天王山で痛い惜敗/関東大学1部リーグ戦

 5・4・3・2・1・・・バックスタンドのコールを浴びながら、ただ立ち尽くすことしかできなかった。全勝で迎えたリーグ戦第5節、同じく全勝の中大ラクーンズとの対決はシーソーゲームの末惜敗。この敗戦を以て明大グリフィンズの自力優勝が消滅した。

 「お前らが勝つんだろ!?」――試合前のミーティングで岩崎監督の檄が飛ぶ。「ついに来たか、という感じ」(安田・営4)と選手たちも特別な思いで迎えたこの一戦。心なしか円陣の掛け声が大きく聞こえた。

 試合はラクーンズのキックオフでスタート。RB#28北村(政経3)、RB#5高松(政経2)らのランプレーで先制点を狙うが、前節までとはパワー・スピードともに違うDL陣に阻まれダウン更新ができない。一方攻撃に転じたラクーンズは今季急成長のRB#29横田(中大)のランを中心に攻撃を組み立てる。横田の力強いランで中央突破を重ね、さらに随所にパスプレーを織り交ぜグリフィンズ守備を翻弄。「立ち上がりの悪さを改善できなかった」(堀・政経4)と振り返るようにグリフィンズはアジャストできないまま先制のタッチダウンを奪われてしまう。その後攻撃に転じたグリフィンズはRT#25小形(政経1)の敵陣45ヤードまでのキックオフリターンが出るものの、4thダウンギャンブルの失敗などで流れをつかみきれず、ラクーンズ7点リードのまま第1Qが終了する。

 第2Qに入るとグリフィンズ守備陣がアジャストし始め、ヤード喪失のペースこそ落ちるが、28ヤード地点からFGを決められ0-10。前半のうちに縮めなければ勝利が厳しくなる点差となった。ここで攻撃陣がリーグトップ校の意地を見せる。前シリーズに続きRT#25小形が35ヤードの好リターンを見せるとRB陣も本領を発揮。最後は高松が2ヤードを押し込みタッチダウンを決め一気に3点差に詰め寄るが、直後のキックオフで50ヤード地点までリターンを決められ、その後もずるずると後退。最後は横田のタッチダウンが決まり、再び10点差と苦しい展開に。しかし、絶対に負けられないグリフィンズは必死に食い下がる。エンドゾーン目前では先ほどと同じく4thダウンギャンブルを選択し、今度は成功。ここで勢い付いたグリフィンズは残り29秒でタッチダウン。キックも成功し、再び3点差と試合はシーソーゲームの様相を呈する。ここで第2Qが終了し、十分逆転可能なスコアで前半を折り返した。

 後半最初のシリーズ、逆転を狙うグリフィンズはオンサイドキックを繰り出す。しかし、無情にもボールはラクーンズ選手の手に渡り、いきなりピンチを迎えてしまう。ようやくアジャストしてきたグリフィンズ守備がこれ以上の得点はさせまいと決死のディフェンスを見せるが、FGに持ち込まれ14-20。1タッチダウン差まで広げられてしまう。流れをつかみたいグリフィンズは中央突破と左サイドへのオープンプレーでじわじわと攻めチャンスをうかがう。敵陣に入ったところで相手守備のスキを見逃さず小形が40ヤードを走り抜け、同点のタッチダウン。キックも成功し21-20とついに逆転に成功する。キックオフリターンでのミスもあり敵陣0ヤードからのシリーズと流れをつかみかけるも、「相手のミスにつけこめなかった」(安田)とまたとない好機をものにできず、三たび横田にドライブされあっという間にタッチダウン。ラクーンズは2ポイントコンバージョンを狙うが失敗に終わり、5点差で第3Qを終える。

 運命の第4Qは、開始早々に高松の12ヤードタッチダウンランが決まりグリフィンズが再逆転。メインスタンドの興奮は最高潮に達する。さらに得点後のキックオフではオンサイドキックを成功させ、完全にモメンタムはグリフィンズのものになったかと思われたが、ラクーンズ守備の前にあと一歩攻めきれず、攻撃権を相手に譲ってしまう。

 そしてゲームセット直前、勝負を決めたのはやはり横田だった。グリフィンズのレッドゾーンでの決死の守備をあざ笑うかのようなランプレーでゴールラインを駆け抜けた。

 試合後のグラウンドには昨年の法大戦のような光景が広がっていた。うつむき涙に暮れる者、立ち尽くしグラウンドを見つめる者――。
 だが、泣くのはまだ早い。雑草軍団の戦いは決して終わっていない。「一戦必勝」のスローガンのもとにあと2試合、勝利あるのみだ。1%でも望みがある限り――。

[加藤祐輔]

☆試合後のコメント☆

岩崎監督
「今年のチームを象徴する試合だったね。上級生が引っ張れていない。行くべき人が行けていない。今の現状から考えれば今日の試合はまとまっていたが、これでも足りない。下級生はよくやったと思う。アメフトに良い試合は関係ない。結果がすべて。100点差でも1点差でも負けは負け。まだリーグ戦は残っているのでやるだけ。他力本願とかは考えていない」

加藤主将(政経4)
「負けは負け。まだ決まったわけじゃないし、あきらめていない。「一戦必勝」は変わらない。結果を受け入れてやるだけ。とにかく勝つことしか考えていない。負けはすべて自分の責任。チームをまとめるのは自分。残りの試合は絶対に勝つ」


「負けは負け。あと2試合勝てば先が見えてくるかもしれないから、消化試合とかは考えない。敗因はやはり立ち上がりの1stドライブだった。2、3クォーターと良いリズムになっていたのに相手のミスにつけこめなかった詰めの甘さが出た。あと1個歯車がかみ合わなかった。(東大戦は)勝つしかない。勝ちしか見えない。全力で勝つだけ」

田中(蔵)
「完敗だった。一年間のチーム取り組み方が中大の方が上だったという結果。 ラインはよく押してくれたし、バックスも走ってくれた。オフェンスの軸である自分のミスで負けた。ハドルの組み方がまだまだ。あと2試合はもちろん勝ちに行く。これで終わるかは4年生の見せ所だと思うから、自分も含め4年生中心で頑張っていきたい」

安田(営4)
後半競り負けてしまった。シーソーゲームで二回目のオンサイドキックを明治が成功させたときに攻めきれなかったのが一番の敗因。中大ディフェンスには全体的に止められたわけではなく、要所要所を抑えられたという感じ。あと二週間空くので自分たちの出来ることをしたい。あとは早稲田対中央を見守るしかないが、前向きにやっていきたい。

稲見(政経4)
完全に自分のせい。LBがタックルに行けてないのは問題。関とか他の4年はプレーでもチームを盛り上げていけていたが、自分にはそれがなかった。今後の結果はわからないが、このままでは終われない。

関(政経4)
今までやってきたことが出し切れなかった。横田は良いランナー、でも横田を止められないと末吉(早大)は止められない。オンサイドキックで流れを変えたかったが、中大のディフェンスは一枚上手だった。競った試合で負けるのはディフェンスの責任。引退した先輩がわざわざロッカーまできて「まだ終わってない」と声を掛けてくれた。本当にそうだと思う。一戦一戦やっていくしかない。

高橋(輝・商3)
「DFのせいで負けた。チームに申し訳ない。下級生に勝たしてあげたかった。自分自身がだめだった。チームが勝つためにはオフェンスがプレーを出して、ディフェンスがプレーを止めなければいけない。オフェンスは結構出ていたのに、ディフェンスが上手くまわっていなかった。残り2試合を勝たないと先はない。東大戦・早大戦を0封でおさえてしっかり勝つ。あとはしっかり練習するしかない」

高松(法2)
「明大のバックスと中大のバックスのどっちが走り勝つかの勝負だと思ったが、そこで走り負けたのが敗因の一つ。個人的には要所でコースを見誤ってロングゲインを逃した。細かいミスで流れをつぶしてしまった。詰めの甘さが出た。チームの雰囲気は今までより良かったと思うが結果がついてこなかった。これからは得失点差が重要になる。東大・早大に点差をつけて勝つのが目標」