今季4度目の2桁得点 打撃戦を制し早大から勝ち点奪う/東京六大学春季リーグ戦

2016.05.16
 「全員野球」を見せつけて、勝ち点をつかみ取った。明大は初回から打線が機能すると4点の先制に成功。6回に5-5の同点に追い付かれるも、その裏に東原匡志外野手(商3=天理)が勝ち越しの適時打を放ち再び点差を引き離した。先発の星知弥投手(政経4=宇都宮工)は5回3失点の内容で試合をつくり、その後は継投リレーで逃げ切って最終スコアは11―5。打撃戦を制した明大が、勝ち点4で再び単独首位に浮上した。第7週に行われる立大戦で勝ち点を取ったほうが優勝となる。

 オレンジ色のバットが、球場の人工芝に鮮やかに映える。15安打11得点の猛攻を見せた打線、中でも存在感を示したのがルーキーの和田慎吾外野手(商1=常総学院)だった。この日、初のベンチ入りを果たすと「6番・右翼」で即スタメン出場。初回から2死満塁の好機を迎えると187cmの大きな体格はゆっくりと打席に向かった。先発・竹内(早大)が投じた2球目、外角寄りの直球を強振。「まさかあそこまで飛ぶとは」(和田慎)と打球は中堅手の頭を越える走者一掃の先制適時打となった。口火を切る一打を放った後も勢いは止まらず、3回には中安打、6回には左安打と初のリーグ戦で3安打の大活躍。これには「今日は和田を褒めてあげたい」と柳裕也主将(政経4=横浜)も太鼓判を押した。風格すら漂うルーキーが、チームの勝利に大きく貢献した。
 「つなぐ野球」を体現した。5-5の同点で迎えた6回、無死一、三塁の好機で打席には2番東原。「何でもいいからランナーを返してチームに貢献しよう」と2球目のスライダーに食らい付き、しぶとく右前へと運んだ。三塁走者が生還すると、これが決勝点。さらにこの回には相手の失策も絡み4点、7回にも2点をダメ押した。この日は竹村春樹内野手(政経3=浦和学院)、逢澤崚介外野手(文2=関西)、和田慎の3人が猛打賞の活躍を見せ、今季4度目となる2桁得点を決めた。しっかりと好機をものにできた打線、立大戦に向けてこれ以上にない弾みをつけた。

 必死の継投リレーで勝利をたぐり寄せた。東大2回戦以来の先発となった星が満を持してマウンドへと上がる。前回は初回に失点を許していただけに「今回は立ち上がりをしっかり抑えようという気持ちで」と立ち上がりからキレのある直球を走らせた。3回には中澤(早大)から右前適時打、4回には無死一、三塁の場面から内野ゴロの間に失点するも、要所を締めて後続へバトンを渡した。6回から登板した齊藤大将投手(政経3=桐蔭学園)が2点を取られ同点とされるも、その後は川口貴都投手(法4=国学院久我山)、森下暢仁投手(政経1=大分商)のリレーで逃げ切った。星は5回4安打3失点でしっかりと試合をつくる内容にも「ピッチャー有利でバッターに対峙できるようにというのが来週までの課題」と満足はしない。3回戦へともつれ込んだ戦いにも、エース柳を温存できた磐石の投手陣。その中心にいる背番号「11」の存在は限りなく大きい。

 優勝決定戦へ、舞台は整った。優勝の行方は第7週の明立戦、勝ち点を取ったほうが王者の栄冠を手にできる。「一球一球の重み、責任がもちろん大きくなる。それを超えていけるだけの自信と、そういった中でやるだけの力をつけるためにどうするのか」(柳)。チームの勝利のため、選手一人一人ができることをすれば、それだけ勝利は大きく近づいてくるはずだ。悲願の完全優勝に向けて、勝負の1週間を過ごす。

★復調気配 竹村が猛打賞の活躍★
 壁を打ち砕いた。「1番・二塁」でスタメン出場した竹村が3安打1打点の活躍。7回には無死二塁から高校の1年後輩である小島(早大)の変化球を引っ張り、打球は一塁手を強襲する右前適時二塁打となった。守っては4回、一・二塁間を抜けようとする打球に2回連続で飛びついて難なく処理。持ち前の球際の強さを光らせた。開幕戦から、ここまで思うような結果を残せずに苦しんでいた竹村。「結果を出そうという気持ちが慌てすぎて、空回りしていた」。途中出場の日も続き、好機で代打を送られては悔しがる場面も多く見られた。「チームのために自分は何ができるのか」。ようやく見えてきた本調子、試合後は安堵の表情を見せていた。「決定戦に向けて万全に備えたい」と語気を強めた背番号4。迎える立大戦、攻守の要が欠かせないピースとなる。

[土屋あいり]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (二) 竹村(浦和学院) 4 3 1 .214 中安 投ギ 二飛       左安 右二      
  二 渋谷(安田学園) 0 0 0 —                           
2 (左) 東原(天理) 2 2 1 .280 三ギ 四球    左二    右安         
  打 平塚(春日部共栄) 0 0 0 —                   四球      
  走左 加勢(札幌一) 0 0 0 .176                           
3 (一) 佐野恵(広陵) 4 0 0 .306 一ゴ 二ゴ    一ゴ    投ギ 一ゴ      
4 (捕) 牛島(門司学園) 2 1 2 .341 四球 左安    死球    一失 左犠飛       
  投 川口(国学院久我山) 0 0 0 —                           
  中 坂田(倉敷商) 0 0 0 .167                           
5 (三) 富岡(日大三) 2 0 0 .154 四球    投ゴ 三ゴ    四球         
  走右 佐藤(白樺学園) 1 0 0 .286                   三邪飛      
6 (右) 和田慎(常総学院) 4 3 3 .750 中二    中安    遊ゴ 左安         
  三 渡辺(横浜) 1 0 0 .278                      遊ゴ   
7 (中) 逢澤(関西) 4 3 2 .277 右二    中安    捕邪飛 左犠飛    左安   
  投 森下暢(大分商) 0 0 0 —                           
8 (遊) 高瀬(長崎西) 1 0 0 .000 遊飛    死球                  
  打 奥村(明大中野八王子) 1 0 0 .000             中飛            
  投 齊藤(桐蔭学園) 1 0 0 .333                一ゴ         
  捕 中道(智辯学園) 1 0 0 .500                      三振   
9 (投) 星(宇都宮工) 2 1 0 .286    三安 三振                  
  遊 吉田大(佼成学園) 3 2 0 .318                左安 左二 中飛   
    計 33 15 9 .261                           
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
星(宇都宮工) 7 1 0 5 88 4 3 2 3 2.14
○齊藤(桐蔭学園) 6 1 2 2 34 3 4 1 2 3.18
川口(国学院久我山) 4 0 0 1 10 1 1 0 0 3.38
森下暢(大分商) 2 0 0 1 15 0 0 1 0 3.00

◆ベンチ入りメンバー◆
10 柳(政経4=横浜) 3 佐野恵(商4=広陵) 6 吉田大(国際4=佼成学園)
11 星(政経4=宇都宮工) 4 竹村(政経3=浦和学院) 7 加勢(理工4=札幌一)
18 川口(法4=国学院久我山) 5 富岡(商4=日大三) 8 坂田(文4=倉敷商)
1 齊藤(政経3=桐蔭学園) 14 河野(文3=鳴門) 9 佐藤(文4=白樺学園)
19 髙橋(総合2=向上) 15 渡辺(政経2=横浜) 37 逢澤(文2=関西)
23 森下暢(政経1=大分商) 16 高瀬(営2=長崎西) 38 東原(商3=天理)
2 牛島(営4=門司学園) 26 渋谷(法3=安田学園) 39 和田慎(商1=常総学院)
20 中道(商4=智辯学園) 23 平塚(政経2=春日部共栄)
22 氷見(政経2=豊川) 34 奥村(政経2=明大中野八王子)
明 立 慶 法 早 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第6週 5/16現在
明大 —   △○●○ ○●○ ○●○ ○●○ 13 8 4 1 4 .667
立大   — ○○ ○●● ○○ ●○○ 10 7 3 0 3 .700
慶大 △●○● ●● — ○○    ○○ 10 5 4 1 2 .556
法大 ●○● ●○○ ●● — ●○○    11 5 6 0 2 .455
早大 ●○● ●●    ○●● — ○○ 10 4 6 0 1 .400
東大 ●○● ○●● ●● ●● — 10 2 8 0 0 .200

試合後のコメント
チームをまとめる柳

「昨日だらしない試合をした分、今日は初回から点を取れていい流れで入っていけたので良かったと思うんですけど、中盤、しーんとなる部分があったので最初の勢いを持続できればもっと良くなると思います。(昨日の敗戦から)特別何を変えるとかではなくて、明日は絶対にやり返してやろうという気持ちを強く持って練習しました。今日は絶対勝ち点を取るという気持ちがみんな強く出ていました。逆に昨日これぐらいしっかりやらなくちゃいけなかったんですけど、今日は一人一人気持ちを出していけたかなと思います。一年生の和田があれだけの活躍をしてくれた。初回に打ってくれて勢いに乗れたので、今日は和田を褒めてあげたいです。(下級生も活躍)みんなが4年生の姿を見て、自分たちも頑張ろうとなってくれればいい伝統にもなるし、チームも強くなるのでいい流れかなと思います。この1週間、土曜日までの間、優勝決定戦になるので一球一球の重みというか責任がもちろん大きくなると思うんですけど、じゃあそれを超えていけるだけの自信と、そういった中でやるだけの力をつけるためにどうするのか。野球はもちろんですけど私生活だったり学校生活を含めしっかり準備をしていくのが大事かなと思います」

先発で5回3失点の星
「(前回先発した東大戦では)初回、立ち上がりに点を取られたので今回は立ち上がりをしっかり抑えようという気持ちで試合に入りました。2回以降もあまり変わらず、いつも通り投げました。今日は先頭バッターを5回中4回くらい出していたと思うので、次回は先頭バッターをしっかり押さえてチームに流れを持ってこれるようにがんばりたいです。ボール先行でもそのあと打ち取れてはいるので、ピッチャー有利のカウントをつくって、ピッチャー有利でバッターに対峙できるようにというのは来週までの課題になるかなと思います。自分のピッチングとしてはあまりいい内容ではなくて不甲斐ない結果なんですけど、野手のみんなが点取ってくれたのでそこは感謝の気持ちです。去年の秋も優勝目前にして負けているので、気持ちしっかり入れてやりたいと思います」

猛打賞で打線を引っ張った竹村
「最初にあれだけ大量点を取って、中盤に追い付かれてしまったことにはスキが見えてしまったのかなと思ったんですけど、最後あのような形で点を取り返せて良かったかなと思います。全体的に点を取られてから慌てるというような感じだったので、そこはまだまだかなと思います。(試合前の柳さんの声かけ)みんなでベンチにいる人も試合に出る人もひとつになって、声のかけ方とかをしっかりしていこうという話でした。(自身は3安打)今まで全然当たっていなかったので、監督にアドバイスもいただいたりしていてそれを意識したらいい結果が出ました。(7回のタイムリー)あの場面はノーアウト2塁だったので、自分の中では引っ張ってワンアウト3塁でつなげようという気持ちだったので、結果的にはヒットになって良かったかなと思います。(今季ここまで)自分の中で結果を出そうという気持ちが慌てすぎて、空回りしていた部分はありました。チームのために自分は何ができるのかを考えてやっています。(現状は)守備もある程度は守れていますし、打撃もこのまま修正して来週の決定戦に向けて万全に備えたいと思います。守備だったらピンチの場面でも確実にアウトにするだとか、バッティングもその状況に合わしたものをできるように、実戦を意識して練習していきたいです。(来週)チームが一丸となって、練習量は負けていないと思うのでそこらへんは自信を持って、思いっきり戦っていきたいです」

6回に勝ち越しの適時打を放った東原
「とにかく食らいついて、犠牲フライでも何でもいいからランナーを返してチームに貢献しようと考えていました。打ったのはスライダーです。先輩方に色々バッティングを見てもらって、こうなってるぞと言ってもらっていることを意識して打席に入っている結果が、ヒットにつながっているかなと思います。調子はいいです。しっかりボールを見れているので。(相手投手との兼ね合いを見ながらの起用)選んでもらっている以上、責任感を持ってプレーするということを大事にしています。来週勝たないと意味がないので、個人がどうこうじゃなしに、チームで束になって立教に勝ちたいと思います」

初回の適時打を含む3安打の活躍を見せた逢澤
「今まで消極的になる打席が多かったので、今日は積極的に打ちにいこうかなという気持ちで、甘いボールを逃さずに打てたことがいい結果につながったんじゃないかなと思います。(昨日スタメン外れ)やっぱり、悔しさっていうのが一番にあったのかなと思います。それまで全試合でスタメンだったので、そこで外されたということは自分を見つめ直すきっかけになりました。自分の長所を生かすためにはどうするかって、昨日1日考えたのでそれを今日の試合で出せたので良かったです。(今日のスタメンを知ったとき)監督の期待に応えたいと一番に思いました。(優勝かかる立大戦)チームの勝利に貢献する一本を打ちたいです」

リーグ戦初出場、初安打、初打点を記録した和田慎
「(初出場)がむしゃらに食らいつくイメージで打席に入ってました。(いきなり1打席目でチャンスで回ってきたが)回ってきたからには自分で(ランナーを)返そうという気持ちで打席に立ちました。(打ったのは)外角低めのストレートです。(打った時の感触からして)まさかあそこまで飛ぶとは思いませんでした。(スタメンを告げられたのは)今日の朝です。出るからには次の立教戦につなげるようないい試合にしたいと思いました。(緊張は)あまりしなかった。思い切りやってやろうという気持ちでした。(監督からは)お前なりに思い切り振って来いと言われました。(最初の1本で)気持ちはだいぶ楽になりました。(ベンチ入りを言われたのは)昨日の夜です。(ユニホームを着てみて)やっとこれから始まるんだという気持ちでした。(春のアメリカ遠征では)外国の方と対戦させていただいて、(自分の)レベルが大学生と違ったので、帰ってきて(バットを)振り込むようにしました。(アメリカ遠征では)打てなかったです。球が速く、スイングスピードがまだまだだったので。この機会を大事にしていきたいと思いました。(高校時代はホームランを)10本くらい打ってました。ちゃんと試合に出たのはセンバツからです。そこからホームランを打つようになりました。(大学4年間で)チームの主軸としてバッティングもそうですけど守備でも走塁でも貢献できるようにしたいです。(立教戦に向けて)1試合1試合しっかりと全力で最後まで諦めず、評価されているバッティングで貢献したいです」