因縁の相手に2―0で勝利 1年越しのリベンジ果たす/全日本大学選手権

2023.12.14

 全日本大学選手権(以下、インカレ)3回戦の相手は昨年度敗北を喫した仙台大。同じ失敗は繰り返さないチームとしての思いが、太田と阿部に得点をもたらし、完封勝利を達成した。


 

 「絶対に勝たなければいけない試合だった」(常盤)とより一層力を込めて語る理由は対戦相手にあった。昨年度、延長の末1―2で敗北を喫した結果、2回戦敗退となった因縁の相手である仙台大との一戦。相手は昨年度のメンバーが今年度も主力で残っていることもあり正真正銘(しょうしんしょうめい)のリベンジマッチだ。激闘を制した選手たちの目には、光るものがあった。

 

 決めたのはまたしてもこの男だった。22分、常盤がボールを奪い、そのまま持ち運んで放ったロングシュートを太田がわずかに軌道修正。そのままゴールに吸い込まれ、待望の先制点を獲得した。「今年は立ち上がりが課題だった」(岡)が、序盤から試合の主導権を握ったのは明大。シュート本数も明大7本、仙台大1本と相手を大きく上回り、果敢に攻めの姿勢を貫き前半を折り返す。

(写真:2試合連続ゴールを達成した太田) 相手の予想先発の裏をかくために「まず真鍋を先発にして後半で中村を入れるプランだった」(栗田大輔監督)。関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)で得点王&アシスト王の中村も途中起用から「自分が後半から入る意味を意識」して、決定機をつくった。84分、太田のスルーパスに反応した中村が得意の運動量を遺憾(いかん)なく発揮し、ゴール前まで持ち運ぶ。そこに追い付いた阿部が追加点を押し込んだ。「仲間を信じて走って良かった」(阿部)。インカレの大舞台で、阿部が公式戦初ゴールを達成した。しかし、終盤は仙台大の猛勢を受けるかたちに。それでも6本連続のCK(コーナーキック)のピンチを村上の強烈なブロックで切り抜け、無失点で試合を終えた。

(写真:公式戦初ゴールを決めた阿部) この勝利により、2021年以来の夏冬の全国大会ベスト4入りを果たした明大イレブン。「大学サッカーで日本トップレベルのいいゲームをやりたい」(栗田監督)。次戦はリーグ戦王者の筑波大との関東対決だ。今年度は筑波大に一度も勝てていないが、「1年間積み上げてきた〝明治のサッカー〟をやるだけ」(上林)と気持ちを新たにした。4年ぶりに、悲願の王座奪還へ。今年度の明大サッカー部の戦いは、まだまだ終わらない。

 

[田上愛子]


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