今年度初の帝京大戦 敗れるもセットプレーで成長見せる/練習試合

ラグビー 2023.08.28

 

 菅平合宿・最終日。サニアパークメイングラウンドにて帝京大戦が行われた。関東大学春季大会(以下、春季大会)・帝京大戦は台風により中止。全国大学選手権で連覇を果たしている帝京大を攻略することができるのか。明大の真価が問われる試合となった。しかし結果は21―38で敗北。好機でのペナルティーに苦しみ、悔しい結果となった。

 

◆8・27 練習試合(サニアパークメイングラウンド)

▼対帝京大戦

 明大21{14―26、7―12}38帝京大○

 

 先手を制したのは明大だった。試合開始直後、帝京大ボールでのファーストスクラム。明大は一気にプレッシャーをかけ、コラプシングを誘うことに成功。「今年度からロックのバインドを変えたので全体のまとまりを意識することができた」(右ロック佐藤大地・法3= 国学院栃木)。その後、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトも難なくボールが渡り、ブレークダウンを重ねる。最後は帝京大ディフェンスの隙をついた左センター廣瀬雄也主将(商4=東福岡)がトライを挙げた。しかしその3分後、相手ボールのラインアウトから得点を許し、スコアは7―7。試合を振り出しに戻される。続く17分、またもやスクラムで明大がマイボールを勝ち取りチャンスメイク。右プロップ為房慶次朗(文4=常翔学園)が追加点を決めた。「スクラムはずっと帝京大戦に向けて練習してきたので、それが出せて良かった」(為房)。このまま流れをつかみ続けたい明大だったが、直後に失点してしまい、一進一退の攻防が続く展開に。前半を通して相手にポゼッションを握られ、なかなか得点を決めることができない中、前半終了間際には再び追加点を許してしまう。14―26と12点ビハインドで試合を折り返した。

 

 後半は、両者ともにスコアが動かない拮抗(きっこう)した展開が続く。13分、敵陣10メートルラインでの帝京大ボールラインアウトでは空中戦を制し、明大がターンオーバー。BK陣を中心にゲインラインを上げるも、パスが通らず相手ボールに。22分には、相手ゴールライン付近でのマイボールラインアウト。しかしその後のラックでオーバーザトップと判定され、好機を逃す。「相手の勢いにのまれて、少しずつパニックになってきていた」(廣瀬)。チャンスをものにできず、試合は終盤に差し掛かる。点差を縮めたい明大だが、35分、38分と立て続けに失点。「最後の最後でミスが出てトライを取られたので、集中力や細かいところで負けていた」(フルバック池戸将太郎・政経4=東海大相模)。だが、このままでは終わらないのが明大。試合終了間際、マイボールラインアウトから一気に左へパスを展開。伊藤利江人(商1=報徳学園)、竹之下仁吾(政経1=報徳学園)と大外にボールを回していき左サイドで待っていた東海隼(情コミ2=光泉カトリック)がグラウンディング。下級生が活躍を見せた。反撃ののろしを上げたかと思われたが、ここで試合終了のホイッスル。今年度初の帝京大戦は21―38で帝京大に軍配が上がった。

 

 点差は17点と離れているものの、スクラムでは明大が圧倒し〝明大重戦車〟の意地を見せつける試合となった。「FWのフィジカルは全然負けていなかった」(為房)。帝京大は悲願の大学日本一のためには必ず破らなければいけない相手だ。今試合で出た課題を修正し、明大のさらなるレベルアップに期待したい。また、9月9日には関東大学対抗戦(以下、対抗戦)が開幕。「目の前の相手をしっかり倒して、自分たちが積み上げてきたものを、自信を持って成長させたい」(廣瀬)。今年度こそ、明大が栄冠に輝いてみせる。

 

[森口絵美理]

 

試合後のコメント

為房

――セットプレーはいかがでしたか。

 「ラインアウトのクオリティーは良かったんですけど、モールを何回か取り切れなかったので、修正したいです」

 

――夏、特に成長したと思うプレーを教えてください。

 「スクラムですね。正直こんなにうまくいくとは思わなかったので、そこはもう成長したなと思います」

 

佐藤

――夏に意識して練習していたことを教えてください。

 「春季大会ではディフェンスはよくできていたんですけど、アタックであまり目立つプレーがなくて。今年の夏の試合ではアタックでモメンタムを出して、いいキャリーをしたり、トライをしたり、色々目立つプレーできたかなと思っています」

 

――秋シーズンへの意気込みを教えてください。

 「ロックの選手層がとても厚いので、レギュラー争いで負けないように、ずっとスタメンで出られるように頑張りたいと思います」

 

廣瀬

――今試合で学んだことを教えてください。

 「FWのセットプレーで優位に立てた場面やモメンタムという自分たちがずっと大切にしていることが、結構去年のチャンピオンチームに対応したところがたくさんあったので、春夏にやってきたことが間違いではなかったのだと自信になりました。でも、優位になってもこれだけ点差が離れたということはそれなりに帝京さんと差があると思います。試合をやっていて帝京さんの凄さや強みが分かってきたので、大体修正する部分が明確になってきましたし、しっかりと次の対抗戦もまず初戦に向けて一個一個準備していきたいと思っています」

 

――どのような点を修正していきたいですか。

 「開幕戦は2週間以内なのですごく短い期間ですけど、この合宿は自分たちの反則で苦しむ時間が多くて、そこはしっかり自分たちで直せる場面なのでしっかり直していきたいなと思います」

 

池戸

――開幕戦に向けて改善したい部分を教えてください。

 「ロータックルのところはチャレンジはできているけど、まだ完璧ではないです。あとペナルティーのところでトライを取られているパターンっていうのは、自分たちのミスから始まっているので、そこを開幕までに徐々に直していきたいと思います」

 

――対抗戦への意気込みをお願いします。

 「春、夏と積み上げてきたものは決して間違っていないし、自分たちの自信になったものも多いし、普段の練習からもっと自信をつけて完成度が高い状態で対抗戦、青学戦迎えて対抗戦の中でももう一回成長していきたいです。まずそれに向けて練習からアタック、ディフェンスを頑張って対抗戦優勝に向けて頑張ります」


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