悔しさ残る準優勝 帝京大にリベンジ果たせず/関東大学ジュニア選手権

ラグビー
2022.11.27

 早大との準決勝からはや2週間、関東大学ジュニア選手権(以下、ジュニア選手権)の決勝が行われた。相手はリーグ戦の最終戦で敗北を喫した帝京大。テーマに『フィジカルバトル』を掲げて試合に臨むも、帝京大の激しいアタックに流れを持っていかれ、自分たちのラグビーができず前半をノートライで終える。3トライ差を追いかけ挑んだ後半は、徐々に試合の流れをつかみ3トライを獲得。しかし、帝京大の攻撃を封じ切ることはできず。あと一歩のところで、惜しくもジュニア選手権優勝を逃す結果となった。

 

◆11・26 関東大学ジュニア選手権決勝(帝京大百草グラウンド)

▼対帝京大戦

 明大19{0―21、19―14}35帝京大○

 

 前半は防戦一方の展開が続いた。試合開始直後から帝京大の勢いあふれるアタックに苦戦しミスを連発。「ミスしてはいけないところでのミスが続き、試合の流れを持っていかれてしまった」(大賀宗志・営4=報徳学園)。明大も力強いタックルで対抗するが、細かいミスを減らすことができず、思うように相手の流れを断ち切ることができない。そして迎えた前半24分、帝京大が丁寧にパスをつなぎ先制トライ。その後も帝京大の猛攻は止まず、前半32分と41分にそれぞれ追加トライを挙げられてしまう。それに対し明大は、敗北を喫したリーグ戦の帝京大戦と同様、1本もトライを取ることができず。「マイボールになってもすぐに自分たちがミスしてしまい、主導権を握ることができなかったことが得点できなかった原因だと思う」(スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)。0―21の3トライ差で前半を終えた。

 

 後半では何としてでも試合の流れをつかみ、巻き返しを図りたい明大。ハーフタイムに「もっとボールを持つ時間を長くして、積極的なアタックで攻めていこう」(東海隼・情コミ1=光泉カトリック)とチームで話すと後半13分、中央でボールを持ったスタンドオフ池戸将太郎(政経3=東海大相模)が左外にキックパスを出し、それを東が受け取りそのまま念願の初トライ。「いい形で(池戸)将太郎さんがキックパスを出してくれて、全員が動いて連携したアタックでトライすることができた」(東)。このトライを皮切りに前半で目立った細かなミスが減り、ラスト10分で粘りを見せる。後半34分、中央にできたラックから右サイドに展開。BKでパスをつなぎ、東が今試合2本目となるトライを挙げる。さらに後半41分には、敵ゴール前でのマイボールラインアウトからモールで運び、最後は紀伊遼平(営4=桐蔭学園)がグラウンディング。「後半は自分たちのやりたいラグビーを体現でき、トライを重ねることができた」(丸尾)。追い上げを見せた明大であったが帝京大も後半に2トライを追加し、最終スコア19―35で逆転とはならなかった。

 

 今年度のジュニア選手権を準優勝で終えた明大。すべての試合でゲームキャプテンを務めた丸尾は試合後に「優勝以外は何位でも同じだと思うので悔しい」と語った。しかし、悔しさを味わった分多くの収穫を得ることができた大会ともなった。ジュニア選手権はここで終わってしまうが、今年度の明大ラグビー部の戦いはまだ続く。「ここからの試合は修正力が大切になってくると思うので、今よりもさらに修正力を付けていかなければならない」(右ロック亀井茜風・政経3=長崎北陽台)。先週行われた関東大学対抗戦(以下、対抗戦)の帝京大戦に引き続き明大としては黒星が続いている。この流れを払拭するためにも、来週国立競技場で行われる対抗戦の明早戦は非常に重要な試合となってくる。もう負けは許されない。紫紺のプライドを背負った戦士たちは伝統の一戦を制すに違いない。

 

[久保田諒]

 

試合後のコメント

左ロック田島貫太郎(政経2=東福岡)

――ジュニア選手権を通して出た課題を教えてください。

 「負けたのは帝京大と早大だけでいい試合ができたとは思うのですが、最後の最後で負けてしまったので、大事なところで勝ち切れないというのが一番の課題だと思います」

 

亀井

――今試合を振り返っていかがですか。

 「前半いらないミスがすごく多くてそこから点を取られたパターンが多かったので、その失点が後半にもすごく響きました。スクラムの部分では最初の2本は良かったのですが、そこからは相手の修正力の方が高かったので、スクラムの修正力の部分といらないミスで負けた試合だったと思います」

 

丸尾

――ゲームキャプテンとして意識していたことはありますか。

 「テーマに『フィジカルバトル』が挙がっていて、受けてしまうと絶対負けてしまうゲームでした。自分たち次第で勝つも負けるも決まるような試合だったので、一つ一つのシンプルなプレーの精度を、いつも以上にこだわろうということは意識していました」

 

中山律希(政経3=天理)

――今試合でジュニア選手権は終わってしまいました。

 「4年生のジュニアが最後ということで、後輩として優勝していい景色見せたかったと思うのですが優勝できなかったので、次は自分たちの学年でAチームもジュニアも優勝していきたいです」

 

大賀

――今後の意気込みをお願いします。

 「ジュニア選手権は今日で終わりになってしまうのですが、まだ対抗戦の最終戦である早明戦と、大学選手権というチームとして大きな大会が残っているので、そこに貢献できるように頑張っていきたいと思います」

 

――今年度のジュニア選手権全体を振り返ってみていかがですか。

 「今大会の中で早大に1回、帝京大に2回の合計3回負けていて、これから選手権などの大事な試合になってくると絶対に負けられない戦いになるので、もっと勝ちにこだわることを強くしていきたいと思います」