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(4)「信頼できる選手になりたい」池戸将太郎 新体制インタビュー

ラグビー 2023.04.04

 昨年度は惜しくも準々決勝で敗戦した全国大学選手権(以下、選手権)。100周年という節目の年に、5年ぶりの日本一奪還を目指す。新スローガン『ONE MEIJI』の下、チームやファンが一丸となって廣瀬雄也主将(商4=東福岡)率いる新体制が始動する。本連載では新チームの監督、4年生のインタビューを全7回にわたって紹介します。

 

 第4回は池戸将太郎(政経4=東海大相模)選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月22日に行われたものです)

 

――昨年度を振り返ってみていかがですか。

 「チームとしては春いい形でやれた試合もあって良かったのですが、夏に体調不良者が出てやはりチームの雰囲気やラグビーの質もなかなか上がりづらかったです。なかなか調子がでなくてそのまま秋のシーズンに入って、徐々に良くなっていった部分はありましたが流石に遅かったという感じでした。1年を通していい流れではチームを作れなかったという印象です。個人としては大きなケガをしないで出られましたが、うまくいかないことも多かったのでもっとラグビーを見て勉強するべきだったなと思いました。戦術的なものを知る部分もまだまだ足りなかったという1年でした」

 

――ラグビーを知るということは、自分が出ていない試合を見るということですか。

 「明治の試合というよりは、日本代表の試合や海外の試合、リーグワンの試合など高いレベルの選手で同じポジションの人がどのような動きをしているのかを見るという感じです。特にアイルランドが好きで、あんなラグビーをしてみたいなと思います」

 

――昨年度の選手権準々決勝の早大戦では、スタメンでの出場となりましたが振り返ってみていかがでしたか。

 「技術的にもメンタル的にも戦術的にも力不足だなという思いしかなかったです。雰囲気にのまれてしまったところもありました。秩父宮(ラグビー場)も実際にプレーしたのは初めてで慣れていなかったし、ジンクスも頭の中でどこかにあって集中しきれなかったと思います」

 

――昨年度はスクラムハーフを経験されましたがその経験はいかがでしたか。

 「やって良かったです。他のハーフと比べたら全然ですが、将来スタンドもハーフもできるのはいいと思うので。あのレベルでスクラムハーフをやれたのは経験としてやって良かったと思います」

 

――実際に経験してみて、スクラムハーフとスタンドオフは具体的にどのような違いがありましたか。

 「全然違います。全部のポジションのポイントに行ってパスするので、体力的にも違います。パスの仕方も違います。スタンドオフはキャッチしてパスですが、スクラムハーフは地面からのボールをパスなので。そこの技術は全然違います。とても難しいです」

 

――昨年度は紫紺での出場機会が増えましたが、どのような成長につながりましたか。

 「まだまだ足りないなと思ってはいますが、スタメンではなくてもコンスタントに試合に出られました。2年前や3年前は試合に出られない時も多くて、なかなか大舞台の経験がなかったのであまり自信にもつながりませんでしたが、去年はある程度の経験は積めたと思います。1番成長できたのは経験値ですね」

 

――寮長になった理由を教えてください。

 「もともと副寮長だったので、そのまま寮長になりました。(副寮長になったのは)3年生になる時に副寮長を決める話し合いをして、みんなから『やってくれ』と言われました。僕もやってみたかったのでみんなからの後押しを受けてやりました」

 

――みんなから推薦された理由を教えてください。

 「みんなが言うには年下からなめられないし、怖いからみたいです(笑)そこは自分でも後輩との距離感が(寮長に)合っているかなと思っていました。自分で言うのは気持ち悪いですが(笑)」

 

――寮長というポジションで難しいことはありますか。

 「遅刻の注意をしたりするのでそこはプレッシャーになります。覚悟がいるところだなと思います。しっかりみんなに言って、自分も緊張感を持って生活するのが大変ですね」

 

――自分が寮長になって変えたいことはありますか。

 「変えたいのは、汚い寮に住むのか綺麗に整理整頓された寮に住むのかという生活水準や質の部分です。関係なさそうですがラグビーに通じるところはあるし、心持ちに自然につながってくると思うので、住みやすい寮をつくることや先輩後輩の距離感などを良くしていきたいです。質の高い寮生活にしてもらうためにやるのが目標ですね」

 

――今年度の注目選手を教えてください。

 「部屋っ子の吉田輝雅(政経3=東海大相模)ですね。今年出られるチャンスもあるし、僕もずっと見てきているので直属の後輩として注目したいなと思います」

 

――池戸選手個人としては、今年度のスローガン『ONE MEIJI』にどのような意味があるか教えてください。

 「僕的にはファンやスタッフ共に一つになるという意味もありますが、部員一人一人が明治のプライドを持つということで『ONE MEIJI』という意味があるのかなと思います」

 

――個人的にはどのような選手になりたいですか。

 「一番はシンプルに勝たせられる選手です。勝利に導ける判断やプレーができる選手になりたいし、信頼できる選手になりたいです。大事な場面でパスやキックがしっかりできるというのを見せて、信頼できて勝たせられる選手になれたらいいなと思います」

 

――今年度の意気込みをお願いします。

 「チームとしてはしっかり1年通して進化を遂げて、上のレベルに上がっても満足しないで優勝につなげられたらいいなと思います。個人としてはスキルアップだったり体を強くしたり、妥協をしないで優勝するためにやっていけたらいいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[豊澤風香]

 

◆池戸 将太郎(いけど・しょうたろう)政経4、東海大相模高、180センチ・89キロ

 昨年から実家で2匹の猫を飼い始めた池戸選手。「マロンちゃんとジルちゃんという名前です。本当にかわいいです(笑)」


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