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(33)~4年の足跡~ 忽那鐘太「どんな状況でも楽しむことを1番に」

ラグビー 2018.12.29

 ‶個の強い世代〟と言われる4年生。本企画では紫紺を目指し戦った彼らの足跡をたどっていく。第14回は、持ち味のキックと判断力で重戦車を巧みに操る忽那鐘太(文4=石見智翠館)。人一倍に声を張り、10番としてグラウンドの中心に立つ際に何を思うのか伺った。

――ここまでの試合を振り返っていかがですか。
 「春から試合に出させてもらって個人のレベルアップはできたと思います。ずっとコミュニケーションを磨くことを意識していました。チームとして掲げてきましたが、スタンドオフとしても欠かせないので。夏、秋と実践的になってきて将太郎(松尾・商4=東福岡)もAチームで出てきて切磋琢磨(せっさたくま)してやってきました。慶応戦は自分が良いプレーできなかったので悔しさが残りました。チームに波があるので、自分たち4年生、そしてスタンドオフとして健太(福田主将・法4=茗渓学園)と一緒にチームを良い方向に持っていけるようにしたいです」

――選手権を迎えていかがですか。
 「(対抗戦では)今まで味わってきた責任感より重く感じて、チームで良いプレーできない時にリーダー陣がテンパってしまいました。そこで選手権に入る前に4年生全員でご飯と温泉に行きました。その時に腹割って今思っていることを全部喋って、『俺たち全員でまとまって、先陣切ってやっていこう』という話をしました。立命大戦で僕はウォーターに入ってチームの雰囲気が後半に悪くなった時に声掛けすることしかできなかったですが、4年生のまとまりを意識したら後半に修正できたところもありました。これからもまず4年生がまとまっていかなければいけないです」

――個が強い4年生の中での役割は何ですか。
  「自分は暗くなるのが好きではないので、どんな状況でも楽しむことを1番に意識しています。苦しい時にそのままでは何も変わらないので少しでもみんなが楽しいと思えるような、良い意味でみんなが気を楽にしてプレーできるように雰囲気を大事にしてます」

――松尾選手はどのような存在でしたか。

 「高校までは同級生にライバル意識がなかったですが、大学に入ってからは高校日本一の将太郎が来たので本当に良いライバルでした。やっぱり負けたくないです。将太郎はランも良いし自分で仕掛けられるし、お互いに持ってるものと持ってないものがあります。将太郎がいたから良い競争ができて成長できました」

――目標としていた人はいますか。
 「入学当初は、高校時代に兄(忽那健太選手・現Honda HEAT)の弟という感じで見られていて声を掛けてもらって助けられた部分があったので、兄と違う大学で兄より上にいってやろうという気が強かったです。2年生の時兄が4年生で筑波大でキャプテンをしていたので、筑波大を超えてやりたいという気でした。今尊敬しているのは航平さん(堀米・平30商卒・現リコーブラックラムズ)です。昨年の秋のスタートは自分と将太郎がAで、航平さんはBでした。1年の時から対抗戦に出場して活躍してきた人だと思うので、挫折というかケガもしていないのになかなか上がれなかったことは4年生にして初めてだったと思うんです。もし自分が同じ立場だったら腐ってしまいます。ただ航平さんは自分のプレーを一から見直してAに復帰して、決勝まで10番背負ってやっていたのは本当に尊敬しています。航平さんみたいな4年生、そして不動の10番になりたいです」

――忽那選手にとって〝Exceed〟とは何ですか。
 「将太郎を超えて10番を取ることですが、そのためにもまず自分を超えていかなければならないです。毎試合自分のパフォーマンスを全力でやり遂げて、一つでもチームに貢献できるようなプレーをしたいです」

――ありがとうございました。

[鈴木貴裕]

◆忽那 鐘太(くつな・しょうた)文4 石見智翠館高 178センチ・87キロ
 BKリーダー。オフの日は飲みに行く。「汰地(髙橋・政経4=常翔学園)やカズミ(小宮・文4=目黒学院)はよく飲みます。2人ともいかにも飲みそうでしょ(笑)」。


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