(73)明早戦直前インタビュー 早大・丸尾崇真主将「接点で早稲田が圧倒する」
明早戦まで残すは1週間。計3回にわたって早大のキーマンに対するインタビューをお送りする。第3回は丸尾崇真主将(文構4=早実)。付属高出身ながら昨年度U―20(20歳以下)に選出されるなど、実力は折り紙付き。2年次から臙脂をまとい、献身的なラグビースタイルが光る。昨年の国立で行われた決勝以来の明早戦。来る12月6日に向けてお話を伺った。(この取材は11月12日に行ったものです)
――今年の早稲田のチームカラーを教えてください。
「戦術的にいえば早稲田はディフェンスのチームだと思っているので、ディフェンスから流れをつかむというのがプレーに関するカラーですね。例年より研ぎ澄まされている実感はあります」
――春シーズンはどのように過ごされましたか。
「基本的にはチーム活動ができていなかったので、一人で個人練習というのが続きました。その中で少人数でのミーティングを多い時には週2回くらいを継続して、自粛中は過ごしていました。寮生は話したりしますけど、帰省組はそこが話し合いの場でした」
――ここまで(筑波大戦まで)の対抗戦を振り返っていかがですか。
「早稲田大学としては一戦ごとに成長していくという気持ちで臨んでいまして、一戦ごとに課題を出してそれに向き合って解決し続けていく。そのサイクルを続けられているのかなと思います。(全勝について)課題に対して向き合えた結果だと思います」
――帝京大戦を振り返っていかがですか。
「どの試合もそうなんですけど、ディフェンスで勝つ。特に帝京大戦は接点にこだわってやろうと。接点で一歩引かない、一歩をかけて戦うんだということを言い続けて、それが良く出た試合だったなと思います。(通じた部分は)ディフェンスに関しては良かったなと思っています。ただゴール前で簡単にトライを許すシーンがあったので、そこはまだまだ改善すべきところ。あとはセットプレーですね、特にスクラムの部分はいいものもありましたけど、返されるものもあったので、これから磨きをかけていきたいです」
――筑波大戦を振り返っていかがですか。
「きれいにトライを取ろうとすると、一発でカウンターを食らうみたいなところがあるので、継続して我慢してアタックもディフェンスもするということの大切さを気付けました」
――主将としての軸を教えてください。
「常々、自分は日本一に向けて、ということを心がけています。グラウンドでは誰よりも今年のスローガンである〝BATTLE〟を意識しています」
――昨年の優勝からチームに変化はありましたか。
「練習でのスタンダード、意識レベルは変わったかなと。日々の練習という面では昨年よりも充実しています。また練習の質も上がりました。、昨年はスター選手が多くいて、彼らに引っ張ってもらった部分が多かったと思うんですけど、今年はそういう人が少ないので、そもそもチームのレベルとしてあがってきたかなと思います」
――今年の4年生の性格はいかがですか。
「真面目で、どちらかといえばおとなしいです。ですが、それぞれに芯はあって、強い思いを抱いている選手は多いように思えます。僕が主将なので、イメージはやんちゃさが出ているかもしれないですが、学年としても非常に真面目でかつ、まめな代だと思います」
――今年の明大の印象を教えてください。
「才能あふれる選手が多く在籍していて、誰にボールがわたっても怖いチームですよね」
――今年の明早戦の展望をお願いします。
「正直言うと、接点で早稲田が圧倒するんじゃないかと思いますね。そうしないと早稲田は勝てないですし。もし接点で圧倒できれば、僅差ではないなと思います。それでも明治なので、全く侮れません。明治の武器にしている接点の部分、〝前へ〟をいかに出させないか。そこが勝敗に関わってくると思います」
――ありがとうございました。
[高智琉大朗]
◆丸尾 崇真(まるお・たかまさ)文構4、早実高、183センチ、100キロ
U-20のオーストラリア遠征では、明大の田森海音(政経3=長崎北陽台)と交流が。「僕が明治の選手とあそこまで仲良くなれるとは思っていませんでした(笑)」
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