(5)シーズン直前インタビュー 牧島瑠依
五輪イヤーが幕を閉じ、フィギュア界は大きな世代交代を迎えた。自己研さんに励んだオフシーズンを経て、いよいよ本格的なシーズンの幕が開く。新戦力として明大に加わった選手もいれば、今季限りで競技生活に区切りをつける選手もいる。新たな時代の始まりを前に、それぞれは何を思うのか。本インタビューでは、その胸の内をお届けする。
(この取材は9月15日に行われたものです)
第2回は牧島瑠依(商1=目黒日大)のインタビューです。
――現在はどのような練習をされていますか。
「シーズンも始まってきているので、主に曲かけ練習、あとはその曲に入っているジャンプをつなげて跳べるように体力面の強化など、一つ一つの質を上げていく練習を行っています」
――コンディションはいかがですか。
「6月から先生が変わって、いろいろ変えたり、一から直してもらったりと、強化している部分があります。それを自分のものにするには、まだまだ練習が必要ですが、確実にいいものに仕上がってきてはいるので、それを試合でしっかり出せるように頑張りたいと思います」
――先生が変わって、練習の内容はどのように変わりましたか。
「もともとジャンプが苦手だったので、そこを強化していただいて、いろいろアドバイスを受けました。やはりアドバイスを自分のものにするのは、かなり苦戦したり、本番で(ジャンプを)跳ぶとなると、緊張してしまったり、自分の癖が出てしまうので、そこの調整が今も苦戦しているのですが、徐々に良くはなっています」
――合宿は、振り返ってみていかがでしたか。
「3泊4日の合宿は、自分の中でも長いなと感じましたが、やはり明治大学のレベルの高さ、そして同世代だったり、上の学年の憧れの選手だったり、自分が目標としている選手たちの練習を見られて、とても自分の成長につながる合宿になりました」
――合宿では、どのようなスケジュールで練習されていましたか。
「朝ごはんを食べてから練習をし、トレーニングをして、ご飯を食べて夜練でした」
――トレーニングというのは、陸のトレーニングですか。
「そうですね。陸で、明治大学のOBの鳥居先生(鳥居拓史・平22文卒)のトレーナーさんがしっかりと体幹など体の使い方を教えてくださって、すごく勉強になりました」
――昨年の合宿では、最終日にSP(ショートプログラム)とFS(フリースケーティング)を見せ合ったと伺っていますが、今年はいかがでしたか。
「今年はなかったのですが、その代わりに曲かけ練習の回数や、動いている時間がとても多かったです。そのため去年より練習時間は少なかったのですが、やはりきつかったですね」
――合宿を経て、収穫はありましたか。
「やはりクラブの練習だと曲かけ練習の回数が少ないのですが、(合宿では)たくさん曲をかけることで、曲の動きに慣れてきたなと感じたり、体力面でもすごく力がついたりしたと思います。また、一回一回、監督(佐々木創監督)がアドバイスをくださるので、どうしたらレベルや加点がもらえるかなど、審査員側や、第三者目線で意見を聞けたことは、すごく収穫になりました」
――先ほど仰っていたように、先輩や、普段は一緒に練習しない選手と練習して、刺激を受けたことや、印象に残ったことがあれば教えてください。
「やはり三浦佳生選手(政経3=目黒日大)のスピード感と、周藤集選手(政経2=ID学園)のエッジワークの深さと滑らかさ、体の使い方がとてもすごいなと思って、自分もこういうスケートがしたいなと思いました」
――実際に選手間でアドバイスをし合うことはありましたか。
「先輩方は皆さん優しくて、僕から聞いたり、(先輩からも)『こうしたらどう?』というアドバイスをいただけたりして、やはり上手い選手にアドバイスをいただけたことは、すごく身になりました」
――合宿には佐藤駿選手(令8スケート部卒)もいらしていましたが、お話はされましたか。
「はい。駿くんは本当に優しくて。それまでは全然関わりがなくて、それこそ去年の明法オンアイスの後に、みんなでご飯に行った際に話させていただいたぐらいだったのですが、本当に気さくで。楽しく練習して、すごくいい刺激になりました」
――練習以外では、明大のチームで遊んだりしましたか。
「トランプをみんなでやったり、最終日には男女一緒にカードゲームをしたりしました。フィギュア部門は部内でコミュニケーションを取る機会が多くないので、すごく新鮮な気持ちで、仲良くできてとても楽しかったです」
――今シーズンのFSについて教えていただきたいです。
「今シーズンのフリーは『ラ・ラ・ランド』で宮本賢二先生の振付です」
――選曲理由を教えてください。
「シニア1年目では、優しい部分と楽しい部分の曲調の変化がある曲を演じたくて、最後は元気に終わる曲にしたかったので、何があるだろうと考えた時に、『ラ・ラ・ランド』がとても素敵だなと思って、ちょうど映画も見たので選びました」
――『ラ・ラ・ランド』は昨シーズンで、青木祐奈選手(日本建物管財)が演じられていましたが、ご覧になっていかがでしたか。
「もともと青木祐奈選手の演技を見る前に、既に自分で編曲ができていました。なので青木祐奈選手と1回試合が被った時に(青木選手の演技を)見て、試合での音の響き方だったり、青木選手の音の取り方だったりがとても上手で、自分もこんなふうに滑れたらいいなと思って、来年頑張ろうと思いました」
――演技をする上で、注目してもらいたい部分を教えていただきたいです。
「やはり『ラ・ラ・ランド』は、静かなピアノの曲だったり、盛り上がる曲だったり、いろいろな色のある音楽がたくさんあるので、そこに注目していただきたいです。あとは、最後の盛り上がるところにステップシークエンスがあるのですが、スキップなどの振付があって、それこそ合宿の最後にはみんなが真似して一緒に踊ってくださって、賢二先生が楽しいプログラムにしてくれたので、そこに注目していただきたいです」
――フィギュアスケート界ではルール改正が話題ですが、それに関してはご自身でどう思われていますか。
「ジャンプが1個減ったので、すごく助かってはいるのですが、減ってもまだまだきつくて『なんでだろうな』と思っています(笑)。ルールで点数を取りこぼすことがないように、しっかりと確認して頑張りたいなと思います」
――新しく追加されたコレオスピンについてはいかがですか。
「音を表現する部分を強化するルールということで、コレオスピンができたと思いますが、やはりいろんな個性のあるスピンをみんながやっていて、すごく刺激をもらいました。それこそ合宿でもみんなでコレオスピンをやる機会もあったので、まだ全然自分のスピンというのはできていませんが、シーズンを通して音に合った、しっかり表現するスピンができたらなと思っています」
――SPの『マイケルジャクソンメドレー』については継続ということで、ブラッシュアップとしてはどんなことをされましたか。
「音の取り方と、一つ一つの動きにこだわっていて、賢二先生が『今ある動きをもっとこうしたら大きく、かっこよくできるよ』とすごく教えてくださるので、その動きをしっかりできたらなと思って、ブラッシュアップをさせていただいています」
――サマーカップと東京夏季大会(東京夏季)について振り返っていかがですか。
「サマーカップが終わった時は本当にどうしようと思いましたが、それこそ花絵先生(横谷花絵先生)が色々『こうしよう』とアドバイスをくださって、次の日からすぐ練習を開始して、その結果が少しずつですが、東京夏季とかでも出てきているので、シーズン終盤に向けてどんどん調子を上げていけたらなと思っています」
――東京夏季の時に、スピンの回転が速くてとても綺麗だと思ったのですが、スピンについて何か取り組まれましたか。
「初戦から東京夏季までの間にスピンをすごく練習していて、あまり詳しくない方に褒められるのは、素直な意見なのですごく嬉しいです」
――試合後には、自分へのご褒美として何かされることはありますか。
「ご褒美はたくさん寝ることと、食べたいものを、それこそスイーツやラーメンとか、試合前は重いというものをいっぱい食べますね」
――夏休みの間は授業がなかったと思いますが、どのように過ごされていましたか。
「試合と神宮(明治神宮外苑アイススケート場)の100周年のエキシビションがあって、かなり忙しくてあまり夏休みという感じではなかったですね」
――春学期を振り返って、大学生活はいかがでしたか。
「高校が通信だったので、慣れるまで少し時間がかかるかなと不安はありましたが、通うのがすごく楽しくて、周りの友達もすごく仲良くしてくださって、やはり明治大学で良かったなとすごく感じています」
――商学部の授業はいかがですか。
「やはり高校よりは全然レベルが高くて、多分わからない方だと思いますが、周りが教えてくれるので、本当にそれに助けられていて、なんとか生きています(笑)」
――通信の時は週にどれぐらい学校に通っていましたか。
「本当に月に2、3回で、毎回レポートがあるという形だったので、やはり週4回とか通っている春学期はすごく楽しかったです」
――高校生の時と比べると、スケートの時間は確保しづらくなりましたか。
「いや、履修登録がすごくうまくいって、朝練して、1限2限に出て、一般滑走で練習して、そのまま4限に出て、夜練とか、周りにもすごく羨ましがられます(笑)。周りはかなり抽選科目が外れて、練習と被ってしまった子が多かったので。授業があって、夜練や朝練を休むことは、僕は1個もないので、時間はかなり確保できていますね。来年が不安ですね(笑)。今年いい感じなので、大変になった時にどうなるのか、心配ではあります」
――語学はクラスで授業を受けていますか。
「語学はクラスではなくて、クラスの授業が体育ともう一つある必修なのですが、クラスの友達もみんな本当に優しくて、ご飯食べに行ってくれたり、遊んでくれたりして、スケートではない話をたくさんできて、すごく楽しいです。スポーツに関係のない話なので、息抜きになっています。あとは『練習大変?』とか『今日もすぐ練習?』とか聞いてくれて、『頑張れ』とか言ってくれたりして、普通に仲良くさせてもらっていて、本当に嬉しいです。練習があって、授業が終わった後すぐに、話さずに帰る時もありますが、仲良くしてくれて本当に感謝しかないです」
――今シーズンの意気込みを教えていただきたいです。
「最初は全然良くなかったですが、やはりシーズン終盤に向けて調子をあげようと頑張っていて、しっかり調整もできて、先生との信頼関係もすごくいい感じなので、それを大きな試合でしっかりと出せるように頑張りたいなと思います」
――次戦の東京選手権についてはいかがですか。
「試合で何位に入るとかではなくて、先生とはSP、FSで今やろうとしていることをしっかりとやって、本番で出せるようにしようねという目標で頑張っています。練習でやっていることを本番でやって、しっかりSP、FSでいい演技、ノーミスや揃えるというところを頑張っていきたいなと思います。本当に今いろんな『こうしよう』ということや、レベルアップさせたいことがたくさんあるので、全部は無理かもしれませんが、一つでも多くの課題を潰して、それをブロック(東京選手権)ではしっかりと出して、次の試合ではもっと課題を潰して、出してと、進化することを目標にしています」
――最後に応援してくださっている方へのメッセージをお願いします。
「試合が終わった後に声をかけてくださることが、次も頑張ろうと力になっていて、本当に感謝しています。しっかりそれに応えられるように、『上手くなったね』とか、『新しいプログラムいいね』と褒めていただけるように頑張りたいなと思っているので、これからも応援よろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[岩間美幸]
※写真は本人提供
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