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(26)~FINAL CHALLENGE~ 安部耕平「全員がプレーしやすい環境づくりが僕の使命」

ラグビー 2019.10.07

 「真価が問われる代」。武井日向主将(商4=国学院栃木)は今年の最上級生についてこう語る。苛烈極まる対抗戦、そして連覇の懸かる大学選手権へ。激戦のさなか、4年生一人一人に今シーズンに懸ける思いについてうかがった。

 

第1回は安部耕平(法4=大分舞鶴)のインタビューをお送りします。(この取材は9月22日に行われたものです)

 

――昨年度王者としてのシーズンに臨んでいます。

 「昨年は対抗戦で慶応、早稲田に負けたからこそ、そこから学び、大学選手権優勝まで繋げられました。今年は、強豪校と対戦する対抗戦後半がこれからなので、まだ過程の段階です。昨年の反省を生かして慶応、帝京大、早稲田から勝利を挙げて新たな反省点を見出したいです。最後まで勝ち続けて大学選手権決勝を迎えられるチームをつくり上げたいです」

 

――明治大学ラグビー部とはどのようなクラブだと思いますか。

 「たくさんの人に愛されていますし、勝利という形で応援してくださる方に恩返ししなければならないと思っています。結果を出し続けて、たくさんの人に元気を与えられるチームだと思います」

 

――同じ大分舞鶴高出身の矢野湧大選手(文4=大分舞鶴)、井元優吾学生スタッフリーダー(営4=大分舞鶴)にはどのような思いをお持ちですか。

 「矢野に関しては選手として紫紺を着て試合に出ているところを見ていると、うれしい反面、自分も紫紺を着られるようなチャンスにからんでいかないといけないという良い刺激になっています。井元は途中でチームを支えるスタッフになって、自分の生きる道を一生懸命探し、チームのためにたくさんの時間を費やしている姿をいつも見ています。尊敬できる人間です」

 

――4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。

 「僕は80分間出場した試合というのが1試合しかありません。1年生の時の新人明早戦です。今主力で活躍している早稲田の選手たちが多く出ていて、例年であれば明治が圧勝する試合なのですが、引き分けてしまい、自分たちはとても悔しい思いをしました。しっかり準備をしなければいけないということを学びました。自分は高いレベルでプレーしているということを感じられましたし、自覚が芽生えました。4年間忘れない大事なことを教えてもらった試合です」

 

――4年生に上がり、変わったことはありますか。

 「3年生までは4年生を支えるという立場でやっていました。4年生になり、下級生は最上級生の振る舞いを常に注目して見ていると感じます。上級生がどういう動きをしているかで下級生がどういう雰囲気になるかが変わってくるので、自覚を持った振る舞いをして、優勝した時にこの4年生だから勝てたんだと思わせられるような態度を常に取っていなければならないと思って日々やっています」

 

――今年の4年生はどういう学年ですか。

 「一人一人個性的ですね(笑)。仲は本当に良くて、アホな話とかして和気あいあいとしています。しかし、やらなければいけない時はしっかりと集中してやれる学年です。スイッチを切り替えられる人間が多いです」

 

――安部選手はどのような役割を果たしていますか。

 「自分の強みは人にエナジーや活気を与えられることだと思います。同期もそうなのですが、特に下級生と密にコミュニケーションを取って、チーム全員がプレーしやすい環境を作ることが自分の役割だと思っています」

 

――11月から対抗戦再開、そして関東大学ジュニア選手権も続きます。

 「ジュニア帝京大に完敗して良い反省をたくさん得られました。チャンピオンチームだったのは去年のことで、今年のチームは全く違います。まずはジュニア選手権であったり、自分が出られるカテゴリーで優勝のための一歩に貢献したいです。自分自身も少しでも上のカテゴリーで試合に出て、チームを勝利に導きたいです」

 

――安部選手にとって〝真価〟とは何ですか。

 「誰が見てもこのメンバーだったから優勝したなと、そしてこの4年生だからこそ付いてこられたし、優勝出来たんだなと最後にチームの誰もが感じられるような環境を作りたいです。そして、見ている人たちに勇気や感動を与えられるようなチームであり続けることが〝真価〟だと思っています」

 

――ありがとうございました。

 

[上松凜助]

 

◆安部 耕平(あべ・こうへい)法4、大分舞鶴高、169センチ・73キロ

安部選手は法学部須永ゼミに所属。「福田(健太)さん(平30法卒)と古田(翔悟)さん(平30法卒)がこじ開けたんですよ(笑)」。長らく開講されていかなったそうだが、今ではラグビー部御用達ゼミに変わりつつあるようだ

 

次回は安昌豪選手のインタビューをお送りします。


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