延長12回に一挙4得点 法大を下し準決勝へ/東京六大学春季新人戦

2016.05.31
 延長戦の果て、接戦を制した。先発の髙橋裕也投手(総合2=向上)が1、2回に2点を取られるも、6回表に安打と相手失策で3-2と勝ち越す。しかし7回裏、中山(法大)に痛恨の本塁打を浴び、試合は延長戦へ。両者とも勝ち越すことができないまま、迎えた12回。3番手・河野(法大)を捉えて一挙4得点を挙げた。最後は森下暢仁投手(政経1=大分商)が締め、9-5で試合終了。準決勝へと駒を進めた。

 諦めない気持ちが勝利を呼び寄せた。タイブレーク制により無死一、二塁から始まった12回表。新人戦の主将を務める吉田有輝内野手(商2=履正社)が巧みなバントで満塁に持ち込むと、打席には3番高瀬雄大内野手(営2=長崎西)。「とにかくバットに当てようと思った」(高瀬)。甘く入ったカーブを芯で捉えると打球は中前へ。鮮やかな適時打で勝ち越し、攻撃の口火を切った。4番佐野悠太外野手(商2=広陵)、5番内山竣外野手(商1=静岡)の連続適時打で、この回4得点。勝負どころで打線が火を吹き、試合を決定づけた。
 打者合計18人。総力戦で挑んだ今試合、ひときわ輝いたのは内山だった。6回に代打で公式戦初打席に立つと、初球を中前にはじき返した。快音はやむことなく10回表、12回表と2打席連続適時打を放ち、この日猛打賞。「先に和田(慎吾・商1=常総学院)がアピールしてたので、やってやるぞという気持ちだった」。既にリーグ戦出場も果たしている和田慎に闘志を燃やす。同学年の仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し合い、さらなる高みを目指す。

 投手陣の粘りが光った。1、2回に3安打で2点を先制され、早くも厳しい状況とされた先発の髙橋。しかし、持ち前の冷静さは崩さず、キレのある直球でその後を2安打に抑えて7回3失点。9回から登板した外尾和也投手(文2=佐賀西)は四球絡みで2点を失うも、勝ち越しは許さなかった。5-5で迎えた11回、マウンドを任されたのは森下暢。タイブレーク制のため、一本で形勢が変わる。かかる重圧は相当のものだが「絶対に負けられないと思いながら投げた」(森下暢)。直球、変化球ともに制球がさえわたり、相手打線にスキを与えなかった。12回表に打線の援護を受けると、最後は三振と併殺で激闘に終止符を打った。

 3時間を超える試合、両校合わせて22個の残塁。最高の新人戦スタートとはならなかった。しかし、新たな逸材が頭角を現し、今後への期待が持てる試合でもあった。準決勝の相手は立大。春季リーグ戦での1位と2位が再び相見える形となる。「明日も絶対きつい試合になると思う」(高瀬)と、また激戦が予想される。安易なリベンジで終わらせず、その次の目標に向けて確実に勝利をつかんでいく。

[三ツ橋和希]

打順 守備 名 前 打 安 点 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
◆明大打撃成績◆
1 (中) 稲見(日大三) 6 2 0 三振    左安    二安    二ゴ    三振    捕邪飛   
2 (遊) 吉田有(履正社) 5 0 0 左飛    一ゴ    投ゴ    三振    二ゴ    一犠
3 (二) 高瀬(長崎西) 6 3 1 中飛       三振    二ゴ 二安       投犠安    中安
4 (左) 佐野悠(広陵) 5 1 1    三振    右飛    四球 一ゴ       三振    左安
5 (右) 山本(愛工大名電) 2 0 0    右飛    一邪飛                        
  打右 内山(静岡) 4 3 1                中安    一ゴ    右安    右安
6 (一) 奥村(明大中野八王子) 2 0 0    死球       三振 一失                  
  打一 平塚(春日部共栄) 1 0 1                      三振    左犠飛      
  打一 平光(明治) 1 1 2                                  右安
7 (三) 添田(作新学院) 3 0 1    一ゴ       二ゴ 二ゴ               
  打三 村上貴(松山東) 2 0 0                      三振    中飛      
  打三 森下智(米子東) 1 0 0                                  左飛
8 (捕) 氷見(豊川) 3 1 0       投ゴ    左安 遊失                  
  打 越智(丹原) 1 0 0                         遊ゴ         
  投 外尾(佐賀西) 0 0 0                                    
  打 安部(湘南) 1 0 0                               投ゴ   
  投 森下暢(大分商) 1 0 0                                  一邪飛
9 (投) 髙橋(向上) 3 1 0       三振    中安 左飛                  
  投 金子(春日部共栄) 0 0 0                                 
  打 和田慎(常総学院) 0 0 0                         四球         
  走 石橋(盛岡四) 0 0 0                                    
  捕 小野(愛工大名電) 1 0 0                               右飛   
       48 12 7                                    
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責
◆明大投手成績◆
髙橋(向上) 1 0 0 7 104 5 6 1 3
金子(春日部共栄) 1 0 0 1 8 0 1 0 0
外尾(佐賀西) 1 0 0 2 38 0 1 3 0
◯森下暢(大分商) 1 1 0 2 9 0 2 0 0
◆ベンチ入りメンバー◆
17 髙橋(総合2=向上) 3 平塚(政経2=春日部共栄) 16 高瀬(営2=長崎西)
18 外尾(文2=佐賀西) 4 添田(法1=作新学院) 26 村上貴(法2=松山東)
19 金子(商2=春日部共栄) 5 石橋(政経2=盛岡四) 8 越智(営2=丹原)
21 中村(商2=仙台三) 6 吉田有(商2=履正社) 9 稲見(法2=日大三)
23 森下暢(政経1=大分商) 7 山本(文2=愛工大名電) 24 内山(商1=静岡)
29 伊勢(営1=九州学院) 13 平光(商2=明治) 27 佐野悠(商2=広陵)
2 氷見(政経2=豊川) 14 安部(政経2=湘南) 39 和田慎(商1=常総学院)
22 小野(文2=愛工大名電) 15 森下智(文2=米子東)
32 橋本(総合1=佼成学園) 34 奥村(政経2=明大中野八王子)

試合後のコメント
延長12回で勝ち越し適時打を打った高瀬

「きつい試合だったんですけど、明治の粘りを見せられたかなと思います。前半はチームとして内容が全然良くなくて、後半に入るにかけてしっかりみんなで話し合って修正していけたことが良かったと思います。(どんな話を)みんなが引っ張りにいっているので、しっかりボールを待って逆方向に打とうという感じでした。(12回に勝ち越し打)とにかくバットに当てようと思ってツーストライクに追い込まれていたので食らい付いていこうと思いました。(打ったのは)カーブです。しっかり待てて芯で打てたので良かったです。(アピールしていきたいところは)やっぱりバッティングで、初球から積極的に思いきっていくところを見てもらえればと思います。(リーグ戦では法大2回戦からベンチ入り)リーグ戦の雰囲気を味わったことでこの新人戦では余裕持ってしっかりプレーができているし、レベルの差を実感できたので頑張ろうという気持ちになっています。明日も絶対きつい試合になると思うので、しっかり粘って最後まで勝てるように頑張りたいです」

新人戦主将としてチームを引っ張る吉田有
「打ってやろう打ってやろうと力が入ってしまって、全然ダメでした。自分では気楽にいこうって思っているんですけど、兄弟優勝をしたいのでそのプレッシャーを感じています。(新人戦主将になった経緯は)新人戦の練習をしたときに学生コーチの監督に決めていただきました。意識してないつもりでも、力が入っていますね。(チームは逆転勝ち)みんな最後まで諦めずに戦ってくれたので、自分は何も今日できなかったですけど、みんなのおかげで勝てました。ショートとしてもそうなんですけど、今回はキャプテンなので、キャプテンとしての声を周りに掛けています。チームの雰囲気はいいです」

猛打賞の活躍を見せた内山
「最初のヒットは森脇投手の真っ直ぐを捉えました。センター前ヒットを打ってから、気分的に楽になって3安打打てました。(初の神宮の舞台だったが)特に意識することなく、普段通りやれたと思います。先に和田慎吾がアピールしてたので、やってやるぞという気持ちでした。新人戦で結果を出して監督にアピールしていきたいです。明日もチャンスが貰えたら結果を出したいと思います」

抑えとして最後を締めた森下暢
「(初勝利)バッター陣が援護してくれて最後こういう形に終わってよかったです。(11回の1失点も許されない場面)自分が点を取られたら試合が終わるんだっていう気持ちで、絶対に負けられないなって思いながら投げました。(一死2、3塁の場面でランナーが走ってきたのは見えたか)見えました。走ったのでスクイズだなって思ってボール投げた瞬間に前に出たんですけど、相手のミスだったんで。(スクイズのあと一球外そうというのは)インコースを要求されてたんで、思いっきり投げました。(最後の球は)スライダーです。(味方が援護してくれて)気持ちは楽になったんですけど、自分のピッチングをしていこうと思いました。(経験をして成長を感じることなど)大事な場面でボールは気をつけないといけないって。先輩たちを見て、こういうときはどう凌いだらいいかとか気持ちを出していかないといけないっていう場面を見てきたので自分もそういうことを意識しました」