代打攻勢で逆転に成功 春の王者・早大から勝ち点を挙げる/東京六大学秋季リーグ戦

2012.09.26
代打攻勢で逆転に成功 春の王者・早大から勝ち点を挙げる/東京六大学秋季リーグ戦
 鮮やかな逆転劇で今春の王者に雪辱を果たした。明大は2点を追う7回にともに代打で出場した菅野剛士外野手(法1=東海大相模)と小川健太外野手(商4=横浜)の連続適時打で逆転。それまで6回を1安打に抑えられていた有原(早大)から一挙3点を挙げ逆転に成功した。投げては2回を無失点に抑えた上原健太投手(商1=広陵)がリーグ戦初勝利。今春、目の前で胴上げを見せつけられた宿敵相手に接戦を制した明大が勝ち点を2に伸ばした。

 友の思いを背負った男が逆転劇の立役者となった。この日も1戦目で3安打完封された有原(早大)相手に6回まで1安打に抑えられる苦しい展開。しかし、2点ビハインドの7回表。先頭打者の4番・一塁手で出場した岡大海投手(政経3=倉敷商)が四球を選び、中嶋啓喜外野手(法3=桐蔭学園)が右前安打を放ち無死一、三塁のチャンスがつくられる。続く代打の菅野が左越え適時二塁打を放ち同点とした。その後1死三塁となり、打席には同じく代打の小川。「菅野のバッティングを目の前で見て刺激になりました」と後輩の活躍に奮い立つ4年生が、初球をセンターへ弾き返した。小川はこれまでのリーグ戦は全て代打として出場。「毎試合、1週間前から相手を研究しています」と代打の準備に余念がない。昨秋の法大戦1回戦でも代打で出場し、勝ち越しとなる適時打を放った小川。この試合も有原の投球を観察し「ツーシームが多いと思っていたので、初球から絞っていました」と狙い打った。

 また小川はこの打席、ケガで離脱中の小室和弘外野手(政経4=昌平)のバッティンググローブを使用。「小室とは毎日、自主練などをともにしてきました」とグラウンドに立つことができない友の思いを胸に秘めた男が逆転劇の主役となった。

7回表明大無死一、三塁 <br />同点適時二塁打を放ちガッツポーズをする菅野”align=left><br clear=7回表明大無死一、三塁
同点適時二塁打を放ちガッツポーズをする菅野

  
 
 レギュラー奪取を目指す1年生もヒーローとなった。同点打を放った菅野は早大戦1回戦に3番・左翼手でスタメン出場したが、この試合先発の有原に第1打席で空振り三振。その直後に投手を降板した岡大と交代しベンチに下がるという悔しい経験をした。この試合リベンジに燃える菅野は「ストレートを狙っていましたが、変化球が来たので反応して打ちました」と高い打撃センスを発揮。起死回生の左翼手の頭上を越える2点適時二塁打を放った。現在、明大は高山俊外野手(文1=日大三)、坂本誠志郎捕手(文1=履正社)、宮内和也内野手(政経1=習志野)など多くの1年生がスタメンとして活躍。「同期には負けたくないという気持ちが強いです」と同期にライバル心を燃やす菅野は「監督やコーチに自分のバッティングをアピールしたいです」と自らのアピールポイントであるバッティングを生かしレギュラー獲得を目指す。

 投手陣は下級生のリレーで強力打線を切り抜けた。早大は不動の4番打者・杉山(早大)を中心とする強力打線が売りだ。だが「先発することは今日の朝に伝えられました」とリーグ初先発ながら大一番を任された今岡一平投手(文2=横浜隼人)は4回2失点と何とか試合を作った。続く上原、山崎福也投手(政経2=日大三)の大型左腕のリレーで早大打線を計5回無失点と抑え込んだ。投手陣は早大に明大の5本を上回る9安打を打たれたが、各投手の要所を締めるピッチングで2点に抑え込んだ。

9回裏2死 <br />最後の打者を三振に取りガッツポーズの山崎”align=left><br clear=9回裏2死
最後の打者を三振に取りガッツポーズの山崎

 

 劇的な逆転勝ちを収め、今秋の優勝候補本命の早大相手から勝ち点を取った明大。春の王者相手に勝ち越し、優勝に大きく近づいた。「春の王者から勝ち点を取れたので、この勢いで残りの3カードも全て取って優勝したいと思います」と力強く語った田中勇次主将(法4=鳴門工)の言葉通り、今秋の残り3カードを全て勝ち越し昨秋に続く完全優勝を遂げる。

[森大輔]

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◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (遊) 上本(広陵) 3 0 0 .391 一ゴ    二ゴ       投ギ 遊飛    投ギ
2 (右) 高山(日大三) 4 1 0 .231 左安    一ゴ       三ゴ 三振    四球
3 (三) 糸原(開星) 4 0 0 .125 一ゴ       三ゴ    三飛    四球 左飛
4 (一) 岡大(倉敷商) 2 0 0 .278 死球       三飛       四球 中飛   
5 (中) 中嶋(桐蔭学園) 3 1 0 .250 三飛       三ゴ       右安 投ギ   
6 (二) 宮内(習志野) 2 0 0 .133    三振       左飛            
  打左 菅野(東海大相模) 1 1 2 .500                   左2 四球   
7 (捕) 坂本(履正社) 3 0 0 .188    二飛       左飛    一ギ 三振   
8 (投) 今岡(横浜隼人) 1 0 0 .000   

三振                     
  打 川嶋克(日南学園) 1 0 0 .143             三振            
   投 上原(広陵) 0 0 0 ―                           
  打 小川(横浜) 1 1 1 .500                   中安      
   投 山崎(日大三) 1 0 0 .000                         中飛
9 (左)中 田中勇(鳴門工) 1 0 0 .400       一飛                  
  打 原島(国士舘) 0 0 0 .000                四球         
   走左 中原(横浜) 0 0 0 ―                  四球      
   二 福田(広陵) 1 1 0 .167                         中安
   計 28 5 .232                              

◆明大投手成績◆
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
今岡(横浜隼人) 4 0 0 4 62 6 2 1 2 1.74
◯上原(広陵) 3 1 0 2 27 1 2 0 0 1.80
山崎(日大三) 5 0 0 3 36 2 3 1 0 1.64
◆ベンチ入りメンバー◆
11 岡大(政経3=倉敷商) 2 武井(商3=PL学園) 10 田中勇(法4=鳴門工)
19 関谷(政経3=日大三) 33 原島(農3=国士舘) 8 小川(商4=横浜)
1 山崎(政経2=日大三) 6 上本(商4=広陵) 20 川嶋克(商4=日南学園)
23 今岡(文2=横浜隼人) 4 福田(商2=広陵) 9 中嶋(法3=桐蔭学園)
21 上原(商1=広陵) 24 岸(営4=明大中野) 27 中原(文3=横浜)
31 内海(商1=桐蔭学園) 34 西澤(商4=明大明治) 37 菅野(法1=東海大相模)
22 柴田(法3=中京大中京) 16 糸原(営2=開星) 38 高山(文1=日大三)
12 高橋隼(法2=日本文理) 16 池田秀(農4=長野日大)
32 坂本(文1=履正社) 26 宮内(政経1=習志野)
勝敗表 第3週  9/25現在
法 明 早 慶 立 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
法大 —       ○○    ○○ 4 4 0 0 2 1.000
明大    — ●○○    ●○○    6 4 2 0 2 .667
早大    ○●● —       ○○ 5 3 2 0 1 .600
慶大 ●●       — ○◯    4 2 2 0 1 .500
立大    ○●●    ●● —    5 1 4 0 0 .200
東大 ●●    ●●       — 4 0 4 0 0 .000

選手コメント
勝ち越しとなる中前適時打を放った小川
「いい場面で使ってもらえて、初球から打っていこうと思いました。打った球はツーシームです。ツーシームが多いと思っていたので、初球からツーシームに絞っていました。菅野のバッティングを目の前で見て、刺激になりました。『下級生がチームに尽くしてくれている。自分もやらなきゃ』という思いになりました。監督からは『相手の力を使って打て』と言われましたが、その通りに打つことができて良かったです。(打席に立った時の気持ちについて)ケガをした小室のユニフォームをベンチに置いています。小室とは毎日自主練などを共にしてきました。今日も小室のバッティンググローブを使って、小室の気持ちも込めて打ちました。(今季はあまりチャンスをもらえていないが)ここまで1打席しか立ってなかったですが、出ないにせよチームのために何かしようと心掛けています。チャンスをもらったので、その気持ちをプレーで出そうと思いました。毎試合、1週間前から相手を研究しています。それが選手の役目です。代打の醍醐味(だいごみ)は研究です。これに尽きます。何打席もチャンスはないので、いつでも行けるように準備して、何を打つのかを考えて打席に入っています。客観的に見ても、(自分が打った)昨年の法大戦で勢いがつきました。今年もそうなってくれればいいなと思います」

同点となる左越え適時二塁打を放った菅野
「(7回の同点タイムリーについて)打った球はツーシームかフォークの落ちる変化球でした。あの打席は有原選手の一番いい球であるストレートを狙っていましたが、変化球が来たので何とか反応して打ちました。あの回に代打で出ることは監督から言われていました。あの場面は岡大さんと中嶋さんがつなげてくれたので絶対返してやろうと思っていました。打った瞬間は打球がレフトの正面に飛んだので最低タッチアップかなと思いましたが、相手のレフトの判断ミスもあり抜けてくれたので良かったです。真芯で打ち、感触が良かったので伸びてくれと走りながら思っていました。有原選手は第1回戦に対戦したときもインコースばかり攻めてきたのでインコースを意識して打ちました。大事な場面で打てたことは素直にうれしいです。(先発で出場したときと代打で出場したときのモチベーションの違いは)先発は最初から全力でいきますが、代打のときは出場するまで時間があるので相手の投手の調子や配球をマネージャーの方や学生コーチに聞いて準備しています。(今シーズンは自身を含めて多くの1年生が活躍しているが)明大は多くの1年生が活躍しているので同期には負けたくないという気持ちが強いです。他大学では特に早大の茂木と慶大の横尾は、少年野球のチームで一緒だったので意識しています。(明大は外野手のレギュラー競争が激しいが自分がアピールしたいものは)自分の売りは打撃だと思います。監督やコーチもそう思っていると思います。どれだけ打てるかが勝負になっていくと思います。レギュラーを勝ち取るため空き週で監督やコーチに自分の打撃をアピールしたいです」

7回から登板し、2回を無失点に抑えた山崎
「序盤に点を取られていたので、もしかしたら後半に自分に出番が来るかもと思っていて準備していたので、いい結果が残せて良かったです。(1点リードからの登板でしたが)もう1点もやれなかったので正直苦しかったです。立大戦でも同点で苦しい思いをしていたので、同じ苦しいにしても前に味わったみたいな苦しさは味わいたくないという気持ちで投げました。(最後は高校時代の同期・吉澤選手を見逃しに抑えましたが)やはり一番力が入りました。(今季は抑えでの起用が多いですが)それはそれで自分の役割を果たさなければと感じています。いつどの場面で投げてもしっかり抑えることが自分の仕事だと思っています。(東大戦へ向けて)とにかくまずは1戦目取れるように全力投球します」

9番・左翼手でスタメン出場した主将の田中勇
「(勝った要因は)中盤以降に点を取られなかったことです。ピンチはありましたが追加点を許さず、自分たちはワンチャンスをものにして逆転することができました。逆転してからは相手のミスも出て、試合をものにした感じです。改めてミスは怖いと思いました。(早大から勝ち点を取ったことについて)春の王者から勝ち点を取れたので、この勢いで残りの3カードも全て取って優勝したいと思います」

リーグ戦初先発の今岡
「先発することは今日の朝に伝えられました。ピッチングの調子は良かったです。杉山選手に対しては長打を警戒して慎重に、ケースを考えて攻めていこうと思いました。今日勝てたことはうれしいですが切り替えていきたいと思います」

4番・一塁手でスタメン出場した岡大
「チーム全体で力を合わせて勝てたことは大きいと思います。(7回先頭で四球を選び出塁したが)1打席目に死球を受けてインコースには来ないと思ったので、踏み出していった結果、四球で出塁できて良かったです。(1回戦で完封された有原への対策は)特になかったですが、右打者は線上に立って、外の球を狙っていこうという意識がありました。また後半は変化球が多かったので、狙いを絞っていきました。(春、悔しい思いをした早大に勝利したが)春は悔しい思いをしたので、やり返してやりたいという特別な思いがありました。残り3カード勝たないと意味がないので、気を引き締めて空き週も練習していきたいです」