柳力投も実らず 法大に敗れ自力V逃す/東京六大学秋季リーグ戦

2015.10.26
 自力優勝は叶わなかった。勝てば優勝が決まった法大3回戦。先発の齊藤大将投手(政経2=桐蔭学園)が2回に押し出し四球で先制を許すも、5回に宮崎新内野手(文2=履正社)の左犠飛で同点に追い付く。その後は1―1で膠着状態が続き延長戦に突入したが13回、好投を続けていた柳裕也投手(政経3=横浜)がスクイズで1点を献上すると、そのまま1―2で敗戦。王手からの連敗で完全優勝は消滅し、秋3連覇の行方は早慶戦の結果に委ねることとなった。

 13回に及ぶ死闘もあっさりと幕切れた。13回表の法大の攻撃。1死三塁のピンチを招き、清水二(法大)への3球目、スクイズを試みた打球は明大バッテリー間に落ちる小フライになった。三塁走者の畔上(法大)が生還し、補球した坂本誠志郎主将(文4=履正社)はやむなく一塁へ送球。柳は両ひざに手をつき、がっくりとうなだれた。わずか7球で1失点し、その裏の攻撃も9球で三者凡退に終わり試合終了。目前にあった優勝があっという間に遠ざかった。

 今季1番の力投も、結果に結びつかなかった。「調子というより気持ちで投げた」。4回から2番手で登板した柳は、10イニング13奪三振1失点。154球の熱投だった。9回には三者連続三振を奪うなど、気迫の投球で法大打線を0に封じ続け打線の援護を待ったが、13回に力尽きた。「チームが勝つまで粘れなかった。いいピッチングより勝つピッチングをしたかった」(柳)と試合後には涙を流した。勝利に結びつかなかったものの、善波達也監督は「柳は素晴らしかった。彼の責任ではない」と好投した右腕をねぎらった。

 1点の重圧を破れなかった。0―1で迎えた5回。先頭の坂本が二塁打で出塁すると、送りバントで1死三塁とし代打・宮崎の左犠飛で同点に追い付いた。しかし、試合を通じて得点はこの1点のみ。6回や12回にも先頭打者が出塁したが、いずれも次打者が併殺。「一塁からの攻めがうまくいかなかった」(善波監督)。夏からチームをあげて取り組んだ走者を一塁に置いた“好機を広げる打撃”を大一番で発揮できず、三塁到達も得点シーンの1度だけとなった。「みんな俺が決めるという気持ちが強すぎた」(菅野剛士外野手・法4=東海大相模)。前日に続きまたしても打線のつながりを欠いた。

 まだ終わったわけではない。この敗戦で、優勝の行方は早慶戦の結果待ちとなった。慶大が2勝1敗で勝ち点を挙げれば明大が優勝。慶大が連勝すれば、明慶で優勝決定戦となる。昨秋も早慶戦の結果によって優勝が決まっており、今季もそうなる可能性は十分にある。「下を向いていちゃいけない。次に向けていい準備をしていく」と坂本。気持ちを切らさず、最後の可能性に懸ける。

★菅野、二塁打の歴代最多記録更新★
 最多安打記録を塗り替えた髙山俊外野手(文4=日大三)に続き、菅野も新たな記録を打ち立てた。2回に迎えた第1打席、玉熊(法大)の直球を右中間に運び通算28本目の二塁打に。慶大3回戦で歴代最多タイに並び、最後の最後でその記録を破った。「最終戦ということもあって二塁打も打ってやろうと思って臨んだ」と狙い通りの1本だった。

[尾藤泰平]

打順 守備 名 前 打 安 点 率 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
◆明大打撃成績◆
1 (三) 渡辺(横浜) 2 0 0 .172 左飛    投ゴ                             
  打 宮崎(履正社) 0 0 1 .000             左犠飛                        
  三 石井(履正社) 2 0 0 .273                   一ゴ       遊ゴ         
  打 青野(広島国泰寺) 1 0 0 .214                                     中飛
2 (中)左 小倉(関西) 6 1 0 .294 遊ゴ    左安    中飛       二ゴ       左飛    三ゴ
3 (二) 竹村(浦和学院) 5 1 0 .300 中飛    二ゴ       四球    中直       右安    二ゴ
4 (右) 菅野(東海大相模) 5 1 0 .250    右二    左飛    遊併    三振        投ギ      
5 (一) 佐野恵(広陵)  4 1 0 .277    左飛    四球    右二       遊ゴ    二ゴ      
6 (左) 上西(明大中野八王子) 3 0 0 .250   中飛    遊飛    三振                     
  左 加勢(札幌一) 1 0 0 .000                      遊ゴ            
  打 牛島(門司学園) 1 1 0 1.000                                  左安   
  走中 坂田(倉崎商) 0 0 0 —                                       
7 (遊) 吉田大(佼成学園) 5 0 0 .200    二ゴ    三振       投ゴ    遊飛       二併   
8 (捕) 坂本(履正社) 4 2 0 .225       三振    右二    四球       遊ゴ    中安   
9 (投) 齊藤(桐蔭学園) 0 0 0 —                                       
  打 山下(佼成学園) 1 1 0 .500       中安                              
  投 柳(横浜) 2 0 0 .250            投ギ    捕ギ    三振    三ゴ   
    計 42 8 1 .249                                       
名 前 試 勝 敗 回 球数 安 振 球 責 率
◆明大投手成績◆
齊藤(桐蔭学園) 8 1 0 3 70 5 4 2 1 3.38
●柳(横浜) 8 5 2 10 154 7 13 1 1 1.95
◆ベンチ入りメンバー◆
10 坂本(文4=履正社) 9 上西(営4=明大中野八王子) 20 西村(農4=智辯学園)
11 上原(商4=広陵) 2 髙橋亮(政経4=前橋育英) 26 吉田有(商1=履正社)
17 柳(政経3=横浜) 3 山下(政経4=佼成学園) 27 佐野恵(商3=広陵)
18 星(政経3=宇都宮工) 5 青野(商4=広島国泰寺) 28 坂田(文3=倉敷商)
19 齊藤(政経2=桐蔭学園) 12 牛島(営3=門司学園) 34 宮崎(文2=履正社)
29 水野(農2=静岡) 14 吉田大(国際3=佼成学園) 37 東原(商2=天理)
31 金子(商1=春日部共栄) 15 渡辺(政経1=横浜) 38 加勢(理工3=札幌一)
7 菅野(法4=東海大相模) 16 竹村(政経2=浦和学院)
8 小倉(文4=関西) 35 石井(営4=履正社)
明 早 慶 立 法 東 試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第7週 10/26現在
明大 — ○○ ●○○ ●○○ ○●● ○○ 13 9 4 0 4 .692
早大 ●● —    ○○ ○○ ○○ 8 6 2 0 3 .750
慶大 ○●●    — ○●○ ○●○ ○○ 11 7 4 0 3 .636
立大 ○●● ●● ●○● — ●○○ ○○ 13 6 7 0 2 .462
法大 ●○○ ●● ●○● ○●● — ●○○ 14 6 8 0 2 .429
東大 ●● ●● ●● ●● ○●● — 11 1 10 0 0 .091

試合後のコメント
善波監督

「このチームで勝つことができず、私の責任です。齊藤はきちっと投げていましたし、柳もすばらしかった。彼らの責任ではないです。(打はあと一本)勝たせられなかった私の責任です。一塁からの攻めがうまくいかなかったです。勝たないと。シーズン通して勝つためにやっているので」

2安打と気を吐いた坂本
「悔しいです。齊藤も柳も粘っていたので何とかしたかったです。キャプテンとして勝てる方向に持っていけなかったことが悔しいし情けないです。(スクイズの場面)正直もう一回外そうと思っていました。そこの迷いや意思の弱さ、先頭に立つものがそこで迷っては結果はこうなります。打はもっと早く形にしていれば。(ベンチの高山のユニフォームについて)一番あいつに申し訳ないです。まだ終わったわけではないですし、下を向いていちゃいけないです。次に向けていい準備をしていきます」

六大学二塁打記録を更新した菅野
「悔しいの一言です。それと応援にかけつけてくれた人やいろいろ手伝ってくれた下級生に申し訳ない気持ちもあります。一番近くにあった優勝が一番遠い優勝になってしまいました。これに勝てば優勝ということを試合前からみんなで口にしていたけど、勝ち切れなかったのは何かあと1個足りなかったんだと思います。自分の記録が出て、気持ち的にも上がっていった試合だったんですけど、みんな冷静さを欠いて同じような打ち損じが続いていたので、自分がもっと声を掛けたり、姿を見せていれば少しは変わっていたのかなと思います。とにかく後ろにつなぐというのが自分たちのスタンスなんですけど、自分もちょっと俺が決めるという気持ちが強すぎました。その1点が負けになってしまったのかなと思います。あとは他力本願ですけど、慶應とのプレーオフも残っていますし、監督からここまで1年間同じミスが続いていたという話があったので、短期間ですけど修正していきたいです。(二塁打)今日が最終戦ということもあって二塁打も打ってやろうと思って試合に臨みました。それが結果にリンクするなと思っていたので今日は狙っていました。。長い歴史の中で名前が刻まれることはうれしいです。うれしいですけどやっぱりひとつ心残りです。勝っていたら本当に喜べたと思うんですけど、素直には喜べないです。(髙山は)ケガをしてからはあいつも自分たちに託す形で手伝いをしてくれた。今日はあいつのバットを使って打ったんですけど、それを勝ちにつなげられなかったのは申し訳ないです。記録も高山のバットです。自分から借りました」

10イニングを投げ1失点と力投した柳
「調子は悪くなかったです。調子というより今日は強い気持ちで投げました。最後チームが勝つまで粘れなくて、結局負けてしまったので。いいピッチングをするより勝つピッチングをしたかったです。疲れというよりは気持ちで相手に絶対負けないつもりでした。(三振は)狙ってないですけど、一球一球腕を振って投げていった結果だと思います。(スクイズ)ランナーが走って、バッターが構えたのも分かった。外すこともできたと思うので、自分の実力が、技術が足りなかったです。やっぱりああいうところで冷静にならなければいけない。全然防げた1点だと思うので反省したいです。(難しい飛球だったが)譲り合いました。防げたと思うので、しっかり練習したいと思います。(何が足りなかったか)今回も1戦目と3戦目に投げさせてもらって、チームの中心として投げさせていただいている中で、やっぱりこういう試合で勝たないと投げさせてもらってる期待に応えられないと思う。こういう試合で最後まで粘れるピッチャーになっていかないといけないかなと思います。まだ少ないですけど優勝の可能性はあると思うので、しっかりいい準備をして早慶戦を待ちたいと思います。今日は1番勝たないといけない試合で、ずっと忘れないと思います」

先発し3回1失点の齊藤
「ただ悔しい。それだけです。(先発を告げられたのは)昨日の夜です。今日感じたこととかを、次に繰り返さないということです。次の試合までにしっかり練習をしていきたいと思います」

最後の打者となった竹村春樹内野手(政経2=浦和学院)
「自分がチームのためにやるべきことができなかったというのが本当に悔しいです。ピッチャーが頑張っている中、野手が機能できませんでした。延長戦まで粘れたというのも柳さんの気合というか、やっぱりそういうものがあって、でもチャンスをものにできなかったという面で粘り負けをしたんじゃないかなと思います。まだ優勝が終わったわけではないので、それを待つ中でもしチャンスがあるならそこでぶつけていきたいです」

一時同点となる左犠飛を放った宮崎
「優勝を決められなかった。本当に悔しい。(5回の左犠飛)ただ打つしかないという気持ちでした。何も考えずにバットを振りました。無心でした。自分たちにもっと気持ちがあればと思います」