柳2打点&11K完投 法大に先勝/東京六大学春季リーグ戦

2016.05.07
 頼れる男がまた決めた! 先発の柳裕也主将(政経4=横浜)が9回を投げ切り、11奪三振1失点。打席に立てば、7回に中犠飛を放って先制点を挙げた。8回には大西千(法大)と小林(法大)に連打を許し追いつかれるも、9回に熊谷(法大)の暴投の間に勝ち越しに成功。さらに柳の中前適時打で1点を追加。3-1で法大に先勝した。

 青空の広がる神宮球場に、応援曲「神風」と大観衆の手拍子が交錯する。「10」を背負った柳が打席に向かった。0-0で迎えた7回1死一、三塁。柳が玉熊(法大)の変化球に反応すると、打球は放物線を描いて中堅手の定位置へ。タッチアップには十分の飛距離だ。三塁走者が余裕を持って本塁を踏み、貴重な先制点を挙げた。さらに9回、暴投の間に勝ち越した直後の1死二、三塁。またもやこの男が決めた。「マウンドを守り切るためには、バッティングもおろそかにしない」(柳)。横浜高時代には甲子園で本塁打を放ったこともある。何より、勝ちへの執着は人一倍強い。熊谷が投じた138㌔の直球を捉えると、低い弾道の打球は中前に飛び三塁走者が生還。気持ちの一振りで、この日2打点目となる適時打を放ち3-1とした。本職の投球でも9回11奪三振1失点の好投。ショートバウンドするほど落差が大きいカーブを決め球に、速いスライダーと逃げるチェンジアップを織り交ぜた。法大打線に徹底して低めの球を見極められたが、カーブで目線を浮かせたことで、終盤は低めの球でも空を切らせることができた。慶大1、3回戦では1失点に抑えながらも勝利を逃していた。ようやく打線の援護を受け、リーグトップタイの3勝目を手繰り寄せた。

 内野手の好プレーが、度重なる危機を救った。先制点を取った直後の7回裏、先頭の森川(法大)が二塁打で出塁。ここで、吉田大成内野手(国際4=佼成学園)と牛島将太捕手(営4=門司学園)が勝負に出る。試合前に「二塁ランナーがいる時のバントで、ランナーが結構出るから『無理でもいいから投げてみろ、刺せるよ』と」。吉田大の提案に牛島が乗った。思惑通り、第2リードを大きく取った走者に牛島がどんぴしゃりの牽制球。審判のアウトコールとともに、吉田大にガッツポーズが飛び出した。なおも四球と安打で一、二塁とされたが、フェンスぎりぎりに落ちるファウルフライを渡辺佳明内野手(政経2=横浜)がスライディングキャッチ。8回にも無死1塁からの盗塁を牛島の好送球で防ぎ、ピンチを乗り越えた。「これが自分たちの野球」(佐野恵)。守備からリズムをつくり、9回の攻撃につなげた。

 3つ目の勝ち点こそ、連勝で奪いたい。明日の先発は水野匡貴投手(農3=静岡)が濃厚だ。水野はここまで2試合18回を投げ、無失点。脅威の防御率0.00をマークしている。慶大1回戦で重圧のかかる同点のマウンドを、延長含めて4回を守り切った齋藤大将投手(政経3=桐蔭学園)も好調のようだ。盤石の投手陣で法大打線を封じ込み、血の明法戦を制して再び単独首位に躍り出る。

[星川裕也]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
◆明大打撃成績◆
1 (中) 逢澤(関西) 5 1 0 .265 遊飛    左2    一ゴ       三振 三振
2 (左) 荒木(愛工大名電) 2 0 0 .222 一ゴ    死球       一ゴ         
  打 中道(智弁学園) 1 0 0 .500                      三振   
  左右 坂田(倉敷商) 0 0 0 .250                           
3 (二) 竹村(浦和学院) 4 1 0 .154 右二    三振       二ゴ    遊飛   
4 (一) 佐野恵(広陵) 4 1 0 .379 一ゴ       投ゴ    左飛       中二
5 (捕) 牛島(門司学園) 3 1 0 .231    三振    三ゴ       中安    投ギ
6 (右) 佐藤(白樺学園) 2 0 0 .308    三振    三振               
  打右 加勢(札幌一) 0 0 0 .300                   投ギ      
  打 宮崎(履正社) 0 0 0 .667                         四球
  走 生山(明大中野八王子) 0 0 0 .000                           
  左 東原(天理) 0 0 0 .273                           
7 (遊) 吉田大(佼成学園) 3 2 0 .259    三振       二安    右安    四球
8 (投) 柳(横浜) 3 2 2 .286       左安    三振    中犠飛    中安
9 (三) 渡辺(横浜) 3 0 0 .333       三併    中飛    三振      
  打 太田(広陵) 1 0 0 .250                         三振
  三 荒井海(前橋育英) 0 0 0 .—                           
    計 31 8 2 .269                           

名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
○柳(横浜) 5 3 1 9 139 7 11 3 1 0.66
◆ベンチ入りメンバー◆
10 柳(政経4=横浜) 3 佐野恵(商4=広陵) 6 吉田大(国際4=佼成学園)
11 星(政経4=宇都宮工) 4 竹村(政経3=浦和学院) 7 加勢(理工4=札幌一)
18 川口(法4=国学院久我山) 5 富岡(商4=日大三) 8 坂田(文4=倉敷商)
1 齊藤(政経3=桐蔭学園) 13 小林恵(農4=遊学館) 9 佐藤(文4=白樺学園)
17 水野(農3=静岡) 15 渡辺(政経2=横浜) 35 太田(商3=広陵)
19 森下暢(政経1=大分商) 16 生山(営3=明大中野八王子) 37 逢澤(文2=関西)
2 牛島(営4=門司学園) 24 荒木(文4=愛工大名電) 38 東原(商3=天理)
20 中道(商4=智辯学園) 26 荒井海(商3=前橋育英)
22 氷見(政経2=豊川) 34 宮崎(文3=履正社)
明 慶 法 立 早 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第5週 5/7現在
明大 — △○●○ ○      ○●○ 8 5 2 1 2 .714
慶大 △●○● — ○○       ○○ 8 5 2 1 2 .714
法大 ● ●● — ●○○ ●○○    9 4 5 0 2 .444
立大       ○●● — ○○ ● 6 3 3 0 1 .500
早大       ○●● ●● — ○○ 7 3 4 0 1 .429
東大 ●○● ●●    ○ ●● — 8 2 6 0 0 .250

試合後のコメント
2打点&11K完投勝利を挙げた柳

「投げるほうは調子は良くなかったですけど、結構法政も低めの変化球に徹底して見送ってきたイメージがあるので苦しいピッチングが続きましたが、粘れてよかったなと思います。低めばっかり投げていると、目が低めについてくると思うので、カーブだったり自分の持ち味だったり目線を浮かせたりてことでカーブが決まりだしてからは低めの変化も振ってくれるようになった。中盤くらいから。(バッティング練習は)結構やっています。好きっていうかピッチャーが打てばもちろんデカいし、やっぱりマウンドで六大学打順があるのでマウンドを降りないためには、やっぱり打っていかないと、すぐ代打ということになってしまうので、監督もそういう風になると思うのでしっかりマウンドを守りきるためにも、バッティングのほうもおろそかにしないで、ということです。(意識が変わったのは)秋ぐらいからしっかり、ピッチャーが打つと流れが変わると思うので、逆にピッチャーに打たれると、相手も勢いづいてくると思うので、そういうところを秋から感じだして、しっかり打つようにしました。(高校時代の打順は)下位です。7,8,9くらいです。ホームランは甲子園で打ちました。一本だけ打ちました。公式戦と練習試合を含めて、通算一本です。まぐれですけど。(普通のピッチャーのバッティング練習に加えて)いや、監督やコーチだったりそういう人に積極的にアドバイスを聞きに行ったりして、バッティングに対しての自分のこだわりだとかはあまりないので、いろんな指導をとにかくしてもらっています。(九回表のセンターへのバッティングは)方向までは意識してないですが、なんとか勝ちたいという思いがしっかりああいう結果になったと思います。(追いつかれた後は)勝ち越されないことが大事なので、0点に抑えればよかったんですが、そこは切り替えてなんとか粘ろうという気持ちがありました。(牛島とのコンビは)結構自分の投げたい球もポンポン出てきますし、しっかり試合までの研究だったりそういうのもちゃんとしたビデオを見たり、そういう姿を見ているので、すごい信頼はあります。(2点のリードがあったが)九回は絶対三人で抑えてやろうと思っていました。一戦一戦戦うのがまず大事だと思うので、優勝が目標ですけど、まずは一戦一戦戦わないと、そんなに甘くはないと思うのでしっかり目の前の試合に集中していきたいです。(途中セットにしていたのは)やっぱり調子が悪かったというか、自分の中でしっかり感覚もあまり良くないまま、なんとか粘るという形の投球が続いたのでセットにしてみたり、いいきっかけを、と思っていろいろ試しました。(終盤多少球が浮いたのは)今日の調子が物語っているんじゃないかなと思います。(去年の秋もあって法政に対する意識は)チームとして秋やられた分をこのカードしっかり取り返すというか、法政には絶対リベンジするという気持ちでチームとしてやっているので、そういう気持ちが出たのかなと思います。責任があるので簡単に試合を壊してという訳にはいかないので、悪い時にじゃあどう抑えるか大事だと思うので、そういう意味では良かったのかなと思います」

勝ち越しの本塁を踏んだ佐野恵
「苦しい状況が続いていたので、なんとか塁に出て点を取れたら柳を助けられるなと思って、打席に入りました。チェンジアップですかね。(今まで1回戦のエース対決に苦戦)今日も苦しい場面を続かせてしまったんですけど、なんとか柳で勝てて、これが自分たちの野球なので、良かったかなと思います。(打率リーグ首位)それを意識しすぎてしまうと結果がついてこないと思うので、勝利につながる一本を出せればいいなと。それで結果的にいい打率だったりいい結果が残ればいいかなと思います。去年法政に勝てていないので、2連勝してこれから優勝に向かってリズムをつくりたいです」

2安打を放った吉田大
「(同点に追いつかれた直後の)9回で決めようと、柳に最近勝ちがついていなかったので、とにかく9回に1点でいいので取って柳に勝ちをつけようという気持ちで臨みました。(打席に入る前善波監督に)お前はバントはできないからどんどん打っていけと、余裕があるんだったらバントで揺さぶってけと言われました。ランナーには何て言ってたかわからないですけど、僕にはそういう感じで思い切っていけと。初球僕が早めに(バントを)構えたらピッチャーがすごく警戒したので、ここはフォアボール取れるなと。ツーボールノーストライクからはもう狙いにいったんですけどそれもボールだったんで、フォアボールいけるなとい思いました。(7回の牛島のプレー)あのプレーは、ランナー二塁の時のバントで、ランナーが結構出るからすぐ投げてみろと、刺せるよという話をちょうどしていてそれがすぐ出たプレーだったので本当良かったです。自分がこの前の慶應戦か何かの時にバントで二塁ランナーのとき無理でもいいからすぐ投げてみろという話をしたら本当に叶いました。(自身の打撃は)タイミングを変えました。足上げちゃうとブレが生じてしまうので、足を引きずるよう変えました。この前の秋は1戦目とって2戦目やられていて、もう1戦目取ったのでここから秋のリベンジをするだけです」

巧みな配球で柳の好投を引き出した牛島
「柳がまだ慶應の打線に打たれてなかったんですけど、法政打線が今好調で、順調に入った球でもいつもより打撃が良かったので。(今日はフォークボールが全然落ちてなかったような気がしましたが)今日はほとんど投げてないです。ショーバンしていたのはカーブです。落ちていた速い球はスライダーです。(左バッターの外に逃げていくような球は)チェンジアップです。(今日受けていてどの球が一番良かったか)前半は柳が打たれて、調子良くなくてどうしようって話していたんですけど、後半はどの球もカウントをとれて心配ないなって。柳が頑張っていたのでなんとか助けてあげないとなって。(セカンド送球は)たぶん2秒ぐらいです。(意気込みは)誠志郎さんが今まで正捕手をやっていてその穴を埋めないといけないんですけど、誠志郎さんが育ってきたときと同じくらい今は守備のレベルも良いと思うので頑張っていきます」

リーグ戦初のベンチ入りをした森下暢仁投手(政経1=大分商)
「自分がやってやるぞという気持ちでした。出番が来たら自分の役割を果たそうと思っていました。柳さんがバントを失敗した後だったので、『ピッチング頑張ってください』と声を掛けました。柳さんはバッティングでも守備でも自分のやるべきことをしっかりやっていました。出番があったらしっかりと結果を残したいです」