。そこで、日本一になれるチームに一番近いのが明治だと思い入りました」

 

――初めて紫紺を着た時のことを教えてください。

 「1年生の時の春の公式戦で初めて着ました。インサイドセンターでの出場で、大学で上のチームの試合に出る際のコンタクトなど通用するのか不安でした。しかし、意外と通用し、試合も勝てました。最初にしてはいいパフォーマンスができて、嬉しかったのを覚えています」

 

――今年はBKのリーダーを務めていらっしゃいますが、いかがですか。

 「昨年も考えてはいたのですが、昨年以上によくチームの状況、BKの状況、プレー、スキルのことをよく考えるようになりました。コミュニケーションに関しても、自分から後輩などと取ったりするようにしています」

 

――高校時代からの同期である箸本主将はどのような存在ですか。

 「高校の時も今も、存在だけでも引っ張っていける感じがあります。しかし、大学に入ってからはもっとコミュニケーションを取るようになりました。今はさらに、後輩たちに気を使ったり、チームをよく見ているなと思います。なので、主将は龍雅だなと思っていました」

 

――他のリーダーの印象を教えてください。

 「片倉(康瑛・法4=明大中野)もとても責任感がある人物です。自身の立場の自覚を持ちながら、後輩などとコミュニケーションを取っていると思います。(山沢)京平(政経4=深谷)も自分と似ていて喋るタイプではないです。しかし、戦術的なところを詳しく納得するようなアドバイスをしていて、後輩とかもなるほどとなります。また、けがしている際も池戸(将太郎・政経1=東海大相模)とかにアドバイスをしていていいなと思っています」

 

――ご自身にとってラグビーとはどのような存在ですか。

 「難しいですが、楽しいです。シンプルに」

 

――どのようなところが難しいと感じますか。

 「最近スタンドオフに入ったりするのですが、いろいろな状況判断が大事になってきます。また、もともとやっているインサイドセンターでも同じくとても大切です。キックの裏を見ることや、敵のディフェンスラインをみること。逆に、自分たちのアタックが何枚いるか、チャンスがあったらどのように攻撃をするかなど、意外と難しいです。しかし、そこが見えてきたら、楽しいです。いい状況判断ができたら、よかったと感じます」

 

――自分はどんな選手だと思いますか。

 「しっかりゲームメイクをし、スタンドをサポートしつつ、ボールをしっかり外に運ぶパスやランが持ち味です。あとは、状況判断が得意だと思います」

 

――期待している後輩を教えてください。

 「やっぱり(児玉)樹(政経3=秋田工)です。ラインブレークなど縦の強さがあるので、アタックに勢いが出てとてもいいと思います」

 

――最後に、森選手にとっての〝one by one〟とは。

 「今年は試合数が少なく、対抗戦での試合を通してたくさんの課題が出ています。一試合一試合その課題を克服し、一つ一つ乗り越えるというのがスローガンに当てはまっていると思います。一つ一つを大事にしていきたいです」

 

――ありがとうございました。

 

[堀之内萌乃]

 

◆森 勇登(もり・ゆうと)政経4、東福岡、173センチ・83キロ

最近楽しかった出来事は、同期でやった学年会。グループごとにいろいろな食べ物を出し合い、お菓子を大量に買ってきたグループもあったそう。