中嶋の一打で大商大に勝利 2年ぶり日本一に王手/明治神宮大会

2013.11.19
 大商大を4-1で下し、決勝へとコマを進めた。4回裏2死二塁の場面で中嶋啓喜主将(法4=桐蔭学園)の遊ゴロが相手の失策を誘い、一気に二塁走者が生還。先制点をもぎ取ったが、5回表に1死三塁から適時打を打たれてすぐさま同点に追い付かれてしまう。しかし、6回に1死一、二塁から6番中嶋の走者一掃の中越え2点適時二塁打で勝ち越すと、続く7番坂本誠志郎捕手(文2=履正社)の右翼線に落ちる適時二塁打でさらに1点を追加。一挙4点を取り、一気に大商大を突き放した。7回まで投げた先発の上原健太投手(商2=広陵)と2番手の今岡一平投手(文3=横浜隼人)の投手リレーで相手に流れを与えず、大商大打線を最小失点にねじ伏せた。明日の決勝で亜大と日本一を懸けての激闘を繰り広げる。

 主将が試合を決めた。6回、大商大の先発・金子の制球が乱れ、連続四死球で1死一、二塁のチャンス。ここで打席には主将の中嶋。中嶋はリーグ戦終盤、先発出場はおろか、メンバー入りもできず優勝の瞬間をスタンドから見届ける悔しさを経験した。天皇杯を受け取ったものの「情けない気持ちもあった」とこの気持ちをバネに神宮大会でのリベンジを誓った。「ミスを恐れず思い切りいこうと思った」と、高めの直球を捉え中堅手の頭を越える走者一掃の二塁打を放ち、値千金の一打を放った。死球で出塁した途中出場の岡大海内野手(政経4=倉敷商)を前に「(岡)大海が広げてくれたチャンスだったので何が何でも打とういう気持ちだった」。4年生がつないで貴重な追加点を奪った。「監督、コーチにも最後はおまえが決めろと言われていたのでこの大会にかける思いは強い」(中嶋)。「中嶋のために勝った」という仲間の声に背中を押され、リーグ戦後は日常生活から改善。起床を早め、朝から素振りも行った。「姿勢を変えないと何も変わらないので、そういうところから取り組んだ」と一から姿勢を改めた。そんな中での一打だっただけにベンチからもスタンドからも喜びの声が溢れた。中嶋も高々と左拳を突き上げ、その声に応えた。続く坂本の右翼線に沿った二塁打で中嶋が返り、3点差をつけて大商大を引き離した。

 投手陣の好投も光った。先発を任された上原は7回まで4安打7奪三振の好投。常時140㎞台の直球でストライクを先行し相手打者に付け入るスキを与えなかった。5回に適時打を打たれ1失点するものの、その後は安定した投球で追加点を許さない。中日ドラゴンズにドラフト3位指名された4番打者・桂を擁する大商大打線を黙らせ、最小失点に抑えた。マウンドを受け継いだ今岡も8回を三者連続三振で締めると、9回も最後の打者を得意のシンカーで見逃し三振に仕留め、2回5奪三振の圧巻の投球で日本一に王手をかけた。

 2年ぶりの日本一まであと1勝。「明日は明治にとって大きな価値のある試合」(善波監督)。絶対に負けられない一戦となる。対戦相手は東都リーグで史上3校目となる5連覇を成し遂げた王者・亜大。広島東洋カープから2位指名を受けた九里が明大打線に立ちはだかる。準決勝では桐蔭横浜大を5安打に抑える圧巻の投球。決勝での登板も十分に予想される。最速145㎞の直球とキレのある変化球をいかに打ち崩せるかがカギとなる。打線も侮れない。横浜ベイスターズに3位指名された嶺井を中心に下位打線まで強打者がそろっている。準決勝の桐蔭横浜大との試合は延長10回表に一挙4得点を挙げ、決勝への切符を手にした。対する明大は今日の試合では得点圏に走者が進むものの、好機を生かしきれない場面が目立った。「明日は一つのミスも許されない」(上原)というように今日の反省をしっかりと見つめ、明日へと備える。頂上はもう見えた。部員全員の心を一つに頂点まで全員で駆け上がる。

[西谷侑紀]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (遊) 福田(広陵) 4 0 0 .111 遊ゴ    遊ゴ    一ゴ    中直      
2 (中) 高山(日大三) 3 0 0 .167 四球    三振    三振    中飛      
3 (三) 糸原(開星) 4 0 0 .000 遊ゴ       三ゴ    投ゴ 遊飛      
4 (左) 菅野(東海大相模) 2 1 0 .200 四球       左二    四球    一邪飛   
  左 中原(横浜) 0 0 0 —                           
5 (一) 川合(倉敷商) 2 0 0 .333 ニゴ       三振               
  一 岡大(倉敷商) 1 0 0 .000                死球    遊ゴ   
6 (右) 中嶋(桐蔭学園) 4 1 2 .143    遊直    遊失    中二    三振   
7 (捕) 坂本(履正社) 3 1 1 .400    遊ゴ    三振    右二         
8 (投) 上原(広陵) 3 0 0 .000    三振       投ゴ 遊ゴ         
  投 今岡(横浜隼人) 0 0 0 —                           
9 (二) 大塚(花咲徳栄) 3 2 0 .667       中安    左安 二飛         
    計 29 5 3 .161                        

名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
◯上原(広陵) 2 1 0 7 90 4 8 1 1 1.13
今岡(横浜隼人) 1 0 0 2 33 1 5 1 0 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
10 中嶋(法4=桐蔭学園) 22 高橋隼(法3=日本文理) 6 福田(商3=広陵)
19 関谷(政経4=日大三) 12 坂本(文2=履正社) 14 七田(商3=小城)
11 山崎(政経3=日大三) 25 岡大(政経4=倉敷商) 8 中原(文4=横浜)
18 今岡(文3=横浜隼人) 13 川合(政経2=倉敷商) 28 下田(商4=海星)
29 北田(法3=倉吉東) 4 大塚(商2=花咲徳栄) 7 菅野(法2=東海大相模)
1 上原(商2=広陵) 3 原島(農4=国士舘) 9 高山(文2=日大三)
17 柳(政経1=横浜) 5 糸原(営3=開星) 24 海部(商2=履正社)
27 西村祐(法4=春日部共栄) 35 石井(文2=履正社)
32 柴田(法4=中京大中京) 38 上西(営2=明大中野八王子)

 
試合後のコメント
善波監督
「序盤はやってはいけないプレーが出たし、波に乗り切れない試合でした。向こうもいい投手だったので簡単には点が取れなかったです。それでも上原は試合をつくりましたし、中嶋は久しぶりにいい仕事をしてくれました。主将がいい一打を打ってくれたので、明日につながると良いと思います。中嶋はリーグ戦終盤に心技体、特に『心』の部分が崩れていましたが(心技体が)整ったと思います。今朝の打撃練習が良かったです。心が直ったと思います。(スタメンを外れた岡大は)1戦目の姿を見て戦っている姿が物足りないと思い、(スタメンを外して)刺激を与えた方がいいと思いました。川合が1戦目に素晴らしいヒットを打ちましたし、昨日と今朝の練習を見て決めました。ただ明日は先発させます。明日はやってくれるのではないかと思います。(決勝進出を決めたが)明日は明治にとって大きな価値のある試合ですし、最後の一戦となります。勝てばいいのですが、もっときっちりやらないといけません。上級生がチームを引っ張って、下級生が上級生の足りない部分を補うことが理想です。そうすれば勝てると思います」

6回にリードを奪う2点適時二塁打を放った中嶋
「(適時打は)高めの真っすぐを打ちました。チャンスだったのでミスを恐れず思い切りいこうと思っていました。リーグ戦ではベンチに入れない悔しさもありましたし、優勝したときに『中嶋のために勝った』と言ってくれたり、監督、コーチにも最後はおまえが決めろと言われていたので、この大会にかける思いは強いです。リーグ戦後は起床を早めて素振りをしたり、掃除も率先してやって姿勢を改めました。今までがどうか分かりませんが、姿勢を変えないと何も変わらないので、そういうところから取り組みました。2年前と比べて、4年生で最後というのもありますし勝ちたいという気持ちは強いです。4年生とできるのもあと1試合なので有意義な時間を過ごしたいです。(岡大がスタメンを外れ)大海なりに考えていたり苦労しています。大海が広げてくれたチャンスだったので何が何でも打とうという気持ちでした。リーグ戦優勝した時は天皇杯をもらえてうれしかったですが、情けない気持ちもありました。監督からもう一回やってみろと言われて、自分を見つめ直す時間ができて監督には感謝してもし切れないです。決勝はどちらが上がってきても強いので、胸を借りるつもりで貪欲に勝ちにこだわりたいと思います」

途中出場となった岡大
「上原が本当によく頑張ってくれていたので、後半で得点できて良かったです。いつ最後の試合になるか分からない中で、悔いのないように日本一を目指してやってきました。どこよりも長く大学野球ができることになってうれしいです。自分としてはヒットが出るか出ないかだと思います。今日も当たりは悪くなかったのであとは1本出ればという感じです。明日に向けてまた調整し直します。スタメン落ちのことは今日になって言われました。やはりトーナメントなので調子のいい選手を出していかないといけないので、結果を出せていなかった自分は外されて仕方ないと思います。しかし途中から出してもらえるというような声を掛けてもらっていたので、いつでもいけるように準備をしていました。大会期間中は、一昨日の試合が終わってから振り込んでいます。寮に帰ってから投げてもらったり、マシンを打ち込んだりもしました。(左手のテーピングは)打てないので練習をしていたら手の皮がむけたのでしていました。(中嶋主将は)主将として引っ張ってくれました。こういう場面では本当に頼りになります。4年生が2人しかでていないので、自分も一緒に引っ張っていこうという気持ちでした。今日は4年生でつなげて点が入って良かったです。(中嶋が)打った瞬間これはいけるなと思って全力で走りました。(死球は)うまく後につなげてよかったです。とにかく塁に出れば後がなんとかしてくれると思っていました。台湾遠征でプロの調整の仕方など、いろいろなことを吸収できました。バッティング練習一つとっても、打つ方向を徹底していたり、試合への入りが違いました。(次戦は)とにかくチャンスに打てればいいです。そこだけは本当に結果を残したいです。チームが勝てればなんでもいいので、力になれるよう頑張ります」

7回1失点の好投を見せた先発の上原
「今日は絶好調というわけではありませんでしたが、ある程度まとまったのでゲームはつくれたと思います。とにかく相手のデータがない神宮大会は一発勝負なのでリーグ戦とは違い、その日の自分の調子のいい球を中心に配球を組み立てました。今日は基本真っすぐで押してところどころで変化球だけで攻めました。風も強かったので、外野の旗を見て風の強さと向きを見て考えながら組み立てました。見たことのないチームやバッターを相手にするのでどういう試合展開になるか不安もありましたが自分がゲームをつくる気持ちで最少失点に抑えることを意識しました。いつもより緊張しましたが、1番バッターを抑えてから落ち着けたと思います。広く見てボールでもいいという感覚で投げれいたらいいコースにいった、という感じです。リーグ戦よりは調子は落ちたと思いますが、それでも普通に投げれば抑えられると思って投げました。明日は今日より緊迫した戦いになると思うし、一つのミスも許されないので今日のミスや反省をチームでしっかり見直して、自分も勝利に貢献できたらいいと思います」