打線が沈黙し駒大に完敗 2年連続の準V/明治神宮大会

2014.11.20
 0―3で駒大に敗れ、2年連続の明治神宮大会準優勝に終わった。今大会好調の打線は駒大先発の東野の前に5回まで無安打に封じられた。8回には6回から登板した今永を攻め立て2死満塁の好機をつくるも、後続が倒れ無得点。一方の投手陣は6回に失策から先制を許すと、8回には2点を追加され突き放された。先発の山崎福也投手(政経4=日大三)は8回途中まで好投を見せたが、打線の援護がなかった。またも決勝で敗れ、王座奪還とはならなかった。

 あまりにもあっけない幕切れだった。9回2死二塁、1ボール2ストライク。今永が投じた内角高めの直球に植田弘樹内野手(文4=関西)のバットは空を切った。日本一の夢絶たれた選手たちは、歓喜に沸く駒大ナインをただ呆然と見つめることしかできなかった。

 必死につないでつかんだ好機にも、本塁は遠かった。1点ビハインドで迎えた8回、安打と2四球で2死満塁の好機をつくり出す。ここで打席に立ったのは2番糸原健斗内野手(営4=開星)。2ボール2ストライクからの5球目、投げ込まれた直球は顔面付近へ。この球が途中まで打ちに行った糸原の左手を直撃。死球かと思われたが、スイングで三振とみなされ3アウトに。今試合唯一の好機を逃した。
 駒大の擁する両左腕を攻略できなかった。駒大の先発は東野。スライダーとスローボールを軸にカウントを稼ぎ、要所で130km台後半の直球をコーナーに投げ込む1年生左腕の緩急自在の投球の前に打線は沈黙。5回まで無安打無得点に封じられた。6回からはエースの今永が登板。最速148kmのキレのある直球とスライダーのコンビネーションに手こずり、4回を3安打に封じられた。今大会活発な打線だったが、この試合は散発3安打に落ち込んだ。「攻略するイメージはあったが、結果が出なかった」(高山俊外野手・文3=日大三)。2人の好投手を最後まで捉えきれなかった。
 重大な場面で手痛いミスを犯した。6回2死三塁のピンチで、4番江越(駒大)を遊ゴロに打ち取った。ゴロを捌いた福田周平内野手(商4=広陵)が一塁へショートバウンド送球。これを一塁手の石井元内野手(営3=履正社)が一度グラブに入れるも収めきれず落球し、嫌な形で先制点を許してしまう。さらに8回には2死一、三塁から福田と高山が連係ミス。江越が放った二塁ベース後方への打ち取った当たりの飛球を中途半端に両者が追うもいずれも触ることができず、痛恨の適時2点二塁打となった。「やってはいけないプレー」と善波達也監督。今季の最終戦は全失点にミスが絡んでしまった。
 意地の投球を見せた。球威あるストレートを軸にテンポの良い投球を披露した山崎。5回2死三塁の場面では、好投の東野に代打の長谷川を3球で追い込むと、決め球に選択したのはフォーク。131㎞のフォークで勝負所を空振り三振に切って取り、勝負に出た駒大ベンチの思い通りにはさせなかった。山崎は7回3分の2を被安打5に抑える好投。許した3失点は全て野手のミスが絡んだもの。先発として最低限の役割は果たした山崎だったが「走者が出た時に自分が踏ん張らなければいけなかった」。エースとして、敗戦の責任を背負い込んだ。

 またしても、日本一の夢は叶わなかった。昨年決勝で亜大に敗れた雪辱を果たすべく、日本一を目指し挑んだ今年。春季リーグ戦は3位に終わったが、秋季リーグで優勝を果たすと、徳山大、創価大を破り決勝への切符をつかんだ。集大成として臨んだ今試合。望んでいた結果は出ず、2年連続の準優勝。明大の野球をさせてもらえず、完敗に終わった。「後輩たちには良い思いができるよう頑張って欲しい」と大学野球生活を終える山崎は、自身がつかめなかった日本一の目標を後輩に託した。2塁走者として試合終了の瞬間を迎えた高山は「優勝して4年生を送りだしたかっただけに、悔しい」と唇をかんだ。この悔しい経験が3年生以下の彼らにとって、来年以降大きな糧となることは間違いない。1年後、同じ舞台で、笑顔の明大ナインが見られることに期待だ。

[萬屋直]

 

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (遊) 福田(広陵) 2 0 0 .375 二ゴ       三振    三ギ    四球   
2 (二) 糸原(開星) 4 0 0 .182 三邪飛       一ゴ    二飛    三振   
  二 宮崎(履正社) 0 0 0 1.000                           
3 (中) 高山(日大三) 4 1 0 .364 二ゴ       一失       右飛    中安
4 (三) 石井(履正社) 4 0 0 .231    二ゴ    三振       左飛    三振
5 (左) 菅野(東海大相模) 4 0 0 .273    二ゴ       三振    三振    三邪飛
6 (三) 植田(関西) 4 1 0 .250    二ゴ       三振       中安 三振
7 (捕) 坂本(履正社) 3 0 0 .100       三振    三振       捕飛   
8 (投) 山崎(日大三) 3 0 0 .200       中直       三邪飛    一邪飛   
  投 柳(横浜) 0 0 0 1.000                           
9 (右) 小倉(関西) 2 1 0 .333       三ゴ       左安    四球   
    計 30 3 0 .293                        

名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
●山崎(日大三) 2 1 1 72/3 122 5 8 1 2 1.43
柳(横浜) 3 1 0 01/3 4 1 0 0 0 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
10 高橋隼(法4=日本文理) 27 佐野恵(商2=広陵) 22 井上(文4=錦城)
11 山崎(政経4=日大三) 5 糸原(営4=開星) 38 野地(政経4=明大明治)
18 今岡(文4=横浜隼人) 34 宮崎(文1=履正社) 7 菅野(法3=東海大相模)
1 上原(商3=広陵) 4 植田(文4=関西) 9 海部(商3=履正社)
17 柳(政経2=横浜) 15 石井(営3=履正社) 20 高山(文3=日大三)
23 星(政経2=宇都宮工) 35 青野(商3=広島国泰寺) 28 小倉(文3=関西)
19 齊藤(政経1=桐蔭学園) 6 福田(商4=広陵) 16 竹村(政経1=浦和学院)
12 坂本(文3=履正社) 26 川野(政経4=明大中野)
25 佐野友(商4=日大三) 8 長嶺(文4=宮崎工)

試合後のコメント
善波監督

「攻めは手こずってしまいました。左ピッチャーはリーグ戦でも打てていなかったです。相手がうちをよく研究してきました。東野君も今永君もタイプは違いますが対策はしたつもりでした。(守備の乱れ)最後までしっかりと守りができなかったのが情けないです。8回もしっかり抑えていれば、9回の展開も違ったかもしれません。やってはいけないミスで3点取られました。だらしないです。残念な試合になってしまいました。(先発の山崎について)きちっと放れていました。相手をしっかり見て抑えるピッチングができていました。(8回の攻撃について)糸原は手に当たっているけどスイングをしているという判定になりました。その前のバントが決まらなかったことなど、走者を進められませんでした。競っている試合ではやってはいけないことです。(2年連続準優勝)今日も何とかしたかったです。しっかり接戦に勝てるようにまたやっていきます」

好投を見せた山崎
「自分自身、出せるものは出せたと思います。悔いはないです。ストライク先行して変化球も低めに決まっていて、テンポ良く投げられました。去年も準優勝という形で悔しい思いをしたので、何としても日本一という強い気持ちもあってマウンドに上がったんですけど、自分たちの力不足でした。後輩たちには良い思いができるように頑張ってほしいなと思っています。(8回の連打は)自分自身変わったところはないんですけど、やはりランナーを出すということはいけないので自分のせいです。自分の中では甘く入ったとは思っていないです。日本一にならないとだめなので本当に申し訳ないという気持ちです。(6回も8回も)ランナーを出すのがいけないので。すべてはそこですね。日本一になれなくてすみません、ということだけです。(チームが5回まで無安打でしたが) 何とか一本欲しいというのはあったんですけど、まず向こうのピッチャーが良いピッチャーだったので自分が踏ん張らなきゃいけないなとは思っていました。勝ってはないので自信はつかんでいないです。反省点は多く得られました。(駒大は)六大と同じですごくしっかりしていてピッチャーもコースコースに丁寧に投げていて本当にスキのないチームだなと思いました。(江越は)強打者なのでコースコースには丁寧にいこうと思っていました。前も対決して色々知っているんですけどやっぱり力強いスイングするなというのが第一印象です。(後輩には)来年はこういう思いをしないように。(4年間では)技術的には全てのレベルがアップしました。球のスピードにしても変化球のキレにしてもコントロールでもマウンドでの強い気持ちというのも得られました。(これからは)ここ一番での集中力、勝負強さというのが大事だなと改めて思いました。何としても勝つという、勝てる投手になりたいです」

最終回に安打を放った高山
「終わってみて駒大が強かったなというのが心にあります。今永を予想していましたが、今永だろうと東野だろうとどちらにしても初対戦なので、東野が来たからびっくりしたとかもないです。(スローボールのことも含め)データもしっかり入っていたので序盤から崩していこうという感じにはなっていたんですけどね。同年代ですし注目されている投手だったので今永を打たないと勝てないだろうと思っていた。点が取れなかったので、自分たちの力不足でした。最後日本一になれなかったっていうのは自分たちの力不足です。(プラスになったことは)引っ張っていくという思いで今年1年やってきた。来年4年生になりますが、この経験は次につながると思います。神宮大会は毎回毎回違う投手と当たるところがリーグ戦との違いです。(左投手を攻略できなかった)イメージはあったのですが、結果に出せませんでした。左打者のインコースにどんどん投げ込んでくる投手だとは頭に入っていたので、甘い球は積極的に行こうというのは頭にありました」