「ミキを日本一のキャプテンに」 京産大破り4年ぶり4度目のインカレ制覇/全日本大学選手権

2023.12.25

 クリスマスイブ決戦となった全日本大学選手権(以下、インカレ)決勝は関西王者・京産大を相手にカシマサッカースタジアムで行われた。試合は後半立ち上がり、中村と田中克の2得点で勝利。明大は見事に優勝を飾った。

 

 

 今季は主将として部を統率した井上。「今年1年、樹(井上)がチームを引っ張ってきてくれた。日本一のキャプテンにしたいし、最後に樹を胴上げして終わりたい」(田中克)。明大のキャプテンを日本一のキャプテンにする。選手たちが口をそろえて井上への思いを述べた理由には、決して平たんではないインカレ決勝までの道のりがあった。春には4年生で考えたチームスローガン・『紫明』に強い明大を取り戻す覚悟を刻んだが、夏の「アミノバイタル®」カップは初戦敗退で全国大会出場はならず。関東大学1部リーグ戦は3位に沈むなど望んだ結果は出なかった。最後の最後まで井上をはじめとする4年生は優勝への使命感を抱いていた。井上のためにタイトルを、そして全員がまだ見ぬ全国優勝の景色へ。最後の大会となるインカレは強者ぞろいだった。初戦はプロ6人を擁する優勝候補・関西学大回戦は昨年度のインカレで敗れた仙台大を倒し、準決勝では筑波大に今季初勝利を収め、ようやくタイトルへ王手をかけた。

 

(写真:途中起用から攻撃のリズムをつくった田中克)


 決勝の相手は今季初の関西リーグ王者になり、今大会でも快進撃を見せる京産大。前半序盤は明大がボールを握るも決定機を捉えらず。スコアレスのまま後半へ進むと、準決勝と同様に田中克を投入して流れが変わった後半開始早々の48分だった。熊取谷の縦パスに反応した中村がエリア内で2人をはがして左足一閃(いっせん)。値千金の先制点が生まれた。そして53分にも中村がカウンターで持ち上がると、最後は田中克が得意の左足を振り抜き追加点を奪う。その後は堅守で相手攻撃陣をシャットアウト。後半は4本のシュートしか許さず試合を終始圧倒し、明大は2019年の5冠達成時以来の日本一を告げる歓喜の瞬間を迎えた。


(写真:表彰式後、胴上げをされる井上)

 

 「みんなが『樹を日本一のキャプテンに』と言ってくれた。日本一のキャプテンになったというよりは、みんなに日本一のキャプテンにさせてもらった」(井上)。悲願の今季初タイトルは3大会ぶり4度目のインカレ制覇。最後の大会で日本一を奪還し、有終の美を飾った。「仲間とはいろいろな失敗や悔しい思いを一緒にしてきた。ただその一つ一つが今日の試合で勝つためだった。こうやってみんなで喜びを分かち合えたのは本当に良かった。ここまでついてきて、一緒に戦ってくれた仲間には感謝の気持ちでいっぱい」。タイトルへの重圧の中、立派に明大体育会サッカー部の主将を務め上げた背番号2は試合後、チームメイトからの胴上げで宙を高く舞った。

 

[石田聖]


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