投手陣が力投し立大と引き分ける/東京六大学秋季リーグ戦

2014.10.27
 背水の陣で臨んだ第2戦は延長12回の末、引き分けに終わった。初回に海部大斗外野手(商3=履正社)の適時打で2点を先制。4回にソロ本塁打を浴び、2―1で迎えた8回。無死満塁のピンチを迎えるが、継投で1失点にとどめ勝負は延長戦にもつれこむ。10回からは山崎福也投手(政経4=日大三)が登板し3回を無失点の好投。4安打に終わり初回以降得点がなかったが、投手の粘りで引き分け、優勝へと希望を残した。

 エースの力投で引き分けに持ち込んだ。2―2で迎えた延長10回からは、前日にも先発した山崎がマウンドに上がった。11回裏、四球で先頭打者の出塁を許し、犠打と内野ゴロで2死三塁と一打サヨナラのピンチを招く。「気持ちで行くしかなかった」(山崎)。代打の山根を直球で押し、3球で追い込むと、最後はインコースへの141kmの渾身の直球で空振り三振に仕留めた。気持ちが溢れ出る山崎は、大きくガッツポーズ。「絶対に抑える」という山崎の気迫が相手打者を圧倒した。12回のマウンドでも躍動。立大の打者を寄せ付けず、3人で片づけた。最終打者の安田を三振に仕留めるとひと吠え。今シーズン中々結果を出せなかったエースの熱投で、優勝戦線に踏みとどまった。

 投手陣が踏ん張った。1点リードで迎えた8回裏。無死二、三塁のピンチで先発の上原健太投手(商3=広陵)に代わり、齊藤大将投手(政経1=桐蔭学園)がマウンドへ。3番佐藤拓に四球を与え、無死満塁で打席には4番岡部を迎える。優勝の懸かった一戦での逆転の場面に立大スタンドは沸き、球場のボルテージは最高潮に。間を取った坂本誠志郎捕手(文3=履正社)は「思い切ってこい」と齊藤の肩をたたいた。落ち着きを取り戻すと大胆に腕を振り、フルカウントの末に低目のボール球のスライダーを振らせ空振り三振。押し出しに臆せず、最後まで厳しいコースに投げ続けた。「ここが引き分けの要因」と善波達也監督も勝負所で力を発揮したルーキーの投球に目を細めた。ここで齊藤から柳裕也投手(政経2=横浜)にスイッチ。5番我如古に犠飛を打たれ同点とされたが、続く寺田を伸びのある直球で空振り三振に切り、ピンチを最少失点で切り抜けた。初回の2得点以降打線が機能しない中、登板した4投手全員が粘り、何とか引き分けをもぎ取った。

 
 打線が振るわなかった。チーム4本目となる安打が生まれたのは延長12回。先頭の海部が四球を選び、1人倒れた1死から犠打で走者を進め、2死二塁の好機で打席には山崎。カウント2ボール2ストライクから甘く入った6球目を見逃さず中前にはじき返した。その間に海部が本塁を狙うも、中堅手・岡部の好返球にあいタッチアウト。立大投手陣を打ちあぐねていた明大にとって絶好の好機であったが、ものにすることはできなかった。初回に昨日4安打の活躍を見せた海部が2死満塁から左前適時打を放ち、幸先よく2点を先制するも、2回以降は先発・川端の前に沈黙。力感の無いフォームと140kmを超える直球のギャップに苦しみ、2点を奪ったものの、8回までをわずか3安打に封じこまれた。「もう少し点がほしい」(善波監督)。慶大2回戦以降、全試合で2得点以内に封じられている。優勝のための必須条件である連勝を果たすには、打線の奮起は不可欠だ。

 厳しい戦いは続く。再三のピンチを切り抜け引き分けに持ち込み、優勝へと望みをつないだ。明日以降の戦いも当然負けは許されない。「あと2試合、チーム全員で勝ちに行く」(山崎)。明日は1回戦で1点に抑え込まれた澤田圭の先発が予想される。投手陣が見せた明大の真骨頂である粘りの野球を攻撃でも発揮し、立大のエースを打ち崩す。

[尾藤泰平]

  

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
◆明大打撃成績◆
1 (左) 加勢(札幌一) 3 0 0 .188 三振 四球    三ゴ       三振               
  打左 小倉(関西) 0 0 0 .276                            捕ギ      
2 (遊) 吉田(佼成学園) 5 1 0 .125 二ゴ 一ゴ       左安       三直    三振      
3 (中) 高山(日大三) 4 1 0 .391 右安    四球    三振       遊ゴ       三振   
4 (三) 糸原(開星) 4 0 0 .227 四球    左飛    右飛       遊ゴ       中飛   
5 (一)三 石井(履正社) 3 0 0 .200 四球    投ギ       中飛       左飛    左飛
6 (右) 海部(履正社) 3 1 2 .385 左安    四球       投ゴ       投ゴ       四球
7 (三) 青野(広島国泰寺) 3 0 0 .167 二ゴ    遊ゴ       中直               
  打一 佐野恵(広陵) 2 0 0 .091                         二ゴ       三飛
8 (捕) 坂本(履正社) 4 0 0 .146    三振    三ゴ       三振    左飛    捕ギ
9 (投) 上原(広陵) 3 0 0 .000    中飛    投ゴ       三振               
  投 齊藤(桐蔭学園) 0 0 0 —                                    
  投 柳(横浜) 0 0 0 .111                                    
  打 上西(明大中野八王子) 0 0 0 —                            四球      
  投 山崎(日大三) 1 1 0 .231                                  中安
       35 4 2 .227                                    
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
上原(広陵) 6 2 1 70/3 93 5 3 1 2 1.25
齊藤(桐蔭学園) 7 1 0 01/3 13 0 1 1 0 0.87
柳(横浜) 7 3 1 12/3 22 0 4 0 0 2.18
山崎(日大三) 8 1 2 3 41 1 3 1 0 3.46

◆ベンチ入りメンバー◆
10 高橋隼(法4=日本文理) 5 糸原(営4=開星) 22 井上(文4=錦城)
11 山崎(政経4=日大三) 35 石井(営3=履正社) 14 大塚(商3=花咲徳栄)
18 関矢(営4=明大中野) 27 佐野恵(商2=広陵) 9 海部(商3=履正社)
1 上原(商3=広陵) 26 吉田(国際2=佼成学園) 20 高山(文3=日大三)
17 柳(政経2=横浜) 34 石迫(政経2=九州国際大付) 28 小倉(文3=関西)
23 星(政経2=宇都宮工) 15 青野(商3=広島国泰寺) 37 宮内(政経3=習志野)
19 齊藤(政経1=桐蔭学園) 38 野地(政経4=明大明治) 24 加勢(理工2=札幌一)
29 水野(農1=静岡) 39 上西(営3=明大中野八王子)
12 坂本(文3=履正社) 16 竹村(政経1=浦和学院)
立 慶 早 明 法 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第7週 10/26現在
立大 — ○○ ○●● ○△ ○○ ○○ 11 8 2 1 3 .800
慶大 ●● —    ●○○ ○○ ○○ 9 6 3 0 3 .667
早大 ●○○   — ●● ○○ ○○ 9 6 3 0 3 .667
明大 ●△ ○●● ○○ — ○●○ ○○ 12 7 4 1 3 .636
法大 ●● ●● ●● ●○● — ○○ 11 3 8 0 1 .273
東大 ●● ●● ●● ●● ●● — 10 0 10 0 0 .000

試合後のコメント
善波監督

「勢いのあるチーム相手で、なんとかくたびれてもらえたかなと。川端の先発は頭に無かったです。初回に2点取れましたが、その後もう少し取れればなと。そこが今年勝ち切れないところです。ピッチャーは頑張ってくれました。齊藤を出したときはここで出して良かったかなと思いましたが、スライダーかカットかでよく三振に抑えてくれました。ここが引き分けの要因です。(山崎の登板)競っていたので後半から行くぞと言っていました。ただやっぱりもう少し点が欲しいです。明日はエースが出てくるでしょう」

チームを引っ張る高橋隼之介主将(法4=日本文理)
「今日は負けたら終わりなので、もう粘り負けしないことを意識して試合に臨みました。勝ち点を何とか相手に取られないことを意識しました。(山崎が気迫の投球を見せたが)とにかく明日のことを考えずに行きました。山崎の様子を見て僕らもとにかく負けないという気持ちになることができました。明日の試合はとにかくあさってのことは考えずに、誰が投げても誰が守っても同じように明日の勝ちを狙います」

延長のマウンドで好投した山崎
「気持ちはかなり入っていました。絶対に抑えるという強い気持ちでした。インコースを多めに投げました。内側はバッターも嫌だと思います。(ガッツポーズが何度も出たが)抑えられてうれしかったです。気持ちで行くしかなかったので。10、11回と先頭を出しましたが絶対返さないと、それだけでした。チームメイトを信じて、投げる機会があれば絶対抑えようと準備していました。柳が出たあたりから投げることになりました。1年生も頑張っていたので負けられなかったです。(12回の安打)最後の球は甘かったです。ベース寄りに立っていけと言われて、その通りにしたら打てました。昨日負けて、今日は勝ちたかったですが、あと2試合頑張ります。チーム全員で勝ちに行きます」

何度も好守を見せた石井元内野手(営3=履正社)
「勝ち切れなかったことが残念でしたけど、明日につながる戦いだったと思うので、明日は頑張りたいと思います。(自身のファインプレーについては) いい集中ができていたので、いつもやっていることが出せたと思います。チームに貢献できたかなと思います。今日の試合自体は、勝ち切れないというのは悪いことだとは思うんですけど、いい意味で言えば粘れた試合だったと思います。明日は絶対に勝って、明後日につなげる戦いができたらなと思います」

先発の役割を果たした上原
「負けられない試合の中での先発は結構今までの試合でもあったので、緊張するとかは無かったですが今日は完封するつもりで投げてあれだったので、納得はしていないです。ただ明日につながったということは良かったかなと思います。真っすぐの制球力とどれだけ相手のペースにさせないかを意識しました。毎回がピンチだったのでいつもと変わらないようにと気をつけながら投げていました」

先制の適時打を放った海部
「先制した打席は高山が出て、フォアボールふたつでつないでくれて昨日も打ってるし振ればヒットになってくれると思って思い切り振りました。今日も欲張らず打てたと思います。明日は澤田がくるので、絶対打って明後日につなげていきたいです」

ピンチでも落ち着いて投手をリードした坂本
「勝ちたかったんですけどね。負けなかったことをいいと思って。向こうの方がショックは大きいと思うので。明日、あさっては何とか勝てたらいいなと思います。(無死満塁)1点はオッケーぐらいの感じで思い切って来いと齊藤には言いました。ああいう所を何回も切り抜けてこういうゲームにできたので、それは今日の良かったことかなと思います。元々持っているものは凄いものがあると思うので、後はそれを本人がどこまで引き出せるかだと思いますね。今日は気持ちとかも入っていましたし、うまくかみ合っていたかなとは思いますね。明日勝たないと始まらないので、絶対勝てるように頑張ります」

100安打まであと1本とした高山俊外野手(文3=日大三)
「初回のヒットは反対方向への意識を持っていたことでインコースにうまく反応できました。やはり自分が打たないと勝てないので、自分のためではなくて勝つための一本を打てるようにしたいです。勝つために明日以降は1打席目もしくはとにかく早い段階からヒットを打てるように調整します。澤田の攻略については、昨日もチャンスはつくれていたと思うので、あとはチャンスで1本出せるように意識していきます。チャンスメイクの1本にしろ、とにかく得点に絡むヒットを打てるようにしたいです」

1死満塁で登板し、最少失点に切り抜けた柳
「すごく緊迫した場面だったので、技術どうこうではなくて、気持ちを強く持ってバッターに向かっていこうと思ってマウンドに上がりました。犠牲フライを打たれて1点取られてしまったんですけど、最小失点で切り抜けることを考えて、次の打者に集中するようにしました。真っすぐが走っていて今日の調子は良かったです。明日以降も厳しい試合が続くと思いますが、チームが勝てるような投球ができるようにしていきたいです」

ピンチでマウンドを託され、重要な三振を奪った齊藤
「今までも結構ピンチの場面での登板はあったのですが、その時は負けているか、大差で勝っているかというときが多くていつもは吹っ切れた感じで投げられていたのですけど、一点差で勝っているという場面であれだけのピンチだとすごく緊張して、いつも以上にコントロールが乱れてしまったので、自分のピッチングがきちんとできませんでした。一つ四球を出してピンチを広げてしまったのですけど、点を取られずに次につなげることができたのでそこは良かったかなと思います。(坂本選手からは)このピンチの場面で投げているということは周りから信頼されているということだから、もっと思い切って腕を振って投げろと言われました」