中嶋の勝ち越し打で勝利。延長戦を12回にわたる死闘を制す/東京六大学秋季リーグ戦

2012.09.18
中嶋の勝ち越し打で勝利。延長戦を12回にわたる死闘を制す/東京六大学秋季リーグ戦
 粘る立大を突き放した。明大は2点リードで迎えた9回に投手陣が打ち込まれて、同点とされ延長戦に突入。しかし延長12回に中嶋啓喜外野手(法3=桐蔭学園)の右前適時打で勝ち越し、3時間39分に及ぶ熱戦を制した。開幕カードを苦しみながらも勝ち越して、勝ち点1を奪取した。

 今春の雪辱を胸に期する男が熱戦にけりをつけた。4―4の同点で迎えた12回表2死二塁。「岡大が投げて打って頑張っている姿を見て、楽にさせてあげたいという気持ちで打席に立ちました」と投打に奮闘する岡大海投手(政経3=倉敷商)の姿に感銘を受けた中嶋が、斎藤(立大)のスライダーをうまく右前に運ぶ適時打を放ち、二塁走者の岡大が生還。「岡大におんぶにだっこの状態なので野手がしっかりしないといけない」と野手としての意地を見せた中嶋が待望の勝ち越し点を挙げた。中嶋は今春のリーグ開幕戦の4番打者を務めるなど主軸打者としての活躍を期待されていたが、今春は打率1割3分8厘と不調に陥った。リーグ後半はスタメンを外れる試合も多く、不本意なシーズンであった。しかし夏のオープン戦では好調で、ほぼ全ての試合でクリーンアップとして出場。今秋は全3試合で5番打者を務めている。今秋を春の雪辱を果たすシーズンとするべく好スタートを切った。

 この勝ち越し劇の裏にはエースの気迫溢れるプレーがあった。直前の11回裏にサヨナラ負けのピンチを切り抜けた岡大が2死無塁から左前安打で出塁。直後に「ランエンドヒットのサインが出ていた」(岡大)と果敢にスタートを切った。相手捕手の好送球もあり間一髪のタイミングだったがセーフ。得点圏にまで進み、中嶋の適時打を呼び込んだ。

 打線は中盤から本領を発揮した。明大は1回戦に完封された小室(立大)に5回まで無安打に抑えられる苦しい展開。しかし、2点リードされていた6回に「主将の自分が一本打てば、流れは必ず変わると思っていました」という田中勇次主将(法4=鳴門工)のチーム初安打となる左前安打を口火に4連打を放って3点を取り逆転。7回にも宮内和也内野手(政経1=習志野)の「入った瞬間は驚きました」という大学入学後初となる左越え本塁打で1点を追加した。今春の明大のチーム打率2割9分8厘はリーグ1位。持ち前の強力打線が真価を発揮した。
 

勝利を手にし、喜びの表情を見せる選手たち
勝利を手にし、喜びの表情を見せる選手たち

 
 
 投手陣は総力戦でこの試合を戦い抜いた。先発の山崎福也投手(政経2=日大三)は4回5安打2失点と本調子ではなかったが、今岡一平投手(文2=横浜隼人)、関谷亮太投手(政経3=日大三)の継投で中盤から立大打線を抑え込んだ。しかし、勝利を目前にした2点リードの9回無死。リリーフの関谷が加藤祥(立大)、小尾(立大)に連続二塁打を浴び1点を返されると、4番ファーストとして出場していた岡大が緊急リリーフ。「9回で終わらせるつもりで投げた」(岡大)が、寺田(立大)に中堅への犠飛を許し同点に追い付かれ、延長戦に突入した。その後、岡大は10回に2死二、三塁、11回に2死二塁というサヨナラ負けのピンチを2度迎えた。しかし、11回に中前安打で本塁へ突入してきた走者を中堅手・中嶋の好返球で補殺するなどバックの堅い守りにも助けられた。チーム全体で4回最小失点に抑え、12回の勝ち越しにつなげた。

 今季最初のカードを苦戦しながらも勝ち越し、勝ち点1を取った明大。次週は優勝候補本命の早大との対戦が控えている。目標のリーグ優勝に向けて最大の敵となる相手との対戦を前に弾みをつける戦いとなった。

[森大輔]

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
1 (二) 福田(広陵) 2 0 0 .167 中飛    左飛                           
  打二 宮内(習志野) 3 2 1 .333           捕ギ 左本 中安   三振  
2 (遊) 上本(広陵) 5 0 0 .333 三振      遊ゴ   一ギ 三振    遊飛     二飛
3 (右) 高山(日大三) 6 1 1 .214 二ゴ       投ゴロ    左前      捕飛    三振    三振
4 (一)投 岡大(倉敷商) 4 1 1 .333   一直     四球   右犠飛     二飛   三ゴ   左安
5 (中) 中嶋(桐蔭学園) 5 2 1 .273   一飛   三振    四球    左安    遊ゴ    右安
6 (三) 糸原(開星) 4 1 1 .333   一ゴ       三振 右安   四球     ニゴ  
7 (投) 山崎(日大三) 2 0 0 .000      ニゴ    投ゴ                     
  投 今岡(横浜隼人) 0 0 0 -                          
  打 石川(北大津) 1 0 0 .125           投ゴ              
  投 関谷(日大三) 1 0 0 .000                 ニゴ        
  一 原島(国士舘) 0 0 0 -                       四球  
8 (捕) 坂本(履正社) 4 0 0 .143      四球    三振   遊ゴ    三ゴ   三振  
9 (中) 田中勇(鳴門工) 5 2 0 .500      三ゴ      左安 三ゴ    遊飛   右安  
   計 42 9 5 .274                                    

◆明大投手成績◆
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
山崎(日大三) 3 0 0 4 56 5 2 0 2 3.00
今岡(横浜隼人) 2 0 0 1 22 1 2 0 0 0.00
関谷(日大三) 3 0/3 2 1 0 50 2 3 1 2 2.00
◯岡大(倉敷商) 2 1 1 4 57 7 1 1 0 1.64
◆ベンチ入りメンバー◆
11 岡大(政経3=倉敷商) 2 武井(商3=PL学園) 10 田中勇(法4=鳴門工)
19 関谷(政経3=日大三) 33 原島(農3=国士舘) 8 小川(商4=横浜)
1 山崎(政経2=日大三) 6 上本(商4=広陵) 20 川嶋克(商4=日南学園)
23 今岡(文2=横浜隼人) 4 福田(商2=広陵) 9 中嶋(法3=桐蔭学園)
21 上原(商1=広陵) 5 石川(政経4=北大津) 27 中原(文3=横浜)
31 内海(商1=桐蔭学園) 15 糸原(営2=開星) 38 高山(文1=日大三)
22 柴田(法3=中京大中京) 16 池田秀(農4=長野日大) 37 菅野(法1=東海大相模)
12 高橋隼(法2=日本文理) 26 宮内(政経1=習志野)
32 坂本(文1=履正社) 29 須藤(政経3=明大中野八王子)
勝敗表 第2週  9/17現在
早 法 慶 明 立 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
早大 —             ○○ 2 2 0 0 1 1.000
法大    —          ○○ 2 2 0 0 1 1.000
慶大       —    ○○    2 2 0 0 1 1.000
明大          — ●○◯    3 2 1 0 1 .667
立大       ●● ○●● —    5 1 4 0 0 .200
東大 ●● ●●          — 4 0 4 0 0 .000

選手コメント
12回に決勝点となる適時打を放った中嶋
「(11回裏の守備について)2死二塁とサヨナラ負けのピンチだったので打球がきた時はやられたと思いました。ランナーが投手でベースランニングがうまくないので、当たりは厳しいけど、回り込まずにジャンプしてくれたのでアウトになるかもと思いました。タイミングは微妙でしたがボールを投げてキャッチャーに届いた時はよく間に合ったと思いました。(12回表の攻撃、岡大か二塁に盗塁してチャンスとなったが)岡大が投げて打って頑張っている姿を見て、楽にさせてあげたいという気持ちで打席に立ちました。打った球はスライダーです。相手はスライダーで攻めてくると思ったので右方向への意識はありました。ライトに飛んだ瞬間は『やっちゃった』と思いました。チャンスは好きなのであの打席も楽しめました。春は悔しい思いがありました。夏は4年生をはじめ、監督、コーチに熱心に指導してくださったので、結果を出さないといけないという気持ちで秋は臨んでいます。(岡大が4番という状況について)野手としては情けないという気持ちがあります。岡大におんぶにだっこの状態なので野手がしっかりしないとという気持ちです。(早大戦に向けて)春の王者ですし、東大戦を見てやはり強いなという印象を持ったので、負けてもともとと挑戦者の気持ちで臨んで何とか勝ちたいです」

4番ファーストでスタメン出場し、途中から投手として登板した岡大
「マウンドに上がった時は、9回で終わらす気持ちで投げました。同点になってからは、ランナーを出してもホームに返さなければ負けることはないと思って投げました。最後、疲れは多少ありました。でも負けたら(春の)早大戦と変わらないです。今日の立大戦で勝てて少しは成長できたのかなと思います。(4番での出場は)今までと変わらないです。いつも通りやってチャンスでランナーを返すつもりで臨みました。(決勝点につながった二盗は)ランエンドヒットのサインでした。ランナー二塁は何かあったらすぐ点になります。ランナーに出たらピッチャーとかは関係ないです。(次の早大戦に向けて)春に負けてしまったし、勝つしかないです。今までやってきたことを全て出して、自分の成長を確かめたいです。思い切りぶつかっていきたいです」

7回に大学入学後初の本塁打を打った宮内
「(本塁打について)打ったのはストレートです。入った瞬間はびっくりしました。(あの場面では貴重な追加点となりましたが)はい。すごくうれしかったです。この1本が自信になりました。(11回の2死二、 三塁のチャンスで凡退してしまったのは)力が入り過ぎてしまいました。ああいう場面で打てないと駄目だと思います。(オープン戦から調子は良かったですが)たぶんオープン戦では3割弱くらい打ったと思います。最近大学の投手レベルに慣れてきた感じです。(夏の間は)秋に向けて成長できました。自分の満足するまでバットを振って、スイングスピードを上げることを目指してやってきました。(他の同期の活躍も見られますが)高山は春から活躍していますし、春の話を聞いて刺激になりました。(ホームランについて高山選手は何と言っていましたか)先を越されたかと言われました」

9番レフトで先発出場し、2安打を放った田中勇
「序盤は完璧に抑え込まれて、こういう展開で春も負けたので、嫌なムードでした。(6回のチーム初ヒットについて)主将の自分が一本打てば、流れは必ず変わると思っていました。11回のヒットもそう思って打ちました。(9回に追い付かれて)春もこういう展開はあったので、勝てると思っていました。ベンチの雰囲気は明るかったです。(11回裏の守備シフトについて)風向きがレフトからホームに吹いていましたし、大城選手は左中間に打っているイメージがあったので個人の判断で後ろに守りました。(2安打について)調子は悪くないです。どんな形でもチームに貢献しようと思っています。その結果がヒットだっただけです。春は早慶に負けました。特に早大は胴上げを目の前で見たので、悔しかったです。早慶に勝つために練習をしてきました。このままのいい流れで勝ち続けます」

今シーズン初スタメンで、6回に勝ち越しとなる適時打を放った糸原
「(勝ち越しのタイムリーの打席は)その前の打席でスライダーにやられていたので、スライダーのことを頭に入れながらストレートが来たら払うということを意識して打席に入りました。(スタメンについては)昨日から話は聞いていました。これからもしっかり自分の持ち味を生かしてやっていきたいと思います」

6回に1点を返す適時打を放った高山
「(6回表のタイムリーについて)あの場面は打つしかなかったです。気持ちで打ちました。(2球目にファールを打った後、ベンチから出てきた監督に声を掛けられたが)監督からはたたきつけても1点入ると言われました。早大戦は春に負けているのでがむしゃらに勝ちにいきます」

今シーズン初先発も4回2失点で降板した山崎
「春に投げてきて自信がありましたが、今日は試合の中で修正できなかったです。セットポジションになってから、自分の悪い癖が出てしまいました」