北京五輪直前特集「目標は金メダル!」――水谷隼

1999.01.01
 8月8日の開幕まであと10日を切った北京五輪。本学からは卓球部の水谷隼(政経1)が出場する。日本のエースとして日本初のメダル獲得に挑む水谷に、4月に入学してから今までの明治での学生生活、そして北京五輪に向けての意気込みを語ってもらった。

――大学に入学し4カ月近くが経過しましたが、明治の卓球部にはもう慣れましたか?
 卓球部のみんながいろいろ話しかけてくれたので、すぐに打ち解けることができましたね。同期は3人いるうち、甲斐君(営1)は小学校から知っていましたけど、ほかの2人は大学で初めてだったので最初は緊張しました。でも4月くらいに寮に行ったんですけど、1日で仲良くなれました。今では授業の空き時間に1年生3人が大学を案内してくれたり、気軽にメールとかしたりしてます。

――卓球部の部員さんから水谷君はゲームがすごく強いって聞きましたけど。
 強いかは分からないですけど、ゲームは好きですね。寮に行ったときもみんなとやりました。

――明治でのキャンパスライフはどうですか?
 オリンピックの練習があるのであまり行けてないですけど、人の多さにはびっくりしました。学食は何回か使いましたね。あと4月のガイダンスのときには何回か話しかけられたりしました。「卓球の水谷君ですよね」って感じで。

――今まではドイツでの生活のほとんどだったと思うのですが、日本での生活はどうですか?
 生活しやすくて幸せですね。まず日本語が話せるのがとても大きいです。日本語だと自分の思ったことを話せるんで。ドイツ語だとうまく伝わらないですから。あと日本食はおいしいです。好物のカツ丼もたくさん食べてます(笑)。自由に出かけられるのもうれしいですね。

――3月のアジア大陸予選では自身初となる五輪出場を決めましたよね。そのときはどういう気持ちでしたか?
 決まったときは、それまでの緊張感から開放されましたね。オリンピックは目標でしたし。アテネでは出られる確率が25パーセントくらいだったのが、それから4年がたつにつれて自分の中で行けるような感覚がだんだん増えてきました。世界ランクも上がってきて、北京五輪は出て当たり前、出なきゃいけないという立場でした。
(北京五輪出場が決まったことについては)監督やトレーナーなどみんなが会場に応援しに来てくれて、五輪が決まったときもすごく喜んでくれました。その人たちにとても感謝しています。

 ただこの予選ではモチベーションを上げるのに苦労しました。会場が倉庫みたいなところでしたし、観客も少ないんです。あまり大会って感じがしなくてモチベーションを上げるのが大変でしたね。世界選手権のときみたいに盛り上がる感じのほうがやりやすいです。自分はプレッシャーに強いタイプなんで。

――今はナショナルトレーニングセンターで練習をしていると思うのですが、ナショナルトレーニングセンターはどのような施設があるのですか?
 ナショナルトレーニングセンターは設備がすごく充実してます。食事はバイキングで、卓球場も24時間使えます。それに部屋はホテルみたいですし、トレーニングルームやプールもあるんですよ。自由に練習させてもらってます。

――五輪に向けてどのような練習をしていますか?
 バックの強化をしています。アジア系の選手はフォアを中心にやる選手が多いんですよ。自分もそうです。一方ヨーロッパの選手はバックの強い選手が多いんですけど、バックのほうがクセ球が多いんです。だからヨーロッパの選手はあまり得意じゃないですね。ランキングが上でもアジアの選手のほうが得意です。

 安定していて回転量がすごい選手っていうのも苦手ですね。韓国オープンで当たったティモ・ボル選手とかそうです。

 (得意のサーブについては)サーブは種類を増やすというより、今は精度を上げてます。サーブで1本取れれば大きいですからね。ただ使えるか分からないですけど、新しいサーブも持ってます。あと飛びつきの練習や横に動けるような練習をしています。ダブルス練習も毎日してますよ。調子はいいです。全体的に順調に調整できてますね。

――「自分にしかできない卓球」とはどのようなところだと思いますか?
 粘り強さですかね。1セット1セット考えてプレーしていますし、セットごとに自分で戦略も立ててやっています。全日本選手権のときもそうでした。オリンピックではそういう人と違うプレーを含めて、全部見てほしいです。

――全日本選手権も逆転勝利の試合が多かったですよね。決勝も2セットを先取されてからの逆転でしたけど、6回戦で当たった坪口選手(青森大)との試合(最終セット、先にマッチポイントを握られるという状況から13対11での逆転勝利)もすごい接戦でしたね。
 あれは本当にやばかったですね!!ドキドキしました!1本でも取られたら負けだったので。

――北京五輪に向けて毎日練習が大変だとは思うのですが、リラックス方法などはありますか?
 特にこれっていうのはないんですけど、空き時間ほかの選手と話すことですかね。深い話とかじゃなくてくだらない話だったりですけど、それがリラックスになります。

――最後に北京五輪に向けての意気込みをお願いします。
 特に意識する国や選手はいないけど、誰にも負けたくありません。目標は金メダルです!日本はまだオリンピックでメダルを取ったことがありません。だから自分たちが日本で初めてのメダルを取れるようにがんばりたいです。

 メダルを取ることは難しいことだとは思います。1球1球が大切になってきますし、どの国もみんな狙ってくるので。だけど日本はそのなかでもチャンスはあると思います。ほかの国と比べても日本はすごく練習してるし、メダルを取れる力はあります。それが競ってきたときにここ1番の強さを発揮できることにつながるんじゃないかなと思いますね。でもメダルが取れても、取れなくても今までやってきたことすべてを出したいです。 

 出るだけで満足しちゃダメ。オリンピックでは応援してくれる人のためにもメダルをとってきたいです。応援してくれる人がいて自分は卓球がしたいと思う。応援してくれる人たちのためにも勝ちたいです。見てもらった人に夢や感動を与えられるようなプレーができるようにがんばります。

◆水谷隼 みずたにじゅん 政経1 青森山田高出 172cm・66kg
<主な成績>
07・08年 全日本選手権単複優勝
08年 世界選手権団体3位

 

☆北京五輪・試合日程☆

8/13 男子団体  1次リーグ
8/14 男子団体  1次リーグ
8/15 男子団体  敗者復活1回戦
8/16 男子団体  準決勝
8/17 男子団体  敗者復活2回戦
8/18 男子団体  3位決定戦・決勝

8/19 男子シングルス  1回戦  
8/20 男子シングルス  2回戦
8/21 男子シングルス  3・4回戦
8/22 男子シングルス  準々決勝
8/23 男子シングルス  準決勝・決勝

 水谷は団体戦ではシングルスに加え、ダブルスにも岸川聖也(スヴェンソン)と組み出場する予定。また19日から始まるシングルスでは、世界ランキング22位の水谷がどこまで上位に食い込めるかに注目だ。北京での水谷の活躍から目が離せない!