柳が1安打13Kで完封勝利 慶大に先勝/東京六大学秋季リーグ戦

2016.09.25
 エース対決を制した。先発の柳裕也主将(政経4=横浜)は9回を投げて1安打13奪三振で完封。通算20勝目となる勝ち星を挙げた。打線は初回に牛島将太捕手(営4=門司学園)の左犠飛で先制点を挙げると、2回と5回に1点ずつ追加。昨季明大を苦しませた加藤拓(慶大)を攻略し、3-0で慶大に先勝した。

 気迫の投球でチームに勝ちをもたらした。先発の柳は緩急自在に直球と変化球を操り、8回までに出した走者は2人のみ。5回以外の7回を三者凡退に抑えていた。完封勝利を目の前にした9回、試合中盤から降り出した雨は次第に強まり、野手陣の姿が見えないほどの大雨に。先頭打者を死球で出塁させると、続けざまに四球を与え無死一、二塁。ここで試合は一時中止となった。嫌な空気のまま中断を迎えたが、エースの強さが見えた。待機中のベンチで「死ぬ気で投げるから、死ぬ気で守ってくれ」とチームメートたちに呼びかける。円陣を組み、気持ちを切らさないよう奮い立たせた。約30分の中断後、試合が再開すると2者連続三振を奪う圧巻の投球を披露。最後の打者を二ゴロに抑え、試合終了。9回を投げ抜き、1安打13奪三振の好投で「1年秋から目標にしていた」という通算20勝目を飾った。

 ここ一番で4番の役目を果たした。2-0で迎えた5回。2死二塁で打席には佐野恵太内野手(商4=広陵)。「変化球なら空振りでもいい」と初球を狙い、148㌔の直球を振り抜くと快音が鳴り響いた。打球は右翼手の頭上を越え、ダメ押しの3点目を挙げる適時打となった。前の2打席では徹底した変化球攻めに苦しみ無安打だった佐野恵。「割り切ってストレートを狙っていこう」とそれまでの反省を生かし、試合を決定づけた。
 少ない好機をものにした。昨季は加藤拓に対し2試合22イニングを1点に抑え込まれたが、この日は小刻みに得点を重ねることに成功。初回、安打と2つの四死球で1死満塁とすると、牛島将太捕手(営4=門司学園)の右犠飛で1点を先制。さらに2回には柳の中犠飛で追加点を挙げた。2回までに5安打と序盤から打線が機能したことで攻守にリズムが生まれた。先頭打者が出塁した回は全て得点。開幕カードの東大戦では2試合25残塁と拙攻が目立ったが、この日は打線がつながった。

 2カード連続の連勝で汚名返上だ。明日は勝負の2回戦。昨季は粘り強さで優勝を手にした明大だが、連勝したカードは一つもない。今季第1カードの東大戦では連勝したものの、2回戦は試合終盤までリードを許すなど内容は振るわなかった。2戦目の不安は未だ拭えていない。「明日勝つのが大事」(柳)。ここらで春との違いを見せつけたい。勢いそのままに勝ち点を奪取する。

[谷山美海]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (二) 宮崎(履正社) 3 2 0 .500 四球 右安       左安 遊ゴ         
  二 竹村(浦和学院) 0 0 0 —                          
2 (三) 渡辺(横浜) 3 2 0 .500 左安 左安       捕ギ    一ゴ      
3 (中) 逢澤(関西) 4 0 0 .091 一飛 中飛       三飛    三ゴ      
4 (一) 佐野恵(広陵) 3 2 1 .444 死球    三振    右安    遊安      
5 (捕) 牛島(門司学園) 3 0 1 .455 右犠飛    三ゴ    三振    三振   
6 (左) 川口(国学院久我山) 4 1 0 .462 三振    中安       左飛    一ゴ   
  左 加勢(札幌一) 0 0 0 1.000                           
7 (遊) 吉田大(佼成学園) 3 1 0 .545    右三    三振    四球    遊ゴ   
8 (右) 萩原(九州学院) 2 0 0 .125    三振    左飛    三ギ         
  打 河野(鳴門) 1 0 0 .375                      三振   
  右 吉武(福岡大大濠) 0 0 0 —                            
9 (投) 柳(横浜) 1 0 1 .000    中犠飛    二ゴ    四球         
   計 27 8 3 .384                           
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
○柳(横浜) 2 2 0 9 128 1 13 3 0 1.13
◆ベンチ入りメンバー◆
10 柳(政経4=横浜) 3 佐野恵(商4=広陵) 6 吉田大(国際4=佼成学園)
11 星(政経4=宇都宮工) 4 竹村(政経3=浦和学院) 7 加勢(理工4=札幌一)
1 齊藤(政経3=桐蔭学園) 5 中野(法3=桐光学園) 8 逢澤(文2=関西)
17 水野(農3=静岡) 14 宮崎(文3=履正社) 20 萩原(営4=九州学院)
29 伊勢(営1=九州学院) 15 渡辺(政経2=横浜) 24 河野(文3=鳴門)
2 牛島(営4=門司学園) 16 吉田有(商2=履正社) 28 東原(商3=天理)
22 西野(政経1=浦和学院) 25 川口(法4=国学院久我山) 39 佐野悠(商2=広陵)
32 中原(商3=佐賀商) 27 吉武(政経3=福岡大大濠)
35 中澤(国際3=高崎) 38 奥村(政経2=明大中野八王子)
明 立 慶 早 法 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第3週 9/24現在
明大 — ○       ○○ 3 3 0 0 1 1.000
立大    —       ○○    2 2 0 0 1 1.000
慶大 ●    —       ○○   3 2 1 0 1 .667
早大          — ●○○    3 2 1 0 1 .667
法大    ●●     ○●● —    5 1 4 0 0 .200
東大 ●●    ●●       — 4 0 4 0 0 .000

試合後のコメント
圧巻の投球で勝ち星をつかんだ柳

「最後は気合でした。(雨で中断)あそこで自分がはまっていきそうな雰囲気が出ていたので逆に中断して気持ちも切り替えられましたし、いい中断の時間だったかなと思います。(善波監督が念入りに見ていたが、再開後のマウンドは)監督の魂が入っていました(笑)。もう最後はとにかく気持ちの部分で負けないようにいきました。(中断時にチームメートには)死ぬ気で投げるから、死ぬ気で守ってくれと言いました。あそこで点が取られなかったのは良かったと思いますし、逆に点を取られるようだとチームを勝たせられないと思うので。今日はなかなかこういう経験もないので、自分にとってもすごく意味のある試合だったかなと思います。みんなで円陣を組んだりして、何とか自分を助けようという気持ちも伝わってきました。自分もそれに応えたいという気持ちで、今日はそういう試合だったと思います。(遅い真っ直ぐを投げていた)遅い真っ直ぐはチェンジアップじゃないので落ちないんですけど、落ちず迫ってくるような、タイミングをはずす感じで投げています。今日は一番真っ直ぐがコーナーに投げ分けられていたので、その分変化球が生きたかなと思います。(20勝)1年生の春秋が終わったときから20勝、300奪三振というのは自分の中で目標にしてやってきた部分なので、チームメートに助けてもらった勝ちもありますけど20勝を達成できたというのは素直にうれしいなと思います。(明日に向けて)いい勝ち方ができて、明日勝つのが大事なのでしっかりやっていきたいと思います」

初回に先制点となる犠飛をはなった牛島
「(柳の調子)ブルペンで受けた感じが良くて、今日はいけるかなという感じでした。直球が良かったです。(慶大打線)いいですけど柳が良かったので(犠飛の打席の前)チャンスで上位打線が回してくれたので、1点でも先制すれば楽になると思ったので思い切っていきました」

貴重な適時打を放ち4番の仕事を成し遂げた佐野恵
「(雨で一時中断)ベンチはいつでも再開して大丈夫っていう感じでした。みんな体を動かして、気持ちも切らさないようにしていました。(変化球中心で攻められて)変化球でくるだろうなとは思っていたんですけど、1打席目と2打席目は考えすぎて手が出なかったです。3打席目は割り切ってストレート狙っていこうと決めました。初球から『変化球だったら空振りでいいや』ってくらいの気持ちで打ちました。これからのリーグ戦も、こういう場面で打たなければならない試合が続くと思うので、いい場面で一本出して勝ちを手繰り寄せられればなと思います。連勝で勝ち点を取りたいと思います。(プロ志望届は)出すつもりです。詳しくは分からないですけど、まだ出す日程は決まっていないと思います。出すのは3人です」

打撃が好調な吉田大成内野手(国際4=佼成学園)
「(三塁打を打った感触)フォークを打ちました。あまり考えてなかったんですけど、うまく打てたなという感じです。(慶大への手応え)打倒加藤拓で、昨季は2試合で1点しか取れていないので、加藤拓倒して1戦目絶対取って2戦目迎えるというのが目標だったので、一つクリアですかね。(加藤拓と対戦して)本当にいいピッチャーで、真っすぐはやっぱり勢いがあるので、その球を狙いつつ他の球をどう打つかってのが加藤拓攻略の糸口なんですけど、結構思ったより変化球多くて、でもその変化球をうまく打てたことがポイントかなと思います。(雨で中断があったが明日に向けての調整は)あの中断の間も自分たちは準備して、柳が頑張って三者凡退にして、いい結果だったので、この勢いをちゃんと明日につなげて、2戦目で決めたいと思います。(慶大2回戦への意気込み)どんなピッチャーが来るかわからないですけど、挑戦者のつもりで一球一球大事にやっていきたいです」

今季初スタメンで存在感を見せた宮崎新(文3=履正社)
「慶大戦の初戦ということで絶対に落とせない試合だったので、試合前から気合いを入れて臨みました。打撃は好調というわけでもないですが、たまたまヒットになったって感じです。甘い球を逃さずにいけたのはよかったと思います。(夏の間に改善されたことなどはありますか)夏は学生コーチにノックを打ってもらって、ずっと守備練習をやっていました。春と比べてよくなっているとしたらそこだと思います。(後ろから見ていた柳さんの投球は)やっぱり柳さんが投げていると後ろで守っていても安心感があるんですけど、点を取らないと勝てないんで1点でも多く援護しようと思っていました。(次戦に向けての意気込み)春みたいに優勝するのが一番なんですけど、春は全チームに1敗したんで秋は負けないように。自分自身としては、良いところで打てるように頑張ります」