長江が中1日登板で完投勝利 早大に辛勝/東京六大学春季フレッシュリーグ

2017.06.01
 春の最後は笑顔で締めた。フレッシュリーグ最終戦となる早大戦。先発の長江理貴投手(文2=帯広緑陽)が要所を締め、9回を2点に抑える好投を見せた。打っては4回に和田慎吾外野手(商2=常総学院)の左犠飛、5回に北本一樹内野手(文2=二松学舎大付)の左越え2点本塁打で3点のリードを奪った。9回表終了後に大雨で一時試合が中断したが、最後は長江がリードを守り切り3-2で試合終了。通算2勝2敗1分と勝率5割に持ち込んでフレッシュリーグを終えた。

 1点リードで迎えた9回2死一、二塁。打席には4番・和田(早大)。変化球、直球とも外れカウントは0―3となった。満塁にはしたくない場面。強気の投球で和田を追い込み、フルカウントに持ち込む。最後は143kmの自慢の直球にバットが空を切った。審判の右手が上がると、長江は右手拳を握りしめ、喜びをあらわにして整列へと向かった。
 中1日、163球の熱投を披露した。2日前の法大戦で完投。前日の立大戦でもブルペンで投球練習をしていた。「(疲労は)多少はあった」。その影響からか失投でのボール先行が相次ぎ、全部で7つの四死球を与えた。しかし、被安打は5、奪った三振は8。持ち前の力強い直球は今試合も140km台を連発。ピンチの場面ほど勝負強さを発揮し9回を2失点にまとめた。「助けられた場面がほとんどだった。良い経験になった」。法大戦と合わせて310球の熱投は積極的に声を掛けて盛り上げたゲームキャプテンの北本をはじめチームメートの支えがあってこそのもの。「秋はチームの力になれるように」。心身ともに成長したタフネス右腕は9月に必ず神宮の舞台へと舞い戻る。

 眠れる大砲は完全復活を予感させた。4回、先頭の内山竣外野手(商2=静岡)、喜多真吾内野手(法2=広陵)が連打でチャンスメークし、犠打で1死二、三塁。打順は6番・和田に巡った。フルカウントからの6球目を振り抜くと、打球は高々と左翼方向へ。内山が生還し先制の犠飛となった。和田は今季リーグ戦で出場機会を得るも3打数0安打と不発に終わり、フレッシュリーグ前半も無安打が続き不振に苦しんだ。しかし、法大戦で安打と犠飛を放ち復調の兆しを見せていた。「夏に鍛えて中軸を打てるように」(和田)。再起を懸けた秋に向けて飛躍を誓った。
 

 最後に試合を決めたのは、やはり主将のバットだった。6回一死から森井鴻太郎内野手(農2=佐久長聖)が中越え三塁打で出塁し打席には北本。初球のスライダーをいきなり振り抜くと、打球は左翼席へ一直線。追加点を奪う2点本塁打となった。北本は打撃だけでなく守備中も声を出してチームを盛り上げてきた。そんな北本に対し「チームのためを思ってくれる人が多くなった」(北本)。初戦は慶大と引き分け、第2戦では東大に敗戦と2試合勝ちを逃したが、試合を重ねるごとに勝利への思いは強くなり、結束を深めていった。今試合の勝利はフレッシュリーグの集大成にふさわしいものとなった。

 フレッシュリーグ全日程を終え「決め球の精度」(長江)など、それぞれが課題や収穫を見出した。次の目標は秋季リーグ戦だ。「日々成長することを目標に練習に励んでいきたい」(北本)。3ヶ月後の一軍入りを目指し、若き紫紺球児たちの熱い夏が始まる。

[曽布川昌也]

打順 守備 名 前 打 安 点 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (三) 北本(二松学舎大付) 4 1 2 二失 三ゴ 左本    投ギ 右飛
2 (遊) 清水頌(春日部共栄) 4 0 0 投ゴ    三ゴ    四球    中飛    中飛
3 (中) 内山(静岡) 3 1 0 中飛       右安 一ゴ    四球      
4 (一) 喜多(広陵) 4 1 0 中飛       右安    一邪飛 右飛     
5 (捕) 橋本(佼成学園) 3 0 0    遊直 一ギ    三振    遊ゴ   
6 (右) 和田(常総学院) 2 1 1 中安    左犠飛    四球    右飛   
7 (左) 今村健(鹿児島中央) 1 0 0    遊ゴ            
  打 松永(大分上野丘) 1 0 0          二飛            
  左 渡邉涼(広陵) 1 0 0                四球 三振
8 (投) 長江(帯広緑陽) 4 1 0       三振 中飛 三振       右安
9 (二) 森井(佐久長聖) 3 2 0       左安    中三    四球    投ゴ
計 30 7 3                           

名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責
○長江(帯広緑陽) 4 2 0 9 163 6 8 7 2
1 市岡(情コミ1=龍谷大平安) 3 喜多(法2=広陵) 8 内山(商2=静岡)
17 長江(文2=帯広緑陽) 4 森(政経2=明大中野) 9 今村健(政経2=鹿児島中央)
19 金光(営1=大分上野丘) 5 北本(文2=二松学舎大付) 27 大内(商2=明大中野)
23 髙野(商2=春日部共栄) 6 清水頌(政経2=春日部共栄) 28 松永(営2=大分上野丘)
31 大竹(営1=明大中野) 13 森井(農2=佐久長聖) 33 北村(営2=鎌倉学園)
2 赤木(文2=育英) 14 荒井航(政経2=明大明治) 37 和田(商2=常総学院)
22 今井(国際2=豊川) 15 公家(政経1=横浜) 39 渡邉涼(商1=広陵)
32 橋本(総合2=佼成学園) 16 前田(法2=明大明治)
38 山神(営2=岡山白陵) 26 藤原(文1=遊学館)
早 立 慶 明 法 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝率
早大 — ○ ○ ● ○ ○ 5 4 1 0 .800
立大 ● — ● ○ ○ ○ 5 3 2 0 .600
慶大 ● ○ — △ ● ○ 5 2 2 1 .500
明大 ○ ● △ — ○ ● 5 2 2 1 .500
法大 ● ● ○ ● — ○ 5 2 3 0 .400
東大 ● ● ● ○ ● — 5 1 4 0 .200

試合後のコメント
フレッシュリーグ通算2本塁打と大活躍の北本

「昨日の負けから切り替えて、今日終わりよければすべてよしと思っていたので、全員で勝ちに向かって同じ気持ちになれたのがよかったかなと思います。(長江投手が中1日で完投勝利)もう本当に長江が頑張ってくれて、頼りになるピッチャーです。『ありがとう』の言葉しか思いつかないくらい、いい投球でした。あれだけ気迫を見せて頑張ってくれて『俺に頼ってくれ』というのを試合中から言ってくれていたので代えるということは思い浮かばなかったです。試合が終わった瞬間は抱きしめたくなるくらいにありがとう~という感じでした(笑)。(5回に本塁打)本当に1点が取りたい中で犠牲フライでもよくて、初球から積極的に外野に飛ばしていこうという気持ちが最高のかたちになったと思います。打ったのはスライダーです。慶應の時は打った瞬間に入ったと思ったんですけど、今日のは入ってくれ入ってくれという感じでした。もともとホームランを打つバッターではないですし、つなぎつなぎの意識がこういうかたちになったので、そこはこれからも自分の変わらない野球を続けていきたいです。(5試合戦って)始まりが引き分け負けと続いて、チーム状況はあまり良くなかったです。そこから全員に勝ちたいという気持ちが出て、声もよく出て、チームのためにと思ってくれている人が多くなったので最終的に勝ち試合が出たと思います。(主将になられた経緯は)学年でミーティングをやる時は自分が仕切ってやったりとか、練習の中でも声を出して引っ張ってきたとかでキャプテンに指名してもらいました。みんなもそれに納得して付いてきてくれたので、頼れるキャプテンという感じではないんですけど、みんなに助けてもらいました。もう本当に感謝の気持ちでいっぱいです。(チーム全体で下級生の活躍が必要)色んな選手がリーグ戦に出てきてくれたほうがいいですし、神宮で5試合も経験できたことを次はリーグ戦に生かさないといけないです。本当にこの5試合は良い経験になりました。(今後に向けて)この5試合を通して自分自身の課題も見えたので、ここから夏の辛いシーズンが始まりますが日々成長することを目標に練習に励んでいきたいなと思います」

フレッシュリーグ戦中エース的存在として2勝に貢献した長江
「(フレッシュリーグの振り返り)いろいろあったんですけど、勝ったり負けたりする中でつながりだったり、みんなに助けてられたりという場面がほとんどだったので、良い経験になりました。(中1日、昨日もブルペンで疲れはあったか)多少はありました。(何回行くと言われていたか)最初から全部投げろと言われていました。(ペース配分)最初から全力で投げました。(序盤のボール先行)コントロールミスです。(最後は変化球が増えたが)キャッチャーのサインのとおりに投げました。意図してというわけではなく、バッターと状況を見てという感じですね。(雨の影響)精神的には大丈夫だったんですけど、マウンドと合わせるのが難しいところがあったので、これ以降こういう場面があったら修正するようにしていきたいです。(見つかった課題)無駄球が多かったり、決め球の精度ですね。(今後に向けて)フレッシュリーグで周りにたくさん支えられてい野球ができていることを実感して、助けられたので秋はチームの力になれるように、リーグ優勝と日本一の力になれるように頑張りたいと思います。(北本の働き)大きかったです。ホームランや大きな声で励ましてくれたり、北本がいたから今日もこういう試合になったと思いますし、うまく良いゲームになったと思います。ゲームを重ねるごとに北本を中心に結束が深まっていく感じがしました」

2安打を放った森井
「相手先発の榎(早大)が高校の同級生で、エース投手だったので、いつも以上に気合いを入れて打席に立ちました。(5回には三塁適時打)2ー3だったんですけど、四球狙いではなく打ちにいきました。打ったのはストレートです。良い方向に飛んでくれました。(最終戦を迎えるにあたって)1試合目の慶大戦で1本打ってからは、ずっと打てずにノーヒットが続いていたので、悔いなく試合を終われるようにと思っていました。(相手は全勝中の早大でしたが)キャプテンの北本がずっとリーダーシップをとってくれていて『笑っても泣いても今日が最後』と言っていたので、みんなで一つになって戦おうと気を引き締めました。(勝利が遠く、途中チームの雰囲気も悪くなっていました)自分たちの優勝は既になくて、相手の優勝はほぼ決まっているっていう状況で、ベンチのメンバーも含めて今日は全員で勝ちにいくってキャプテンの北本を筆頭に言っていたので、それで一つになれました。(長江が2試合で9回完投し、2勝)途中四球もあったんですけど、守っていても毎回後ろに声を掛けてくれて。粘りの投球をしてくれていたので、助かりました。(9回に降雨で一時試合中断)後は守るだけだったので、雨が強くなる中でも準備しながら『勝って終わろう』とみんなで話していました。(フレッシュリーグに出るにあたりポジションは)元々はショートもやっていたんですけど、最後はずっとセカンドを守っていました。同じポジションの人たちとはライバル心を持ってやってこれました。(今後に向けて)フレッシュリーグが終わって、チームはもう秋のリーグ戦に向けて動き出すので、オープン戦でも結果を残して、リーグ戦に出られるように頑張ります」

2試合連続で打点を挙げた和田
「もっと長江を楽に勝たせてあげたかったですけど、粘り強く勝てたのでよかったです。もっともっと点数を取りたかったで、そこは反省点ではあります。(先制となる犠飛)だんだん調子が上がってきたので秋に向けて練習していきたいと思います。(最終戦だった)相手は優勝が決まっていたので、絶対に負けてらんないという気持ちで試合に臨みました。チームの雰囲気も良くて、いい雰囲気の中で野球ができました。(5戦ほぼ同じメンバー)だんだんチーム力も上がって、最終的にいいチームになったと思います。フレッシュリーグは2年生中心となって引っ張っていくということをテーマにしてやってきて、結果的にそのような形になってよかったです。(個人としてはリーグ戦途中からベンチ外)個人としてリーグ戦は不甲斐ない結果が残ってしまったので、絶対フレッシュリーグでは取り返すという気持ちでやって、秋につなげられたかなと思います。自分は2ストライクに追い込まれてからのバッティングを課題としていたので、それがフレッシュリーグでは対応できたかなと思います。(意気込み)秋はリーグ戦の主軸として出られるように、夏鍛えて頑張ります」