ボクシング世界王者 尾川堅一選手が和泉を凱旋!

拳法
2022.03.19

 3月19日、和泉キャンパスの柔道場にて尾川堅一選手(平22政経卒・現帝拳ジム)のIBFスーパーフェザー級王座獲得の表彰式が行われた。本記事では、明大拳法部を巣立ったのち、プロボクサーとして世界を舞台に躍進を続けている尾川選手のコメントをお届けする。

 

――11月27日に世界制覇を達成しましたが、今の心境はいかがですか。

 「今はだいぶ落ち着いていますこうしてまだチャンピオンベルトを直接見せることができていない、応援してもらっている方々にいまだに喜んでいただけるので、やってきて本当に良かったなというのが率直な気持ちです。それと同時に、取っただけではすぐに終わってしまうのでチャレンジし続けなければいけないなという気持ちになっています」

 

――明大卒業後、どのような経緯でボクシングの道に進まれましたか。

 「在学中からプロになりたいというのはずっと思っており、インカレが終わる少し前に帝拳ジムに知人の紹介で行かせてもらいました。そのときはボクシングの練習は週1、2回のみでしたが、プロになることは決めており、ジム側からも卒業と同時にプロテストを受けさせてくれたので、すぐに決まりました

 

――拳法とボクシングの競技性の違いに関しては、当時どのように思っていましたか。

 「最初はものすごく戸惑いました。全然違いました。距離も違いますし。拳法は遠い距離だから良かったのですが、日本スーパーフェザー級王座を獲得する頃までずっと、先輩方にもみんなにも『日本拳法をそのままやっているね』と言われていました。やっと今、ボクシングらしくなったと思ってもらえているなという感じです。ですがダウンを取ったときのパンチはやはり拳法のスタイルが出ているので、いい面と悪い面がミックスされています」

 

――明大の4年間ではどのような経験を培いましたか。

 「やはり厳しさです。厳しい環境でずっとやらせてもらって、礼儀もそうですし、練習の厳しさというのはやはりありました。それをずっと1年生次に耐え、2年生次、3年生次と続けて、4年生次、自分の代にはそれ以上の練習をしようと思って取り組んでいました。そこを経験できたのが一番大きいですし、いまだにあれ以上のプレッシャーはないと思って取り組んでいます」

 

――明大拳法部の現役部員に対する印象はいかがですか。

 「年齢も離れすぎているので、自分が年を取ったなと思います。それと同時に後輩たちはやはり若くて元気だと思います。エネルギーもありますし。僕が結果を残すことによって後輩たちにもつながってくると思うので先輩としてしっかりしないといけないなということはすごく感じます」

 

――現役部員の後輩がプロボクサーに転向する、ということも期待していますか。

 「やると言えば応援しますし、帝拳ジムは紹介しますし、頑張ってほしいですが、(プロボクシングの世界は)本当に厳しいです。だから自分の子どももいますがやらせますかといわれると苦しむのは本人なので。でもそれ以上のサポートはしますし。だから後輩に対してもつながっている以上は、頑張るならサポートしようかなとは思っていますね」

 

――後輩へのメッセージをお願いします。

 「後輩は10年間で9度インカレ優勝して、本当にすごいことばかりしているので、僕は世界で戦っていますが後輩たちに負けないようにすごいところを見せていきたいなと思います。本当に刺激になっているので、お互いに刺激しあって高め合っていきたいなと思います」

 

――今後の意気込みをお願いします。

 「IBFを獲ったので、防衛戦ももちろんですが、他団体の統一が今は一番チャンスがあります。どこの階級もすごいチャンスなので、黒や緑、臙脂(えんじ)のベルトを獲ってまたここに帰ってくるのを目標に頑張りたいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[牛嶋淳太郎、新津颯太朗]

◆尾川 堅一(おがわ・けんいち)平22政経卒。愛知県出身。明大では拳法部に所属し主将を務めた。昨年11月にアメリカで行われたIBF世界スーパーフェザー級で王座を獲得。