(3)長友佑都選手記者会見コメント/サッカーW杯特集号特別企画

2026.06.12

 6月11日にサッカーW杯号外を発行いたしました。本特集では、サッカー日本代表に選出された長友佑都選手(平21政経卒=現FC東京)と早川友基選手(令3営卒=現鹿島アントラーズ)の2人に加えて、解説者として人気を博す林陵平さん(平21商卒)を掲載。そのほかにも、W杯にまつわる多彩な企画を載せております。

 本記事は紙面に載せ切れなかった長友選手の会見コメントのWEB拡大版となります。
(この会見は5月17日に行われたものです)

 「皆さん、こんにちは。本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。5大会連続のW杯メンバーに選出されて非常に光栄に思います。前回大会から4年間、本当に苦しいことも多くありましたが、たくさんの方々に支えられてここにたどり着くことができました。ですが、ここで終わりではなくて、僕たちには優勝という大きな夢があるので、そこの夢に向かって絶対に全身全霊をかけて戦いたいと思います。ぜひ皆さん応援よろしくお願いします」

——代表メンバーに選ばれた喜びを今どうかみしめていますか。
 「気持ちは感謝1000パーセントです。それ以外の感情はないです。たくさんの方々に支えられて、FC東京のスタッフも、チームメイトも、応援してくれる方々がいなかったら今の自分はいないです。特に家族に感謝しています」

——5回目という数字についてはいかがですか。
 「アジア人初ということで、その数字は光栄に思うのですが、これはいつか超える選手、後輩たちが出てくると思います。この数字よりは、W杯で何を残すかが大事なので、感謝と誇りはありますが、W杯で優勝しないと何も残せないなというのは思います」

——豊富な経験をお持ちだと思うのですが、W杯という大会で勝ち上がっていくために必要なもの、もしくはその中でご自身が果たしたい役割について教えてください。
 「一番大事なことはチーム一丸となること、一体感です。いくら良い選手が26人集まっても、一体感がなければ結果は出ないと思います。そのような中で、自分の4大会の経験というのは必ず生きてくるなと思います。また、ピッチに出ても自分は勝負できると思っています。4大会いろいろ経験してきましたが、皆さんが知らないことや日々いろいろなことがあります。その中で、僕はピッチ外ではW杯独特の匂いを、僕が持つW杯の嗅覚を用いて嗅ぎ分けることができます。空気清浄機のように少し空気がよどんでいるなと思ったらきれいな空気に浄化できると思います。自分は空気清浄機みたいな役割を果たせると思います。そのため自分がいることの意味や、自分の存在価値は、皆さんにW杯を通してお見せできると確信しています。現在長友が入ったことにより賛否両論があるみたいですが、『みんなW杯が終わる頃には賞賛しかないでしょ』。そのぐらい自信を持って、魂持って、日本だけではなく世界を巻き込んで戦いますので、見ていてください」

——ここまで長く積み上げてきたものを証明する大会にもなると思います。この大会をご自身のサッカー人生においてどんな大会にしたいですか。
 「集大成です。優勝して、僕の集大成を最高の形で終えたいなと思います。自分でも自分がW杯後に何を言い出すのかを今は想像もできないですが。現時点では集大成です」

——今週末の鹿島(アントラーズ)戦に向けた思い、それからプレーオフラウンドを託すことになるチームとサポーターの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
 「鹿島戦をしっかりと勝利してW杯に行きたいです。プレーオフが残っているのですが、今のチームだったら必ずいい結果を出せると思います。本当に素晴らしいプレーをチーム全員がしています。彼らに全てを託して、自分はW杯に行きたいなと思います」

——W杯に向けた強い覚悟をお願いします。
 「FC東京を代表してW杯に行くのはこれで3回目です。本当にこのクラブがなかったら、今の自分はいません。その感謝を胸に優勝を目指して、優勝することによって支えてくださった皆さんに恩返しができると思っているので、(目指すのは)優勝だけです」

——これまでのW杯の経験の中で、誰よりも、どの選手よりも多くの声援、悔しさ、そして厳しい言葉も背負ってきたかと思います。それらを今回どう受け止めて、長友選手にしかできないものとして、このW杯に何を残し、刻みますか。
 「本当に悔しい経験もしてきました。特にブラジル大会の時は非常に自分自身も挫折しました。ただ、その経験があって自分も強くなれました。W杯で優勝していないので成功はしていないですが、うまくいくチームとうまくいかないチームの雰囲気を自分はわかっています。うまくいくための雰囲気をどうつくるかというのも自分の中ではわかっています。そのような経験も踏まえて、優勝するために自分の経験全てをチームに還元したいと思います。前回も非常に熱い魂で自分は戦ったのですが、今回はそれ以上に熱い魂があるので、皆さんには魂震える準備をしておいてほしいと思います。とんでもないことになると思います」

——長友選手にしかできないこととは何ですか。
 「日本で唯一無二の魂を持っているのは、この強い熱い魂を持っているのは僕だけだと自分は思います。チームがうまくいっている時はいいのですが、うまくいかない時や、少し雰囲気が悪い時に、自分の熱い魂やエネルギーというものは必ずチームを前に向かせるようにできると思います。そのことは日本でおそらく僕にしかできないと自信を持って言えます。僕みたいな大きな癖を持っている人はなかなかいないと思うので、その癖をいい方向に導けるように(皆さんは)見ていてください。皆さんを楽しませます」

——日本代表はPK戦で過去勝ち上がることができていなく、JリーグでもPK戦が始まっていろいろな経験ができたと思います。その中で日本代表がPK戦で勝ち上がるためには何が必要だと思いますか。
 「PK戦で勝つことができていないので、そこは日本代表としても課題を持っていて、もうすでにみんなたくさん練習しています。今まで練習でそこまでPKは取り入れていませんでした。ですが、今はPKも想定して、前回のW杯が終わってからの4年間でかなり積み上げてきています。もちろん本番は違いますが、PKを蹴るということの慣れはみんな出てきていると思います。また、(PK戦を勝つためには、)最後は本当に気持ちだと思います。もちろん技術も大事ですが、PKのプレッシャーに負けない気持ちが大事だと思います。そこは自分自身も伝えられると思います。さらに、僕がいることにより、ちょっと弱くなった気持ちを前に向かせられると思います」

——ブラジルW杯も全員で優勝ということを挙げて、それが達成できませんでした。そして今回また優勝を掲げW杯に臨みます。当時と比較して目標、中身、それから熱量の違いというのはどのように感じていますか。
 「ブラジル大会の時は本田圭佑も優勝と言っていて、僕も優勝とは言っていました。ですが、実際にそれを心の底から思っているかというとそうではなかったと思います。ブラジル大会の日本代表の選手にはもちろん質がありましたが、優勝するだけの実力が日本代表にはありませんでした。ですが、今回は優勝するだけの質を持っています。それに加えて、チーム力も僕は持っていると思います。だから、心の底から優勝できると信じて優勝という言葉を言えていると思います。これは僕だけではなくてチームメイトもそうです。『優勝』という言葉は森保さん(一監督)はじめスタッフの皆さんも本気で優勝を狙って、心の底から出てくる言葉だと思います」

——先ほどおっしゃっていたチームがうまくいっていない時の嗅覚というのは、どのように磨かれ、発揮されるのか教えてください。
 「これは本当に日々変わるものなので難しいです。ですが、合宿も含めてW杯1回で1カ月と考えると、過去4大会を通して4カ月ぐらいW杯の雰囲気や、重圧を体験してきました。ブラジルの時で言うと、1戦目負けてからは非常にチームが落ち込んで士気もなくなりました。また、みんな不安でどうしていいのかわからないという状況にもなりました。それは自分自身もなりましたし、そこから奮起することはできませんでした。ですがあの時、今の経験を持った自分がいたらチームを前に向かせられたと思います。そのくらいいろいろな経験をして、日々変わっていく雰囲気や、勝つためのチームはこういう雰囲気だというのを自分の中ではもうわかっています。そして、その修正をできます。だから、先ほども言いましたが、僕は空気が悪いと空気清浄機のように空気をきれいにできます。そのことにより、チームはまた新たに過ごしやすい環境となり、前を向くことができる。そこはもう言葉ではなかなか伝えられないです。W杯独特の “匂い”を感じるのですが、それはもう多分、4大会経験した僕にしかわからないです。「うまくいく」答えを僕は持っています。そこは自信を持って言えるので、口だけではないということを皆さんにこのW杯でお見せするので、もう見ていてくださいとしか言えないです」

——長友選手の(W杯代表発表時の)涙の動画を拝見しました。世間でもすごい反響がありました。涙の理由を教えていただけますか。
 「異常なほどの反響があったようで、イタリア時代の友達や、チームメイトからもおめでとうという言葉が来ました。そのぐらい世界中に反響があったみたいです。先ほども言いましたように、(涙の理由は)感謝1000パーセントです。本当に苦しい中でも、家族や、いろいろな人に支えられてここまで来ました。本当に苦しみながら、最後の2カ月は正直ケガもして、焦りや不安もありながらのギリギリの戦いをしていました。その中でも支えてくれたたくさんの人がいたので、その人たちの顔が走馬灯のように出てきて、感情的になってしまい涙が出てしまいました」

——“メンタルモンスター長友”を生んだ要因はどこにありますか。
 「メンタルモンスターと自分では思っていました。ですが、それ以上に妻の愛梨がメンタルモンスターで、とにかく愛梨に助けられたなと思います。結婚してから10年ぐらいになりますが、僕を支えてくれたのは愛梨です。僕が異常なモンスターになれたのも、彼女を見て強くなって僕も成長できたからだと思います」

——妻・愛梨さんからの反応はいかがでしたか。
 「選出されてすぐに愛梨に連絡したら、泣いて喜んでいました。本当にありがとうということと、これからまた頑張っていこうということを愛梨と話しました」

——FC東京の下部組織に何を伝えていきたいですか。
 「『人に笑われるぐらい大きな夢を持って、どんな時もブレない、強い信念を持って日々戦い続ける』ということです。僕がそれでここまで来たので。カタールW杯の後、僕が次W杯目指すと言ったら結構な人に笑われましたが、自分を疑ったことはないですし、信念を持ってここまで来られたから今の自分がいると思っています。後輩たちにも『ブレないで前へ進め』ということを伝えたいです」

[サッカー担当一同]