新たな明治!FW・BK陣共に活躍し大東大を破る/第11回関東大学春季大会Aグループ

ラグビー 2022.05.09

 札幌ドームでの明早戦から1週間、セナリオハウスフィールド三郷で第11回関東大学春季大会Aグループ2戦目の大東大戦が行われた。初紫紺のメンバーが多く加わり、春シーズンのテーマでもある〝競争〟が激化している中、北島忠治先生の〝前へ〟のお言葉のように、体を張ったプレーが多く見られた。

 

◆5・8 第11回関東大学春季大会Aグループ(セナリオハウスフィールド三郷)

▼対大東大戦

 ○明大48{24―10、24―7}17大東大

 

 試合が動いたのは、前半10分、スタンドオフ池戸将太郎(政経3=東海大相模)の巧みなキックパスから右ウイング杉本大雅(文4=国学院久我山)が得意のランで相手をかわしトライ。その後、大東大に連続でトライを決められ、5―10と逆転を許してしまう。しかし、ここから明大の反撃が始まる。前半27分、スクラムからパスが続き、豪快にFWで前に進み左プロップ中山律希(政経3=天理)がトライ。前半33分、敵陣ゴール前で大東大のラインアウトでボールを奪い、ラックを形成した後、右外に抜けた中山が2本目のトライをあげた。「横が空いていたので、横に開いて丸さん(スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)にうまく回してもらった」(中山)。前半終了間際、印象に残るプレーが二つ見られた。一つは、観客も声を上げる丸尾の力強いタックル。「チームのやろうとしていた1対1の勝負で負けないということを体現できた」(丸尾)。二つ目はスクラムを起点に池戸から右センター石塚勝己(情コミ3=桐蔭学園) 、左ウイング秋濱悠太(商2=桐蔭学園)にパスが続き、杉本が2本目のトライを決める。「2本目は一次攻撃で準備していたものだったので、それがうまくできて良かった」(杉本)。前半は、24―10とリードし、後半に挑む。

 

 後半4分、フルバック金昂平(政経2=大阪朝鮮)が相手ディフェンスを次々とかわし持ち味のランで前進。石塚のトライに貢献する。「昂平(金)がうまくやってくれたので、あとはトライするだけだった」(石塚)。その後も金昂のアシストや軽快なステップで、相手を揺さぶる。「後半は自分からどんどんボールを呼んで、いいプレーが出た」(金昂)。後半15分、自陣22メートルから大東大のラインアウトで明大がボールを奪取。パスが続き前に出て、金昂がディフェンスを引き付け最後は西川賢哉(政経3=桐蔭学園)がトライを決める。BKのプレーが目立つ中、FWも体を張って応える。後半30分、明大のラインアウトからモールで前進し最後は床田淳貴(情コミ3=桐蔭学園)がグラウンディング。終盤にも金勇哲(営2=大阪朝鮮)がトライを挙げるなど初紫紺のメンバーも活躍し、大東大に48―17と差をつけ2勝目を挙げた。


 試合を通し、ラインアウトが多くみられた。大東大のラインアウトの際スチールも見られ、明大はたくさんのチャンスをつかみ取った。「相手のパターンがあまり多くなかったので、そこに対してどれだけディフェンスを高いレベルで実行するかを左ロック田島(貫太郎・政経2=東福岡)と話しながらやっていた」(右ロック武内慎・商4=石見智翠館)。そして、初紫紺のメンバーやケガからの復帰メンバーも加わり、チームが活気付いた。

 

 2週間後には、山梨県で慶大との招待試合を控えている。「春は競争がテーマなので全員が同じポジションの人と競争してチーム力を全体で上げて強い明治になるためにみんなで頑張っていく」(丸尾)。「慶應戦ではスタートでもリザーブでも紫紺のジャージ―を着て戦える一員になれるようにしっかり準備していきたいなと思う」(武内)。紫紺と黒黄の意地の張った戦いが見られるのが楽しみだ。

 

[井垣友希]

 

試合後のコメント

中山

――前回の早大戦からメンバーも変わりましたが、チーム内競争はいかがですか。

 「今週のテーマが競争で、そのテーマの通り今シーズンはまだメンバーがしっかり決まっていないので、チーム内でも戦っていけたらいいなと思います」

 

武内

――試合の振り返りをお願いします。

 「(試合前に)自分たちの流れをつくって、主導権を握ろうと話していました。ですが、前半の相手が元気な時間帯の時にミスから苦しい展開をつくってしまったので、そこは反省したいです」

 

丸尾

――ゲームキャプテンとして意識したことはありますか。

 「練習の時にコミュニケーションが足りずに連携が取れなかったところがあったので、4年生としてリーダーシップを取って常に話すことを意識しました」

 

石塚

――ディフェンスで意識したことはありますか。

 「ディフェンスは自分の得意な分野なのでアピールしようと思っていました。マッチアップも外国人で体も大きかったのでボールが浮いている間に相手との距離を短くして、高い位置でタックルに入れるようにしようと思いました」

 

杉本

――スタメンでの出場はいかがでしたか。

 「春シーズンは競争というところでアピールするチャンスが来たと気合が入っていましたが正直緊張していました。ですが試合に入ったら4年生として流れをつくらなくてはと思いとにかくトライを取ろうと考えていたので硬くならずにできました」

 

金昂

――試合当日は母の日でしたが伝えたいことはありますか。

 「試合に出ることが決まって昨日も今日も連絡がありましたし、高校の時も毎日お弁当を作ってくれていつも心配してくれていたので『ありがとう』と伝えたいです。(お母さんの好きな料理は)アギ肉を使ったアギ煮込みと卵焼きです」



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