平井、世界水泳とユニバーシアード日本代表決定!/ジャパンオープン

1999.01.01
 3月に東北地方を襲った東日本大震災。これを受け、日本水泳連盟はチャリティー大会としてジャパンオープンを開催した。会場では北島康介(アクエリアス)や寺川綾(ミズノスイムチーム)など、日本のトップスイマーたちによる募金活動も行われた。3日間にわたり行われた今大会はチャリティー大会だけでなく、7月に中国・上海で行われる世界水泳、8月に中国・深センで行われるユニバーシアードの代表選考会も兼ねた重要な大会となった。レースには、上記の2人のほかにも背泳ぎの入江陵介(近大)や平泳ぎの立石諒(慶大)など既に日本代表が内定した選手たちが数多く出場。3日間とも新記録が多数樹立されるなど、白熱したレースが繰り広げられた。
 
 そんな激戦を勝ち抜き、見事世界切符を手にしたのは明大水泳部のエース平井だ。今大会、400m自由形の競泳種目での代表入りはかなわなかったものの、自己ベストを更新し、2位に輝いた。一方、大学1年次から力を入れて取り組んできたOWS(オープンウォータースイミング)の10kmレースでは2位に1分以上の差をつけてトップでゴール。見事、優勝を果たした。このOWSで優勝したことにより、平井には世界水泳、ユニバーシアードのOWS競技の日本代表権が託された。OWSに取り組んできた3年間、「OWSで日本人初の第一人者になる」(平井)という目標を胸に平井は自らの道を突き進んできた。これまでいくつもの国際大会に1人で参加し、経験を積んできた。ここ最近では頻繁に海外へと飛び、さまざまなOWSの大会で結果を残してきた。3月に開催されたオーストラリアの大会では1kmと2kmのレースで優勝。一気に自信をつけ、今回のジャパンオープンに臨んだ。

「最初から優勝するつもりでいた」(平井)と彼の頭には「優勝」そして「代表」この2文字しかなかった。本来は海や川など自然の中で行われるOWSだが、今大会は時期に適した場所がなかったため50mプールを100往復するという形で行われた。約2時間に及ぶレース、もはや自分との戦いだ。しかし、平井にはほかの選手にはない経験と知識、そしてOWSに対する熱意があった。

「負ける気がしなかった」(平井)と自信に満ち溢れた明大スイマーがそこにはいた。
 平井の最終目標は来年のロンドンオリンピック。7月の世界水泳で10位に入れば、ロンドンへの切符が手に入る。「やるからには10番以内でロンドン」(平井)と平井も自身の夢に向かってやる気は十分だ。世界水泳で平井が出場するのは5kmと10kmのレースだが、「自分はスピードがあるから5kmは自信がある」(平井)と短距離で勝負に挑む。世界水泳だけではなく、すぐにユニバーシアードも待っている。今年の夏は平井の活躍から目が離せない。

 ジャパンオープンに出場したほかの明大の選手たちは思うような結果にはならなかった。予選落ちの選手が多く、あと一歩のところで決勝進出を逃した選手もいる。いつも上位につける伊与部も今大会では奮わず、50m背泳ぎでは古賀淳也(第一三共)や入江陵介などのトップスイマーが出場していなかったため、「優勝も狙えた。悔しい」(伊与部)と悔しさをにじませた。インターハイ優勝の戦績を持つ注目のルーキー矢澤も惜しくも決勝進出はならず……。B決勝でのレースとなった。一方、3月の選考会の合宿でねんざを負い、思うような練習ができなかった設楽(政経2)は「ずっとまともに泳げていなかったけど思ったよりタイムはよかった」(設楽)と好感触を得た。200m平泳ぎに出場した金子も不調を乗り越え、決勝で4位と手応えを感じた。「決勝の雰囲気が好き。冨田選手(中京大)や立石選手を脅かせるようになりたい」(金子)と表彰台入りする日も遠くはないだろう。

 ここ最近不調が続いている明大。今大会で好成績だった金子は「自分が成績を残すことでチームの雰囲気を良くしたい」と語り、清水主将は「今の雰囲気は良いとは言えない。インカレに向けてこれからチーム一丸となり、良い流れを作りたい」と気持ちを新たにした。今シーズン最後の全国レベルの大会となったジャパンオープン。選手それぞれが課題を見つけ、自身を見つめ直す大会となった。次は9月のインカレ。これから約3カ月、どれほど士気を高めチーム一丸となれるか、既に勝負は始まっている。