雪辱に燃えるアイスホッケー部門

最悪の春夏
 1年を無冠で終えた昨年。今年の春からは、これまでも主力として戦ってきた梁取アイスホッケー部門主将(政経4)が新しくCマークをつけ、新体制がスタート。心機一転で春のリーグに望んだ。しかし周囲の期待の大きさに反し、体力不足などから4位。その悔しさを胸に、夏のオフ後は例年より早く全員での練習を開始し、梁取部門主将の代表入りの経験を生かした厳しいメニューをこなした。「みんな(体力がついてきて、練習に)ついてこれるようになった」(梁取部門主将)と準備万全であったはずのサマーカップでは、格下の相手に破れ、まさかの1回戦敗退。「状態は最悪だった」(坂田・政経3)。夏のチームは士気も下がり、どん底の状態だった。
復活の秋
 状況を立て直すべく最初に立ち上がったのは4年生だった。頻繁にミーティングを行い、試合前日にはキャプテンが一人一人に「気持ちで負けんなよ」と声をかけ4年生自ら下級生に歩み寄った。

 その姿勢に下級生は次第に感化されていき「3年生からも声を出すようになった。そしたら、みんなが声出すようになった」(江端・法3)。試合中は氷上でもベンチでも声が絶えることはほとんどなく、どんな状況でも全員で盛り上げ、「絶対に勝ちたい」と一つになっている雰囲気がそこにはあった。「本当に上級生みんなが勝ちたいんだって思える。ここが去年と違うかな。だから下級生たちはその気持ちを踏みにじらないためにもプレーでも私生活でもしっかりやっていかなきゃいけないんだって思ってる。今(リーグ戦中)は我を捨ててみんな(チームのために)頑張ってる」(長岡・法2)。

 さらに秋から部全体に根付いていったのは『チームのために』という気持ち。「僕が決めなくても、他のやつが決めてくれるからアシストでいいんです」(田中・政経3)。「FWがしっかり攻めれるように、自分が(得点に絡まなくても)一番後ろで絶対守らなきゃ」(梁取部門主将)。これまで我が強く、自分自身のプレーを中心に考えていた選手たちが、チームに徹する――これによってもともとセットプレーを重視し、早大や東洋大のように飛びぬけたスター選手のいない明治にチームとしての一体感が生まれ、「雰囲気は最高によかった」(福田総監督)。
 
 惜しくも秋のリーグ戦は3位に終わったものの、1回戦で2年ぶりに東洋大から勝ち星を上げ、準決勝では「やろうとしてることに近い良いゲームだった」(藤井監督)と、夏のどん底の状態からは完全に復活を遂げ、さらなるレベルアップに手ごたえを感じることのできるリーグ戦となった。

勝負の冬
 今シーズン、残る試合は最多で4試合。昨年準優勝だった本学は1回戦シードとなり、2回戦から参戦となる。ここ2年のインカレ決勝で東洋大に敗れ、涙を呑んでいる明治。今インカレでは、組み合わせにより同じブロックに四強の早大、東洋大、法大がいないため、順当にいけば決勝でこのいずれかの大学と当たる可能性が高い。例年、インカレでは早々と姿を消すものの、今季のリーグ戦では本学が1度も勝つことができずに終わった早大。リーグ戦、インカレ両方ですでに連覇を果たしている東洋大。その東洋大から秋のリーグ戦で2勝を上げている法大・・・とどこが勝ち上がっても、厳しい戦いとなることは必至だ。しかしリーグ戦後「どこが出るかはわからないし、勝てなくはない。決勝で爆発的な力を出せれば・・・」と藤井監督。この2年間優勝を味わっていない選手たちには雪辱を果たすため、ここまで貯め込んできた悔しさとチーム力を爆発させてほしい。

 現在は「決定力と自分たちのミスでチャンスを与えない」(藤井監督)という明確な課題を掲げ「もう1回練習からみんなに自信をつけさせたい」(梁取部門主将)とラストスパートをかけている。12月末から東京を離れ、青森での最終合宿に入る。

[田中沙織]