第556号拡大版 成嶋義徳選手×川野博大選手×上川畑英選手 特別インタビュー Vol.1
7月16日に発行された明大スポーツ556号では第102回日本選手権の200メートルバタフライで表彰台独占を果たした成嶋義徳選手(政経4=八王子学園八王子)、川野博大選手(商3=武南)、上川畑英選手(政経4=桐光学園)3人の対談を掲載した。本記事では、紙面に載せきれなかったインタビューを拡大版として掲載する。
(この取材は6月18日に行われたものです)
――具体的にそれぞれのレースの振り返っていかがですか。
成嶋(以下、成)「予選では前半をいい感じに泳げたので、決勝も同じように入ろうと思っていました。決勝は最初の50メートルまでは良かったのですが、中間の50から150メートルまでのラップが守りに入ってしまったというか、抑えめになってしまったので、そこが良くなかったかなと思います。次回はそこをうまくまとめて、最後のもう少し速くいけたらなと思います」
川野(以下、川)「ヨシさん(成嶋選手)は前半早いと分かっていたので、ついていって。100から150メートルは英くんが猛烈に追い上げてくると思ったので、そこで一回ギアを上げてという感じでした」
上川畑(以下、上)「後半が得意で、前半の100メートルは隣が川野選手だったので、少し様子を見ながら入って、100から150メートルで少しずつ追いついて、ラスト50メートルで抜くという展開を想像していました。ですが、思ったより100から150メートルで追いつけなくて、ラストの50メートルも届かない形になってしまったので、少し前半の入りが甘かったのかなと思いました」
――レース中はどのようなことを考えていますか。
成「周りを気にするとよくないので。(レース中周りは見えるのでしょうか)バタフライはよく見えますね。水しぶきとかも結構見えたりするので、前に人がいるとどれぐらい離れているか何となく分かって、バタフライは気になってしまいます。(自分は)前半速いので、前に出られると心にくるのですが、気にせず自分のレースに集中しました」
川「基本練習でずっと(成嶋選手と)隣なので、もう慣れているというか、前に行かれるのは分かっていたので、100から150メートルで一気に離そうと思っていました」
上「ラスト50メートルで一気に力を出せるように、150メートルまでは力をためる、楽に入る意識をいつもしています」
――レース後に振り返って電光掲示板の結果見た瞬間どのように思ったか、一言で教えてください。
成「優勝できて嬉しかった」
川「よかった」
上「悔しかった」
――予選の時点ですでにトップスリーでしたが、決勝もいい順位でいけるという雰囲気は感じていましたか。
成「みんなが予選どれぐらい頑張っていたかは正直分からなかったのですが、なんとなく3人で頑張ればワンツースリーはいけるのではないかなと思って、それで(ワンツースリー)いけたので良かったです」
川「僕が足を引っ張ると思っていたので、僕が4位とかで2人が表彰台に登るのを考えたりもしたのですが(表彰台に登れて)よかったです」
上「本当はインカレ(日本選手権)の舞台(でワンツースリー)だと思っていたのですが、それよりも早く、日本選手権という大きい舞台でワンツースリーできて。ここでワンツースリーできればインカレに向けいい弾みになるのではないかなと思って、かなりそこは意識していてました」
――一年ごとに行われる日本選手権ですが、今回は前回大会との期間が3カ月しかありませんでした。何か思うところはありましたか。
成「3月の日本選手権では200メートルバタフライに出てなくて、100メートルバタフライにシフトしていたので、実質200メートルバタフライでは初めての日本選手権でした。そこまで気負わず、とにかく普通に、いつも通りの試合として入れていました」
川「僕もいつも通りで。(成嶋選手が)すごいタイムで泳がれたので、逆に気持ちが入った感じでそこまで意識はしていなかったです」
上「9月のインカレを頑張りたかったので、6月はベストが出ればいいですし、ベストではなくとも、自分が納得できるようなレースができればなと思っていたので。そこまでガチガチに狙っていたというわけではなく、あくまでも9月に向けた通過点として捉えてました」
――優勝した成嶋選手の泳ぎについて教えてください。
川「なんでスプリンターなのに200メートルの方も泳げるのだろうと思います」
成「それは技術的な部分の話にはなってしまうのですが、バタフライはワンストロークする間に2回キックを打つんです。でもそれだと、ラスト上げられないし後半持たないので、第二キックをあまり打たないで泳いでいます。そうするとエネルギー消費を抑えて後半まで泳ぐことができるので。体力とかではなく技術で補っています」
上「100メートルでは後半が得意な選手なので、200メートルも泳げば速いだろうなと思っていたのですが、(3月の)選手権が終わってすぐに200メートルバタフライに出て、2秒ぐらいベスト更新して一気に来たので、3月(の日本選手権)も出ていたらもっと速かったのではないかなと怯えていました(笑)」
成「いや、3月に出場していたとしても56とか57秒ぐらいで速くはなかったと思いますね。(3月の)日本選手権が終わった後に、学校連組がシーズンを振り返って監督(佐野秀匡監督)と話す機会があって、その時にそのインカレの(出場)種目を決めることになって。100メートル背泳ぎか200メートルバタフライ(に出場するか)で迷って、それで監督に『今年は背泳ぎで頑張ります』って言ったら、『いや、200メートルバタフライの方が練習できるし、やってみてもいいんじゃない?』と言われて。それから覚悟決めて、気持ちが入りました。あとは今までは浮く(失速する)のが怖かったのもあって、前半の100メートルを抑えて入っていたのですが、監督のお話をいただいた後に、みんなの分も頑張ろうと思って前半からいって、後半もある程度保つようになってタイムが出てきました」
――前半型、後半型か選べるのならどちらになりたいですか。
上「200メートルバタフライはラスト勝負になることが多くて。僕はスピードがないので必然的に後半型になってしまうのですが、よくコーチから『200メートルバタフライで浮いたら絶対に負けるから、浮かないように、ラスト50メートルで一気にあげられるように意識して泳げ』と言われてるので、僕的には選べるとしても後半の方を選びます」
成「前半型か後半型か聞かれていて、どっちか答えないのもよくないんですが(笑)。最初ある程度いって、余力を持って最後上げるというのがバランスよくて一番いいと思っています。先ほどの話でもそうなのですが、バタフライは最初いかないと前に人が見えて気持ち的に少し嫌なんですよ。そういうのもあって、最初はある程度いって、中盤詰められた時、隣に並んだり、最後頑張れば追いつけたりできるくらいの距離を保って、ラスト振り絞るみたいな感じがいいと思っています。前半後半っていうよりはバランス型がいいかなって思います」
川「後半型ですね。最後抜かすのかっこよくないですか(笑)」
――バタフライという種目について教えてください。
成「完全に主観なのですが、日本は平泳ぎが世界で強いと言われているのですが、意外とバタフライでもメダルを取っていて。この間のパリ五輪はダメだったのですが、その前までは5大会連続で銅や銀メダルを取っていて、日本人でも世界で戦える種目であるところは魅力的かなと思います。」
――上川畑選手は普段クラブチームで練習されていますが、明治の学校練に参加されることはありますか。
上「去年までは少し学校練に参加していたのですが、今年は一緒に練習してないです」
――先ほども出てきましたが、佐野秀匡監督について教えてください。
川「考え方も僕たち学生寄りですごい距離感もいい感じですし、本当にいい人です」
――マネージャーさんの支えについてはいかがですか。
成「練習のタイムなどのデータをエクセルで入力して、それをラインで共有して、みんな誰でも見れるようにその日の練習を振り返るような環境をつくってくれていて。パソコンでデータ作るのも、練習終わった後、マネージャーさんが集まって遅くまでやってくれたりしているので、そういうところは本当に感謝していますし、そこにも明大の強い理由が詰まっているかなと思います」
――上川畑選手と成嶋選手は同じゼミとのことですが、何か思い出はありますか。
成「ゼミ大変です」
上「3年の前期に外国書研究という科目があって、教授が毎回A4の英文が書かれているものを、何十ページ分くらい出してきて、それを自分たちで翻訳してどういう内容か発表したのですが、僕たち当然英語とか全然できないので、それがめちゃくちゃ大変でした(笑)」
成「あとは今4年生になって、卒業論文に向けて中間発表みたいな形で自分の研究を何回か発表しなければいけなくて。その他のゼミがどういう雰囲気か分からないのですが、自分が発表してその後の質疑応答の時に、空気がもうシーンとしていて、来る質問も鋭くて。『おっしゃる通りです』みたいな(笑)。それについてうまく答えたりするのが難しいですね」
――川野選手はチームのムードメーカーなのですね。では、川野選手は成嶋選手と上川畑選手をどのような先輩だと思っていますか。
川「いるだけで雰囲気が締まりますし、でもちゃんとノリもいいですし。後輩からしたら本当に(先輩の)鏡みたいな感じです。かっこいいです」
成「嘘つくなよ(笑)」
――成嶋選手と上川畑選手はそれぞれどのような性格ですか。
成「なんだろう、落ち着いている感じですかね。(川野選手のような)ユーモアのあるムードメーカーが他にいるので、僕は流れに合わせて」
上「どちらかというとコツコツやるタイプです(笑)」
[藤岡千佳]
Vol.2に続きます
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