
悲願のグランドスラム達成! 1試合残しての優勝を決める/秋季関東学生1部リーグ戦
秋季リーグ戦(以下、リーグ戦)は終盤に差しかかった。この日から、戸上隼輔(政経3=野田学園)が復帰し、高校3年次に全日本選手権(以下、全日本)で準優勝を果たした戸上・宮川昌大(情コミ3=野田学園)ペアが復活。戸上・宮川組の活躍や松田歩真(商2=野田学園)の大逆転劇などで、明大は10日の早大戦を残してのリーグ戦優勝をつかんだ。そして、春季リーグ戦、インカレ団体、秋季リーグ戦を全て制覇したことで、6年ぶりのグランドスラムを達成した。
◆9・1〜10 秋季関東学生1部リーグ戦
(所沢市民体育館他)
▼9・9 対中大戦(代々木第二体育館)
○明大4―1中大
リーグ戦4日目の相手は春季リーグで唯一敗北を喫した中大。リベンジに燃える明大であったが、初戦を黒星発進する。流れを変えるべく、2番手で登場したのはパリ五輪代表選考会の一つである全農カップで優勝し、勢いに乗る戸上。第1ゲームを11―3で奪うも、第2、3ゲームを連続で落としてしまう。「(全日本王者の)プライドを持ちつつも、こっちがチャレンジャー精神を持って戦った」(戸上)。フルセットの激闘の末に相手を下し、セットカウントを同点とした。3番手に登場したのは松田であったが、第1、2ゲームを連続で奪われ、早くもピンチに。「自分のプレーが全くできていなかった」(松田)。しかし、ここから大逆転劇が始まる。第3ゲームを11―7で取ると、続く第4ゲームではジュースになるも何とか勝利する。そして迎えた最終ゲーム。10―10と拮抗(きっこう)した状態から先に抜け出したのは松田。11点目を得て雄たけびを上げるが、相手も決して屈せず、直後に追い付かれる。両者互角の戦いを繰り広げ、スコアは15―15までもつれ込むも、ついに決着がつく。「何としてでも自分のプレーをしようということだけを考えてやった」(松田)。松田は強烈なフォアハンドを決め16点目を獲得。そのままの勢いで17点目も奪取し、見事大逆転で劇的勝利を収めた。
続くダブルスには、野田学園高校3年次に全日本で準優勝を果たした戸上・宮川組が出場。久しぶりにタッグを組んだため、最初はお互いかみ合わず、第1ゲームを落とす。しかし、ここから連携が徐々に良くなり、本領発揮。「当時のような動きが、第2ゲームからできた」(宮川)。戸上は相手が反応できないほどの高速バックハンドを何度も打ち込み、宮川も強烈なフォアハンドを放つ。終わってみれば、第2、3、4ゲームを圧倒して連取し、白星を飾る。何と相手にはこの3ゲーム合計で13ポイントしか許さなかった。そして、優勝を決めたのは、5番手の山本歩(商2=出雲北稜)。試合は取っては取られのシーソーゲームとなる。勝敗は最終第5ゲームへともつれ込むも、最後はバックハンドで相手を沈め、勝利をつかんだ。
中大戦に勝利した明大は、2位につけていた専大が2敗目を喫したことにより、10日の早大戦を残しての優勝を決めた。そして、春季リーグ戦、インカレ団体、秋季リーグ戦の主要三大大会を制覇し、6年ぶりのグランドスラムを達成した。
しかし、まだ1戦控えている。「春は負けてしまって、自分たちの力ではない優勝だったので、明日しっかりと勝ち切りたい」(山本)。明大は春季リーグ戦では成し遂げられなかった全勝優勝を目指し、戦い続ける。
[末吉祐貴]
試合後のコメント
髙山幸信監督
――グランドスラムを達成したことはどう感じていますか。
「インカレを優勝できた時点で、7割8割は目標を達成できたかなと思っていました。自分の力をしっかりと発揮できれば、秋リーグも勝てると思っていたので、良かったです」
――グランドスラムを達成できた要因は何だと思いますか。
「キャプテンとマネジャーが周りによく気を配ってくれたっていうのが良かったのと、部員一人一人が他の大学よりも多く、集中していい練習をしているのが勝因かなと思います」
松下竜巳主将(商4=野田学園)
――主将として頑張ったことはありますか。
「少しでも緊張がほぐれるように声掛けをするようにしていました」
戸上
――夏から秋へ、チームとして成長を感じた部分はありますか。
「みんなの意識が変わったと思います。チームとして一人一人が成長しているなと感じますし、自分としても技術の幅が広がったなと思っています」
――リーグ戦は全農カップと時期がかぶっていました。その難しさはありましたか。
「難しかったですね。全農カップではかなり良いプレーができて、その中でこの大会を迎えました。全く別物だったので、合わせるのが難しかったですね」
宮川
――グランドスラムを達成できた要因は何だと思いますか。
「一人一人の絶対にグランドスラムを達成するぞという意識だと思います。春季リーグ、インカレと苦しい試合が何度もあったのですが、みんなが耐え抜いて、勝ってくれたおかげで優勝できたので、本当に感謝です」
手塚崚馬(政経2=明徳義塾)
――大事な1番手を任された気持ちはいかがでしたか。
「背負わず、のびのびやるっていう気持ちでした。チャンスはあったのですが、そこをモノにできなかったのは悔しいです」
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