【自転車】第558号企画① ケイリンインタビュー/中村和樹

2026.10.03

 明大スポーツ第558号裏面にて、自転車部を扱いました。今回は、企画として、全日本学生対抗選手権(インカレ)でチームスプリントとケイリンに出場した選手のインタビューをお届けします。

 第1回はケイリンに出場した中村和樹(政経2=松山学院)の対談インタビューをお届けします。
(このインタビューは9月16日にオンラインにて行われました)

——昨年度の同種目で落車されたかと思いますが、トラウマはありましたか
 「かなりトラウマでした。レースが終わって最初のTIPSTAR(千葉JPFドーム)こそ怖かったのですが、練習だったら『うわ、ここでこけたんだ』みたいな感じで、それ以降は自転車も乗れるみたいな感じでした。でも、会場に人がいるインカレの空気感で、去年と全く一緒の感じになった瞬間、めちゃくちゃ怖くなりました。落車するぐらいだったら負けた方がいいと思うぐらい、去年めちゃくちゃ痛かったので、体動かなかったらどうしようとか思って怖かったです」

——その中でも予選から順調に勝ち進んでいきましたが、トラウマを払拭できた要因はなんだと思いますか。
 「今回僕の福岡から親も見に来てくれていました。本当は結果が残せる3、4年生ぐらいに見に行くみたいと言ってくれていたのですが、2年生でも結構練習も頑張って成績も出せるようになってきたので、今回から行くよと言われて両親も来てくれました。また、僕たちのために準備してくださったサポートのメンバーやマネージャーさんもいるし、僕ごときの私情のトラウマで情けない走りをしてしまったら本当自分が情けないし、1年間死ぬ気で頑張ってきたので、もうここはやるしかないなと思いました。あと、去年の落車でどこが落車するのかとかという大体の感覚がわかっているので、それなら足は一番使うのですが、誰も寄せ付けずに先行してやろうと思いました。失うものはないからガンガン攻めようと思っていたので、去年の落車のおかげで、今回攻めた走りができたのかなとは思います」

——落車自体、今までご経験はありましたか。
 「高校3年生のケイリンで日本代表の代表チームで出たジャパントラックカップというのがあって、その時にもラスト3コーナーから4コーナーでこけてしまいました。結構毎年こけていて、今年が一回もなかったという年でした」

——怖さはあっても、その中でレースに挑んでいるのですね。
 「先頭にいれば接することはないのですが、その代わり足も使うしきついです。でも、逆にそうやって思い切って攻めた走りをできたのは今までの落車の経験のおかげなのかなというのはありますね」

——決勝のレースで惜しくも敗れた松岡勇斗選手(日大)との高校時代の思い出を教えてください。
 「僕は自転車を高校から始めて、日本一のところに初心者で入りました。松岡さんは強い人たちと走る1班だったのですが、僕は一番下の6班とかでした。でも、僕がもがいている動画に松岡さんの『めっちゃええやん中村』という声が入っていて。高1の始めたての時に、僕のこといいと言ってくれる先輩がいるんだと思いました。(そのようなことを言ってくれるのは)松岡さんだけでした。そこから高2で結果残して、チームスプリントも松岡さんと走って、ジュニア日本新記録を一緒に出してからどんどん仲良くなっていきました。松岡さん面白い人なのでエピソードも多いです。寮で18時くらいからサンダルにお絵描きしていたのですが、その間にお風呂入ったり、洗濯物干したりして、9時ぐらい廊下出たらまだお絵描きしていて(笑)。こんな感じで面白い部分もあるんですけど、競技になったら一変してめちゃくちゃ考えているので、そこのギャップに憧れます。それがあるからこそかっこいいですし、しっかり結果も出すので、ずっと憧れですし、これからも憧れです」

——大学に入られてからも親交はありますか。
 「去年落車した次の日に一緒にサイゼリヤに行って語り合いました(笑)。松岡さんが去年1位取ったので『おめでとうございます』と言ったり『来年は頑張ろうな』とか『受け身教えてやるぞ』と言われたりしました。また、お出かけしたり、日大と寮が近いので、しょっちゅう会ったりしています。今年、松本トラック(2026松本サイクルトラックレース)と東日本トラック(東日本)と続いたのですが、松本トラックが終わったあと、松岡さんに『どういう練習したらいいですかね』という相談をしました。松本トラックのケイリンは僕予選落ちしていて、『今シーズンやってきたこと間違いだったのかな』と思っていたのですが、松岡さんに聞いたら『今やりすぎやから、この1週間はしっかり休んで自信持っていけ』みたいに言われて。それで挑んだ東日本は優勝できました。僕は休むことも練習だとはわかっているのですが、なかなかできなくて。でも、強い憧れの松岡さんに言われて、いざ休んだらめちゃくちゃ体が動いて、東日本も先行して行けたので、競技に関しては本当にずば抜けているなと思いました」

——松岡選手はチームスプリントもケイリンも優勝されましたが、その背中はどのように見ていましたか。
 「去年は下から見るだけで、チームスプリントの決定戦も日大さん1位だったのですが、僕たちは4位だったので、一緒に走ることはありませんでした。でも、今回は全競技で一緒に走ることができました。今回ケイリンで僕より前にいたのが松岡さんしかいなかったのですが、ピンクジャージを背負った背中はめちゃくちゃ大きかったです。来年超える気でいるのですが、高校から憧れている背中がはるかに大きくなっていて、いっぱい努力してきたのだなというのがわかりました。その背中見て、来年は絶対勝つぞという気持ちで、今年も来年も頑張っていこうかなと思います」

——来年度のインカレは松岡選手の大学ラストイヤーだと思います。意気込みをお願いします。
 「松岡さんにとって最後のインカレだと思いますが、松岡さんが育てた後輩はここまで育ったんだぞというのを見せられるように頑張ります。7年ぐらいの付き合いで、これからも多分競輪選手などで会うと思いますが、大学生というトラック競技の節目で、最後は後輩として勝たしてもらおうかなと思います」

——ありがとうございました。

[安田賢司]