投打に圧倒的強さ、完全で4季ぶりリーグ制覇/東京六大学秋季リーグ戦

2011.10.25
投打に圧倒的強さ、完全で4季ぶりリーグ制覇/東京六大学秋季リーグ戦

 屈辱からはい上がった。東大に7対3で逆転勝ちを収め、勝ち点5で7季ぶりの完全優勝を達成。Bクラス入りで涙をのんだ春の雪辱を最高の形で果たした。優勝の可能性を残していた法政が第一試合で敗れ、試合前に4季ぶり34度目の優勝が決まっていたが、この試合も今季を象徴するような、粘っての逆転勝ちで有終の美を飾った。

 最後を締めくくったのは野村(商4)だった。最後の打者を見逃し三振に仕留めると両腕を広げ、駆け寄る仲間と抱き合い最高の笑顔を見せた。4点リードで迎えた最終回から「明治の代表として、責任をもってちゃんと投げきろうと思っていました」と、仲間の気持ちを背負ってマウンドに上がった。1安打を許したが、最後は見逃し三振で試合終了。エースらしい最後で締めくくり、歓喜の輪の中心になった。

 優勝の要因は「粘り」にあった。今季、竹田主将は試合が終わることに、「粘り」を強調していた。なかなか2試合で勝ち点を奪うことができず、追う展開も多く厳しい戦いが続いた。だが、4試合の逆転勝ちに象徴されるように、先行されてもあきらめなかった。
 悔しさを力に変えた。春は首位に立つまであと1球まで追い込むも4位に転落、どこよりも悔しい思いを味わった。夏の練習で自らを追い込み接戦でも勝ちきれる粘り強さを磨き上げ、技術的にも精神的にも成長。秋は「野村が頼り」のチームから脱却し、野村の不調時も打線が援護できた。野村は2.91と自己ワーストの防御率ながら、自己最多の6勝。春の敗戦の根拠たる打線が、秋は奮起した。この日も14安打を放ち、チーム打率は驚異の3割7厘にまで上昇。全員野球でスタンド、ベンチ、ナインが一体となって歓喜に浸った。

 今季の強さの秘訣が詰まった試合だった。苦しい時に新戦力が苦しい状況を打破し、試合を中盤から終盤にかけてひっくり返した。東大を相手に先発・難波(情コミ4)が初回からつかまり3回までに3点を失う苦しい展開となったが、1年生が投打に躍動し流れを変えた。4回からリリーフした山崎(政経1)が今季2回目のマウンドで5イニングを投げパーフェクトピッチング。「こんな展開になると思っていなかったので、正直、焦りました」ともらしたが、東大に追加点を許さず、大学初勝利を挙げた。さらに打っては6回の同点打、8回の勝ち越し打を含む3打数3安打2打点の武勲で勝利に大きく貢献。大物ルーキーの台頭にも神宮は沸いた。

 それでも、最後のリーグ戦に懸ける4年生の力は大きかった。この日もスタメン9人のうち7人が4年生。逆転勝ちの潮目となった5回、先頭の小林(要・政経4)の右中間を抜く二塁打が得点の呼び水となった。この回2点を返すと、続く6回、阿部(寿・情コミ4)がツーベースで出塁すると、山崎が中前適時打でホームへ生還し同点。さらに8回には絶好調の川辺(商4)ヒットを放つと、山崎、中村(将・法4)の2本の適時打で2点を勝ち越した。5回途中から登板した東大のエース鈴木をマウンドから引きずり降ろした。9回にも変わった初馬(東大)から、リーグ戦初打席の代打・藤岡(政経4)が右中間を破る適時三塁打と川辺の犠飛で2点を奪ってダメを押した。昨日に引き続き今季最多タイの14安打を放って7得点。リーグ戦を通じて打線が低調になることはなかった。

 文句なしの完全優勝を成し遂げた明治。1ヵ月後には、日本一が懸かる明治神宮大会が控えている。「東京六大学の代表として恥ずかしくないよう、日本一をとりたいです」(竹田主将・文4)と、気合は十分。激戦の六大学を制した明治大学が、次は六大学の思いを背負い日本一へ向け始動する。

[中村綾佳]

☆神宮大会情報☆
 明治神宮野球大会は11月23日から27日に神宮球場などで行われる予定。優勝すれば1996年以来15年ぶりで、単独最多の5回目の優勝となる。
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打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (中) 中村(将) 4 1 1 .279 中飛 二ゴ 右飛 死球 中安
2 (二) 上 本  5 2 0 .283 左安 左安 二ゴ 三振 一ゴ
3 (左) 島 内 2 0 0 .349 四球 四球 四球 二ゴ 捕飛
左 田中(勇) 0 0 0 .222
4 (右) 中 嶋 4 3 1 .367 左安 三直 左安 中安 四球
5 (一) 竹 田 4 0 0 .226 二ゴ 中飛 中飛 左飛 投ギ
6 (遊) 阿部(寿)  4 1 0 .261 二飛 遊ゴ 左二 一飛
打 藤 岡 1 1 1 1.000 右中三
走 平 川 0 0 0 ―
遊 野 島 0 0 0 ―
7 (捕) 川 辺 3 1 1 .422 左飛 左飛 投ギ 右安 左犠飛
8 (投) 難 波  1 1 0 .400 右安
打 中原(大) 1 0 0 ― 一ゴ
投 山 﨑 3 3 2 1.000 右安 中二 右安
走 平 川 0 0 0 ―
投 野 村 0 0 0 .320
9 (三) 小林(要) 4 1 0 .143 右飛 右中二 三ゴ 投ギ 三振
    計 36 14 6 .307                           

名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
難 波 5 1 1 3 40 3 0 2 3 4.35
○山 崎 2 1 0 5 55 0 5 0 0 0.00
野 村 9 6 1 1 12 1 2 0 0 2.91
明 立 法 早 慶 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第7週  10/24現在
明大 — ◯◯ ◯●◯ ◯●◯ ●◯◯ ◯◯ 13 10 3 0 5 .769
立大 ●● — ◯◯ ●● ◯●◯ ◯◯ 11 6 5 0 3 .545
法大 ●◯● ●● — ◯●◯ ●◯◯ ◯◯ 13 7 6 0 3 .538
早大 ●○● ○○ ●○● — ○○ 10 6 4 0 2 .600
慶大 ○●● ●○● ○●● — ○○ 11 5 6 0 1 .455
東大 ●● ●● ●● ●● ●● — 10 0 10 0 0 .000

◆監督・選手、主務コメント◆
4季ぶり自身3度目の優勝を果たした善波監督
「野村の登板は昨日決めました。神宮大会前の1ヶ月をイメージの悪いままで過ごしてもらいたくなかったので。途中ヒットは打たれましたが、躍動感もありましたし流れを振り払ってくれました。(好投した山崎について)大きな仕事をしてくれました。投球もノーヒットだったし、ヒットも打ってくれていたので、使わない手はないなと。岡(大)といい山崎といい、ここまでの活躍をしてくれるとは。野球は面白いですね」

チームをまとめた竹田主将
「素直にうれしかったです。アウトが決まった瞬間、安心しました。ですけど、神宮大会に向けて引き締まった気持ちにもなりました。優勝の勝因は良いプレーも悪いプレーも上級生も下級生も関係なく、とにかく言い合える環境をつくれたことだと思います。練習から良い緊張感でできていました。完全優勝を達成しましたけど、楽な試合は一つもありませんでした。全部苦しい試合でした。法政1回戦に9回2アウトランナーなしの状態から勝てたのは大きかったです。春は負けて個人で課題がはっきりと見えました。春は野村に頼っていたところが正直多かったですが、秋は野村に負担をできるだけかけないようと思ってきました。神宮大会では東京六大学の代表として恥ずかしくないように日本一を取りたいです」

9回からリリーフし優勝投手となった野村
「優勝できて本当にうれしいです。(今季は苦しい投球が続きました)調子が悪い中で勝てたのでそういう意味ではいいシーズンでした。(今日最後はどういう気持ちでマウンドへ)明治の代表として、責任を持ってちゃんと投げ切ろうと思っていました。(4年間は)人間的にも野球面でも成長できた4年間でした。(神宮大会へ向けて)今までたくさんの方々に支えられてここまでこれました。そういう方々に恩返しをするつもりでがんばりたいです」

投げては5回完全、打っては同点、決勝打と大活躍の山崎
「こんな展開になるとは思っていなかったので、正直焦りました。でも、いつでもいけるようにブルペンで準備だけはしていました。絶対に点を取られないようにと投げました。(1年次から優勝を経験して)本当に4年生の先輩方には感謝しきれないです。(タイムリーに関して)東大の投手はコントロールが良いので、来た球を素直に返しにいきました。(マウンドに上がったときは)善波監督からは『しっかりと左足に力をためて投げろ』と言ってもらいました。川辺さんとはサインの確認をしました。神宮大会では、少しでも先輩方の、チームの力になれるように頑張っていきたいです」

捕手ながら4割2分4厘の成績を残した川辺
「(首位打者に)あと一本でしたが、とり逃したので悔しいです。打つ気満々で打席に入ったのでいつもと違う感じになってしまったのかもしれません。最後は犠牲フライになってしまったけど勝つことができたし勝利に貢献できたのでよかったです。今日1本打てなかった分、神宮大会で多めに一本打ちます。神宮大会も勝ち続けられるように頑張ります。今日は優勝できて本当にうれしかったです」

全試合3番に座った島内
「とてもうれしいです。3番としての重圧はあったですけど、後ろに良いバッターが控えていて頼りになるので、塁に出てつなぐことだけを考えていました。(今季の成績を考えると)もっと打ちたかったですが、優勝できたので良かったです」

今季チームトップの6盗塁を決めた中村(将)
「うれしいです。4年の最後の最後でリーグ制覇できたので特別です。下級生も含めてこのチームで優勝したかったので。これから六大の代表になるのであと3試合しっかりやりたいです。(涙もありました)ずっと裏方でやってくれていたので、4年生の代打がうれしかったです。8回裏ぐらいから泣いてしまいました。(神宮大会に向けて)ひとまず自分自身も日本一を味わったことがないので味わいたいです。力はあるので。(要因を一言で)リーグ始めから自分ができることをやろうと言ってきたので、それが最後まで貫けたことだと思いますね」

全試合で遊撃でスタメンした阿部(寿)
「ホッとしました。ずっとこの代でも優勝できなかったと言われ続けていたので。個人的にはあまり調子が良くなかったのですが、最後に良い思いができたので良かったです。4年の最後に優勝できて良かったです。1、2年の時に優勝を経験したので自分たちでも優勝したかったので。(今季振り返って)得点圏で打てずチームに貢献できなくてふがいなかったですね。でもチームメートがカバーしてくれたので勝てたのだと思います」

シーズン途中から4番に定着し、今季16打点を挙げた中嶋
「優勝できてすごくうれしいです。今季は厳しい戦い続きましたがあきらめずにやればいけると思いました。今日の勝ち方もそれが形になりましたね。(今日は自分も)ランナーが返せて役割が果たせました。(今季は打点が多かったシーズンでした)打点は自分だけで稼げるものじゃありません。みんなでつなげていくものです。それで返せて良かったです。(神宮大会に向けて)今まで通りです。全力で相手を倒します」

2安打を放った上本
「(笑顔で)うれしいです!」

リーグ戦初打席で適時三塁打を放った藤岡
「うれしいの一言に尽きます。4年間やってきて本当によかったです。阿部(寿)から打席をもらっていたので、なんとかしようと思っていました。みんなに祝福されて本当にうれしかったです」

代走で1盗塁を決めた福元
「藤岡、平川とか(いつもは出場していない)4年生が出場して流れをつくってくれたので、絶対(盗塁を)決めようと思っていました。みんながさせてくれた盗塁だったので、とても気持ちよかったです」

ベンチで常に盛り上げていた佐野(一)
(今の気持ちは)優勝して良かったです。(今季振り返って)打撃投手としてたくさん球を投げたかいがありました。良く打ち込んだのでみんなバッターボックスで落ち着けていたと思います。今までいろいろ苦労していたけどこれで報われました。(神宮大会では)このままの勢いでやっていきたいですね」

裏でチームを支えた大森主務
「優勝する瞬間は何も考えられなかったです。でも、気がついたら体がぐっとグラウンドに持っていかれていました。最終戦でしめてくれた野村さんは、真のエースここにありって感じでした」