まさかの幕切れ 慶大戦連敗で勝ち点を逃す/東京六大学秋季リーグ戦

2017.10.09
 王座奪還へ向け黄色信号だ。昨日の負け投手となった水野匡貴投手(農4=静岡)が先発した当試合。無失点も4死球を与える乱調で4回途中降板とリズムを作れない。そして0-2で迎えた8回。清水風馬捕手(商1=常総学院)が適時二塁打を放ち1点差に迫る。さらに9回に1死二塁の好機を作るがあと1歩及ばず慶大に1-2で敗北した。投手陣の粘投リレーも好調の打線が4安打と沈黙。今季初の連敗で勝ち点を逃した。
 
 応援席の歓声が一瞬でため息に変わった。1―2で迎えた9回表。代打、添田真海内野手(法2=作新学院)が「絶対に塁に出るという気持ちだった」と期待に応える左安で出塁する。その後犠打で2死二塁と好機を広げると、明大応援席の声援は最高頂に。ここで打席には打率3割3分3厘の越智達矢外野手(営3=丹原)。フルカウントからの6球目。打ったゴロは二遊間を抜けたかと思われたが二塁手の好守備に阻まれる。ここで三塁コーチャーが止め切れず、飛び出した添田が三、本塁間で挟まれタッチアウトで試合終了。慶大ナインがグラウンドで喜び合う中、倒れ込む添田。同点まであと1歩のところまできたが、慶大1回戦に引き続き後味の悪い敗戦となった。

 ルーキー左腕の前に好調打線が沈黙した。慶大の先発は1年生で初の先発マウンドに上がった佐藤(慶大)。最速147kmの直球と縦に落ちるスライダーにバットが空を切り、捉えることができない。3割超えの打率を誇る明大打線は7回まで12三振。安打は初回の1番・竹村春樹内野手(政経4=浦和学院)が放った詰まり気味の左安のみ。8回に清水風が左中間への適時二塁打を放つも反撃はこの1回だけとなった。尻上がりに調子を上げる左腕の前に右打者代打攻勢も実らず。さらにファールで粘る姿勢が見受けられないなど単調な凡打は慶大の攻撃のリズムを生んだ。5回には先頭の岩見(慶大)が連盟記録となる5試合連続となる本塁打を放ち1点を先制されると、6回にも追加点を許し主導権を握られた。「〝継なぐ〟野球ができていない」(中野速人主将・法4=桐光学園)と苦しい場面で求められる対応力の不足が痛手となった。

 収穫がなかったわけではない。この試合で活躍を見せたのが1年生だ。4回に無死一、三塁のピンチの場面で登板した石毛力斗投手(文1=高崎健康福祉大高崎)。「ブルペンから想定しながら投げている」と落ち着いたマウンドさばきで無失点に抑える好投を見せた。さらに入江大生投手(政経1=作新学院)は6回のピンチの場面で救援に成功すると7回には三者連続三振を奪い存在感を示した。「お互い切磋琢磨(せっさたくま)できる環境にある」(入江)と1年生投手の2人が互いに刺激し合い高みを目指す。打点を挙げた清水風も含めルーキーの活躍が光った当試合。「1年生の活躍は力になる」(中野)と着実な成長を遂げている期待の星たちが優勝へのカギとなるかもしれない。

 これ以上の敗北は許されない。今季初の連敗で初めて勝ち点を落とした明大。チーム打率3割台から2割9分3厘に落ち不調気味だ。投手陣もエース・齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)に一任では連勝が厳しくなる。まさに踏ん張り時だ。明大が勝ち点を落としたことで優勝争いが一層激しくなった秋季リーグ戦。空き週を挟み迎えるは15年ぶりの勝ち点を挙げた東大との最終戦だ。長打力も備わる打線に加え、宮台(東大)率いる投手陣も侮れない。「東大に勝って優勝の望みを残す」(齊藤)。1年生から4年生までの総力をかけ最終カードの勝ち点を確実に取りにいく。

[坂田和徳]

    

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (遊) 竹村(浦和学院) 4 1 0 .321 左安    三振    左飛    中飛      
2 (二) 宮﨑(履正社) 1 0 0 .375 投ギ    三振                     
  打二 河野(鳴門) 1 0 0 .269                三振   
打 添田(作新学院) 1 1 0 .563             左安
3 (三) 渡辺佳(横浜) 3 0 0 .297 三振 遊ゴ 二ゴ 一ギ   
4 (中) 逢澤(関西) 4 0 0 .294 二ゴ    三振    二ゴ 右飛   
5 (右) 越智(丹原) 4 1 0 .353    遊ゴ    右飛    三振 二安   
6 (左) 村上(松山東) 2 0 0 .308    三振 三振               
  打 北本(二松学舎大付) 1 0 0 .000                   二飛      
  左 稲見(日大三) 0 0 0 .500                              
7 (一) 吉田(履正社) 1 0 0 .000    四球       三振                
  打一 荒井海(前橋育英) 1 0 0 .000                      二飛   
8 (捕) 橋本(佼成学園) 1 0 0 .241    二飛            
9 打 坪井(明大中野八王子) 1 0 0 .000          三振               
  投 髙橋(向上) 0 0 0 .000                        
  投 入江(作新学院) 0 0 0 —                              
  打 赤木(育英) 0 0 0 —                      四球      
  走 高瀬(長崎西) 0 0 0 .412                           
  投 齊藤(桐蔭学園) 0 0 0 .154                           
  (投) 水野(静岡) 1 0 0 .000       三振                  
  投 石毛(高崎健康福祉大高崎) 0 0 0 —                        
  捕 清水風(常総学院) 2 1 1 .500                三振    左中二       
    計 28 4 1 .293                           
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
水野(静岡) 5 2 1 3 0/3 67 5 2 4 0 3.10
石毛(高崎健康福祉大高崎) 3 0 0 1 17 0 1 1 0 3.86
●髙橋(向上) 5 1 1 1 2/3 31 3 0 1 2 3.24
入江(作新学院) 3 0 0 1 1/3 19 0 3 0 0 6.23
齊藤(桐蔭学園) 7 3 0 1 20 1 1 0 0 1.61
10 中野(法4=桐光学園) 20 水野(農4=静岡) 6 竹村(政経4=浦和学院)
1 石毛(文1=高崎健康福祉大高崎) 4 河野(文4=鳴門) 7 越智(営3=丹原)
11 齊藤(政経4=桐蔭学園) 5 渡辺佳(政経3=横浜) 8 逢澤(文3=関西)
18 髙橋(総合3=向上) 13 北本(文2=二松学舎大付) 9 稲見(法3=日大三)
21 中村(商3=仙台三) 14 宮﨑(文4=履正社) 27 添田(法2=作新学院)
28 入江(政経1=作新学院) 15 荒井海(商4=前橋育英) 39 渡邉涼(商1=広陵)
12 清水風(商1=常総学院) 16 高瀬(営3=長崎西) 48 村上(法3=松山東)
22 橋本(総合2=佼成学園) 26 吉田(商3=履正社)
33 赤木(文2=育英) 32 坪井(営3=明大中野八王子)
明 立 慶 早 東 法 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
明大 — ○○ ●● ○●○    ○○ 9 6 3 0 3 .667
立大 ●● —    ○○ ○○   6 4 2 0 2 .667
慶大 ○○ —    ●○○ ●△○●  9 5 3 1 2 .625
早大 ●○● ●●    — ○○    7 3 4 0 1 .429
東大    ●● ○●● ●● — ○○ 9 3 6 0 1 .333
法大 ●●    ○△●○    ●● — 8 2 5 1 1 .286

試合後のコメント
最終カードに向け気を引き締める中野
「(今日の試合について)相手のピッチャーも良かったけど、それに対しての工夫というか、相手のピッチャーを崩すために自分を犠牲にするようなセーフティーバントやツースリーまでファールで粘って三振覚悟で球数投げさせたり、そういう自己犠牲ができなくて自分が自分がになって打ち取られて、つなぐ野球ができなかったと思います。(円陣で工夫していこうという声かけはあった)はい。そういうことは言っていますし、ボックスの前に立ったり、バットを短く持ったりするような工夫はしていたんですけど、見事にそれが通じなかったです。それだけ相手投手が良かったというのもありますけど、それでも何かしらの粘りがないといけませんし、実力も足りませんでしたけど頭も使えてなかったです。今まで調子が良かった分、やらなくて勝てていたので今日はそこの対応力の弱さが出た試合だと思います。(最後の負け方)あれは3塁コーチのミスです。コーチだって選手の一員だし、レギュラーみたいなものだし、責めてもしょうがないけど、一つ一つやっていかないといけないですね。(投手陣は踏ん張った)そうですね。ダメながらも抑えてたんですけど、あれだけ野手が悪ければ申し訳ないですね。(1年生の活躍)若い人の活躍は今後も期待できるし、相手の投手も1年生ですし、すごく力になるので頑張ってもらいたいです。(終盤の意識、焦りはあったのか)焦りもそうですし、ランナーを出そうという意識で攻めて、8回は案の定1本出ました。(負け方によるチームの雰囲気への影響)負けるからにはなにかしらの理由があって、昨日から運とか一つの判定で負けている場面もあるので、生活面にしろ、自分らの詰めの甘い部分があるからだと思います。(多くの選手が出場)出てきた選手は結構活躍してるので、気持ちの面でも上がっていると思います。(意気込み)空き週挟んで東大戦までには、全員でもう一度気持ちを高めて、しっかりと立て直して絶対勝てるようにしたいです」

2日連続の登板となった齊藤
「(8回)本当はしっかり3人で抑えて慶大の流れを止めないといけない場面でした。疲労は多少ありますけど、それはピッチングに影響していないと思います。できることをやるだけです。この慶応戦は自分が投げ切れなかった部分があります。本当にもう後がない状況なので、次の試合は最後まで自分一人で投げ切れるように準備して、東大に勝って優勝への望みを残せるように頑張ります」

先発として流れをつくれなかった水野
「先発を任せれた自分が3回0/3で代わっているようじゃ、優勝争いとか言えるレベルではないと思います。(調子)投げている感覚自体は悪くなかったんですけど、身体の使い方だったり、気持ちの面であったり、微調整というのがマウンドに上がってからできなかったのかなと思います。(丁寧にいきすぎてる印象)ちょっと自分の中でも攻めというよりかは守りに入ってしまった部分は多少なりともあったと思います。(ベンチでの思い)何とか勝ってほしいという気持ちで見ていました。(試合後の話し合い)もっと細かい部分ですね。野球の面もそうですし、いろんな面を見つめ直していこうと話しました。(空き週挟んでの東大戦)とにかく勝つことだけを考えてやっていきたいです」

岩見(慶大)に先制ソロ本塁打を浴びた髙橋
「(岩見の本塁打)体に近い高めのボールで攻めていこうとしたんですけど、甘く入ってしまいました。自分の失投です。2ボール1ストライクから、緩い変化球でカウントを取って、最後高めで勝負しようと考えていました。外を狙ったボールが中に入ってきてしまって打たれてしまいました」

打撃好調を維持している添田
「(9回先頭代打)1点が足らなかったので、先頭の自分が絶対に塁に出るという気持ちで打席に立ちました。絶対に代打でくるとは思っていたので、試合前から準備はできていましたし、その結果が付いてきたと思います。(最後の走塁は)自分がベースを回った後で打球を捕ったと思うんですけど、打球も緩かったですし、どういう感じでセカンドが捕ったのかも把握できていませんでした。(3塁コーチの)抜けるかなという感じで回して、ストップと言われてすぐ止まったんですけど、そこで自分が戻り切れなかったです。(打線が抑え込まれた)捉えるのが遅かったですし、もう少し攻略方法はあったという感じです。打てない時でも何かできることは必ずありますし、そこを早めに見つけられたらいいと思います。(東大戦に向けて)1試合1試合でやることは変わらないですし、自分は後ろの先輩たちにチャンスでつないでいける打撃ができるように頑張るしかないです。東大戦に勝つしか優勝はないと思うので、しっかり切り替えて、勝ちに向かってやっていきたいと思います」

4回裏無死一、三塁から登板し、0点に抑えた石毛
「(試合の振り返り)ピンチで登板したんですけど、準備はできていたので、無失点で抑えられたのが良かったです。(抑えられた要因)真っすぐの調子が良くないんですけど、低めに投げられたので抑えられたことです。(制球)良くはないですけど、いつも通り投げられたと思います。(普段の心構え)ピンチで回ってくるのは分かっているので、ブルペンから想定しながらピッチングできているので、マウンドに行っても投げられているのかなと思います。(投手陣全体的に)齊藤さん頼みになってると思うので、齊藤さん以外のピッチャーがしっかりしていけば、次の東大も勝てると思います。(東大について)打線が打っているイメージがあるので、齊藤さんに限らず他の投手陣がカバーしないといけないと思います。またピンチで来ると思うので、しっかり準備していこうと思います」

7回に三者連続三振を奪った入江
「(ピンチでの登板)髙橋さんが(打者の)岩見さんにホームランを打たれていて、監督からの指示が『ストレートは高めで、変化球はショートバウンドを意識して投げろ』とのことだったので、そこを徹底しました。カウントは悪くなってしまいましたけど、打ち損じてくれて助かったかなと思います。(四球覚悟だったか)そうですね。(準備は)早い段階からブルペンには行っていたので。2回くらいから準備はしていました。(調子は)今シーズンはあまり調子良くないんですけど、1年生なので思い切り投げればいいかなと。(7回には三者連続三振)スライダーですね。スライダーの曲がりとかはあまり良くなかったんですけど、試合になったら気持ちは入るので良い具合に落ちてくれたかなと思います。1年生なので気負わずやれています。(石毛の好投は刺激に)そうですね。石毛と2人、1年生ピッチャーでベンチに入っていて、お互い切磋琢磨(せっさたくま)できる環境にあるので。石毛が前に良いピッチングをして、自分も『よし頑張ろう』という気持ちになりました。(1年生バッテリー)とりあえず思い切りいけと言われていたので、思い切り投げられたかなと思います。1年生同士なのでコミニュケーション取りやすい部分はありますね。(東大戦への意気込み)チームが勝てるような仕事ができればと思います」

8回に1点差に詰め寄る適時二塁打を放った清水風
「(今季初出場)出ることは言われてたので準備していたのですが、2点取られたのは自分の責任なので、しっかり反省して次につなげたいです。(岩見の本塁打)フォークで空振りを取りたかったので低めを中心にした配球を立ててボールを要求していました。甘く入ってしまったところを捉えられてしまったので、結果的にもっと違った考えをした配球があったのかなと思います。(その後は入江、齊藤を好リード)積極的に声を掛けました。入江は1年生で同い年なので、自分が引っ張っていこうと思って、打たれても自分の責任にしろと声を掛けて強い気持ちでリードしました。齊藤さんは前の試合の疲れもあると思ったので、気持ちの面で引っ張っていきました。(8回中村の打席、2ボール0ストライクからタイム)何がなんでも中村さんは打ち取りたかった場面だったのですが、スライダーでカウントが取れていなかったので、間を空けることで流れを変えるのを狙ってタイムは取りました。あの場面を抑えられたのは良かったです。(リーグ戦初安打)ミスをしていたので取り返そうと思っていました。自分が返さなきゃいけない場面で一本出たのは良かったです。相手ピッチャーもすごい良い球を投げていたのですが、ランナー1塁の場面でストレートが多くなると思っていたので真っすぐを張って狙っていて、そこを捉えることができたのは良かったです。打撃は今後につなげられるように頑張っていきたいです」