有原に封じ込まれ敗戦 優勝の可能性消える/東京六大学春季リーグ戦

2014.05.17
 悲願の3連覇はかなわなかった。負ければ優勝の可能性が消滅する早大1回戦。早大のエース・有原に4安打完封された。本来の打撃をさせてもらえず、本塁が遠かった。初めて第1戦の先発を任された柳裕也投手(政経2=横浜)は粘投を見せ、5回まで早大打線を3安打無失点に抑えるも、6回に茂木(早大)に2点本塁打を被弾。これが決勝点となり、0―2で敗戦した。負けられない一戦を落とし、76年ぶりの3連覇の夢は途絶えてしまった。

 大黒柱の壁は厚かった。優勝へ何としてでも勝利をつかみたい明大に立ちはだかったのは、ここまでリーグトップの3勝を挙げているエースの有原。150㎞超えの直球を主体に、切れ味鋭いスライダー、チェンジアップを織り交ぜた投球に、明大打線は序盤から凡打の山を築いた。そんな中、好機を2度つくるも本塁は遠かった。2回に眞榮平大輝内野手(政経4=興南)、坂本誠志郎捕手(文3=履正社)の連打で2死一、三塁の好機をつくるも、海部大斗外野手(商3=履正社)が内角低めのチェンジアップを空振り三振。先制のチャンスを逃した。0-2で迎えた7回には、2死から菅野剛士外野手(法3=東海大相模)が中越え三塁打を放ち反撃開始かと思われたが、続く眞榮平は内角低めの直球に空振り三振を喫した。逆転のチャンスを逃した眞榮平は唇を噛みしめ、悔しさを押し殺した。「あと1本が出なかった」と高橋隼之介主将(法4=日本文理)。ピンチでもコーナーを丁寧に突いてくる有原に屈し、4安打を放つのが精いっぱい。昨春の立大2回戦以来、実に35試合ぶりの完封負けとなってしまった。

 粘りの投球も実らなかった。先発のマウンドには大方の予想を反し、エースの山崎福也投手(政経4=日大三)ではなく柳が上がった。この抜てきに2年生右腕は「やらないといけないという気持ちだった」と気合いを入れて臨んだ。序盤は高めに抜ける球も見られたが、徐々に修正し低めを意識した投球を見せる。5回には土屋が放った中堅への打球に、高山俊外野手(文3=日大三)がスライディングキャッチを試みるも後逸し三塁打に。無死三塁と先制のピンチを背負う。しかし後続を打ち取り2死三塁までこぎつけ、迎えた重信には追い込んでから自身の生命線である外角低めの直球で見逃し三振を奪った。「気持ちを強く持って投げた」とピンチを脱した柳は力強く吠えた。
 しかし、直後の6回に均衡を崩された。1死二塁の場面で茂木への7球目、内角低めに直球を投じた。「狙って投げて甘くはなかった」と自信を持って投じた一球は茂木に振り抜かれ、打球は無情にも右翼席ポール際へ。この大きな先制弾に有原はベンチで両手をつきあげ喜ぶ一方、打たれた柳はぼう然とマウンドに立ち尽くした。この2点本塁打で試合が決した。試合中盤まで有原と熱い投手戦を演じたが、一発に泣き敗戦投手となった。

 優勝争いから脱落した。この敗戦でリーグ戦4敗目。もし残り試合を全勝し8勝4敗、勝ち点4となったとしても、現在明大より順位が上の早大、慶大には及ばない。山崎ら投手陣は本調子とはいかず、打線もうまく機能しない試合が多かった。春秋連覇した昨年のような「粘り」を見せられない。これからは1つでも上の順位を目指すことが重要になってくる。7回から救援した山崎は「早稲田から勝ち点を取るということを全員で頭に入れてやっていきたい」と勝つことへのこだわりを忘れない。残り試合でいかに本来の野球をできるか、真価が問われる。

[森光史]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (遊) 福田(広陵) 4 1 0 .393 三邪飛    中飛       一ゴ      右安
2 (二) 糸原(開星) 4 0 0 .214 三振    三ゴ       左飛       捕飛
3 (中) 高山(日大三) 4 0 0 .371 三振       左飛       三邪飛    二ゴ
4 (三) 植田(関西) 4 0 0 .464    三振    遊ゴ       二ゴ    遊ゴ
5 (左) 菅野(東海大相模) 3 1 0 .167    一ゴ    一ゴ       中三      
6 (一) 眞榮平(興南) 3 1 0 .296    右二       一ゴ    三振      
7 (捕) 坂本(履正社) 3 1 0 .296    中安       遊ゴ       中飛   
8 (右) 海部(履正社) 2 0 0 .154    三振       左飛            
  打 上西(明大中野八王子) 1 0 0 .000                      三振   
  右 小倉(関西) 0 0 0 .000                           
9 (投) 柳(横浜) 1 0 0 .250       右飛                  
  打 佐野恵(広陵) 1 0 0 .000                一ゴ         
  投 山崎(日大三) 1 0 0 .385                      三振   
    計 31 4 0 .279                        
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
●柳(横浜) 6 2 1 6 116 5 5 3 2 2.75
山崎(日大三) 6 1 1 3 43 1 1 2 0 1.93
◆ベンチ入りメンバー◆
10 高橋隼(法4=日本文理) 5 糸原(営4=開星) 6 福田(商4=広陵)
11 山崎(政経4=日大三) 12 坂本(文3=履正社) 26 吉田(国際2=佼成学園)
18 今岡(文4=横浜隼人) 3 眞榮平(政経4=興南) 8 長嶺(文4=宮崎工)
29 月田(商4=熊本工) 35 青野(商3=広島国泰寺) 7 菅野(法3=東海大相模)
1 上原(商3=広陵) 15 石井(営3=履正社) 38 高山(文3=日大三)
17 柳(政経2=横浜) 16 宮内(政経3=習志野) 24 海部(商3=履正社)
23 星(政経2=宇都宮工) 4 植田(文4=関西) 37 小倉(文3=関西)
13 高橋亮(政経3=前橋育英) 34 竹村(政経1=浦和学院)
2 佐野恵(商2=広陵) 28 上西(営3=明大中野八王子)
早 慶 明 立 法 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第6週 5/17現在
早大 —    ○ ○●○ ○○ ○○ 8 7 1 0 3 .875
慶大    — ○△○ ● ○○ ○○ 8 6 1 1 3 .857
明大 ● ●△● —    ●○○ ○○ 9 4 4 1 2 .500
立大 ●○● ○    — ●● ○○ 8 4 4 0 1 .500
法大 ●● ●● ○●● ○○ —    9 3 6 0 1 .333
東大 ●● ●● ●● ●●    — 8 0 8 0 0 .000

試合後のコメント
ベンチからチームを支えた高橋隼
「今日は有原選手相手にあと1本が出なかったです。(6回に浴びた2点本塁打は)あの場面でホームランを打たれたことはチームとしての反省点です。自分たちはまだ諦めていないので、明日の試合は必ず勝ちを取りにいきます」

9回に先頭打者で出塁した福田周平内野手(商4=広陵)
「今日負けたら優勝がなくなるので、とにかく全勝という気持ちで臨んでいました。今日は有原にやられたということだけです。今はもう一回、有原とできるように明日勝って、明後日も試合をして早稲田から勝ち点を取りたいです」

7回から救援の山崎
「調整はできていたのですが、早稲田は右投手が不得意なのかなという監督の考えで先発ではありませんでした。ただ、監督からはすぐいける準備はしておけと言われたので初回から準備はしていました。途中からの出場でしたが、点は与えられないという気持ちは変わりませんでした。8、9回は自分なりの投球ができました。ランナーを出してもしっかりともっと落ち着いて投げられればいいかなと思いました。点を与えなかったのは良かったなと思います。(次の試合からは)まず早稲田から勝ち点を取るということを全員で頭に入れてやっていきたいです」

先発し6回2失点の柳
「1、2回と高めに抜けていましたが、3回くらいから修正できました。本来、(山崎)福也さんの投げる試合で、その役割を任せていただいて、やらないといけないという思いでした。5回のピンチは1点もやりたくなかったので、気持ちを強く持って投げました。(茂木の本塁打は)インコースを狙って投げて、甘くはなかったです。先のことは考えずに集中して投げて、ホームランを打たれて、一球の大切さを知りました。そこは反省したいです」