1年生が投打に活躍し立大に快勝 運命の4回戦へ/東京六大学秋季リーグ戦

2014.10.28
 早い仕掛けが功を奏し、立大に4―1で快勝した。0―1で迎えた2回、坂本誠志郎捕手(文3=履正社)の適時三塁打で同点に追いつくと、続く竹村春樹内野手(政経1=浦和学院)の中前適時打で勝ち越しに成功。8回には4連打で2得点を奪い試合を決めた。投げては3回から救援した齊藤大将投手(政経1=桐蔭学園)が7回を無失点に封じる好投を見せ、最後まで相手に流れを渡さなかった。

 2人の1年生が起用に応えた。1点を先制されて迎えた2回。1死三塁から坂本の適時三塁打で同点とし、なおも1死三塁の絶好機。ここで善波監督は、先発の9番柳裕也投手(政経2=横浜)の代打に竹村を送り出す。「澤田投手(立大)は防御率0点台。点が取れない投手なので、攻めるところは攻めていこう」(善波監督)との積極策に「常に準備はしていた」と竹村は冷静に打席に入った。3球で追い込まれるも、続く4球目に「狙い通りの球が来た」。狙い球の外角直球を叩いた打球は、前進守備を敷いていた遊撃手・大城(立大)のグラブをかすめ中前へ抜ける勝ち越しの適時打となった。1回戦に11安打を放ちながら、得点はわずか1点。澤田圭の粘り強い投球の前に屈していた。それだけに、この回執念で澤田圭から奪い取った2得点は価値あるものだった。リードした3回からマウンドを託されたのは齊藤。1点差で迎えた6回に連打で1死一、二塁のピンチを招くも「一人一人抑えよう」と坂本から激励を受け、無心で腕を振った。渾身の直球で我如古を二ゴロ併殺に打ち取り、ピンチを切り抜ける。終わってみれば3回からの7イニングを被安打4、8奪三振の快投。「要所でスライダーやスクリューが決まった」(齊藤)とキレ味抜群の変化球が冴え、相手打線に的を絞らせなかった。善波監督は「齊藤、竹村が本当にいい仕事をしてくれた」と殊勲の活躍を見せた2人に賛辞を惜しまなかった。

 苦しみ抜いた選手たちが試合を決定づけた。1点リードの8回、この回から登板した小林昌(立大)から1死三塁の好機をつくり出す。追加点が欲しい場面で、打席には菅野剛士外野手(法3=東海大相模)。2ボール2ストライクからの直球を弾き返した打球は中前へ。これが待望の追加点となった。今季、打率1割7分4厘と不調にあえぐ菅野だが「気持ちがいつもより倍以上入っていた」と意地の猛打賞。好機は続き、2死二塁から坂本が左前適時打。ダメ押しの4点目を奪った。この試合の1打席目、中前適時打を放つまで29打席安打がなかった坂本。これまで好機で何度も凡退を繰り返していた。それでも「今まで迷惑をかけてきた、やれることをやろう」と臨んだ成果が、2本の適時打となって表れた。苦境を乗り越えた2人が活躍を見せての勝利。逆転優勝へのラストピースはそろった。

 今年1年の集大成を見せる。この試合の勝利で、立大相手に対戦成績を1勝1敗1分のタイに持ち込んだ。打線は1回戦に続き今試合も2桁安打。4本の適時打が飛び出すなど、最終決戦を前に調子を上げて来た。また、齊藤の好救援で、山崎福也投手(政経4=日大三)、上原健太投手(商3=広陵)の両左腕を温存できたのは大きい。この試合2回で降板した柳も控えており、投手陣は盤石だ。「明日は総力戦。誰が投げようと誰が出ようと全員で勝ちに行く」(高橋隼之介主将=法4・日本文理)。投打ともに万全の状態で迎える大一番。立大撃破に向け、死角はない。

[萬屋直]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (遊) 福田(広陵) 4 2 0 .333 中安 三ゴ       三ゴ    左安   
2 (二) 糸原(開星) 3 0 0 .213 捕ギ 遊ゴ       三ゴ    二ゴ      
3 (中) 高山(日大三) 3 0 0 .367 四球    中飛    二ゴ    二ゴ      
4 (一)三 石井(履正社) 4 1 0 .205 三振    左安       遊ゴ    遊ゴ   
5 (右) 海部(履正社) 4 2 0 .412 二ゴ    左飛       左安    右安   
6 (左) 菅野(東海大相模) 4 3 1 .259    中安 遊ゴ       中安    中安   
  走 加勢(札幌一) 0 0 0 .188                           
  左 小倉(関西) 0 0 0 .276                           
7 (三) 青野(広島国泰寺) 1 0 0 .143    捕ギ    右飛               
  打一 佐野恵(広陵) 2 1 0 .154                右飛    右安   
8 (捕) 坂本(履正社) 4 2 2 .178    中三    三ゴ    二直    左安   
9 (投) 柳(横浜) 0 0 0 .111                           
  打 竹村(浦和学院) 1 1 1 .143    中安                     
  投 齊藤(桐蔭学園) 3 0 0 .000          遊飛       三振 三振   
       33 12 4 .238                           

名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
柳(横浜) 8 3 1 2 32 2 2 0 1 2.31
齊藤(桐蔭学園) 8 2 0 7 97 4 8 1 0 0.52

◆ベンチ入りメンバー◆
10 高橋隼(法4=日本文理) 5 糸原(営4=開星) 22 井上(文4=錦城)
11 山崎(政経4=日大三) 6 福田(商4=広陵) 9 海部(商3=履正社)
1 上原(商3=広陵) 27 佐野恵(商2=広陵) 20 高山(文3=日大三)
17 柳(政経2=横浜) 26 吉田(国際2=佼成学園) 28 小倉(文3=関西)
23 星(政経2=宇都宮工) 34 石迫(政経2=九州国際大付) 37 宮内(政経3=習志野)
19 齊藤(政経1=桐蔭学園) 15 青野(商3=広島国泰寺) 24 加勢(理工2=札幌一)
29 水野(農1=静岡) 38 野地(政経4=明大明治) 16 竹村(政経1=浦和学院)
12 坂本(文3=履正社) 7 菅野(法3=東海大相模)
35 石井(営3=履正社) 39 上西(営3=明大中野八王子)
立 慶 早 明 法 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第7週 10/27現在
立大 — ○○ ○●● ○△● ○○ ○○ 12 8 3 1 3 .727
慶大 ●● —    ●○○ ○○ ○○ 9 6 3 0 3 .667
早大 ●○○   — ●● ○○ ○○ 9 6 3 0 3 .667
明大 ●△○ ○●● ○○ — ○●○ ○○ 13 8 4 1 3 .667
法大 ●● ●● ●● ●○● — ○○ 11 3 8 0 1 .273
東大 ●● ●● ●● ●● ●● — 10 0 10 0 0 .000

試合後のコメント
善波監督

「1年生さまさまです。齊藤、竹村が本当にいい仕事をしてくれた。(齊藤の早い回からの登板)色んな用意をしていた。上原や山崎も含めたあらゆる準備をしました。(2回の代打策)先制されてしまったが、澤田投手は防御率0点台。点が取れない投手なので、攻めるところは攻めていうこうと。(代打に竹村を起用)前の試合、泳がされながらもいい当たりのライナーを打っていたので今日も起用しました。齊藤はここのところ良い球を投げていたので先発も考えましたが、経験がないということもあり、早い回からのリリーフで行こうとなりました。(明日に向けて)今日の勝ちが価値ある勝ちになるようにと。明日は高山に頑張ってもらいたいですね」

チームをまとめる高橋隼
「負けられない試合だったので、初回に点数を取られてしまいましたが1点なら大丈夫という感覚で自分たちの野球というか、引き分けた粘り強さというものを初回から出していこうということをベンチでみんなに言いました。(昨日は)勝ってはいましたけど、すごい応援とか向こうの流れがすごく嫌だったので、その中で負けなかったということは非常に大きかったと思います。昨年の春、法大戦で負けてから引き分けて連勝したという経験がここにきてすごく生きてきているのかな、と。その時と全く今同じ状況なので明日は総力戦で、誰が投げようと誰が出ようと全員で勝ちにいきたいと思います。今日はチームで決めたことを徹底したので、そういう意味ではファールで粘ったりするバッター陣がすごく多く、澤田もすごく投げづらそうにしていたのでそれが自分たちの持ち味かなと思います。(徹底したのは)反対方向に打球を放とういうことは意識していて、その結果ボールを長く見られたので空振り三振とか見逃し三振を防げたのではないかと思います。明日は誰が投げるかわかりませんが、同じようにまた対策をとって、それをみんなで徹底していきたいです。何が何でも明日、死に物狂いで勝ち点を取らないといけないので全員で頑張っていきたいと思います」

2本の適時打を放った坂本
「(2本の適時打)1本目は、今まで迷惑を掛けてきたので、できることはやろうという気持ちで打ちました。2本目はその前に菅野が打ってくれたので楽に打席に入れました。サインミスがあったりしましたが、なんとか次につなげていこうと思っていました。結果的にあのようになって良かったです。(投手について)齊藤は丁寧に投げていました。相手も合ってなかったので良いボールで勝負できました。左バッターは嫌がっていました。普通に投げれば抑えられるので。(6回のピンチ)結果的にゲッツーになって良かったです。一人一人抑えようと齊藤には声を掛けました。右打者にも落ちるボールが効いていました。(澤田に関して)リベンジできました。引っ張りにいくと思うつぼなので、流しにいくことが一番の攻略法でした。相手は澤田で勝ちに来ていたと思うので良かったです。明日はできることをやって勝って早慶戦を待ちたいです。今日澤田に勝って、うちの方が勢いあると思います。得意の4戦目ですし、明日は胴上げを見ないように勝ちたいです」

3安打猛打賞の活躍を見せた菅野
「調子はいつもと変わらない感じでした。(3安打は)学生コーチが良くしてくれたので、学生コーチのためにという感じですね。(3本ともセンター方向)意識はしていなかったですけど、練習していたので、配球を考えるとそういう打ち方の方が確率は高くなるので、そういう打ち方にしました。優勝が懸かっていたので気持ちがいつもより倍以上入ったのかなと思います。(これまでの不調は)原因は特に無いと思います。明日勝たないと今日勝った意味が無いので、4年生と長くやるためにも明日勝ちにいきたいと思います」

安打記録に挑む高山俊外野手(文3=日大三)
「優勝に向けてまずチームが勝てたのは良かったです。甘い球は積極的に打っていこうと思っていたので初球から振っていきました。あと一本ということで気持ち的な焦りはあまりありませんが、変化球を引っ掛けて内野ゴロにしてしまっていたのでボールの見極めが甘かったかなと思います。積極的にいけたことは良かったです。明日はとにかく勝てるように、全力を出し切りたいです。まずはチームが優勝しないと意味が無いので、チャンスで一本打てるように、しっかりボールの見極めを徹底していこうと思います」

7回無失点の好投を見せた齊藤
「大事な負けられない試合を任されて、それを0で抑えられて良かったです。昨日は制球が乱れてしまいましたが、今日は要所でスライダーだったりスクリュー系の球だったりがしっかり決まったので良かったです。(自分の中で1番自信のある球は)外に逃げていくチェンジアップです。スクリューは違う球で、握りも違います。(負けたら終わりというプレッシャーは)少しはありましたが、負けたら終わりっていうことは何も考えないで絶対勝てると思って投げました。(球審から何か注意をされていたが)少し足が止まっているとわれたのですが、そこでリズムを崩さず対応できました。(善波監督からは何を)ランナーが出た時に、『ピンチじゃないし、打ち取っているから、今まで通りに投げていれば大丈夫、しっかり投げろ』と言われました。(8回裏も打席に立ったが)本来は交代する予定でしたが、点を取ったので最後まで自分が行くという形になりました。今までで一番いい投球だったとは思いますが、それよりも一番長いイニングを投げたのが大きいです。(チームの雰囲気は)チーム全体これまで以上に気持ちが入っていて、チームが1つの方向に向かっていると思います。明日も出番があればいつでも行けるように準備します。今日は自分の自信のある球を多めに投げるということだけ意識しました。(同じ左投手の山崎投手から学ぶことは)たくさんあるので、そこはしっかり見て学んで、自分の力をもっと伸ばしていけたらと思います。教えてもらうっていうよりは、自分で見て気付いたところで学んだ方が吸収できると思うので。練習に取り組む姿勢だったり、アップからの準備だったりをすごくしっかりやられているので、自分もしっかりいい投球ができるように、そういうところを吸収しています。(ライバルは)そんなに意識はしませんが、ライバルというよりはもっと上の先輩たちを目指して、それに少しでも近づけるようにという形でやっています」

代打で登場し勝ち越しの適時打を放った竹村
「大きいのは狙わず内野の頭を越える打撃を心掛けました。狙い球は外の真っすぐ。狙い通りの球が来ました。立大バッテリーは外中心の配球というのがデータにあったので。先輩たちがつないでくれた好機だったので『絶対に返してやろう』と思っていました。(2回裏での代打)自分は常に準備はしていました。落ち着きもありました。投手の代打なので、絶対に打たなければと。昨日打てなかった悔しさはありました。(同じ1年生の齊藤が好投)1年生というよりも同じチームの投手として、しっかり抑えてほしいという気持ちでいます。今日は『さすが』という感じでした。今はスピードとパワーをつけることを意識しています。そのためにウエイトを中心に練習しています。力がないと外野まで打球が飛ばないので。体重は春から2、3kg増えて74kgになりました。(今日と選抜決勝はどちらが緊張したか)まだ選抜の方が上です。明日もワンチャンスだと思うので、どういう形であれチームに貢献したいです」