9回に5点奪い逆転勝ち 岡大が逆転3ラン&今季初勝利/東京六大学春季リーグ戦

2012.05.22
 最後まで逆転を信じていた。敗戦した時点で早大の優勝が決まる絶対に負けられない一戦で、2点差を追い9回に突入。高山俊外野手(文1=日大三)の適時打で1点差に詰め寄ると、1死一、二塁から岡大海投手(政経3=倉敷商)が3ランを放ち逆転。さらにもう1点を加え、土壇場で打者9人の攻撃で5点を挙げ、早大の優勝を阻止した。岡大は投げては8、9回を0点で抑える好リリーフで今季初勝利。岡大の投打に渡る活躍で対戦成績は1勝1敗1分けとなり、今カードの行方は第4回戦へと持ち越された。

 残した快音だけで打球の行方は分かった。負ければその瞬間に早大の優勝。その窮地を5番岡大が起死回生の千金弾で救った。1点追う9回1死一、二塁、2ボール2ストライクから早大守護神・有原の投じた6球目をとらえ、逆転の左越え3点本塁打。「打った瞬間に入ったと分かりました」と高めに浮いたカットボールを逃さなかった。劇的な一発を放った岡大は打った瞬間にガッツポーズ。優勝目前の早大ベンチを黙らせた。投手が本職の岡大だが、1、2戦目の左翼手に続き、今日は中学以来という一塁手でのスタメン出場。今カード11打数5安打5打点1本塁打と、打撃を評価されての起用に結果で応えている。「リーグ前半戦はピッチングでチームに迷惑をかけていたので、どうにかチームに貢献したかったです」。これまで投球では救援失敗が続いたが、“二刀流”岡大が明大を一振りで勝利へ導いた。

 投げても本来の投球が戻ってきた。岡大は8回に一塁守備から8回に救援登板し2回を3奪三振無失点の好投で今季初勝利を挙げた。「足を使えるように徹底し、調子が戻ってきました」というように、自慢の速球は最速150kmをマーク。変化球でかわす投球ではなく、速球で押す本来の投球で早大打線を圧倒した。エースナンバー「11」を背負い、本職の投手としても結果を出した。これまで調子が上がらなかったが、空き週の間に遊撃でノックに入り三遊間に打球を打ってもらい、下半身をしっかり使って投げられるよう練習。「空き週をうまく使えた」とその成果が出た。また早大1回戦の9回に佐々木(早大)に3ボール0ストライクから投げた球が、力を抜いて投げたはずが149kmを表示。「あれ以降、いい感覚で投げられるようになった」と力みが消え本来の姿を完全に取り戻した。

 土壇場でチームが一つとなった。誰もが逆転を諦めなかった。3回に先制したが、5回に中村(早大)の2点適時打で逆転を許し、6回にも小野田(早大)にソロ本塁打を浴び劣勢に立たされた。だが9回に福田周平内野手(商2=広陵)、上本崇司内野手(商4=広陵)が連打で出塁すると、続く3番・高山も中前へ適時打。岡大の逆転3ランの後も、石畑桂佑捕手(商3=広陵)の中犠飛で追加点を奪い、駄目を押した。この回打者9人で6安打5得点の猛攻。「チャンスで打てず相手に逆転されてしまい、絶望的な状況でしたが、チーム全体が諦めない気持ちを強く持っていたので、ひっくり返すことができました」(田中勇次主将・法4=鳴門工)。敗戦すればその時点で早大の優勝が決まる状況においても、最後まで戦い抜いたことが結果となって表れた。

 逆転勝利で首位・早大に初黒星を付けたが、依然として優勝へ王手をかけられており、状況は厳しい。それでも「苦しい状況が続きますが、メンバーの人もそうでない人も関係なく全員で戦っていきたいです」(田中勇)と全員野球で苦境を乗り越えることを誓った。法大戦に続き、早大戦も第4戦までもつれた。「最後まで諦めません」(福田)。今季リーグ12戦目で勝利を収め、秋春連覇へ望みをつなげたい。

[桑原幹久]

☆ルーキー高山が首位打者も視野 規定打席に3打席不足も打率3割9分3厘☆
 
 大物ルーキーが早くも結果を出している。高山は第2戦に続き、この試合も3番・右翼手でスタメン出場。7回に内野安打、9回には「昨日やられていたので、やってやろうと思っていました」と、無死一、二塁の好機で有原から中前適時打を放ち、2試合連続のマルチ安打。規定打席の34まで3打席不足しているが、現在打率は3割9分3厘と高打率を維持している。現在打撃成績トップの福富(慶大)は3割8分2厘であるため、規定打席に達していれば、首位打者の位置にいる。負ければ優勝の可能性が途絶えてしまう重圧のかかる一戦にも「自分は負けず嫌いなので、やるからには勝つためにやっています」と力強く言い切った。甲子園通算打率4割の男は、1年春での首位打者も射程圏内だ。

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (二) 福田(広陵) 5 2 0 .342 中安 三振 三振 遊飛 左安
2 (遊) 上本(広陵) 3 2 0 .237 投ギ 中安 右飛 四球 右安
3 (右) 高山(日大三) 5 2 1 .393 左飛 一失 三飛 二安 中安
4 (三) 石川(北大津) 4 0 0 .282 三振 三ギ 中飛 遊ゴ 三ゴ
5 (一)投 岡大(倉敷商) 5 2 4 .357 三ゴ 遊選 遊飛 遊安 左本
6 (左) 菅野(東海大相模) 3 0 0 .200 四球 三振 二ゴ 三ゴ
走 池田秀(長野日大) 0 0 0 ―   
一 竹内(日大三) 1 1 0 .353 右二
7 (捕) 高橋隼(日本文理) 3 0 0 .143 左飛 三飛 中飛
打左 小室(昌平) 2 2 0 .367 右安 右安
走左 中原(横浜) 0 0 0 .000   
8 (投) 山崎(日大三) 1 0 0 .242 四球 投ゴ
投 今岡(横浜隼人) 0 0 0 ―   
打 中嶋(桐蔭学園) 1 0 0 .120 三振
投 関谷(日大三) 0 0 0 .300   
打 眞榮平(興南) 1 0 0 .000 三飛
捕 石畑(広陵) 0 0 1 .118 中犠
9 (中) 田中勇(鳴門工) 3 0 0 .143 死球 投ゴ 死球 中飛 一飛
    計 37 11 6 .268                           
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
山崎(日大三) 6 2 0 4 3/1 68 2 4 5 2 1.82
今岡(横浜隼人) 5 0 1 1 2/3 29 3 2 1 1 7.11
関谷(日大三) 7 2 3 1 18 1 1 0 0 1.95
○岡大(倉敷商) 9 1 0 2 20 1 3 0 0 2.93
◆ベンチ入りメンバー◆
11 岡大(政経3=倉敷商) 3 竹内(商4=日大三) 10 田中勇(法4=鳴門工)
19 関谷(政経3=日大三) 33 眞榮平(政経2=興南) 7 小室(政経4=昌平)
1 山崎(政経2=日大三) 4 福田(商2=広陵) 8 小川(商4=横浜)
31 月田(商2=熊本工) 14 大塚健(商1=花咲徳栄) 20 川嶋克(商4=日南学園)
21 上原(商1=広陵) 5 石川(政経4=北大津) 9 中嶋(法3=桐蔭学園)
23 今岡(文2=横浜隼人) 15 糸原(営2=開星) 27 中原(文3=横浜)
2 石畑(商3=広陵) 6 上本(商4=広陵) 38 高山(文1=日大三)
22 武井(商3=PL学園) 16 池田秀(農4=長野日大)
12 高橋隼(法2=日本文理) 37 菅野(法1=東海大相模)
早 明 法 立 慶 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第6週  5/21現在
早大 — △○● ○○ ○○ ○○ 9 7 1 1 3 .875
明大 △●○ — ○△●○ ●● ○○ 11 5 4 2 2 .556
法大 ●● ●△○● — ○○ △○○ 11 5 4 2 2 .556
立大 ●● ●● — ○○ ○○ 8 4 4 0 2 .500
慶大 ○○ △●● ●● — ○○ 9 4 4 1 2 .500
東大 ●● ●● ●● ●● — 8 0 8 0 0 .000

◆選手コメント◆
投打にわたる活躍でチームを勝利に導いた岡大
「(9回の逆転3ランは)打った瞬間に入ったと分かりました。最初はうれしさがこみ上げてきましたが、逆転して次の回を投げるということなので、すぐにピッチングに気持ちを切り替えました。(9回は)3連打で完全に自分たちのペースだと思っていました。ベンチも、このままでいいのか、という雰囲気があったので、絶対に逆転できると思いました。自分たちよりも相手の方が今日はプレッシャーを感じていたと思いますし、むしろ自分たちは優位な立場にいると思いました。リーグ前半戦はピッチングでチームに迷惑をかけていたので、どうにかチームに貢献したかったです。(今後も)優勝には負けられない試合が続くので、明日以降もしっかり勝っていきたいです」

9回に中前適時打を放ち、2試合連続のマルチ安打をマークした高山
「(9回の適時打)打ったのは真っすぐです。追い込まれていたので、速球にも変化球にも対応していきました。打席に入る前に監督から、小細工なしで腰を据えてどしっといけ、と言われたので自分にスタイルを出していけたと思います。有原さんとの昨日の対戦では、ちょっと押されたというか、引けを取ってしまいました。今日は福田さんの打席を見て、しっかり当てれば大丈夫だと思ったので、ミートを心掛けていきました。昨日やられていた分、今日はやってやろうという気持ちでした。(負けたらその時点で早大の優勝は)特に意識はしていません。自分は負けず嫌いなので、やるからには勝つためにやっています。今日はチームに貢献できて良かったです」

9回に先頭打者として左前安打を放った福田
「(9回に先頭で出塁)自分は初回に打っていましたが、その後は(2三振と)チャンスをつぶしていたので何でもいいからとにかく出塁しようという気持ちでいました。相手も(広陵高時代の同期である)有原だったので、負けたくなかったです。打った球は外角の速球です。負けてしまったら本当に優勝が消えてしまうので、最後まで諦めませんでした。自分たちにも優勝できる可能性が残っているので、諦めなかったことが9回の攻撃につながったのだと思います。(次へ向けて)今日の勝利に浸らずに、明日も1点でも多く取れるようにしていきたいです」

今季初のフル出場を果たした田中勇
「(9回の攻撃は)それまでチャンスで打てず相手に逆転されてしまい、絶望的な状況でしたが、チーム全体が諦めない気持ちを強く持っていたので、ひっくり返すことができました。(明日も)苦しい状況が続きますが、メンバーの人もそうでない人も関係なく全員で戦っていきたいです」

スタメンマスクを被った高橋隼之介捕手(法2=日本文理)
「自分は途中交代でしたが、全員野球の言葉通りに粘ることができたと思います。山崎は調子が良くない中、よく粘ってくれました。今岡もホームランを打たれはしたが気持ちは切れていませんでした」

☆応援へ行こう☆
早大戦 
5月23日 13時試合開始予定(一塁側)

☆神宮球場アクセス☆
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩7分 千駄ヶ谷駅より徒歩10分