(6)「僕が私生活を統率できるかでチームは決まる」髙橋広大 新体制インタビュー
3年連続で日本一を争っている明大。ウイニングカルチャーが根付きつつある今、新スローガン〝One by One〟の下、目標とするジュニア選手権、対抗戦、大学選手権の3冠達成なるか。勝負の秋を占う挑戦の春、箸本龍雅主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新幹部の今シーズンに懸ける意気込みを全8回にわたって紹介します。
第6回は髙橋広大(情コミ4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は3月12日に行われたものです)
※3月30日、関東ラグビー協会より「関東大学春季大会・オールスターゲームの中止決定」が発表されました。一部取材内容と齟齬(そご)がありますが、ご了承ください。
――昨年は副寮長、そして今年は寮長に就任しました。
「昨年の寮長の(射場)大輔(令2政経卒・現NTTドコモレッドハリケーンズ)さんを見て、自分はどうしていかないといけないかというのは頭の中にありました。寮長が私生活の統率をとれるかとれないか次第でしっかりとしたチームになるかということが決まると思っています。自分にも厳しく、他人にも厳しく接するようには心掛けています。昨年副寮長を任せてもらえたのは先輩にも同期にも後輩にも間違っている、おかしいところは指摘できるタイプだからだと思います。言いづらい人はいませんし、周りにも厳しく言えるという要素は寮長にとって大事なことだと思います。今年の副寮長の江藤(良・文3=報徳学園)と協力してやっています。月に1度、ミーティングをしたりして、かなり話し合っています」
――今年変えようと思っていることはありますか。
「今年のチームは昨年以上に上下関係なく言い合えるチームを目指しています。無駄な上下関係はないですし、下級生でも意見を言いやすい関係づくりというのを僕が中心となって、私生活から構築できればいいと思います。ラグビーにもつながることだと思いますし、昨年のチームはリーダー陣のコミュニケーションはかなり取れていたのですが、それが全体まであまり広まっていないなと感じることがあったので、僕らは上から下の学年までチームとしての統一性を持たせて、コミュニケーションを密に取れる環境を作っていきたいと思います」
――昨年は対抗戦、大学選手権ともに出場されました。
「春シーズンは膝のケガで1試合も出られませんでした。膝のケガはラグビー的にあまりよくなくて、前よりパフォーマンスが落ちると言われます。僕は絶対言われたくなくて、必死でリハビリをしました。多少焦りはあったのですが、夏に戻った時に絶対に活躍できるように準備はしていました。自分の中で決めていた予定通り紫紺を着ることができたのですが、欲を言えば、もう少し長くAの試合に出られれば良かったとは思います。それでも良いシーズンでした」
――春シーズンのリハビリ中に鍛えたことはありますか。
「自分の体を見つめなおして、そのケガをしてから毎日日記を書くようにしました。その日の膝の調子や感情、前日にはできなかったけどできるようになったことを書きました。強化したところは体の使い方、柔軟性です。以前はあまりストレッチをしないタイプだったのですが、さまざまな人にお世話になりながら体作りができました。ケガをする前よりも今ははるかにいい調子だと感じます」
――ポジションはどこを重点的にやるかは決まっているのでしょうか。
「今はまだ特に決まっていません。滝沢FWコーチからはロックとフランカーの両方をできるようにと言われていますし、自分の中でも特にどちらかにとらわれるプレースタイルではないので、どちらも好きです。強いて言えば、ロックはラインアウトがメインになるので、ロックの方が大変だとは思います。桐蔭学園の時は1年はフランカーで、2、3年はロックでした。どちらもできるというのがある意味強みかもしれないです」
――どのような選手像を目指していますか。
「石井(洋介・令2情コミ卒現栗田工業ウォーターガッシュ)さんと坂(和樹・令2政経卒現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)さんの役割を目指しています。今FW陣の中では石井さんが抜けたところでジャッカルを誰が取るんだということが課題になっています。そこで僕が取れるようになれればいいと思います。また坂さんはボールを持って前に出る選手で、坂さんが抜けた分、ボールを持てる龍雅に負担がかかってしまいます。自分が坂さんみたいな役割で前に出る回数を増やすことができれば、とも思っています。その2人の役割をうまく取りつつ、自分の色を加えるということを目指しています」
――今シーズンの意気込みをお願いします。
「私生活でもラグビーでもチームになくてはならない存在にならないといけないです。そしてチームとして掲げている三冠をとれるように一日一日大事にしたいです。優勝できる力は絶対あるので、〝One by One〟を大事にしてチームみんなで力を合わせてとにかく優勝したいです」
――ありがとうございました。
[上松凜助]
◆髙橋 広大(たかはし・こうだい)情コミ4、桐蔭学園高、184センチ、100キロ
オフは遠藤孝一(法4=国学院栃木)選手、森勇登(政経4=東福岡)選手とともに地元群馬の名湯・草津温泉へ。「夜のライトアップがきれいでした」
次回は梅川太我(営4=石見智翠館)のインタビューをお送りします。お楽しみに!
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